JP4400557B2 - ノイズ抑制回路 - Google Patents

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Description

本発明は、導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路に関する。
スイッチング電源、インバータ、照明機器の点灯回路等のパワーエレクトロニクス機器は、電力の変換を行う電力変換回路を有している。電力変換回路は、直流を矩形波の交流に変換するスイッチング回路を有している。そのため、電力変換回路は、スイッチング回路のスイッチング周波数と等しい周波数のリップル電圧や、スイッチング回路のスイッチング動作に伴うノイズを発生させる。このリップル電圧やノイズは他の機器に悪影響を与える。そのため、電力変換回路と他の機器あるいは線路との間には、リップル電圧やノイズを低減する手段を設ける必要がある。
また、最近、家庭内における通信ネットワークを構築する際に用いられる通信技術として電力線通信が有望視され、その開発が進められている。電力線通信は、電力線に高周波信号を重畳して通信を行う。この電力線通信では、電力線に接続された種々の電気・電子機器の動作によって、電力線上にノイズが発生し、このことが、エラーレートの増加等の通信品質の低下を招く。そのため、電力線上のノイズを低減する手段が必要になる。また、電力線通信では、屋内電力線上の通信信号が屋外電力線に漏洩することを阻止する必要がある。
これらのノイズを抑制するために、電源ラインや信号ラインなどにラインフィルタを設けることが有効である。ラインフィルタとしては、インダクタンス素子(インダクタ)とキャパシタとを含むフィルタ、いわゆるLCフィルタがよく用いられている。LCフィルタには、インダクタンス素子とキャパシタとを1つずつ有するものの他に、T型フィルタやπ型フィルタ等がある。また、電磁妨害(EMI)対策用の一般的なノイズフィルタも、LCフィルタの一種である。一般的なEMIフィルタは、コモンモードチョークコイル、ノーマルモードチョークコイル、Xコンデンサ、Yコンデンサ等のディスクリート素子を組み合わせて構成されている。
なお、2本の導電線を伝搬するノイズには、2本の導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモード(ディファレンシャルモード)ノイズと、2本の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズとがある。
特許文献1には、変圧器を用いたラインフィルタが記載されている。このラインフィルタは、変圧器とフィルタ回路とを備えている。変圧器の2次巻線は、交流電源から負荷に供給する電力を輸送する2本の導電線のうちの一方に挿入されている。フィルタ回路の2つの入力端は交流電源の両端に接続され、フィルタ回路の2つの出力端は変圧器の1次巻線の両端に接続されている。このラインフィルタでは、フィルタ回路によって電源電圧からノイズ成分を抽出し、このノイズ成分を変圧器の1次巻線に供給することによって、変圧器の2次巻線が挿入された導電線上において電源電圧からノイズ成分を差し引くようになっている。このラインフィルタは、ノーマルモードのノイズを低減する。
特許文献2には、3つのインピーダンス素子で構成されたローパスフィルタが記載されている。このローパスフィルタは、2本の導電線のうちの一方に直列に挿入された2つの高インピーダンス素子と、一端が2つの高インピーダンス素子の間に接続され、他端が2本の導電線のうちの他方に接続された低インピーダンス素子とを備えている。2つの高インピーダンス素子は、それぞれ、コイルと抵抗との並列接続回路で構成され、低インピーダンス素子はキャパシタで構成されている。このローパスフィルタは、ノーマルモードノイズを低減する。
特許文献3には、ノーマルモードノイズを低減するノーマルモードノイズ用フィルタ回路とコモンモードノイズを低減するコモンモードノイズ用フィルタ回路が記載されている。ノーマルモードノイズ用フィルタ回路は、2本の導電線のそれぞれに挿入された2つのコイルと、各コイルの巻線の途中同士を接続するキャパシタとで構成されている。コモンモードノイズ用フィルタ回路は、2本の導電線のそれぞれに挿入された2つのコイルと、各コイルの巻線の途中とアース間に設けられた2つのキャパシタとで構成されている。
特開平9−102723号公報 特開平5−121988号公報(図1) 特許第2784783号公報(第6図)
従来のLCフィルタでは、インダクタンスおよびキャパシタンスで決まる固有の共振周波数を有するため、所望の減衰量を狭い周波数範囲でしか得ることができないという問題点があった。特許文献2および3に記載されたフィルタも、ノイズ低減の原理は従来のLCフィルタと同様であるため、従来のLCフィルタと同様の問題点を有している。
また、特許文献1に記載されたラインフィルタでは、変圧器の結合係数が1であると共に、フィルタ回路がラインフィルタに影響を与えなければ、理論的には、ノイズ成分を完全に除去することができる。しかしながら、実際には、変圧器の結合係数を1にすることは不可能であり、結合係数の低下に伴い、減衰特性が悪化する。特に、キャパシタによってフィルタ回路を構成した場合には、このキャパシタと変圧器の1次巻線とによって直列共振回路が構成される。そのため、このキャパシタと変圧器の1次巻線とを含む信号の経路のインピーダンスは、直列共振回路の共振周波数近傍の狭い周波数範囲でのみ小さくなる。その結果、このラインフィルタでは、狭い周波数範囲でしかノイズ成分を除去することができない。これらのことから、実際に構成されたラインフィルタでは、広い周波数範囲においてノイズ成分を効果的に除去することができないという問題点がある。
ところで、各国では、電子機器から交流電源線を介して外部へ放出されるノイズ、すなわち雑音端子電圧に関して、種々の規制を設けている場合が多い。例えば、CISPR(国際無線障害特別委員会)の規格では、150kHz〜30MHzの周波数範囲で雑音端子電圧の規格が設定されている。このような広い周波数範囲においてノイズを低減する場合には、特に、1MHz以下の低い周波数の範囲におけるノイズの低減に関して、以下のような問題が発生する。すなわち、1MHz以下の低い周波数の範囲では、インダクタンス素子のインピーダンスの絶対値は、インダクタンス素子のインダクタンスをL、周波数をfとして、2πfLで表される。したがって、一般に、1MHz以下の低い周波数の範囲におけるノイズを低減するには、大きなインダクタンスを有するインダクタンス素子を含むフィルタが必要になる。その結果、インダクタンス素子(コアと巻線)の形状が大型化し、フィルタ全体としても大型化する。
さらに、インダクタンス成分を複数有するフィルタの場合、各インダクタンス成分が独立、分離した構成になっていると、例えば実際の製造段階においてロットの違いにより各インダクタンス成分の特性値にばらつきが生じやすく、その結果、ノイズ抑制効果にもばらつきが生ずるおそれがある。また部品配置の違いによっても特性値にばらつきが生じるおそれがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、形状を大型化しなくとも広い周波数範囲に亘ってノイズを良好に抑制でき、かつインダクタンス成分の特性のばらつきを抑えて良好なノイズ抑制効果を得ることができるようにしたノイズ抑制回路を提供することにある。
本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線によって伝送され、これらの導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモードノイズを抑制する回路であって、第1の導電線に互いに直列的に挿入された第1および第2の巻線と、直列に接続された第3の巻線とキャパシタとを含み、一端が第1の巻線と第2の巻線との間に接続され、他端が第2の導電線に接続された直列回路と、第1および第2の巻線、ならびに第3の巻線が巻かれた共通のコアとを備えたものである。
本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路では、第1および第2の巻線、ならびに第3の巻線と、それらが巻かれた共通のコアとによって、各巻線部分で第1および第2のインダクタ、ならびに第3のインダクタが形成される。各インダクタは共通の同じコアで形成されているので、互いに磁気的に結合される。
