JP4207398B2 - カーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法、並びに、カーボンナノチューブ構造体の配線およびそれを用いたカーボンナノチューブデバイス - Google Patents
カーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法、並びに、カーボンナノチューブ構造体の配線およびそれを用いたカーボンナノチューブデバイス Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブを含むデバイスや機能材料、およびその他構造材料などに利用可能なカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法、並びに、カーボンナノチューブ構造体の配線およびそれを用いたカーボンナノチューブデバイスに関する。
本発明は、広範なカーボンナノチューブの応用に展開可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
繊維状のカーボンを一般的にカーボンファイバーと呼んでいるが、直径数μm以上の太さの構造材料として用いられるカーボンファイバーは、従来から何種類もの製法が研究されて来ている。その中で現在ではPAN(ポリアクリロニトリル)系やピッチ系の原料から作製する製法が主流を占めている。
【0003】
この製法の概略は、PAN繊維や等方性ピッチ、メソフェーズピッチから紡糸した原料を不融化、耐炎化し800〜1400℃で炭素化し、そして1500〜3000℃で高温処理する方法である。こうして得られたカーボンファイバーは強度や弾性率等の機械的特性に優れ、かつ軽量なのでスポーツ用品や断熱材、航空宇宙関連や自動車関連の構造材等に複合材料としても利用されている。
【0004】
これとは別に、近年発見されたカーボンナノチューブは直径1μm以下の太さのチューブ状材料であり、理想的なものとしては炭素6角網目の面がチューブの軸に平行になって管を形成し、さらにこの管が多重になることもある。このカーボンナノチューブは炭素でできた6角網目の繋り方や、チューブの太さにより金属的あるいは半導体的な性質を示すことが理論的に予想され、将来の機能材料として期待されている。
【0005】
カーボンナノチューブの合成には、アーク放電法を利用するのが一般的になっているが、この他、レーザー蒸発法や熱分解法、プラズマ利用等が近年研究されてきている。ここで近年開発されたカーボンナノチューブについて概説する。
【0006】
(カーボンナノチューブ)
直径がカーボンファイバーよりも細い1μm以下の材料は、通称カーボンナノチューブと呼ばれ、カーボンファイバーとは区別されているが、特に明確な境界はない。狭義には、炭素の6角網目の面が軸とほぼ平行である材料をカーボンナノチユーブと呼び、カーボンナノチューブの周囲にアモルファス的なカーボンが存在する場合もカーボンナノチューブに含めている(なお、本発明においてカーボンナノチューブとは、この狭義の解釈が適用される。)。
【0007】
一般的に狭義のカーボンナノチューブは、さらに分類され、6角網目のチューブが1枚の構造のものはシングルウォールナノチューブ(以下、「SWNT」と略称する)と呼ばれ、一方、多層の6角網目のチューブから構成されているものはマルチウォールナノチューブ(以下、「MWNT」と略称する)と呼ばれている。どのような構造のカーボンナノチューブが得られるかは、合成方法や条件によってある程度決定されるが、同一構造のカーボンナノチューブのみを生成することは未だにできていない。
【0008】
カーボンファイバーは径が大きく、軸に平行で円筒状の網目構造が発達しない。触媒を利用した気相熱分解法では、チューブの中心付近に軸に平行でかつチューブ状の網目構造があるが、その周囲に乱れた構造の炭素が多く付着している場合が多い。
【0009】
(カーボンナノチューブの応用)
次にカーボンナノチューブの応用についての従来技術を説明する。
現時点では、カーボンナノチューブの応用製品は出ていないが、応用化へ向けた研究活動は活発である。その中で代表的な例を以下に簡単に説明する。
【0010】
(1)電子源
カーボンナノチューブは先端が先鋭で、且つ電気伝導性があるため電子源としての研究例が多い。W.A.deHeerらは、“Science”(Vol.270,1995,p1179)で、アーク放電法で得られたカーボンナノチューブを精製しフイルターを通して基板上に立て電子源としている。この報告では電子源はカーボンナノチューブの集団となっているが、1cm2の面積から700Vの電圧の印加により100mA以上の放出電流が安定して得られたと示されている。
【0011】
また、A.G.Rinzlerらは、“Science”(Vol.269,1995,p1550)にて、アーク放電法で得られたカーボンナノチューブの1本を電極に取り付けて特性を評価したところ、約75Vの電圧印加により先端の閉じたカーボンナノチューブからは約1nA、先端の開いたカーボンナノチューブからは約0.5μAの放出電流が得られたと示されている。
【0012】
(2)STM、AFM
H.Daiらは、“Nature”(384,1996,p.147)においてカーボンナノチューブのSTM、AFMへの応用について報告している。ここで用いられているカーボンナノチューブは、アーク放電法で作製されたもので、先端部分は直径約5nmのSWNTになっている。チップ(tip)が細く、しなやかであるため、試料の隙間部分の底でも観察でき、先端のチップクラッシュ(tip crash)のない理想的なチップ(tip)が得られるといわれている。
【0013】
(3)水素貯蔵材料
A.C.Dillonらは、SWNTを用いることにより、ピッチ系の原料から生成したカーボンと比較して数倍の水素分子が貯蔵できることを“Nature”(Vol.386,1997,p.377〜379)に報告している。まだ応用への検討が始まったばかりではあるが、将来的には水素自動車等の水素貯蔵材料として期待されている。
【0014】
上記のカーボンナノチューブの製法として、現在は主に3種類用いられている。具体的には、カーボンファイバーを製造するための気相成長法と類似の方法(触媒を用いる熱分解法)、アーク放電法、およびレーザー蒸発法である。またこの上記3種類以外にもプラズマ合成法や固相反応法が知られている。
【0015】
ここでは代表的な3種類について以下に簡単に説明する。
(1)触媒を用いる熱分解法
この方法は、カーボンファイバーを製造するための気相成長法とほぼ同じである。このような製法の詳細は、C.E.SNYDERらによるInternational PatentのWO89/07163(International Publication Number)に記載されている。反応容器の中にエチレンやプロパンを水素と共に導入し、同時に金属超微粒子を導入するが、原料ガスはこれ以外にもメタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素やエチレン、プロピレン、ベンゼン、トルエン等の不飽和炭化水素、アセトン、メタノール、一酸化炭素等の酸素を含む原料でもかまわないと示されている。
【0016】
また、原料ガスと水素の比は1:20〜20:1が良好であり、触媒はFeや、FeとMo、Cr、Ce、Mnの混合物が推奨されており、それをヒュームド(fumed)アルミナ上に付着させておく方法も提唱されている。反応容器は550〜850℃の範囲で、ガスの流量は1インチ径当り水素が100sccm、炭素を含む原料ガスを200sccm程度に調節することが好ましく、微粒子を導入して30分〜1時間程度でカーボンナノチューブが成長する。
【0017】
こうして得られるカーボンナノチューブの形状は、直径が3.5〜75nm程度であり、長さは直径の5〜1000倍に達する。炭素の網目構造はチューブの軸に平行になり、チューブ外側の熱分解カーボンの付着は少ない。
【0018】
また生成効率はよくないものの、Moを触媒核にし、一酸化炭素ガスを原料ガスにして1200℃で反応させるとSWNTが生成されることが、H.Dai(“Chemical Physics Letters”260,1996,p.471〜475)らによって報告されている。
【0019】
(2)アーク放電法
アーク放電法は、Iijimaにより最初に見出され、詳細は、Nature(Vol.354,1991,p56〜58)に記載されている。アーク放電法とは、アルゴン約13300Pa(100Torr)の雰囲気中で炭素棒電極を用いて直流アーク放電を行うという単純な方法である。カーボンナノチューブは負電極の表面の一部分に5〜20nmの炭素微粒子と共に成長する。このカーボンナノチューブは直径4〜30nmで長さ約1〜50μmのチューブ状の炭素の網目が重なった層状構造であり、その炭素の網目構造は、軸に平行に螺旋状に形成されている。
【0020】
螺旋のピッチは、チューブごと、またチューブ内の層ごとに異なっており、多層チューブの場合の層間距離は0.34nmとグラファイトの層間距離にほぼ一致する。チューブの先端は、やはりカーボンのネットワークで閉じられている。
【0021】
またT.W.Ebbesenらはアーク放電法でカーボンナノチューブを大量に生成する条件を“Nature”(Vol.358,1992,p220〜222)に記載している。具体的な条件としては、陰極に直径9mm、陽極に直径6mmの炭素棒を用い、チャンバー中で1mm離して対向するように設置し、ヘリウム約66500Pa(500Torr)の雰囲気中で約18V、100Aのアーク放電を発生させる。
【0022】
66500Pa(500Torr)よりも圧力が低いとカーボンナノチューブの割合は少なく、66500Pa(500Torr)より圧力が高くても全体の生成量は減少する。最適条件の66500Pa(500Torr)では生成物中のカーボンナノチューブの割合は75%に達する。投入電力を変化させたり、雰囲気をアルゴンにしてもカーボンナノチューブの収集率は低下する。なお、カーボンナノチューブは、生成したカーボンロッドの中心付近に多く存在する。
【0023】
(3)レーザー蒸発法
レーザー蒸発法はT.Guoらにより、“Chemical PhysicsLetters”(243,1995,p.49〜54)に報告されて、さらにA.Thessらが、“Science”(vol.273,1996,p.483〜487)にレーザー蒸発法によるロープ状SWNTの生成を報告している。この方法の概略は以下のとおりである。
【0024】
まず、石英管中にCoやNiを分散させたカーボンロッドを設置し、石英管中にArを66500Pa(500Torr)満たした後、全体を1200℃程度に加熱する。そして石英管の上流側の端からNdYAGレーザーを集光してカーボンロッドを加熱蒸発させる。そうすると石英管の下流側にカーボンナノチューブが堆積する。この方法はSWNTを選択的に作製する方法としては有望であり、また、SWNTが集まってローブ状になり易い等の特徴がある。
【0025】