ここで、第1および第2の導電線間の第1の巻線側にノーマルモードの電圧Viが印加されると、この電圧Viは、第1のインダクタと直列回路の主に第3のインダクタとによって分圧され、第1のインダクタの両端間と直列回路の両端間とにそれぞれ同一向きの所定の電圧が発生する。第1のインダクタと第2のインダクタは共通の同じコアで形成され互いに磁気的に結合されているので、第1のインダクタの両端間に発生した所定の電圧に応じて、第2のインダクタの両端間にも所定の電圧が発生する。直列回路の一端は第1の巻線と第2の巻線との間に接続されていることから、第2のインダクタの両端間に発生する電圧の向きは、直列回路の両端間に発生する電圧の向きとは逆方向となり、それらの電圧が互いに相殺される。その結果、第1および第2の導電線間の第2の巻線側での電圧Voは、第1の巻線側に印加された電圧Viよりも小さくなる。逆に、第2の巻線側にノーマルモードの電圧Voが印加された場合も、上記の説明と同様にして、第1および第2の導電線間の第1の巻線側での電圧Viは、第2の巻線側に印加された電圧Voよりも小さくなる。
このように各インダクタで発生する電圧を利用することで広い周波数範囲に亘ってノイズが良好に抑制される。さらに、このノイズ抑制回路では、各インダクタが共通の同じコアで形成されていることから、例えばコアを別々にして各インダクタを独立、分離した構成にした場合に比べて、小型化しやすく、かつ製造段階における特性値のばらつきを抑えやすくなる。その結果、ノイズ抑制効果のばらつきを抑えて良好なノイズ抑制効果が得られる。
この第1の観点に係るノイズ抑制回路において、特に以下の条件を満足することで良好なノイズ抑制効果が得られるので、好ましい。すなわち、第1の巻線と第3の巻線との結合係数をk2、第2の巻線と第3の巻線との結合係数をk3としたとき、結合係数k2,k3の値がそれぞれ0.5以下となっていることが好ましい。
この場合さらに、結合係数k2,k3の値が互いに同じ値になっていると、所望のノイズ抑制効果が得られるように各回路素子の特性値の調整を行いやすくなるので、より好ましい。
また、以下の条件を満足することでも良好なノイズ抑制効果が得られるので、好ましい。すなわち、第3の巻線の自己インダクタンスをL3とし、第1の巻線と第2の巻線との間の相互インダクタンスをM1、第1の巻線と第3の巻線との間の相互インダクタンスをM2、第2の巻線と第3の巻線との間の相互インダクタンスをM3としたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
L3≧M1+M2−M3
また、各巻線の巻き方に関して、以下の条件を満足することで良好なノイズ抑制効果が得られるので、好ましい。すなわち、コアにおいて、第3の巻線が第1および第2の巻線とは異なる位置に巻かれ、かつ、それぞれの巻き位置において第3の巻線によって発生した磁束が第1および第2の巻線によって発生した磁束に対し逆向きとなるようにして巻かれていることが好ましい。
また特に、コアが複数に分割されている場合には、第1および第2の巻線、ならびに第3の巻線が、分割されたコアのそれぞれにまたがるようにして巻かれていることが好ましい。
本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズを抑制する回路であって、第1の導電線に互いに直列的に挿入された第1および第2の巻線と、直列に接続された第3の巻線と第1のキャパシタとを含み、一端が第1の巻線と第2の巻線との間に接続され、他端が接地された第1の直列回路と、第2の導電線に互いに直列的に挿入された第4および第5の巻線と、直列に接続された第6の巻線と第2のキャパシタとを含み、一端が第4の巻線と第5の巻線との間に接続され、他端が接地された第2の直列回路と、第1および第2の巻線、ならびに第3の巻線と第4および第5の巻線、ならびに第6の巻線とが巻かれた共通のコアとを備えたものである。
ここで、第1の直列回路の第1のキャパシタの一端が第1の巻線と第2の巻線との間に接続されると共に、第2の直列回路の第2のキャパシタの一端が第4の巻線と第5の巻線との間に接続され、かつ、第1の直列回路の第3の巻線と第2の直列回路の第6の巻線とが共通化され、その共通化された巻線の一端が、第1および第2の直列回路の各キャパシタの他端に接続されると共に、他端が接地されていても良い。そして、その共通化された巻線が、第1および第2の巻線と第4および第5の巻線と共に、共通の同じコアに巻かれていても良い。
本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路では、第1および第2の巻線、ならびに第3の巻線と、それらが巻かれた共通のコアとによって、各巻線部分で第1および第2のインダクタ、ならびに第3のインダクタが形成される。同様に、第4および第5の巻線、ならびに第6の巻線も共通の同じコアに巻かれ、各巻線部分で第4および第5のインダクタ、ならびに第6のインダクタが形成される。各インダクタは共通の同じコアで形成されているので、互いに磁気的に結合される。
ここで、第1の導電線とアース間において第1の巻線側にコモンモードの電圧Viが印加されると、第2の導電線とアース間にも第4の巻線側に同位相のコモンモードの電圧Viが印加される。第1の導電線とアース間に印加された電圧Viは、第1のインダクタと第1の直列回路の主に第3のインダクタとによって分圧され、第1のインダクタの両端間と第1の直列回路の両端間とにそれぞれ同一向きの所定の電圧が発生する。第1のインダクタと第2のインダクタは共通の同じコアで形成され互いに磁気的に結合されているので、第1のインダクタの両端間に発生した所定の電圧に応じて、第2のインダクタの両端間にも所定の電圧が発生する。第1の直列回路の一端は第1の巻線と第2の巻線との間に接続されていることから、第2のインダクタの両端間に発生する電圧の向きは、第1の直列回路の両端間に発生する電圧の向きとは逆方向となり、それらの電圧が互いに相殺される。その結果、第1の導電線とアース間における第2の巻線側での電圧Voは、第1の巻線側に印加された電圧Viよりも小さくなる。逆に、第2の巻線側にコモンモードの電圧Voが印加された場合も、上記の説明と同様にして、第1の導電線とアース間における第1の巻線側での電圧Viは、第2の巻線側に印加された電圧Voよりも小さくなる。
同様に、第2の導電線とアース間において第4の巻線側に印加された電圧Viは、第4のインダクタと第2の直列回路の主に第6のインダクタとによって分圧され、第4のインダクタの両端間と第2の直列回路の両端間とにそれぞれ同一向きの所定の電圧が発生する。第4のインダクタと第5のインダクタは共通の同じコアで形成され互いに磁気的に結合されているので、第4のインダクタの両端間に発生した所定の電圧に応じて、第5のインダクタの両端間にも所定の電圧が発生する。第2の直列回路の一端は第4の巻線と第5の巻線との間に接続されていることから、第5のインダクタの両端間に発生する電圧の向きは、第2の直列回路の両端間に発生する電圧の向きとは逆方向となり、それらの電圧が互いに相殺される。その結果、第2の導電線とアース間における第5の巻線側での電圧Voは、第4の巻線側に印加された電圧Viよりも小さくなる。逆に、第5の巻線側にコモンモードの電圧Voが印加された場合も、上記の説明と同様にして、第2の導電線とアース間における第4の巻線側での電圧Viは、第5の巻線側に印加された電圧Voよりも小さくなる。
このように各インダクタで発生する電圧を利用することで広い周波数範囲に亘ってノイズが良好に抑制される。さらに、このノイズ抑制回路では、各インダクタが共通の同じコアで形成されていることから、例えばコアを別々にして各インダクタを独立、分離した構成にした場合に比べて、小型化しやすく、かつ製造段階における特性値のばらつきを抑えやすくなる。その結果、ノイズ抑制効果のばらつきを抑えて良好なノイズ抑制効果が得られる。
この第2の観点に係るノイズ抑制回路において、特に以下の条件を満足することで良好なノイズ抑制効果が得られるので、好ましい。すなわち、第1の巻線と第3の巻線との結合係数をk2、第2の巻線と第3の巻線との結合係数をk3としたとき、結合係数k2,k3の値がそれぞれ0.5以下となっていることが好ましい。同様に、第4の巻線と第6の巻線との結合係数をk5、第5の巻線と第6の巻線との結合係数をk6としたとき、結合係数k5,k6の値がそれぞれ0.5以下となっていることが好ましい。
この場合さらに、結合係数k2,k3の値が互いに同じ値になっており、かつ、結合係数k5,k6の値が互いに同じ値になっていると、所望のノイズ抑制効果が得られるように各回路素子の特性値の調整を行いやすくなるので、より好ましい。
また、以下の条件を満足することでも良好なノイズ抑制効果が得られるので、好ましい。すなわち、第3の巻線の自己インダクタンスをL3とし、第1の巻線と第2の巻線との間の相互インダクタンスをM1、第1の巻線と第3の巻線との間の相互インダクタンスをM2、第2の巻線と第3の巻線との間の相互インダクタンスをM3としたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
L3≧M1+M2−M3
同様に、第6の巻線の自己インダクタンスをL6とし、第4の巻線と第5の巻線との間の相互インダクタンスをM4、第4の巻線と第6の巻線との間の相互インダクタンスをM5、第5の巻線と第6の巻線との間の相互インダクタンスをM6としたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
L6≧M4+M5−M6
また、各巻線の巻き方に関して、以下の条件を満足することで良好なノイズ抑制効果が得られるので、好ましい。すなわち、第3の巻線が第1および第2の巻線に対しコアの異なる位置に巻かれ、かつ、それぞれの巻き位置において第3の巻線によって発生した磁束が第1および第2の巻線によって発生した磁束に対し逆向きとなるようにして巻かれていることが好ましい。同様に、第6の巻線が第4および第5の巻線に対しコアの異なる位置に巻かれ、かつ、それぞれの巻き位置において第6の巻線によって発生した磁束が第4および第5の巻線によって発生した磁束に対し逆向きとなるようにして巻かれていることが好ましい。
また特に、コアが複数に分割されている場合には、第1および第2の巻線、ならびに第3の巻線と第4および第5の巻線、ならびに第6の巻線とが、分割されたコアのそれぞれにまたがるようにして巻かれていることが好ましい。
本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路によれば、第3の巻線を含む直列回路の一端を、第1の導電線に互いに直列的に挿入された第1の巻線と第2の巻線との間に接続すると共に、他端を第2の導電線に接続し、各巻線を共通の同じコアに巻いて複数のインダクタを形成するようにしたので、広い周波数範囲に亘ってノーマルモードノイズを良好に抑制できる。特に、各インダクタが共通の同じコアで形成されていることから、例えばコアを別々にして各インダクタを独立、分離した構成にした場合に比べて、小型化しやすく、かつ製造段階における特性値のばらつきを抑えて良好なノイズ抑制効果を得ることができる。
本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路によれば、第3の巻線を含む第1の直列回路の一端を、第1の導電線に互いに直列的に挿入された第1の巻線と第2の巻線との間に接続すると共に、他端を接地し、また、第6の巻線を含む第2の直列回路の一端を、第2の導電線に互いに直列的に挿入された第4の巻線と第5の巻線との間に接続すると共に、他端を接地し、かつ各巻線を共通の同じコアに巻いて複数のインダクタを形成するようにしたので、広い周波数範囲に亘ってコモンモードノイズを良好に抑制できる。特に、各インダクタが共通の同じコアで形成されていることから、例えばコアを別々にして各インダクタを独立、分離した構成にした場合に比べて、小型化しやすく、かつ製造段階における特性値のばらつきを抑えて良好なノイズ抑制効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路について説明する。本実施の形態に係るノイズ抑制回路は、2本の導電線によって伝送され、これらの導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモードノイズを抑制する回路である。
図1(A),(B)は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1および第2の構成例を示している。以下では、図1(A)の第1の構成例を基本に説明する。このノイズ抑制回路は、一対の端子1A,1Bと、他の一対の端子2A,2Bと、端子1A,2A間を接続する第1の導電線3と、端子1B、2B間を接続する第2の導電線4とを備えている。このノイズ抑制回路はまた、第1の導電線3に互いに直列的に挿入された第1および第2の巻線11,12と、一端が第1の巻線11と第2の巻線12との間に接続され、他端が第2の導電線4に接続された直列回路5とを備えている。直列回路5は、互いに直列に接続された第3の巻線13とキャパシタC1とを含んで構成されている。
このノイズ抑制回路はさらに、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13が共通に巻かれたコア10を備えている。第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13と、それらが共通に巻かれたコア10とによって、各巻線部分で第1および第2のインダクタL1,L2、ならびに第3のインダクタL3が形成されている。各インダクタは共通の同じコア10で形成されているので、互いに磁気的に結合される。第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスは同一の値であることが好ましい。
なお、図2(A),(B)に、図1(A),(B)の各構成例に対する比較例として、第1および第2の巻線11,12と第3の巻線13とが別々のコアに分離して巻かれた構成となっている場合の等価回路を示す。
キャパシタC1は、一端が第1および第2の巻線11,12の間に接続されると共に、他端が第3の巻線13の一端に接続されている。第3の巻線13の他端は第2の導電線4に接続されている。キャパシタC1は、周波数が所定値以上のノーマルモード信号を直列回路5に通過させるハイパスフィルタとして機能する。
なお、図1(B)に示したように、直列回路5内における第3の巻線13とキャパシタC1の位置関係が逆であってもよい。すなわち、第3の巻線13の一端を第1および第2の巻線11,12の間に接続し、キャパシタC1の他端を第2の導電線4に接続するようにしても良い。
このノイズ抑制回路において、図5に示したように第1の巻線11と第3の巻線13との結合係数をk2、第2の巻線12と第3の巻線13との結合係数をk3としたとき、結合係数k2,k3の値がそれぞれ0.5以下と小さめに設定されていることが好ましい。すなわち、磁気的な結合が弱めであることが好ましい。また、結合係数k2,k3の値が互いに同じ値になっていると、所望のノイズ抑制効果が得られるように各回路素子の特性値の調整を行いやすくなるので、より好ましい。一方、第1の巻線11と第2の巻線12との結合係数k1は、k2,k3に比べて大きい値に設定されていることが好ましい。すなわち、磁気的な結合が強めであることが好ましい。
また、第3の巻線13の単独での自己インダクタンスをL3とし、第1の巻線11と第2の巻線12との間の相互インダクタンスをM1、第1の巻線11と第3の巻線13との間の相互インダクタンスをM2、第2の巻線12と第3の巻線13との間の相互インダクタンスをM3としたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
L3≧M1+M2−M3
なお、これらが好ましい条件であることの根拠は後述する。
図3(A),(B)および図4は、コア10の構成とそれに対する各巻線の巻き方の具体例を示したものである。これらの構成を採用することで、上記好ましい条件を満足させやすくなる。上記したように第3の巻線13と第1および第2の巻線11,12との結合係数k2,k3の値はそれぞれ0.5以下と小さめに設定されていることが好ましいので、コア10において、第3の巻線13は第1および第2の巻線11,12とは異なる位置に巻かれていることが好ましい。また、結合係数k2,k3の値が互いに同じ値になっていることが好ましいので、例えば第1および第2の巻線11,12が、第3の巻線13に対して対称的な位置に巻かれていることが好ましい。