上記、従来技術のカーボンナノチューブの構成や製法では、得られるカーボンナノチューブは太さも方向もかなりランダムなものであり、また成長直後ではカーボンナノチューブに電極は接合されていない。すなわちカーボンナノチューブは利用に際して、合成後に回収して精製し、さらに利用する形態に合わせて特定の形状に形成しなければならない。
【0026】
例えば、カーボンナノチューブを電気回路に利用しようとする場合には、カーボンナノチューブが非常に微細であるためにハンドリングが困難であり、集積回路(IC)のような高密度配線を作製する手法は未だ提案されておらず、Nature vol.397、1999、p.673〜675に示されているように、微細電極をあらかじめ作製し、その位置にカーボンナノチューブが配置してできる単一構造の微細素子を評価するのみであった。また、カーボンナノチューブは非常に高価であり、ロスの無いように効率的に電子回路内部に組み込ませたい。
これらハンドリングの困難さ、および高価であることの問題は、具体的なデバイス化に大きな障害となっている。
【0027】
その1つの打開策として、従来の電子回路デバイスとは異なる生物の脳に類似させた電気信号処理を考えることができる。カーボンナノチューブはこれまでの電気配線とは異なり、非常に細く、指向性も高いため、脳内のニューロンのような多重配線を実現し、従来の計算処理とは異なる非ノイマン型の処理機構を具現化できる可能性がある。しかしながら、これまでにカーボンナノチューブの組織構造体による信号伝達、信号処理に関する報告は無い。
【0028】
カーボンナノチューブの組織構造体を形成する手法として、カーボンナノチューブを分散媒中によく分散させてカーボンナノチューブの分散液を調製し、該分散液を平面基板に滴下して乾燥させると、カーボンナノチューブの薄膜を作製できることが予想される。また、これまでにも前記分散液を滴下することにより、非常に少量のカーボンナノチューブの塊を偶発的に平面基板の表面に残すことは実施されていたが、それはカーボンナノチューブに特有の処理法ではなく、容易に想像しうる範囲の微量残留物の扱いであった。
【0029】
微粒子の自己組織化として知られるように、微小物体が分散媒に分散した分散液からの分散媒の乾燥に伴って、微小物体が細密充填した薄膜を形成することができる。しかしながらその場合、分散液中においては、凝集力を除き、微小物体が相互に束縛されること無く自由に振舞う。このため、分散媒の乾燥時に細密充填される際の微小物体相互の接触は、微小物体相互の凝集力のみに支配され、微小物体の凝集体が分離して生成していく。したがって、細密充填したドメインは、複数に分離した島状の組織となりやすい。
【0030】
微小物体として導電性の粒子を用いた場合、これを網目状に分布させることができれば、少ない量で基板全面を導電化することができるが、既述のように単に微小物体の分散液から分散媒を乾燥させるのみでは、安定な島状構造となりやすく、それらは離散した状態となるため、平面基板を導電化処理するためには、ほぼ全面を被覆する量の導電性の粒子を用いなければならなかった。
【0031】
以上の微小物体の分散液の問題は、微小物体としてカーボンナノチューブを用いた場合も基本的に同様である。すなわち、単なるカーボンナノチューブの分散液を平面基板に滴下して乾燥させることで得られるカーボンナノチューブの塊は、通常、複数に分離した島状の組織となり、個々のドメイン間で独立した状態となってしまうため、電気的または磁気的な接続状態が分断され、カーボンナノチューブ構造体として有用なネットワーク形状を得ることができなかった。したがって、単に平面基板の全面を導電化処理するのみであっても、ほぼ全面を被覆し得るだけの多量のカーボンナノチューブを要し、カーボンナノチューブの使用量が大幅にアップしてしまい、カーボンナノチューブを用いるメリットが見出せない。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、カーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態を含むネットワークが、所望の面積・体積に形成されたカーボンナノチューブ構造体の配線、並びに、それが容易に得られ、カーボンナノチューブの使用量が少ないカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法を提供することにある。また、本発明は、そのように有用なカーボンナノチューブ構造体の配線を用いたカーボンナノチューブデバイスを提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、カーボンナノチューブの分散液におけるカーボンナノチューブの濃度と、前記分散液の特性と、得られるカーボンナノチューブ構造体の構造との関係を調べることで、本発明に想到した。
【0034】
すなわち、本発明は、
<1> 低粘度の分散媒にカーボンナノチューブを分散させた高粘度分散液を、カーボンナノチューブ構造体により構成される配線に応じたパターニングに従って設けられた複数の凸部により形成された経路構造を有する平面基板上に供給し、前記複数の凸部を前記カーボンナノチューブにより電気的または磁気的に接合するとともに、カーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態を含むネットワークを形成させることにより、前記経路構造に沿って前記カーボンナノチューブ構造体の前記配線を形成することを特徴とするカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法である。
【0035】
<2> 前記高粘度分散液に、さらに他の物体を分散させておくことを特徴とする<1>に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法である。
【0036】
<3> 前記凸部を、平面基板上に粒子状の金属を配置して形成することを特徴とする<1>又は<2>に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法である。
【0037】
<4> 前記高粘度分散液におけるカーボンナノチューブの濃度を調整することによって、製造されるカーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの数量を制御することを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法である。
【0038】
<5> 低粘度の分散媒にカーボンナノチューブを分散させた高粘度分散液を、カーボンナノチューブ構造体により構成された配線に応じたパターニングに従って設けられた複数の凸部により形成された経路構造を有する平面基板上に供給することで形成され、前記複数の凸部が前記カーボンナノチューブにより電気的または磁気的に接合されるとともに、カーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態を含むネットワークが形成されることにより、前記経路構造に沿って前記カーボンナノチューブ構造体の前記配線が形成されたことを特徴とするカーボンナノチューブ構造体の配線である。
【0039】
<6> 前記高粘度分散液に、さらに他の物体を分散させておき、前記ネットワーク中に前記他の物体が分散配置されてなることを特徴とする<5>に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線である。
【0040】
<7> 前記凸部が、平面基板上に粒子状の金属が配置されてなることを特徴とする<5>又は<6>に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線である。
【0041】
<8> 前記ネットワーク中のカーボンナノチューブの少なくとも一部が、相互に物理的に接触していることを特徴とする<5>〜<7>のいずれか1に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線である。
【0042】
<9> <5>〜<8>のいずれか1に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線を含むことを特徴とするカーボンナノチューブデバイスである。
【0043】
<10> <5>〜<8>のいずれか1に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線を含むカーボンナノチューブ構造体層が、2層以上積層されてなることを特徴とするカーボンナノチューブデバイスである。
【0044】
<11> 前記カーボンナノチューブ構造体層相互間の少なくとも1の間に、機能層が介在してなることを特徴とする<10>に記載のカーボンナノチューブデバイスである。
【0045】
<12> 前記機能層が機能性物体を含み、当該機能層を介して対向する前記カーボンナノチューブ構造体層の双方に含まれるカーボンナノチューブの一部同士が、前記機能性物体を介して電気的または磁気的に接続されてなることを特徴とする<11>に記載のカーボンナノチューブデバイスである。
【0046】
<13> 前記カーボンナノチューブ構造体の少なくとも一部が、導電性配線として機能することを特徴とする<9>〜<12>のいずれか1に記載のカーボンナノチューブデバイスである。
【0047】
<14> 前記カーボンナノチューブ構造体の少なくとも一部が、平面電極として機能することを特徴とする<9>〜<13>のいずれか1に記載のカーボンナノチューブデバイスである。
【0048】
<15> 前記カーボンナノチューブ構造体の少なくとも一部が、デバイス回路として機能することを特徴とする<9>〜<14>のいずれか1に記載のカーボンナノチューブデバイスである。
【0062】
以上の本発明は、カーボンナノチューブを分散させた高粘度分散液と接触した部分のほぼ全面にわたってカーボンナノチューブを配置させることができることを初めて確認し、さらにそれをデバイス部位として機能させ得ることを初めて提案するものである。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
<本発明の作用機構>
まず、本発明の作用機構について説明する。
一般に、微小物体が分散媒に分散した分散液においては、分散状態を維持しつつ微小物体の濃度を上げて行くと、その濃度に比例して分散液の粘度が上昇する。微小物体としてカーボンナノチューブを用いた場合も基本的に同様であり、図1の区間Aの領域における実線のグラフ▲1▼に示されるように、カーボンナノチューブ濃度の上昇に伴い、比例的に分散液の粘度が上昇する。なお、図1は、カーボンナノチューブの分散液におけるカーボンナノチューブ濃度と分散液の粘度との関係を表すグラフである。
【0064】
しかし、本発明者らは、カーボンナノチューブの分散液においては、カーボンナノチューブ濃度をさらに上昇させると、ある臨界点を境に粘度上昇の度合いが大きくなることを見出した。すなわち、図1のグラフ▲1▼における臨界点Xを境に、カーボンナノチューブ濃度−分散液粘度直線の勾配が、その前後で変化し、区間Aの領域に比べ区間Bの領域では急峻となる。
【0065】
この現象は、以下のように説明される。
カーボンナノチューブ濃度の低い区間Aの領域では、一般の微小物体の分散液と同様、カーボンナノチューブは相互に束縛されること無く自由に振舞う。そのため、カーボンナノチューブ同士が凝集する作用は起こるものの、基本的にカーボンナノチューブの存在比率に応じて分散液の粘度が比例的に上昇する。
【0066】
しかし、カーボンナノチューブは細長いチューブ状の微小物体であり、カーボンナノチューブ濃度をさらに上昇させて行くと、カーボンナノチューブの存在確率が上昇し、カーボンナノチューブ相互間の間隙が小さくなり、カーボンナノチューブないしその凝集体相互間を橋渡し(架橋)するカーボンナノチューブの存在が出てくる。
【0067】
この架橋状態が始まると、分散液の粘度はカーボンナノチューブの存在比率のみに支配されるものではなくなり、架橋の度合いに応じて急激に粘度が上昇する。すなわち、この架橋状態が始まる濃度が、図1のグラフ▲1▼における臨界点Xであり、架橋状態が進行している分散液の状態が区間Bの領域である。
【0068】
このようにカーボンナノチューブの濃度を上昇させて行くと、当該分散液中でカーボンナノチューブないしその凝集体相互間にカーボンナノチューブの橋渡しが存在する、いわゆるネットワークが形成される。
区間Aの領域では、既述のカーボンナノチューブ同士が凝集する作用により、分散液は不安定な状態であり、十分な攪拌を施さないとカーボンナノチューブは凝集し沈殿してしまう。ところが、区間Bの領域では、カーボンナノチューブないしその凝集体相互間にカーボンナノチューブの架橋が存在し、かかる架橋に寄与するカーボンナノチューブが分散剤の役割を果たすため、分散液が安定化し、攪拌が少なくても、さらには攪拌無しでもカーボンナノチューブが沈殿することなく、カーボンナノチューブのネットワーク形状が保持される。
【0069】
このネットワーク形状は、極めて強固であり、分散媒を除去しても、密度の向上は生じるものの相互の繋がりの状態は保持される。逆に、分散媒を添加して分散液中のカーボンナノチューブ濃度を低下させても、密度の低下は生じるものの相互の繋がりの状態は保持される。図1の一点鎖線のグラフ▲2▼は、カーボンナノチューブ濃度をYまで上昇させた後、分散媒を添加して再度カーボンナノチューブ濃度をZまで落とした時の、カーボンナノチューブ濃度−分散液粘度直線であり、区間Bの領域を経ない同濃度Zの分散液に対して、記号Dで示される分だけ高い粘度を示す。このように、一旦区間Bの領域に達し、カーボンナノチューブのネットワーク形状が形成された分散液は、その後カーボンナノチューブ濃度を低下させても前記ネットワーク形状は保持され、密度低下による粘度の低下は見られるものの、架橋状態に由来する高い粘度を示す。
【0070】
なお、図1のグラフ▲1▼は、分散されたカーボンナノチューブの太さ・長さが均一であるモデル的なカーボンナノチューブ分散液を想定した場合のものであり、カーボンナノチューブの太さ・長さにばらつきがある場合には、図1の点線のグラフ▲3▼のような軌跡を描き、明確な臨界点を見出すことは困難である。ただし、同様の傾向が見られ、カーボンナノチューブ濃度−分散液粘度曲線の傾きが、区間Aの領域に比べ区間Bの領域では急峻となる。すなわち、区間Bの領域における分散液中には、カーボンナノチューブないしその凝集体相互間にカーボンナノチューブの橋渡しが存在する、いわゆるネットワークが形成されている。
【0071】
本発明は、以上のようにして得られた、ネットワークが形成されている分散液を用い、カーボンナノチューブのネットワークが形成されたカーボンナノチューブ構造体により構成された配線を製造することを特徴とするものである。
すなわち、本発明は、低粘度の分散媒にカーボンナノチューブを分散させた高粘度分散液を、カーボンナノチューブ構造体により構成された配線に応じたパターニングに従って設けられた複数の凸部により形成された経路構造を有する平面基板上に供給し、前記複数の凸部を前記カーボンナノチューブにより電気的または磁気的に接合するとともに、カーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態を含むネットワークを形成させることにより、前記経路構造に沿って前記カーボンナノチューブ構造体の前記配線を形成することを特徴とするカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法、並びに、前記ネットワークからなることを特徴とするカーボンナノチューブ構造体の配線およびそれを用いたカーボンナノチューブデバイスである。
【0072】
ここで「高粘度分散液」とは、図1のグラフ▲1▼および▲3▼の区間Bの領域における分散液、または、当該分散液に対して分散媒を添加したり、分散媒をある程度除去したりして、カーボンナノチューブ濃度を事後的に調整した状態の分散液のことを指し、カーボンナノチューブ分散液そのものが所定の粘度以上であることを指すものではない。換言すれば、本発明に言う「高粘度分散液」とは、分散液中にカーボンナノチューブないしその凝集体相互間にカーボンナノチューブの橋渡しが存在し、カーボンナノチューブのネットワークが形成されている分散液を言う。例えば、図1における、グラフ▲1▼のカーボンナノチューブ濃度Yの分散液に対して分散媒を添加し、カーボンナノチューブ粘度が若干低下した、グラフ▲2▼における区間Aの領域の分散液であっても、区間Bの領域を経ない同濃度の分散液であるグラフ▲1▼の分散液に対して、相対的に「高粘度」と言い得るものであり、本発明に言う「高粘度分散液」の範疇に含まれる。
【0073】
また、本発明で用いる分散媒を、「低粘度分散媒」と称する場合がある。分散媒が「低粘度」とは、高粘度分散液における「高粘度」に対応する言葉であり、「分散媒の粘度自体が高粘度であるがゆえに、その分散液が高粘度となる場合」を排除することを意味する。したがって、分散媒についても、そのものが所定の粘度以下であることを指すものではない。
【0074】
なお、本発明において形成されるカーボンナノチューブのネットワーク形状は、必ずしもカーボンナノチューブ相互間が物理的に接触していなくてもよく、カーボンナノチューブ構造体の有用性を考慮すると、少なくともカーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態が含まれればよい。
【0075】
ここで、「ネットワーク」とは、複数のカーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的に接続された接合部を含み、当該接合部で繋がれたカーボンナノチューブの環状体が存在し、かつ、該環状体を包摂する(該環状体と重なり合う)状態の、前記接合部で繋がれたカーボンナノチューブの環状体が、2以上見出される形状を言う。
【0076】
図2を用いて説明する。図2には、カーボンナノチューブの集合体の一例が示されている。複数のカーボンナノチューブN1〜N9の相互間で交差している部分が接合部であるが、既述の如く当該接合部は物理的に接触していなくても、電気的または磁気的に接続されていればよい。
【0077】
図2に示されるカーボンナノチューブの集合体には、まずN1〜N3の3つのカーボンナノチューブにより形成される環状体C1が存在する。また、N1、N4、N5およびN3の4つのカーボンナノチューブにより形成される環状体C2が存在する。さらに、N1、N2、N9、N8、N7、N6およびN3の7つのカーボンナノチューブにより形成される環状体C3が存在する。
【0078】
3つの環状体の関係について検討すると、環状体C2は環状体C1を包摂する状態となっている。また、環状体C3も環状体C1を包摂する状態となっている。すなわち、環状体C1を包摂する(環状体C1と重なり合う)状態で存在する、環状体C2および環状体C3の2つの環状体が見出される。つまり、図2に示されるカーボンナノチューブの集合体は、本発明に言う「ネットワーク」の概念に含まれるものである。
【0079】
なお、図2中には他にも環状体が存在するが、ネットワークの定義を確認するためには、少なくとも任意の3つの環状体が既述の関係を有していればよく、図2に示される状態においては、3つの環状体C1〜C3のみを検討すればよい。
得られた本発明のカーボンナノチューブ構造体は、カーボンナノチューブが相互に接触しているため、SEM観察においても金属蒸着を施すことなく、カーボンナノチューブの構造を詳細に調べることができる。
【0080】
本発明のカーボンナノチューブ構造体は、微小粒子等を細密充填させたものと異なり、カーボンナノチューブ相互が交差あるいは束を形成する作用を有するため、前記高粘度分散液中のカーボンナノチューブ濃度が低く、得られるカーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの密度が低い場合においても、カーボンナノチューブのネットワークによる高い電気伝導性または磁気特性を付与させることができる。
【0081】
また、本発明による付帯効果として、高い光透過性を挙げることができる。微小粒子等で基板表面に電気伝導性を付与しようとする場合には、細密充填させて基板表面全体を被覆しなければならないが、カーボンナノチューブを用いれば、基板表面全体を被覆する必要がないために、カーボンナノチューブの存在していない基板表面の隙間が多く、光を容易に透過させることができる。
【0082】
Phys.Rev.B 62 R2307(2000)で報告されているように、カーボンナノチューブ相互間の電気伝導は、カーボンナノチューブ内部における電気伝導よりも低く、その特性を利用すれば、これまでにない微小な電気配線および電気回路がカーボンナノチューブを用いて作製できる可能性が示唆されている。したがって、本発明のカーボンナノチューブ構造体の配線によれば、微細なハンドリングを必要とせずに、大規模な電子回路が作製できるようになり、非常に高い工業的価値を見出すことができる。
【0083】
カーボンナノチューブは細く長い形状であるため、前記高粘度分散液から前記分散媒を除去した後に形成されるカーボンナノチューブ構造体は、特別な化学処理を施さなくても、物体表面との間に働くファン・デル・ワールス力(物質間力)やカーボンナノチューブ相互間のからみあいによって、物体表面に付着するようになる。そのため、例えば、さらにカーボンナノチューブ構造体の層を繰り返し形成することもでき、多層膜で構成されたカーボンナノチューブデバイスを作製することもできる。また、形成されたカーボンナノチューブ構造体がネットワーク化されるため、カーボンナノチューブ相互間の物質間力や絡み合いによりネットワークは解けにくく、特に後述の捕獲部位においては、捕獲部位とカーボンナノチューブとの物質間力によりネットワークは物体面に貼り付いた状態で、巨大な分子のように振る舞い、カーボンナノチューブネットワークは、再溶解しにくくなる。
【0084】