具体的には、例えば図3(A)に示したように、8の字形状のコア10において、その左側部分10Lにある左の柱部分に第3の巻線13を巻き、その右側部分10Rにおける上下の柱部分に第1および第2の巻線11,12を巻くと良い。また、図3(B)に示したように、第1および第2の巻線11,12を共に、右側部分10Rにおける右の柱部分に巻くようにしても良い。これらの場合において、第3の巻線13と第1および第2の巻線11,12との結合を低く抑えるために、図示したように、それぞれの巻き位置において第3の巻線13によって発生した磁束Φ2が第1および第2の巻線11,12によって発生した磁束Φ1に対し逆向きとなるようにして巻かれていることが好ましい。これにより図示した状態では、第3の巻線13の磁束Φ2によって反時計回りの磁路が形成され、これとは逆に第1および第2の巻線11,12の磁束Φ1によって時計回りの磁路が形成される。このような場合、中央の柱部分では各磁束Φ1,Φ2によって同一方向に共通の磁路が形成されるが、この部分に各巻線を巻くことは好ましくない。すなわち、共通の磁路が形成されていない部分に各巻線が巻かれていることが好ましい。
また、コア10が複数に分割されたものである場合、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13は、分割された各コアのそれぞれにまたがるようにして共通に巻かれていることが好ましい。具体的には、例えば図4に示したように、コア10がEの字形状の2つのコア10A,10Bに分割されたものである場合、その分割面10Cをまたがるようにして、各巻線が巻かれていることが好ましい。図4の例では、2つのコア10A,10Bのそれぞれの左側部分10Lにある左の柱部分において、分割面10Cをまたぐようにして第3の巻線13が巻かれている。また、2つのコア10A,10Bのそれぞれの右側部分10Rにある右の柱部分において、分割面10Cをまたぐようにして第1および第2の巻線11,12が重複して巻かれている。
なお、コア10の形状、および各巻線の巻き方は、図示したものに限定されず、他の構成を採りうる。またコア10が3つ以上に分割されていても良い。また、各巻線の極性、巻き方の向きが図示したものとはすべて逆になっていても良い。
次に、このノイズ抑制回路の作用を説明する。
まず、図6を参照して、このノイズ抑制回路によるノイズ抑制動作の原理を説明する。第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスは互いに同一の値とし、キャパシタC1のインピーダンスは無視できるほど小さい低インピーダンスであるものとする。この場合、図6に示したように端子1A,1B間(第1および第2の導電線3,4間の第1の巻線11側)にノーマルモードの電圧Viが印加されると、この電圧Viは、第1のインダクタL1と直列回路5の主に第3のインダクタL3とによって分圧され、第1のインダクタL1の両端間と第3のインダクタL3の両端間とにそれぞれ同一向きの所定の電圧V1,V3が発生する。なお、図中の矢印は、その先の方が高い電位であることを表している。第1のインダクタL1と第2のインダクタL2は、共通の同じコア10で形成され互いに磁気的に結合されているので、第1のインダクタL1の両端間に発生した電圧V1に応じて、第2のインダクタL2の両端間にも電圧V1と同一の電圧V2が発生する。直列回路5の一端は第1の巻線11と第2の巻線12との間に接続されていることから、第2のインダクタL2の両端間に発生する電圧V2の向きは、第3のインダクタL3の両端間に発生する電圧V3の向きとは逆方向となり、それらの電圧が互いに相殺される。その結果、端子2A,2B間(第1および第2の導電線3,4間の第2の巻線側)の電圧Voは、端子1A,1B間に印加された電圧Viよりも小さくなる。逆に、端子2A,2B間にノーマルモードの電圧Voが印加された場合も、上記の説明と同様にして、端子1A,1B間の電圧Viは、端子2A,2B間に印加された電圧Voよりも小さくなる。
このようにして、各インダクタで発生する電圧を利用することで、端子1A,1B間にノーマルモードノイズが印加された場合と、端子2A,2B間にノーマルモードノイズが印加された場合のいずれの場合にも、広い周波数範囲に亘ってノーマルモードノイズを良好に抑制することができる。
ここで、各巻線間の結合を考慮した第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13(第1および第2のインダクタL1,L2、ならびに第3のインダクタL3)の自己インダクタンスL1’,L2’,L3’を、以下のように定義する。なお、図5に示したように各巻線間の相互インダクタンスをM1,M2,M3とする。また、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13の単独での自己インダクタンスをL1,L2,L3とする。
L1’=L1+M1−M2−M3
L2’=L2+M1+M2+M3
L3’=L3−M1−M2+M3
図8は、このノイズ抑制回路における減衰特性として、インダクタンスL3’の値をL3’<0,L3’=0,L3’>0と変えて計算した結果をグラフ化して示したものである。横軸は周波数(Hz)、縦軸は減衰量(dB)を示す。L3’<0の代表値として−10(μH)、L3’>0の代表値として10(μH)を用いた。ここで、L3’は上記したように表されるので、例えば第3の巻線13の単独での自己インダクタンスL3の値を変えることで調整できる。一例として、L3の値を変えて、L3’=−10,0,10となるように調整した場合の各回路値を図7に示す。C1はキャパシタC1のキャパシタンスを示す。k1,k2,k3は図5に示したように各巻線間の結合係数である。
図8の結果から、L3’=0のときは高周波になるに従い減衰量が十分に大きくなる良好な減衰特性が得られている。L3’>0のときは、低域側に減衰極ができ、L3’=0のときよりも部分的に減衰量が大きくなる帯域がある。L3’<0のときはL3’=0のときに比べ、特に高周波側で減衰量が不十分となっている。ノイズフィルタとして利用することを考えると、性能的に好ましいのはL3’≧0のときである。
ここで、L3’=L3−M1−M2+M3であるから、性能的に好ましい条件は、
L3≧M1+M2−M3
となる。
次に、各巻線を共通の同じコア10に巻いたことによる作用および効果を説明する。例えば実際の製造段階において各ロットの違いにより各回路素子の特性値が設計値(理想値)に対しばらつきが生じるおそれがある。図9は、コア10の透磁率が設計値に対しばらつきが生じた場合を想定して、各回路素子の特性値を計算した結果を示している。ここでは、図1(A)の本実施の形態に係るノイズ抑制回路においてばらつきが生じた場合(ばらつき考慮、コア一体)と、図2(A)の比較例のノイズ抑制回路においてばらつきが生じた場合(ばらつき考慮、コア分離)とについて計算した。透磁率に変化があると、自己インダクタンスL1,L2,L3が変化するので、この値を理想値から変化させた。また図10に、それぞれの場合での減衰特性を計算した結果をグラフ化して示す。
図2(A)の比較例のノイズ抑制回路の場合、第1および第2の巻線11,12と第3の巻線13とでコア10が別々となっているので最悪の場合、2つのコアにおいてそれぞれ±逆方向に値が変化することが考えられる。そこで、図2(A)の比較例のノイズ抑制回路の場合については、L1,L2の値が設計値に対し+25%ずれが生じ、L3の値が−25%ずれが生じたものとして計算した。一方、本実施の形態に係るノイズ抑制回路では、各巻線で同一のコア10を用いているので、L1,L2,L3の値は同一方向に値が変化する。そこで、このノイズ抑制回路については、L1,L2,L3の値が設計値に対しすべて+25%ずれが生じたものとして計算した。
図9から分かるように、比較例のノイズ抑制回路の場合にはL3’の値にずれが生じているが、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の場合にはL3’の値にずれは生じていない。既に図7,図8を用いて説明したようにL3’の違いにより減衰特性には差が生じるので、図10の減衰特性を見ても分かるように、比較例のノイズ抑制回路の場合(コア分離)には理想状態に対し減衰特性が悪化しているが、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の場合(コア一体)では減衰特性にほとんど差がない。このように、本実施の形態に係るノイズ抑制回路では、同一のコア10に各巻線を施していることで、コアを別々にした構成に比べて各巻線間のコアでの透磁率のばらつきを無くすことができる。これにより、減衰特性の悪化を防ぐことができる。また、部品配置の違いによる各巻線間の結合の不安定さを無くし、安定した減衰特性を得ることができる。