さらに、カーボンナノチューブ構造体を含む層(以下、「カーボンナノチューブ構造体層」という。)を複数設け、かつ各カーボンナノチューブ構造体層間にも異なる特性の物質を挿入することもできる。例えば、各カーボンナノチューブ構造体層間に絶縁体層を配置して層間を絶縁したり、半導電性や導電性の物質を挿入して電子や電流のやり取りなどの層間での相互作用を行ったり、層内部に構造を設けることにより、層間で相互作用できる特定の部分(信号チャンネル)を形成したり、等、各種積層構造を構成することで、新規な多機能デバイスを作製することができる。
【0085】
<カーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法>
本発明のカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法は、低粘度の分散媒にカーボンナノチューブを分散させた高粘度分散液を、カーボンナノチューブ構造体により構成された配線に応じたパターニングに従って設けられた複数の凸部により形成された経路構造を有する平面基板上に供給し、前記複数の凸部を前記カーボンナノチューブにより電気的または磁気的に接合するとともに、カーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態を含むネットワークを形成させることにより、前記経路構造に沿って前記カーボンナノチューブ構造体の前記配線を形成することを特徴とすることを特徴とする。
【0086】
本発明において用いることができる分散媒としては、既述の如く所定の粘度以下であることは要求されず、また、カーボンナノチューブは有機溶剤不溶性であるため、特に制限は無く、後述の他の物体を分散させる場合には、当該他の物体を溶解してしまうことの無い液体を選択すればよい。ただし、カーボンナノチューブを良好に分散させるためには、やはり低粘度であることが好ましい。前記分散媒に望まれる粘度としては、0.1Pa・S以下であることが好ましく、0.00001〜0.01Pa・Sの範囲であることがより好ましい。
【0087】
具体的な分散媒の例としては、水、界面活性剤を含む水溶液、イオンを含む水溶液、高分子を含む水溶液、炭素数が1〜30までの炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、ベンゼン、ジクロロベンゼンあるいはトルエンなどの芳香族類、またはそれらの混合溶液を挙げることができる。
【0088】
また、これら分散媒中には、分子会合しやすい分子を含ませることも可能である。かかる分子会合の効果によれば分散媒の粘度を調節することができ、そのため所望の粘度となるように分子会合しやすい分子を適度に含ませて使用することができる。
これら分散媒では、その粘度の温度依存性を利用してもよく、所望の粘度となるように分散媒の温度を調節して使用することができる。
【0089】
本発明において使用するカーボンナノチューブとしては、SWNTでもMWNTでもよい。一般に、SWNTのほうがフレキシブルであり、MWNTになるとSWNTよりはフレキシブルさが失われ、多層になればなるほど剛直になる傾向にある。SWNTとMWNTとは、その性質を考慮して、目的に応じて使い分けることが望ましい。
【0090】
適用可能なカーボンナノチューブの長さとしては、特に限定されるものではないが、一般的に10nm〜1000μmの範囲のものが用いられ、100nm〜100μmの範囲のものが好ましく用いられる。カーボンナノチューブの直径(太さ)としては、特に限定されるものではないが、一般的に1nm〜1μmの範囲のものが用いられ、カーボンナノチューブに適度なフレキシブルさが望まれる用途に対しては、3nm〜500nmの範囲のものが好ましく用いられる。
【0091】
カーボンナノチューブは、製造したままの状態では、アモルファスカーボンや触媒等の不純物が混在するため、これらを精製して取り除いておくことが好ましい。ただし、本発明は、不純物の存在によって、その効果が制限されるものではない。
【0092】
高粘度分散液は、前記分散媒にカーボンナノチューブを分散させることで調整されるが、カーボンナノチューブ相互の凝集力が強いことから、カーボンナノチューブの分散初期の段階(図1のグラフ▲1▼または▲3▼における区間Aの領域)においては、凝集沈殿が生じないよう強い攪拌が望まれる。具体的には、超音波分散機、攪拌子分散機、攪拌羽分散機、震動ミキサー、シェーカー等により分散することが好ましく、特に超音波分散機により分散することが好ましい。具体的な超音波分散機の出力としては、前記分散媒1ミリリットル当たり0.1W以上とすることが好ましく、0.5〜10Wの範囲とすることがより好ましい。
【0093】
前記高粘度分散液の調製に際し、カーボンナノチューブの分散性向上を企図して、前記分散媒に、必要に応じて界面活性剤などの分散剤を添加することもできる。
以上のように分散媒を強く攪拌しながらカーボンナノチューブを徐々に添加して行く。すると、図1のグラフ▲1▼または▲3▼に示されるように、あるカーボンナノチューブ濃度(図1における臨界点X)において、粘度の上昇の度合いが急峻になる。そのままカーボンナノチューブを添加し続けると、分散液は、高分子溶液や増粘剤を含む溶液のように高い粘性を示すようになる。この状態の分散液が、本発明に言う高濃度分散液である。
【0094】
高濃度分散液の粘度としては、カーボンナノチューブの種類・長さ・太さ、分散媒自体の粘度等により大きく変動するため、好ましい値は適宜選択される。また、臨界点Xもこれらの条件により大きく変動する。例えば、分散媒として水を用い、平均として長さ5μm、太さ4nmのSWNTを分散させた場合には、臨界点Xはカーボンナノチューブ濃度1〜10g/リットルの範囲内程度であり、高濃度分散液の粘度としては、0.001Pa・S以上であることが好ましく、0.002〜0.02Pa・Sの範囲であることがより好ましい。しかし、より長いカーボンナノチューブを用いた場合には、より低い粘度でカーボンナノチューブのネットワークが形成されるため、好ましい粘度範囲はかなり低い値となる。特に、カーボンナノチューブの使用量低下を考慮すると、良好なネットワークが形成されつつ低い粘度とすることが望ましい。また、カーボンナノチューブ構造体に透明度(後述)が要求される場合にも、低い粘度とすることが望まれる。カーボンナノチューブの使用量低下や透明度の要求に対しては、高粘度分散媒の粘度を低く抑える他、一旦カーボンナノチューブのネットワークを形成させた上で分散媒を添加し、濃度を下げることも有効である。
【0095】
言い換えると、前記高粘度分散液におけるカーボンナノチューブの濃度を調整することによって、製造されるカーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの数量を制御することができる。つまり、製造されるカーボンナノチューブ構造体において多数のカーボンナノチューブからなる密度の高いネットワークを形成したい場合には、前記高粘度分散液におけるカーボンナノチューブの濃度を上げてやればよい。逆に、製造されるカーボンナノチューブ構造体において少数のカーボンナノチューブからなる密度の低いネットワークを形成したい場合には、前記高粘度分散液におけるカーボンナノチューブの濃度を下げてやればよい。カーボンナノチューブの濃度を下げるには、一度高濃度のものを調製してから、分散媒を加えて濃度を下げることが好ましい。
【0096】
前記高粘度分散液には、さらに他の物体を分散させておくこともできる。該他の物体を分散させておくことで、最終的に得られるカーボンナノチューブ構造体中に前記他の物体を混在させることができ、当該他の物体の機能に応じた機能をカーボンナノチューブ構造体に付与することができる。
【0097】
前記他の物体として、電気的にも磁気的にも影響を及ぼさないものを用いた場合には、スペーサーとして機能させることができる。すなわち、高濃度分散液中に形成されたカーボンナノチューブのネットワークの間隙に前記他の物体を配置することで、分散媒を除去してカーボンナノチューブ構造体を得た際に、カーボンナノチューブ同士の間に形成される空隙は収縮するが、当該空隙に前記他の物体が配置されていれば、スペーサーとして機能し、カーボンナノチューブ同士の間に形成される空隙の距離を保つことができる。
【0098】
前記スペーサー的機能を有する他の物体としては、特に制限は無く、例えば、粒子、繊維、結晶、凝集体等が挙げられる。
前記スペーサー的機能を有する他の物体として利用可能な粒子としては、ポリマーなどの有機物、セラミックスや金属などの無機物、あるいはその双方を含む複合物質等が挙げられる。また、粉砕で砕かれることで製造されるものでも、物理的あるいは化学的に制御することで大きさを制御して製造されるものでも、どちらもその目的に応じて使用することができる。
前記スペーサー的機能を有する他の物体として利用可能な繊維としては、ポリエステルやナイロンなどの人工繊維、綿など自然繊維、くもの糸などの生体の繊維等が挙げられる。
【0099】
前記スペーサー的機能を有する他の物体として利用可能な結晶としては、微細な分子や原子や粒子が充填した内部構造のものや、規則正しく配列した構造のもの等が挙げられる。具体的には、金属結晶、非金属結晶、イオン結晶、分子性結晶、粒子結晶等が挙げられ、自然界に安定に存在し得るものであれば用いることができる。
【0100】
前記スペーサー的機能を有する他の物体として利用可能な凝集体としては、原子が凝集したアモルファス、分子が凝集した分子凝集体、粒子が凝集した粒子凝集体、とそれらの複数種類が凝集した複合凝集体等が挙げられるが、これらは微細な分子や原子や粒子が集合した状態であり、内部の配列規則は特定できない。
【0101】
前記スペーサー的機能を有する他の物体の形状としては、得ようとするカーボンナノチューブ構造体の構造制御を目的として、各種形状のものが選択される。各種形状のものを容易に作製可能な、ポリマー製の微小体が好ましい。特に、市場から容易に入手可能であり、その大きさや形状を制御しやすい、ラテックス製の微小体を用いることが好ましい。ラテックス製の微小体は、化学的に合成して製造されるものであるため、化学的に表面修飾させやすく、カーボンナノチューブ構造体としたときに所望の特性に制御しやすいといったメリットもある。
【0102】
ポリマー製の微小体におけるポリマーとしては、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を挙げることができる。
前記スペーサー的機能を有する他の物体としては、上記の如く、各種形状を取ることが可能であり、また、カーボンナノチューブ構造体の構造制御のため各種形状を選択することができるが、カーボンナノチューブが固着し難い形状とするためは、球形であることが好ましい。
【0103】
前記スペーサー的機能を有する他の物体の球相当平均径としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択すればよいが、概ね10nm以上1000μm以下であることが好ましく、20nm以上100μm以下であることがより好ましく、50nm以上10μm以下であることがさらに好ましい。
【0104】
一方、前記他の物体として、電気伝導性または磁気特性に関与する等、機能性を有するもの(例えば機能分子)を用いた場合には、当該機能に応じた機能をカーボンナノチューブ構造体に付与することができる。
前記機能性を有する他の物体を前記カーボンナノチューブ相互の間隙または近傍に配置させて構造化することで、得られるカーボンナノチューブ構造体に種々の機能を付与することができる。
【0105】
前記機能性を有する他の物体としては、例えば、原子、分子、イオン、粒子、ポリマー、生物体から抽出された分子や組織などが挙げられ、その性質としては、絶縁性、導電性、半導電性(半導体特性および電気抵抗特性のいずれをも含む概念とする。)、吸光性、発光性、発色性、伸縮性、発電性、光電性などの特性を有するものが挙げられる。これら特性が、温度や湿度や雰囲気ガスによって変化するものであってもよい。
【0106】
また、機能性分子や機能微粒子など、設計された機能を有するものでもよい。近年、分子や微粒子の多くには半導体特性が多く見出されており、スイッチング機能やメモリー機能などを、カーボンナノチューブの接触部分あるいは凝集部分に付与することができる。
【0107】
機能性分子としては、分子内部に電荷の偏りのある分子が好ましく、電荷供与性のある分子種と、電荷受容性のある分子種とを組み合わせた分子、対称的な分子に電荷供与性あるいは電荷受容性のある分子種を組み合わせた分子、それらの繰り返しからなる巨大分子、あるいはそれら分子の集合により機能させられる分子集合体等が挙げられる。なお、上記電荷供与性および電荷受容性は、電子親和力やイオン化ポテンシャルの値で定義することができる。
また、DNA、コラーゲンなどの生体分子、あるいは生体に模倣した人工分子を使用してもよく、生体に類似した機能を付加することが可能となる。
【0108】
機能微粒子としては、金などの金属微粒子、ZnO2、TiO2などの金属酸化物微粒子、合金からなる金属間化合物微粒子、フラーレン等の炭素原子の組織体、フラーレンの誘導体、ポリマー粒子、溶液中のミセル構造体、コロイド粒子、脂質からなるベシクル、セラミックス、デンドリマー等が挙げられ、用途に応じてそれらの複合体あるいはそれらに処理を施したものを使用できる。
【0109】
例えば、機能微粒子として金のナノ粒子を用いた場合、カーボンナノチューブによる導電性ネットワークの特性改善を図ることができる。
機能性分子や機能微粒子としての粒子は、カーボンナノチューブと分散媒とで高粘度分散液を調製した後に、添加することが好ましい。
機能性分子や機能微粒子は、非常に小さいためハンドリングが困難であり、その正確な配置に関しては、化学官能基による修飾などにより、相互認識的に適切な配置を取り得るように設計することが好ましい。
【0110】
前記機能性を有する他の物体としては、その少なくとも一部を、カーボンナノチューブ相互の間隙に配置させることができる。カーボンナノチューブ相互の間隙に配置させることで、既述の如き機能性の付与が適切に為される。このとき、前記機能性を有する他の物体の少なくとも一部が、カーボンナノチューブ相互を橋渡しする架橋機能を有することも望ましい態様である。すなわち、前記機能性を有する他の物体によりカーボンナノチューブ相互を橋渡しすることで、カーボンナノチューブの構造体を、全体として1つの分子構造に似た状態とすることができ、既述の機能性が全体として高い次元で付与されるほか、前記機能性を有する他の物体の有する架橋機能により、構造化して配置されたカーボンナノチューブ相互を緊結し、構造体としてカーボンナノチューブ構造体を強固に固定化することができる。
【0111】
架橋機能に関しては、カーボンナノチューブと接合して離れにくくなる特性の部位を2つ以上有する原子、分子、イオン、粒子、繊維であればよい。カーボンナノチューブ自体にも処理を施しておくとより好ましい。例えば、カーボンナノチューブを強酸溶液で処理すると、カルボニル基(COOH)を有するカーボンナノチューブとなるが、この場合には、水酸基(OH)やアミノ基(NH2)やメルカプト基(SH)などのカルボニル基と反応しやすい官能基を含む分子により、容易に架橋させることができる。
【0112】
また、このカルボニル基など水溶性の官能基を含むカーボンナノチューブは、水溶液中でイオン化状態にでき、多価のイオンにより架橋構造を導入することができる。例えば、カルボン酸をイオン化させた状態(COO-)に対してはカルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、アルミニウムイオン(Al3+)などの多価のイオンを利用することができる。
【0113】
高粘度分散液は、以上のようにして得られるが、カーボンナノチューブには、触媒金属やアモルファスカーボン等のカーボンナノチューブ以外の炭素構造体などが含まれる場合も多いため、強酸処理によって触媒金属を溶出させたり、電気泳動やクロマトグラフィーなどによってアモルファスカーボンなどのナノチューブ以外の炭素構造体を除いておくことが好ましい。
【0114】
以上のようにして得られた高粘度分散液から、前記分散媒を除去することで、カーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態を含むネットワークを形成させ、カーボンナノチューブ構造体を製造する。
前記分散媒の除去方法としては、分散媒を遠心力等により物理的に除去したり、加熱あるいは放置することで分散媒を蒸発させたりすることにより行われる。
【0115】
前記分散媒は、所定の捕獲部位に接触させた状態で、除去される。ここで、「捕獲部位」とは、複数の凸部により形成された経路構造を有する平面基板上の部位を言う。また、「所定の捕獲部位」と言う場合には、カーボンナノチューブ構造体を固着させたい物体の部位を指す。
【0117】
前記分散媒を所定の捕獲部位に接触させる方法としては、特に限定されず、一般的な塗布方法をいずれも適用することができる。適用可能な塗布方法としては、例えば、スピンコート、ディップコート、カーテンコート、ロールコート、刷毛塗り、スプレーコート等が挙げられる。中でも均質な薄膜状のカーボンナノチューブ構造体を得ることが容易なスピンコートが特に好ましい。
【0118】
また、前記高粘度分散液を所定の捕獲部位に流しかける(本発明において、前記高粘度分散液を文字通り流しかける場合の他、ディップコート等の通常の手段で塗布した後、前記高粘度分散液が捕獲部位から流れるようにする場合も「流しかけ」の概念に含めることとする。なお、不要な前記高粘度分散液が捕獲部位から流れるようにしておけばよく、必ずしも重力に対して捕獲部位に傾きを持たせておく必要は無い。)ことで、前記高粘度分散液を所定の捕獲部位に接触させつつ捕獲部位を通過させることもできる。この場合、カーボンナノチューブのネットワークが前記高粘度分散媒中に形成されているため、流しかける速度をあまり大きくしない限り(例えば、平板基板の傾斜角度をあまり大きくさせ過ぎない限り)、流しかけた方向にしたがってカーボンナノチューブ構造体を所定の捕獲部位に固着させて形成することができる。
【0119】
前記捕獲部位は高粘度分散液と接触する経路構造を含むため、前記高粘度分散液を前記経路構造に通過させることで前記捕獲部位に接触させ、前記経路構造に沿ってカーボンナノチューブを配置することができる。この場合、前記経路構造を所望の形状としておけば、所望の形状にカーボンナノチューブのネットワークが形成されたカーボンナノチューブ構造体の配線を形成することができる。
【0120】
前記経路構造としては、一般的には、例えば、以下(1)および(2)の2つの態様を挙げることができる。なお、下記(1)および(2)の態様のうち、平面基板上に凸部を設ける(1)の態様が本発明の実施形態である。また、平面基板上に凹部を設ける(1)の態様、及び、(2)の態様については、参考例として以下に記載する。
(1)平面基板上に凹部または凸部を設けることで、前記経路構造を形成する。
平面基板上に、凹部または凸部の物理的な形状を設けた上で、前記高粘度分散液を流しかけると、前記平面基板上の凹部自体、あるいは、凸部相互間に形成された凹部に前記高粘度分散液が流れ込み、通過する。すなわち、凹部または凸部を適当にパターニングすることで経路構造を形成しておけば、前記高粘度分散液は、当該経路構造を通過して行き、当該経路構造に沿ってカーボンナノチューブが配置される。
【0121】
平面基板上に凹部または凸部を設けた場合について、図を用いて説明する。
図3は、平面基板2上に凹部4がパターニングされて経路構造が設けられている状態を表す斜視図である。この平面基板2上に、矢印6方向に高粘度溶液を流しかけると、経路構造となった凹部4に前記高粘度分散液が流れ込み、矢印8方向に流れ、通過する。この通過により、経路構造となった凹部4に沿ってカーボンナノチューブが配置され、カーボンナノチューブのネットワークが形成されたカーボンナノチューブ構造体が形成される。
【0122】
また図4(a)は、平面基板12上に凸部10がパターニングされて経路構造が設けられている状態を表す斜視図である。この平面基板12上に、任意の方向から高粘度溶液を流しかけると、該高粘度溶液は凸部10に衝突しながら通過する。このとき、図5に示すように、高粘度溶液中の各カーボンナノチューブ14が矢印16方向に進行した場合、凸部10に衝突した際にこれに引っかかり、カーボンナノチューブのネットワーク全体がここに滞留する。したがって、凸部10に引っかかるようにして、カーボンナノチューブ構造体が形成される。この場合には、高粘度溶液を流しかける速度を大きくしも(例えば、平板基板の傾斜角度を大きくしても)、カーボンナノチューブが凸部10に引っかかるようにして、経路構造に沿ってカーボンナノチューブ構造体を形成することができる。
【0123】
この態様においては、凸部10のパターニングを図4(b)あるいは図4(c)に示すように適宜選択することができ、そのパターニングに応じたカーボンナノチューブ構造体を形成することもできる。図4(b)のパターニングは、凸部10を直列的に配置し、その列の間をある程度空けた例である。この場合、高粘度溶液を流しかける方向によっても、得られるカーボンナノチューブ構造体の形状をコントロールすることができる。
【0124】
図4(c)のパターニングは、凸部10の密度を場所により変えた例である。この場合、凸部10の密度の高い部位に、よりカーボンナノチューブ密度の高いカーボンナノチューブ構造体を形成することができる。
凸部10としては、基板を作製する際に同時に、表面に凸部を形成してもよいし、凸部となり得る物体、例えば粒子を平面基板に付着させることで形成することもできる。
【0125】
平面基板上に設ける凹部(凸部相互間に形成された凹部を含む)相互間の間隔としては、カーボンナノチューブあるいはその束状のものの長さよりも短いと、効率的に凹凸構造に捕らえられるようになる。このとき非常に希釈された高粘度分散液を用いた場合にも、繰り返し衝突によりカーボンナノチューブを堆積させることができ、高い濃度の高粘度分散液を用いたときと同様、高い電気伝導性を付与することができる。
【0126】