次に、このノイズ抑制回路において、結合係数k2,k3の違いによる特性の変化を計算した。図11にその計算条件を示す。ここでは特に、結合係数k2,k3の値が互いに等しい場合においてk2,k3=0,0.1,0.3,0.5,0.7,0.9と変えたときの減衰特性を計算した。
図12および図13にその計算結果を示す。図12では特に1MHzでの減衰量の値を示す。k2,k3の値が大きくなるにつれて減衰特性が悪化している。ここで、電力の場合は、値が3dB悪化することは電力が約2倍に増えることになる。電圧の場合は、値が3dB悪化することは電圧が約1.4倍に増えることになる。ノイズフィルタとしての性能は電圧で考えることが多いため、3dB以上悪化するのは好ましくない。そのため、k2,k3の値の性能的に好ましい条件は、
0.5≧k2,k3
となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13を共通の同じコア10に巻いて各インダクタを形成するようにしたので、例えばコアを別々にして各インダクタを独立、分離した構成にした場合に比べて、小型化しやすく、かつ製造段階における特性値のばらつきを抑えやすくなる。また部品配置の違いによる特性値にばらつきを抑えやすくなる。その結果、ノイズ抑制効果のばらつきを抑えて良好なノイズ抑制効果を得ることができる。特に、コア10を別々にした場合に比べて透磁率のばらつきによる減衰特性の最適値からのずれを無くすことができる。また、第1および第2のインダクタL1,L2と第3のインダクタL3とのマッチングが不要になることで、余計な調整がいらなくなる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路について説明する。本実施の形態に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズを抑制する回路である。
図14(A),(B)は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1および第2の構成例を示している。なお、上記第1の実施の形態におけるノイズ抑制回路(図1(A),(B))と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付している。以下では、図14(A)の第1の構成例を基本に説明する。このノイズ抑制回路は、図1(A)のノイズ抑制回路と同様、第1の導電線3に互いに直列的に挿入された第1および第2の巻線11,12と、一端が第1の巻線11と第2の巻線12との間に接続された第1の直列回路5とを備えている。第1の直列回路5は、互いに直列に接続された第3の巻線13と第1のキャパシタC1とを含んで構成されている。図1(A)のノイズ抑制回路では第1の直列回路5の他端が第2の導電線4に接続されていたが、このノイズ抑制回路では第1の直列回路5の他端は接地されている。
このノイズ抑制回路はまた、第2の導電線4側に第1の導電線3側と同様の回路成分を備えている。すなわち、第2の導電線4に互いに直列的に挿入された第4および第5の巻線14,15と、一端が第4の巻線14と第5の巻線15との間に接続された第2の直列回路6とを備えている。第2の直列回路6は、互いに直列に接続された第6の巻線16と第2のキャパシタC2とを含んで構成されている。第2の直列回路6の他端は接地されている。
このノイズ抑制回路はさらに、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13と、第4および第5の巻線14,15、ならびに第6の巻線16とが共通に巻かれたコア10を備えている。第1の導電線3側において、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13と、それらが共通に巻かれたコア10とによって、各巻線部分で第1および第2のインダクタL1,L2、ならびに第3のインダクタL3が形成されている。同様に第2の導電線4側において、第4および第5の巻線14,15、ならびに第6の巻線16と、それらが共通に巻かれたコア10とによって、各巻線部分で第4および第5のインダクタL4,L5、ならびに第6のインダクタL6が形成されている。各インダクタは共通の同じコア10で形成されているので、互いに磁気的に結合される。第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスは同一の値であることが好ましい。同様に第4および第5のインダクタL4,L5のインダクタンスは同一の値であることが好ましい。第1および第2のインダクタL1,L2と第4および第5のインダクタL4,L5は、協働してコモンモードノイズを抑制する。
なお、図15(A),(B)に、図14(A),(B)の各構成例に対する比較例として、第3および第6の巻線13,16が他の巻線とは別々のコアに分離して巻かれた構成となっている場合の等価回路を示す。
第1のキャパシタC1は、一端が第1および第2の巻線11,12の間に接続されると共に、他端が第3の巻線13の一端に接続されている。第3の巻線13の他端は接地されている。第2のキャパシタC2は、一端が第4および第5の巻線14,15の間に接続されると共に、他端が第6の巻線16の一端に接続されている。第6の巻線16の他端は接地されている。第1および第2のキャパシタC1,C2は、周波数が所定値以上のコモンモード信号を第1および第2の直列回路5,6に通過させるハイパスフィルタとして機能する。
なお、図14(B)に示したように、第1の直列回路5内における第3の巻線13と第1のキャパシタC1の位置関係が逆であってもよい。すなわち、第3の巻線13の一端を第1および第2の巻線11,12の間に接続し、キャパシタC1の他端を接地するようにしても良い。同様に、第2の直列回路6内における第6の巻線16と第2のキャパシタC2の位置関係が逆であってもよい。すなわち、第6の巻線16の一端を第4および第5の巻線14,15の間に接続し、第2のキャパシタC2の他端を接地するようにしても良い。
このノイズ抑制回路において、図18に示したように第1の巻線11と第3の巻線13との結合係数をk2、第2の巻線12と第3の巻線13との結合係数をk3としたとき、上記した図1(A)の構成例と同様の理由で、結合係数k2,k3の値がそれぞれ0.5以下と小さめに設定されていることが好ましい。すなわち、磁気的な結合が弱めであることが好ましい。また、結合係数k2,k3の値が互いに同じ値になっていると、所望のノイズ抑制効果が得られるように各回路素子の特性値の調整を行いやすくなるので、より好ましい。一方、第1の巻線11と第2の巻線12との結合係数k1は、k2,k3に比べて大きい値に設定されていることが好ましい。すなわち、磁気的な結合が強めであることが好ましい。
これに加えて同様の理由で、第4の巻線14と第6の巻線16との結合係数をk5、第5の巻線15と第6の巻線16との結合係数をk6としたとき、結合係数k5,k6の値がそれぞれ0.5以下となっていることが好ましい。また、結合係数k5,k6の値が互いに同じ値になっていると、より好ましい。一方、第4の巻線14と第5の巻線15との結合係数k4は、k5,k6に比べて大きい値に設定されていることが好ましい。
また、上記した図1(A)の構成例と同様の理由で、第3の巻線13の単独での自己インダクタンスをL3とし、第1の巻線11と第2の巻線12との間の相互インダクタンスをM1、第1の巻線11と第3の巻線13との間の相互インダクタンスをM2、第2の巻線12と第3の巻線13との間の相互インダクタンスをM3としたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
L3≧M1+M2−M3
これに加えて同様の理由で、第6の巻線16の単独での自己インダクタンスをL6とし、第4の巻線14と第5の巻線15との間の相互インダクタンスをM4、第4の巻線14と第6の巻線16との間の相互インダクタンスをM5、第5の巻線15と第6の巻線16との間の相互インダクタンスをM6としたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
L6≧M4+M5−M6
図16(A),(B)および図17は、コア10の構成とそれに対する各巻線の巻き方の具体例を示したものである。これらの構成を採用することで、上記好ましい条件を満足させやすくなる。上記したように第3の巻線13と第1および第2の巻線11,12との結合係数k2,k3の値はそれぞれ0.5以下と小さめに設定されていることが好ましいので、コア10において、第3の巻線13は第1および第2の巻線11,12とは異なる位置に巻かれていることが好ましい。同様に、第6の巻線16は第4および第5の巻線14,15とは異なる位置に巻かれていることが好ましい。
また、コモンモードノイズを良好に抑制するために、第1の導電線3側の巻線11,12,13と、第2の導電線4側の巻線14,15,16とが、互いに対称的な位置に巻かれていることが好ましい。第1および第2の巻線11,12と第4および第5の巻線14,15は、共通のコア10に巻かれることにより、協働してコモンモードノイズを抑制するように互いに磁気的に結合している。すなわち、それらの巻線は、それらにノーマルモードの電流が流れたときに各巻線を流れる電流によってコア10に誘起される磁束が互いに相殺されるような向きにコア10に巻かれていることが好ましい。それらの巻線とコア10は、コモンモードノイズを抑制し、ノーマルモード信号を通過させるコモンモードチョークコイルを構成していることが好ましい。各インダクタL21,L22,L24,L25同士は、互いに同一の極性を有していれば良く、すべてのインダクタの極性方向が図示したものとは逆となっていても良い。
具体的には、例えば図16(A)に示したように、8の字形状のコア10において、その左側部分10Lにある左の柱部分の上側に第3の巻線13を巻くと共に、その右側部分10Rにおける上の柱部分に第1および第2の巻線11,12を巻き、それと対称的に、左側部分10Lにある左の柱部分の下側に第6の巻線16を巻くと共に、その右側部分10Rにおける下の柱部分に第4および第5の巻線14,15を巻くと良い。また、図16(B)に示したように、左側部分10Lにある上の柱部分に第3の巻線13を巻くと共に、下の柱部分に第6の巻線16を巻くようにしても良い。これらの場合において、第3の巻線13と第1および第2の巻線11,12との結合を低く抑えるために、図示したように、それぞれの巻き位置において第3の巻線13によって発生した磁束Φ2が第1および第2の巻線11,12によって発生した磁束Φ1に対し逆向きとなるようにして巻かれていることが好ましい。これにより図示した状態では、第3の巻線13の磁束Φ2によって反時計回りの磁路が形成され、これとは逆に第1および第2の巻線11,12の磁束Φ1によって時計回りの磁路が形成される。このような場合、中央の柱部分では各磁束Φ1,Φ2によって同一方向に共通の磁路が形成されるが、この部分に各巻線を巻くことは好ましくない。すなわち、共通の磁路が形成されていない部分に各巻線が巻かれていることが好ましい。第6の巻線16と第4および第5の巻線14,15とについても同様である。
また、コア10が複数に分割されたものである場合、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13と第4および第5の巻線14,15、ならびに第6の巻線16とが、分割された各コアのそれぞれにまたがるようにして共通に巻かれていることが好ましい。具体的には、例えば図17に示したように、コア10がEの字形状の2つのコア10A,10Bに分割されたものである場合、その分割面10Cをまたがるようにして、各巻線が巻かれていることが好ましい。図17の例では、2つのコア10A,10Bのそれぞれの左側部分10Lにある左の柱部分において、分割面10Cをまたぐようにして第3の巻線13と第6の巻線16とが巻かれている。また、2つのコア10A,10Bのそれぞれの右側部分10Rにある右の柱部分において、分割面10Cをまたぐようにして第1および第2の巻線11,12と第4および第5の巻線14,15とが重複して巻かれている。
なお、コア10の形状、および各巻線の巻き方は、図示したものに限定されず、他の構成を採りうる。またコア10が3つ以上に分割されていても良い。また、各巻線の極性、巻き方の向きが図示したものとはすべて逆になっていても良い。
次に、このノイズ抑制回路の作用を説明する。
まず、図19を参照して、このノイズ抑制回路によるノイズ抑制動作の原理を説明する。第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスは互いに同一の値とし、第1のキャパシタC1のインピーダンスは無視できるほど小さい低インピーダンスであるものとする。同様に、第4および第5のインダクタL4,L5のインダクタンスは互いに同一の値とし、第2のキャパシタC2のインピーダンスは無視できるほど小さい低インピーダンスであるものとする。
始めに、端子1A,1Bにコモンモードの電圧Viが印加された場合について説明する。この場合、第1の導電線3とアース間において第1の巻線11側にコモンモードの電圧Viが印加されると、第2の導電線4とアース間にも第4の巻線14側に同位相のコモンモードの電圧Viが印加される。第1の導電線3とアース間に印加された電圧Viは、第1のインダクタL1と第1の直列回路5の主に第3のインダクタL3とによって分圧され、第1のインダクタL1の両端間と第1の直列回路5の両端間とにそれぞれ同一向きの所定の電圧V1,V3が発生する。なお、図中の矢印は、その先の方が高い電位であることを表している。第1のインダクタL1と第2のインダクタL2は共通の同じコア10で形成され互いに磁気的に結合されているので、第1のインダクタL1の両端間に発生した所定の電圧V1に応じて、第2のインダクタL2の両端間にも電圧V1と同一の電圧V2が発生する。第1の直列回路5の一端は第1の巻線11と第2の巻線12との間に接続されていることから、第2のインダクタL2の両端間に発生する電圧V2の向きは、第1の直列回路5の両端間に発生する電圧V3の向きとは逆方向となり、それらの電圧が互いに相殺される。その結果、第1の導電線3とアース間における第2の巻線12側での電圧Voは、第1の巻線11側に印加された電圧Viよりも小さくなる。
同様に、第2の導電線4とアース間において第4の巻線14側に印加された電圧Viは、第4のインダクタL4と第2の直列回路6の主に第6のインダクタL6とによって分圧され、第4のインダクタL4の両端間と第2の直列回路6の両端間とにそれぞれ同一向きの所定の電圧V1,V3が発生する。第4のインダクタL4と第5のインダクタL5は共通の同じコア10で形成され互いに磁気的に結合されているので、第4のインダクタL4の両端間に発生した所定の電圧V1に応じて、第5のインダクタL5の両端間にも電圧V1と同一の電圧V2が発生する。第2の直列回路6の一端は第4の巻線14と第5の巻線15との間に接続されていることから、第5のインダクタL5の両端間に発生する電圧V2の向きは、第2の直列回路6の両端間に発生する電圧V3の向きとは逆方向となり、それらの電圧が互いに相殺される。その結果、第2の導電線4とアース間における第5の巻線15側での電圧Voは、第4の巻線14側に印加された電圧Viよりも小さくなる。
また、この回路において、端子2A,2Bにコモンモードの電圧Voが印加された場合も、上記の説明と同様にして、端子1A,1Bに発生するコモンモードの電圧Viは、端子2A,2Bに印加されたコモンモードの電圧Voよりも小さくなる。このように、各インダクタで発生する電圧を利用することで、端子1A,1Bにコモンモードノイズが印加された場合と、端子2A,2Bにコモンモードノイズが印加された場合のいずれの場合にも、広い周波数範囲に亘ってコモンモードノイズを良好に抑制することができる。
ここで、上記第1の実施の形態と同様に、各巻線間の結合を考慮した第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13(第1および第2のインダクタL1,L2、ならびに第3のインダクタL3)の自己インダクタンスL1’,L2’,L3’を、以下のように定義する。なお、図18に示したように各巻線間の相互インダクタンスをM1,M2,M3とする。また、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13の単独での自己インダクタンスをL1,L2,L3とする。
L1’=L1+M1−M2−M3
L2’=L2+M1+M2+M3
L3’=L3−M1−M2+M3
同様に、各巻線間の結合を考慮した第4および第5の巻線14,15、ならびに第6の巻線16(第4および第5のインダクタL4,L5、ならびに第6のインダクタL6)の自己インダクタンスL4’,L5’,L6’を、以下のように定義する。なお、図18に示したように各巻線間の相互インダクタンスをM4,M5,M6とする。また、第4および第5の巻線14,15、ならびに第6の巻線16の単独での自己インダクタンスをL4,L5,L6とする。