凹部または凸部の形状としては、カーボンナノチューブを捕らえることのできる構造を意図的に形成したものとすることもできる。例えば、図6(a)のようにコの字型の凸部20を設けておけば、矢印18方向からカーボンナノチューブ24のネットワークを含む高粘度溶液を流しかけた場合、凸部20のコの字型の内側の部分にカーボンナノチューブ24が捕らえられたカーボンナノチューブ構造体を形成することができる。また、図6(b)のようにニの字型の凸部30を設けておけば、矢印28方向からカーボンナノチューブ34のネットワークを含む高粘度溶液を流しかけた場合、凸部30のニの字型の間隙における流速が遅くなり、ここにカーボンナノチューブ34が捕らえられたカーボンナノチューブ構造体を形成することができる。この効果を応用すれば、カーボンナノチューブを配線とした電子回路を作製することも可能である。
【0127】
さらに、平面基板表面に凹部または凸部の構造があると、平面基板表面の凹部自体、あるいは、凸部相互間に形成される凹部にカーボンナノチューブが存在する状態となり、カーボンナノチューブは隣接する凸部にカバーされた状態となり、何らかの要因により擦られたり、引っかかれたりしても、カーボンナノチューブ構造体が破壊されなくなり、工業的な利用価値が高い。
【0128】
このように、平面基板表面の凹部自体、あるいは、凸部相互間に形成される凹部は、高粘度分散媒が通過する経路構造として利用することができ、高粘度分散媒が通過した部分にのみ導電経路を作製することができる。
なお、平面基板表面に凹部または凸部を形成した場合、凹部相互間に形成される凸部、あるいは、凸部自体のみに高粘度分散液を接触させるように、高粘度分散液に漬ける、いわゆるスタンピングを行えば、これら凸部を捕獲部位とすることができ、当該凸部にカーボンナノチューブ構造体を固着することもできる。
【0129】
(2)平面基板上に前記分散媒に対する親液性の異なる表面状態に平面基板上をパターニングすることで、前記経路構造を形成する。
平面基板上に、前記分散媒に対する親液性の異なる表面状態に平面基板上をパターニングした上で、前記高粘度分散液を流しかけると、親液性の高い部位に前記高粘度分散液中のカーボンナノチューブが残りやすく、親液性の低い部位には残りにくくなる。ここで「前記分散媒に対する親液性」とは、前記分散媒との馴染みやすさのことを指し、前記分散媒が水である場合には、親水性のことを意味する。すなわち分散媒として水系媒体を用いた場合には、親水性の部位と疎水性の部位とを所望の形状にパターニングすることで、所望の形状のカーボンナノチューブ構造体を形成することができる。
【0130】
親液性の調整は、親液性の高い平面基板を用い、これに前記分散媒との馴染みが悪くなるような処理をパターニングしたり、逆に、前記分散媒との馴染みが悪い平面基板を用い、これに親液性を向上させる処理をパターニングすること等により行うことができる。勿論、両処理とも行ってもよい。これら処理の手法としては、特に限定されず、従来公知の方法を全て採用することができる。例えば、前記分散媒として水系媒体を用いる場合には、従来公知の撥水化処理、親水化処理を問題無く採用することができる。
【0131】
本例においては、基本的に、親液性の高い部位にカーボンナノチューブ構造体が形成され、親液性の低い部位には形成されない。ただし、親液性の低い部位を挟んで隣接する親液性の高い部位相互の間隔が、カーボンナノチューブの一本あるいはカーボンナノチューブの束の長さよりも短い場合には、親液性の高い部位の作用により、中間の親液性の低い部位にもカーボンナノチューブ構造体を形成することができるようになる。
【0132】
前記捕獲部位としては、平面基板上に粒子状または膜状の金属を配置したものを挙げることができる。平面基板上に、粒子状の金属を配置した上で、前記高粘度分散液を流しかけると、粒子状の金属に衝突したカーボンナノチューブが引っかかる。また、平面基板上に、膜状の金属を配置した上で、前記高粘度分散液を流しかけると、金属が親液性(特に親水性)が高いことから、金属以外が配置された以外の平面基板上の表面が親液性が低ければ、膜状の金属の部位にのみ前記高粘度分散液中のカーボンナノチューブが残りやすい。すなわち、前者は既述の(1)の態様の、後者は既述の(2)の態様のそれぞれ変形例と言うことができる。
【0133】
また、金属以外が配置された以外の平面基板上の表面も親液性を高めておけば、平面基板表面全面にカーボンナノチューブ構造体を形成することができ、パターニングされた金属の粒子相互間、パターニングされた金属の膜相互間、さらには、前記粒子と前記膜との間、の間隙を前記カーボンナノチューブ構造体のネットワークにより、電気的または磁気的に接続することもできる。
【0134】
このとき、例えば金属の凹凸構造のサイズを大きくすること、その分布密度を高く設定することによれば、カーボンナノチューブ構造体が同じ構造であっても、得られるカーボンナノチューブと金属との複合体は、高い電気または磁気伝導を示すようになる。また、逆に前記サイズを小さくしたり、その分布密度を低くすれば、それら複合体は低い電気伝導を示すようになる。
【0135】
図7(a)は、平面基板42の全面(片面)に金属膜44を形成したものであり、図7(b)は、平面基板52の表面(片面)に縞状に金属膜54を形成したものである。
なお、使用可能な金属としては、特に限定されないが、例えば電気配線として有用な金、銀、銅、白金、ニッケル、アルミニウム、チタンなど高い電気伝導性を示す金属や、それら合金、またはドープされて高い電気伝導性を示すシリコンやゲルマニウム等の半導体などを挙げることができる。さらに、分子性結晶、電気伝導性高分子、あるいは電荷移動錯体等やそれらにドープしたものも高い電気伝導性を有するため利用できる。
【0137】
<カーボンナノチューブ構造体の配線>
以上説明したカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法により製造されるカーボンナノチューブ構造体の配線について、その使用態様であるカーボンナノチューブデバイスを含めて説明する。
まず、以下の各実施形態において用いた、高粘度分散液Wの調製方法について説明する。
【0138】
分散媒として水10ミリリットルにドデシル硫酸ナトリウム0.01gを加えた水溶液を用い、該分散媒10ミリリットルを超音波分散機(出力11W)で攪拌しながらカーボンナノチューブを徐々に添加していった。用いたカーボンナノチューブは、SWNTであり、平均太さ4nm、平均長さ5μmのものを用いた。
【0139】
カーボンナノチューブを添加して行くとその量にしたがって分散液粘度も上昇するが、図1における臨界点Xに相当するカーボンナノチューブ濃度において、分散液の粘度が急激に上昇するようになった。これは、約20℃の恒温水槽中でのウベローデ粘度計を用いた粘度測定(キャピラリーを流れる分散媒の速度)により確認された。
攪拌を継続して、さらにカーボンナノチューブを添加し、カーボンナノチューブ濃度を2g/リットルとした。このようにして、粘度が約2mPa・sの高粘度分散液Wを調製した。
【0140】
(参考例1)
図8は、カーボンナノチューブ構造体の参考例を示す模式斜視図である。平面基板62の表面のほぼ全面にカーボンナノチューブ64からなるカーボンナノチューブ構造体68が固着している。長さ数μm〜数十μmのカーボンナノチューブ64が相互に接触し合って、カーボンナノチューブ64による導電性のネットワークが形成されている。したがって、平面基板62の表面に導電性を与えている。図9に本参考例のカーボンナノチューブ構造体68の電子顕微鏡写真(30000倍)を示す。なお、写真の倍率は、写真の引き伸ばしの程度により、多少の誤差が生じている。
本実施形態のカーボンナノチューブ構造体68は、高粘度分散媒Wを平面基板62の表面にスピンコートにより塗布し、乾燥することで得られる。
【0141】
平面基板62として、ガラス板、雲母板あるいは石英板等のように透明の材料を用いた場合、全体としての透明性が極めて高い。炭素蒸着や金属蒸着などにより、基板表面に導電性を付与する手法が知られているが、本実施形態のようにカーボンナノチューブ構造体68により平面基板62の表面を導電化した場合、カーボンナノチューブで完全に被覆する必要が無く、空隙を有しているため、所定の表面導電率で比較した場合に光の透過率が非常に高い。
【0142】
このように、本参考例のカーボンナノチューブ構造体68は、導電性基板、電極等のカーボンナノチューブデバイスとして用いることができる他、透明電極、透明基板等のカーボンナノチューブデバイスとしての用途をも有する。
本参考例においては、カーボンナノチューブのバンドル量(束の太さ)やネットワーク密度(分岐密度)をコントロールすることにより、導電性を自由にコントロールすることができ、さらには局所的に導電率の変化を生じさせることができる。したがって、LED等のような単一デバイス的用途だけでなく、平面内で多様な処理が行われるディスプレーなどの高密度複数個からなるデバイスに利用することができる。
【0143】
また、本参考例においては、ネットワーク中のカーボンナノチューブ64相互間の少なくとも一部に、カーボンナノチューブ以外の物体を介在させてもよい。カーボンナノチューブ以外の物体を分散させておくことで、当該カーボンナノチューブ以外の物体の機能に応じた機能をカーボンナノチューブ構造体に付与することができる。当該カーボンナノチューブ以外の物体の機能としては、例えば、スペーサー的機能や電気伝導性または磁気特性に関与する等の機能が挙げられる。これら機能を有する物体としては、前記<カーボンナノチューブの製造方法>の項で、「他の物体」の説明として挙げたものがそのまま使用できる。
【0144】
カーボンナノチューブ以外の物体を介在させるには、前記<カーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法>の項で説明したように、高粘度分散液W中に前記他の物体を加えておけばよい。また、カーボンナノチューブ構造体を得た後に何らかの方法(例えば、(1)真空蒸着など物質の蒸気にさらす方法、(2)染色のように目的物質を含む溶液の滴下、あるいはその溶液中への含侵する方法、(3)温度を繰り返し上昇下降させて、熱膨張係数の違いにより微細な亀裂を生じさせて、その部分に浸透させる方法、(4)電子、原子、イオン、分子、粒子を加速して打ち込む方法)によって、前記カーボンナノチューブ以外の物体を前記カーボンナノチューブ相互の間隙または近傍に配置させてもよい。
【0145】
本参考例のカーボンナノチューブ構造体68について、金属コートを施したプローブによる電流検出SPM(走査プローブ顕微鏡)により、カーボンナノチューブ構造体68の電気伝導を直接観察したところ、その全体が電気伝導していることが確認できた。さらに、SEMで確認し得るナノチューブのネットワーク構造よりも、密な電気伝導状態を確認することができた。
【0146】
さらに、本参考例のカーボンナノチューブ構造体68を用いたカーボンナノチューブデバイスの例を図10に挙げる。図10のカーボンナノチューブデバイスは、図8と同一のカーボンナノチューブ構造体68の図面上両端に、入力端子66A〜66Dおよび出力端子66A’〜66D’を設けたものである。
【0147】
本参考例のカーボンナノチューブデバイスは、入力端子66A〜66Dの内のいずれかからの入力が多分岐されて、出力端子66A’〜66D’の4つから出力される多分岐デバイスとして用いることができる。