L4’=L4+M4−M5−M6
L5’=L5+M4+M5+M6
L6’=L6−M4−M5+M6
上記第1の実施の形態において図7,図8を参照して説明したのと同様の理由で、本実施の形態に係るノイズ抑制回路についても、ノイズフィルタとして利用することを考えると性能的に好ましいのはL3’≧0、かつL6’≧0のときであり、以下の条件が好ましい条件として得られる。
L3≧M1+M2−M3
L6≧M4+M5−M6
また、上記第1の実施の形態において図9,図10を参照して説明したのと同様の理由で、本実施の形態に係るノイズ抑制回路についても、同一のコア10に各巻線を施していることで、コアを別々にした構成(図15(A),(B))に比べて各巻線間のコアでの透磁率のばらつきを無くすことができる。これにより、減衰特性の悪化を防ぐことができる。また、部品配置の違いによる各巻線間の結合の不安定さを無くし、安定した減衰特性を得ることができる。
以上説明したように、この第2の実施の形態によれば、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3の巻線13と第4および第5の巻線14,15、ならびに第6の巻線16とを共通の同じコア10に巻いて各インダクタを形成するようにしたので、例えばコアを別々にして各インダクタを独立、分離した構成にした場合に比べて、小型化しやすく、かつ製造段階における特性値のばらつきを抑えやすくなる。また部品配置の違いによる特性値にばらつきを抑えやすくなる。その結果、ノイズ抑制効果のばらつきを抑えて良好なノイズ抑制効果を得ることができる。特に、コア10を別々にした場合に比べて透磁率のばらつきによる減衰特性の最適値からのずれを無くすことができる。また、第1および第2のインダクタL1,L2と第3のインダクタL3とのマッチングが不要になることで、余計な調整がいらなくなる。同様に第4および第5のインダクタL4,L5と第6のインダクタL6とのマッチングが不要になることで、余計な調整がいらなくなる。
<第2の実施の形態の変形例>
図20は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の変形例の回路構成を示している。この変形例に係るノイズ抑制回路は、図14(A)に示した回路において、第3の巻線13と第6の巻線16とを共通化し、その共通化された巻線を、第1および第2の巻線11,12と第4および第5の巻線14,15と共に、共通のコア10に巻いた構成にしたものである。これにより、第1の直列回路5における第3のインダクタL3と第2の直列回路6における第6のインダクタL6とが共通化されている。また、共通化された巻線の一端が、第1および第2の直列回路5,6における各キャパシタC1,C2の他端に接続されると共に、他端が接地されている。以下、この変形例では共通化された巻線を第3の巻線13と呼び、共通化されたインダクタを第3のインダクタL3と呼ぶ。
なお、図23に、図20の構成例に対する比較例として、共通化された第3の巻線13が他の巻線とは別々のコアに分離して巻かれた構成となっている場合の等価回路を示す。
この変形例においても、各巻線のインダクタンスや各巻線間の結合係数に関して、図14(A)の回路と同様の好ましい条件が成り立つ。すなわち、第3の巻線13と第1の巻線11との結合係数をk2、第3の巻線13と第2の巻線12との結合係数をk3としたとき、結合係数k2,k3の値がそれぞれ0.5以下と小さめに設定されていることが好ましい。また、結合係数k2,k3の値が互いに同じ値になっていると、より好ましい。これに加えて、第4の巻線14と第3の巻線13との結合係数をk5、第5の巻線15と第3の巻線13との結合係数をk6としたとき、結合係数k5,k6の値がそれぞれ0.5以下となっていることが好ましい。また、結合係数k5,k6の値が互いに同じ値になっていると、より好ましい。L3,L6についても上記したものと同様である。
図21(A),(B)および図22は、この変形例におけるコア10の構成とそれに対する各巻線の巻き方の具体例を示したものである。これらの構成を採用することで、上記好ましい条件を満足させやすくなる。好ましい巻き方は、基本的に図16(A),(B)および図17と同様である。
具体的には、例えば図21(A)に示したように、8の字形状のコア10において、その左側部分10Lにある左の柱部分の中央部に、共通化された第3の巻線13を巻くと共に、その右側部分10Rにおける上の柱部分に第1および第2の巻線11,12を巻き、それと対称的に、右側部分10Rにおける下の柱部分に第4および第5の巻線14,15を巻くと良い。また、図21(B)に示したように、右側部分10Rにおける上の柱部分に第1および第4の巻線11,14を巻き、下の柱部分に第2および第5の巻線12,15を巻くようにしても良い。
また例えば図17に示したように、コア10がEの字形状の2つのコア10A,10Bに分割されたものである場合、その分割面10Cをまたがるようにして、各巻線が巻かれていることが好ましい。図17の例では、2つのコア10A,10Bのそれぞれの左側部分10Lにある左の柱部分において、分割面10Cをまたぐようにして、共通化された第3の巻線13が巻かれている。また、2つのコア10A,10Bのそれぞれの右側部分10Rにある右の柱部分において、分割面10Cをまたぐようにして第1および第2の巻線11,12と第4および第5の巻線14,15とが重複して巻かれている。
この変形例に係るノイズ抑制回路によっても、図14(A)の回路と同様の優れたノイズ抑制効果が得られる。特に、この変形例では、第3の巻線13と第6の巻線16とを共通化しているので、より小型化を図ることができる。
なお、各実施の形態に係るノイズ抑制回路は、電力変換回路が発生するリップル電圧やノイズを低減する手段や、電力線通信において電力線上のノイズを低減したり、室内電力線上の通信信号が屋外電力線に漏洩することを防止する手段として利用することができる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明のノイズ抑制回路は、第1の実施の形態に係るノーマルモードノイズ抑制用の回路と第2の実施の形態に係るコモンモードノイズ抑制用の回路とを備えていてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1および第2の構成例を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1および第2の構成例に対する比較例の回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路における各巻線の構成例を示す図である。 コアが分割されている場合における各巻線の構成例を示す図である。 各巻線間の結合関係を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の動作原理を説明するための回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路における第3の巻線部分の自己インダクタンスを可変したときの各回路値を計算して示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、第3の巻線部分の自己インダクタンスを変えたときの減衰特性の違いを計算してグラフ化した図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、各巻線部分の自己インダクタンスにばらつきが生じたときの各回路値の変化を計算して示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、各巻線部分の自己インダクタンスにばらつきが生じたときの減衰特性を計算してグラフ化した図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、各巻線間の結合係数を変えたときの各巻線部分の特性値の違いを計算して示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、各巻線間の結合係数を変えたときの1MHzでの減衰量の違いを計算して示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、各巻線間の結合係数を変えたときの減衰特性の違いを計算してグラフ化した図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1および第2の構成例を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1および第2の構成例に対する比較例の回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1および第2の構成例における各巻線の構成例を示す図である。 第1および第2の構成例においてコアが分割されている場合における各巻線の構成例を示す図である。 各巻線間の結合関係を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の動作原理を説明するための回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の変形例を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の変形例における各巻線の構成例を示す図である。 変形例に係るノイズ抑制回路においてコアが分割されている場合における各巻線の構成例を示す図である。 変形例に係るノイズ抑制回路に対する比較例の回路図である。
符号の説明
C1…第1のキャパシタ、C2…第2のキャパシタ、L1…第1のインダクタ、L2…第2のインダクタ、L3…第3のインダクタ、L4…第4のインダクタ、L5…第5のインダクタ、L6…第6のインダクタ、3…第1の導電線、4…第2の導電線、5…直列回路、10…コア、11…第1の巻線、12…第2の巻線、13…第3の巻線、14…第4の巻線、15…第5の巻線、16…第6の巻線。

Claims (13)

  1. 第1および第2の導電線によって伝送され、これらの導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモードノイズを抑制する回路であって、
    前記第1の導電線に互いに直列的に挿入された第1および第2の巻線と、
    直列に接続された第3の巻線とキャパシタとを含み、一端が前記第1の巻線と前記第2の巻線との間に接続され、他端が前記第2の導電線に接続された直列回路と、
    前記第1および第2の巻線、ならびに前記第3の巻線が巻かれた共通のコアと
    を備えたことを特徴とするノイズ抑制回路。
  2. 前記第1の巻線と前記第3の巻線との結合係数をk2、前記第2の巻線と前記第3の巻線との結合係数をk3としたとき、
    前記結合係数k2,k3の値がそれぞれ0.5以下となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載のノイズ抑制回路。
  3. 前記結合係数k2,k3の値が互いに同じ値になっている
    ことを特徴とする請求項2に記載のノイズ抑制回路。
  4. 前記第3の巻線の自己インダクタンスをL3とし、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線との間の相互インダクタンスをM1、前記第1の巻線と前記第3の巻線との間の相互インダクタンスをM2、前記第2の巻線と前記第3の巻線との間の相互インダクタンスをM3としたとき、以下の条件を満足する
    L3≧M1+M2−M3
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  5. 前記コアにおいて、前記第3の巻線が前記第1および第2の巻線とは異なる位置に巻かれ、かつ、それぞれの巻き位置において前記第3の巻線によって発生した磁束が前記第1および第2の巻線によって発生した磁束に対し逆向きとなるようにして巻かれている
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  6. 前記コアは、複数の分割されたコアで構成されるものであり、
    前記第1および第2の巻線、ならびに前記第3の巻線は、前記分割されたコアのそれぞれにまたがるようにして巻かれている
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  7. 第1および第2の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズを抑制する回路であって、
    前記第1の導電線に互いに直列的に挿入された第1および第2の巻線と、
    直列に接続された第3の巻線と第1のキャパシタとを含み、一端が前記第1の巻線と前記第2の巻線との間に接続され、他端が接地された第1の直列回路と、
    前記第2の導電線に互いに直列的に挿入された第4および第5の巻線と、
    直列に接続された第6の巻線と第2のキャパシタとを含み、一端が前記第4の巻線と前記第5の巻線との間に接続され、他端が接地された第2の直列回路と、
    前記第1および第2の巻線、ならびに前記第3の巻線と前記第4および第5の巻線、ならびに前記第6の巻線とが巻かれた共通のコアと
    を備えたことを特徴とするノイズ抑制回路。
  8. 前記第1の巻線と前記第3の巻線との結合係数をk2、前記第2の巻線と前記第3の巻線との結合係数をk3としたとき、
    前記結合係数k2,k3の値がそれぞれ0.5以下となっており、かつ
    前記第4の巻線と前記第6の巻線との結合係数をk5、前記第5の巻線と前記第6の巻線との結合係数をk6としたとき、
    前記結合係数k5,k6の値がそれぞれ0.5以下となっている
    ことを特徴とする請求項7に記載のノイズ抑制回路。
  9. 前記結合係数k2,k3の値が互いに同じ値になっており、かつ、
    前記結合係数k5,k6の値が互いに同じ値になっている
    ことを特徴とする請求項8に記載のノイズ抑制回路。
  10. 前記第3の巻線の自己インダクタンスをL3とし、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線との間の相互インダクタンスをM1、前記第1の巻線と前記第3の巻線との間の相互インダクタンスをM2、前記第2の巻線と前記第3の巻線との間の相互インダクタンスをM3としたとき、
    L3≧M1+M2−M3
    の条件を満足し、
    かつ、前記第6の巻線の自己インダクタンスをL6とし、
    前記第4の巻線と前記第5の巻線との間の相互インダクタンスをM4、前記第4の巻線と前記第6の巻線との間の相互インダクタンスをM5、前記第5の巻線と前記第6の巻線との間の相互インダクタンスをM6としたとき、以下の条件を満足する
    L6≧M4+M5−M6
    ことを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  11. 前記コアにおいて、前記第3の巻線が前記第1および第2の巻線とは異なる位置に巻かれると共に、それぞれの巻き位置において前記第3の巻線によって発生した磁束が前記第1および第2の巻線によって発生した磁束に対し逆向きとなるようにして巻かれ、
    かつ、前記第6の巻線が前記第4および第5の巻線とは異なる位置に巻かれると共に、それぞれの巻き位置において前記第6の巻線によって発生した磁束が前記第4および第5の巻線によって発生した磁束に対し逆向きとなるようにして巻かれている
    ことを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  12. 前記コアは、複数の分割されたコアで構成されるものであり、
    前記第1および第2の巻線、ならびに前記第3の巻線と前記第4および第5の巻線、ならびに前記第6の巻線とが、前記分割されたコアのそれぞれにまたがるようにして巻かれている
    ことを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  13. 前記第1の直列回路の第1のキャパシタの一端が前記第1の巻線と前記第2の巻線との間に接続されると共に、前記第2の直列回路の第2のキャパシタの一端が前記第4の巻線と前記第5の巻線との間に接続され、
    かつ、前記第1の直列回路の前記第3の巻線と前記第2の直列回路の前記第6の巻線とが共通化され、その共通化された巻線の一端が、前記第1および第2の直列回路の各キャパシタの他端に接続されると共に、他端が接地され、
    その共通化された巻線が、前記第1および第2の巻線と前記第4および第5の巻線と共に、前記共通のコアに巻かれている
    ことを特徴とする請求項7に記載のノイズ抑制回路。
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