両側に配置した電極を複数にして、入力端子66A〜66Dおよび出力端子66A’〜66D’間における電気伝導の値について確かめてみたところ、初期には違いが見られなかったが、特定の入出力端子の組み合わせ(66Bと66C’)にのみ、電圧(5V)を繰り返し(10回)印加したところ、その入出力端子の組み合わせの電流値を増加させることができた。他の入出力端子の組み合わせの電流値には変化が見られなかったため、前記特定の入出力端子の組み合わせの電気伝導に関与している主なカーボンナノチューブネットワークが存在することが確認された。
【0148】
次に、特定の入力端子の組み合わせ(66Bと66C’)にのみ、電圧(10V)を繰り返し(10回)印加したところ、その入力端子の組み合わせの電流値を減少させることができた。このとき、他の入力端子の組み合わせ(66Cと66A’)では電流値の増加が確認できた。前記特定の入出力端子の組み合わせの電気伝導に関与している主なカーボンナノチューブネットワークと、その他の入力端子の組み合わせの電気伝導に関与している主なカーボンナノチューブネットワークに、相互作用のあることが確認された。
本参考例のカーボンナノチューブデバイスを応用すれば、多チャンネルの入出力デバイスの学習機能を実現することができる。
【0149】
なお、既述の機能性を有する他の物体を取り込ませたり、カーボンナノチューブ64同士の接触部分を改質することで、入力信号を様々に変調することもできる。また、平面基板62の一方もしくは双方の面から磁場を与えることで、入力信号を変調することもできる。
【0150】
(参考例2)
図11(a)は、カーボンナノチューブ構造体の参考例を示す模式平面図である。所定の平面基板72の表面にカーボンナノチューブ74からなるカーボンナノチューブ構造体78が固着している。本参考例では、所望のパターニングに沿ってカーボンナノチューブ74が配置された、カーボンナノチューブ構造体78が形成されている。
【0151】
本参考例のカーボンナノチューブ構造体78は、以下のようにして製造される。
平面基板72として、ガラス板や雲母板等のような親水性の材料を用い、図11(b)に示すように、所望のパターニング76となるように、平面基板72におけるパターニング76以外の表面に、撥水処理を施して疎水性表面を形成する。すると、パターニング76の部分のみが親水性表面となる。なお、本参考例においては、撥水処理としてシランカップリング剤による処理を行った。
【0152】
分散媒として水系媒体を用いた高粘度分散液Wを用い、これを上記パターニングされた図11(b)に示す平面基板に流しかけると、親水性表面であるパターニング76にのみカーボンナノチューブ74が固着し、図11(a)に示す形状のカーボンナノチューブ構造体78が製造される。
本参考例においても、参考例1と同様、カーボンナノチューブ構造体78中にカーボンナノチューブ以外の物体を介在させてもよいし、複数の端子を設けてもよい。
【0153】
このように本参考例によれば、平面基板表面に所望の形状にパターニングされたカーボンナノチューブ構造体を形成することができ、電気配線として、あるいはカーボンナノチューブ構造体自体に既述の機能を付加してデバイスとして、用いることができる。
【0154】
(第1の実施形態)
図12は、本発明のカーボンナノチューブ構造体の配線の第1の実施形態を示す模式斜視図である。所定の平面基板12の表面に設けられた金微粒子からなる凸部10が、カーボンナノチューブ84からなるカーボンナノチューブ構造体88で接合された状態となっている。
【0155】
第1の実施形態においては、まず、図4(a)に示すように平面基板12の表面に金粒子からなる凸部10を形成した。具体的には、平面基板12としてのガラス板の表面に金を20nm蒸着し、その後加熱処理することで、島状に分布した金微粒子の凸部10を形成した。これに高粘度分散媒Wをスピンコートして、島状の金微粒子を繋ぐ覆うように塗布して、カーボンナノチューブ構造体88を形成した。
本実施形態においては、電気的に相互に分離していた島状の金微粒子の凸部10は、カーボンナノチューブ構造体88により電気的に接合されている。
【0156】
(参考例3)
図13は、カーボンナノチューブ構造体の参考例を示す模式断面図である。本参考例のカーボンナノチューブ構造体は、絶縁平面基板92の表面に、順次、参考例1と同様のカーボンナノチューブ構造体層98A、銅フタロシアニン蒸着層96A(0.1μm)、参考例1と同様のカーボンナノチューブ構造体層98B、銅フタロシアニン蒸着層96B(0.1μm)、参考例1と同様のカーボンナノチューブ構造体層98Cが設けられてなるものである。
【0157】
本参考例のカーボンナノチューブ構造体は、以下のようにして製造した。
金属電極94Sを片側に配置した、ガラス製の絶縁平面基板92に対して、参考例1と同様にして、カーボンナノチューブ構造体層98Aを形成した。その上に、順次、銅フタロシアニンを蒸着して銅フタロシアニン蒸着層96Aを形成し、参考例1と同様にして、カーボンナノチューブ構造体層98Bを形成し、再び銅フタロシアニンを蒸着して銅フタロシアニン蒸着層96Bを形成し、さらにその上に参考例1と同様にして、カーボンナノチューブ構造体層98Cを形成した。金属電極94Dを片側に配置した、ガラス製の絶縁平面基板92’を、カーボンナノチューブ構造体層98Cの上に、金属電極94Sと金属電極94Dとが反対側の端になるように(電極間距離5mm)重ね合わせ、カーボンナノチューブ構造体層とフタロシアニン蒸着層との積層構造体を作製した。
【0158】
得られた積層構造体は、フタロシアニンを含まない3層のカーボンナノチューブ構造体の電気伝導性(0.001Ω・m)よりも低い電気伝導性(1MΩ・m)を示し、フタロシアニン蒸着層を介して、異なるカーボンナノチューブ構造体層に含まれているカーボンナノチューブ構造体の電気伝導を確認することができた。
【0159】
さらに、図14に示すように、基板として、ガラス製の絶縁平面基板92から、絶縁性酸化膜を有したシリコンウエハーに代えて、同様の積層構造体を作製した。さらに、この積層構造体について、基板側にゲート電極94Gを設けて、カーボンナノチューブデバイスを作製した。ゲート電極94Gに電圧を印加して、金属電極間94S,94Dのソース−ドレイン電流を測定することで、電界効果トランジスターの動作を確認した。本デバイスはフタロシアニン層を含むため、その層が半導体特性を示し、電圧の印加によって電流量の増加が確認できた。
【0160】
(参考例4)
図15は、カーボンナノチューブデバイスの参考例を示す模式分解斜視図である。本参考例のカーボンナノチューブデバイスは、第1の透明基板100A(500μm)の表面に、順次、第1の実施形態と同様のカーボンナノチューブ構造体層108A、電子輸送層110(0.2μm)、発光層106(0.05μm)、正孔輸送層104(0.2μm)、参考例1と同様のカーボンナノチューブ構造体層108B、および第2の透明基板100B(500μm)が設けられてなるものである。本参考例のカーボンナノチューブデバイスは、積層ダイオードの機能を発現するものである。
【0161】
各層の詳細について説明する。
第1の透明基板100Aおよび第2の透明基板100Bとしては、石英ガラスを使用した。ただし、本発明においては特にこれに規定されず、ソーダガラス、サファイア、雲母、アクリル等各種材料からなる透明板を用いることができる。
【0162】
電子輸送層110としては、オキサジアゾ−ル(PBD)の溶液をスピンコートして成膜したものである。ただし、本参考例においては、特にこれに限定されず、電子写真、ダイオード素子、LED素子、EL素子、トランジスター素子等の分野で電子輸送層とされる各種材料からなるものを適用することができる。
【0163】
発光層106としては、トリス(8−ヒドロキシキノリノラ)アルミニウムコンプレック(AlQ3)の溶液をスピンコートして成膜したものである。ただし、本参考例においては、特にこれに限定されず、LED素子、EL素子、半導体レーザー等の分野で発光層とされる各種材料からなるものを適用することができる。
【0164】
正孔輸送層104としては、N,N’ビス(3−メチルフェニル)N,N’ジフェニル(1,1’ビフェニル)4,4’ジアミン(TPD)の溶液をスピンコートして成膜したものである。ただし、本発明においては、特にこれに限定されず、電子写真、ダイオード素子、LED素子、EL素子、トランジスター素子等の分野で正孔輸送層とされる各種材料からなるものを適用することができる。
【0165】
このようにして得られたカーボンナノチューブデバイスのカーボンナノチューブ構造体層108Aおよび108B間に電圧(10V)を印加すると、当該デバイスの両面から発光が確認された。
【0166】
上記カーボンナノチューブデバイスにおいて、第1の透明基板100Aおよびカーボンナノチューブ構造体層108A、並びに、第2の透明基板100Bおよびカーボンナノチューブ構造体層108Bを、市販されている透明電極(石英ガラスにマグネトロンスパッタによるITO薄膜:1.4×10-4Ω・cm)に代えて、比較用のデバイスを製造した。この比較用のデバイスにおいても、同様に電圧を印加したところ発光が確認されたが、これに比べ、前記本参考例のカーボンナノチューブデバイスの方が輝度が高く、本参考例のカーボンナノチューブ構造体が透明電極として有用であることが確認された。
【0167】
(参考例5)
図16は、カーボンナノチューブデバイスの参考例を示す模式断面図である。本参考例のカーボンナノチューブデバイスは、参考例1のカーボンナノチューブ構造体の構成に、端子126Aおよび126Bを設け、さらに、カーボンナノチューブ構造体68のネットワークの中に、発光分子(電圧の印加により発光する分子)122が分散配置されてなるものである。
【0168】
本参考例のカーボンナノチューブデバイスは、参考例1のカーボンナノチューブ構造体の構成に、端子126Aおよび126Bを設けたものを、発光分子122が分散された下記組成の溶液に浸すことで、発光分子122をカーボンナノチューブ構造体68に含浸させたものである。
【0169】
−溶液の組成−
・四塩化炭素: 100ミリリットル
・トルエン: 20ミリリットル
・トリス(8−ヒドロキシキノリノラ)アルミニウムコンプレック(AlQ3): 1g
【0170】
得られたカーボンナノチューブデバイスにおいて、カーボンナノチューブ構造体68の電気抵抗は高くなったが、ある電圧閾値(5.5V)以上の電圧を印加したところ、カーボンナノチューブ構造体68の発光が確認できた。観察には、倒立型の蛍光顕微鏡を使用した。これは、発光分子122がカーボンナノチューブ構造体68相互の間隙に挿入されていることを示唆しており、カーボンナノチューブ構造体68に印加した電圧が、カーボンナノチューブ構造体68の各部分にあるカーボンナノチューブ64を介して電圧が伝達され、発光分子122に電圧が印加できたことを示している。このように、本参考例のカーボンナノチューブ構造体によれば、カーボンナノチューブ配線による分子素子が実現できた。
【0171】
(参考例6)
図17は、カーボンナノチューブデバイスの参考例を示す模式分解斜視図である。本参考例のカーボンナノチューブデバイスは、両端に入力端子134A〜134Dおよび出力端子134A’〜134D’が設けられた平面基板132の、これら端子が設けられた面に、順次、カーボンナノチューブ構造体層138A、第1の機能有機薄膜層136A、カーボンナノチューブ構造体層138B、第2の機能有機薄膜層136B、カーボンナノチューブ構造体層138C、第3の機能有機薄膜層136C、およびカーボンナノチューブ構造体層138Dが形成されてなるものである。
【0172】
各層の詳細について説明する。
平面基板132には、石英ガラスを用いた。
カーボンナノチューブ構造体層138A〜138Dは、前記高濃度分散液W(カーボンナノチューブ濃度:2g/リットル)を原液として、水を加えて3.5倍、3倍、2.5倍、および2倍にそれぞれ希釈した分散液を作製し、これら分散液をこの順で用いて、138A、138B、138C、および138Dのそれぞれの層をスピンコートにより成膜したものである。
【0173】
第1および第2の機能有機薄膜層136Aおよび136Bは、PMMAポリマー1mgをアセトニトリル10mlに溶解した溶液を用い、スピンコートにより0.2μmの薄膜を形成したものである。なお、薄膜中から残留溶媒であるアセトニトリルの除去、および、カーボンナノチューブ構造体との密着性の向上を目的に、スピンコート後に120℃に加熱した。
【0174】
なお、機能有機薄膜層が第1層(136A)のみのときと第2層(136B)を加えた時の電流特性を比べたところ、いくつかの入出力端子の組み合わせにおいて、電流値の増加が確認された。このことは、有機機能層であるPMMAを介して、ネットワーク間の一部が電磁気的に接合していることを示しており、ネットワーク全体が単純に接合されているのではなく、PMMAによって部分的には切り離され、部分的には接合している、多層化にわたって信号伝達する高次ネットワークが形成できたことが示された。
【0175】
さらに機能有機薄膜層を追加して第3層(第3の機能有機薄膜層136C)を形成した。第3層(136C)は、以下のようにして形成した。アゾベンゼン2gをモノクロロベンゼン100ml中に溶解し、スピンコートし薄膜を形成した。得られた薄膜の膜厚は、約100nm以下であった。さらに同様にスピンコートして、合計200nmの膜(第3層(136C))を形成した。
【0176】
第3層を加えて得られた本実施形態のカーボンナノチューブデバイスに、上部(デバイス平面に対して法線方向)からレーザー光を入射して、アゾベンゼン分子のシス−トランス変換を誘導させたところ、ある特定の入出力チャンネルの組み合わせの電流値がレーザー照射のON−OFFに伴って増減することが確認された。レーザー光の照射位置を変えたところ、前記入出力チャンネルの組み合わせの電流値に変化が現れなくなったが、その他の入出力チャンネルの電流値がレーザー照射のON−OFFに伴って増減することが確認された。つまり、外部からの刺激によってネットワークに接続された任意の入出力チャンネルの組み合わせの電流制御が行えるデバイスを実現できた。
【0177】
【発明の効果】
本発明によれば、カーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態を含むネットワークが、所望の面積・体積に形成されたカーボンナノチューブ構造体の配線、並びに、それが容易に得られ、カーボンナノチューブの使用量が少ないカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、そのように有用なカーボンナノチューブ構造体の配線を用いたカーボンナノチューブデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カーボンナノチューブの分散液におけるカーボンナノチューブ濃度と分散液の粘度との関係を表すグラフである。
【図2】 カーボンナノチューブの「ネットワーク」の概念を説明するためのカーボンナノチューブの集合体の一例を表す模式拡大図である。
【図3】 平面基板上に凹部がパターニングされて経路構造が設けられている状態を表す斜視図である。
【図4】 平面基板上に凸部がパターニングされて経路構造が設けられている状態を表す斜視図である。
【図5】 図4における平面基板上の凸部にカーボンナノチューブが滞留する理由を説明するための拡大平面図である。
【図6】 平面基板上に設けられる凸部の例を示す模式平面図であり、(a)は凸部の形状がコの字型、(b)凸部の形状がニの字型の例である。
【図7】 平面基板の全面(片面)に金属膜を形成した状態を示す斜視図であり、(a)は片面の全面に、(b)は片面に縞状に金属膜を形成したものである。
【図8】 カーボンナノチューブ構造体の参考例1を示す模式斜視図である。
【図9】 図8のカーボンナノチューブ構造体の電子顕微鏡写真(30000倍)である。
【図10】 図8のカーボンナノチューブ構造体を用いたカーボンナノチューブデバイスの例を示す模式斜視図である。
【図11】 カーボンナノチューブ構造体の参考例2を説明するための図面であり、(a)はカーボンナノチューブ構造体の参考例2を示す模式平面図であり、(b)は(a)のカーボンナノチューブ構造体を製造するために平板基板表面に設けられたパターニングを示す模式平面図である。
【図12】 本発明のカーボンナノチューブ構造体の配線の第1の実施形態を示す模式斜視図である。
【図13】 カーボンナノチューブ構造体の参考例3を示す模式断面図である。
【図14】 図13のカーボンナノチューブ構造体を用いたカーボンナノチューブデバイスの例を示す模式斜視図である。
【図15】 カーボンナノチューブデバイスの参考例4を示す模式分解斜視図である。
【図16】 カーボンナノチューブデバイスの参考例5を示す模式断面図である。
【図17】 カーボンナノチューブ構造体の参考例6を示す模式分解斜視図である。
【符号の説明】
2、12、42、52、62、72、92 平面基板
4 凹部
10、20、30 凸部
14、24、34、64、74、84、N1〜N9 カーボンナノチューブ
68、78、88 カーボンナノチューブ構造体
76 パターニング
96A 、96B 銅フタロシアニン蒸着層
98A 〜98C、108A〜108B、138A〜138D カーボンナノチューブ構造体層
100A、100B 透明基板
104 正孔輸送層
106 発光層
110 電子輸送層
122 発光分子
136A〜136C 機能有機薄膜層
C1〜C3 環状体
Claims (15)
- 低粘度の分散媒にカーボンナノチューブを分散させた高粘度分散液を、カーボンナノチューブ構造体により構成された配線に応じたパターニングに従って設けられた複数の凸部により形成される経路構造を有する平面基板上に供給し、前記複数の凸部を前記カーボンナノチューブにより電気的または磁気的に接合するとともに、カーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態を含むネットワークを形成させることにより、前記経路構造に沿って前記カーボンナノチューブ構造体の前記配線を形成することを特徴とするカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法。
- 前記高粘度分散液に、さらに他の物体を分散させておくことを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法。
- 前記凸部を、平面基板上に粒子状の金属を配置して形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法。
- 前記高粘度分散液におけるカーボンナノチューブの濃度を調整することによって、製造されるカーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの数量を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線の製造方法。
- 低粘度の分散媒にカーボンナノチューブを分散させた高粘度分散液を、カーボンナノチューブ構造体により構成された配線に応じたパターニングに従って設けられた複数の凸部により形成された経路構造を有する平面基板上に供給することで形成され、前記複数の凸部が前記カーボンナノチューブにより電気的または磁気的に接合されるとともに、カーボンナノチューブ相互間に電気的または磁気的な接続状態を含むネットワークが形成されることにより、前記経路構造に沿って前記カーボンナノチューブ構造体の前記配線が形成されたことを特徴とするカーボンナノチューブ構造体の配線。
- 前記高粘度分散液に、さらに他の物体を分散させておき、前記ネットワーク中に前記他の物体が分散配置されてなることを特徴とする請求項5に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線。
- 前記凸部が、平面基板上に粒子状の金属が配置されてなることを特徴とする請求項5又は6に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線。
- 前記ネットワーク中のカーボンナノチューブの少なくとも一部が、相互に物理的に接触していることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線。
- 請求項5〜8のいずれか1に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線を含むことを特徴とするカーボンナノチューブデバイス。
- 請求項5〜8のいずれか1に記載のカーボンナノチューブ構造体の配線を含むカーボンナノチューブ構造体層が、2層以上積層されてなることを特徴とするカーボンナノチューブデバイス。
- 前記カーボンナノチューブ構造体層相互間の少なくとも1の間に、機能層が介在してなることを特徴とする請求項10に記載のカーボンナノチューブデバイス。
- 前記機能層が機能性物体を含み、当該機能層を介して対向する前記カーボンナノチューブ構造体層の双方に含まれるカーボンナノチューブの一部同士が、前記機能性物体を介して電気的または磁気的に接続されてなることを特徴とする請求項11に記載のカーボンナノチューブデバイス。
- 前記カーボンナノチューブ構造体の少なくとも一部が、導電性配線として機能することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1に記載のカーボンナノチューブデバイス。
- 前記カーボンナノチューブ構造体の少なくとも一部が、平面電極として機能することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1に記載のカーボンナノチューブデバイス。
- 前記カーボンナノチューブ構造体の少なくとも一部が、デバイス回路として機能することを特徴とする請求項9〜14のいずれか1に記載のカーボンナノチューブデバイス。
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