JP2002290288A - 電力線通信ネットワークシステム - Google Patents

電力線通信ネットワークシステム

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JP2002290288A
JP2002290288A JP2001089225A JP2001089225A JP2002290288A JP 2002290288 A JP2002290288 A JP 2002290288A JP 2001089225 A JP2001089225 A JP 2001089225A JP 2001089225 A JP2001089225 A JP 2001089225A JP 2002290288 A JP2002290288 A JP 2002290288A
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JP2001089225A
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Masaru Wazaki
賢 和崎
Yoshihiro Saito
義広 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力線に接続された機器による電力線の通信
環境の悪化を防止する。 【解決手段】 電力線通信ネットワークシステムは、電
力線1と、この電力線1に接続され、電力線1より電力
の供給を受けると共に、電力線1を利用して互いに電力
線通信を行う複数の電力線通信装置11,12を備えて
いる。電力線1には、電力線1のラインインピーダンス
の低下を引き起こすインピーダンス障害機器21,22
と、ノイズを発生させるノイズ障害機器31,32とが
接続されている。電力線1と機器21,22との間には
インピーダンス調整器5,6が設けられ、電力線1と機
器31,32との間にはノイズフィルタ7,8が設けら
れている。インピーダンス調整器5,6は、コモンモー
ドチョークを含み、電力線1のラインインピーダンスを
増加させると共に、電力線1のラインインピーダンスを
周波数にかかわらずに一定値に近づける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号の伝送路とし
て電力線を利用して複数の装置間で通信を行う電力線通
信ネットワークシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの周辺機器の共有
化、文書・静止画・動画等の情報の共有化、ゲーム、イ
ンターネット等の目的のために、家庭内における情報通
信のニーズが高まってきている。そのため、オフィスの
みならず一般家庭でも通信ネットワークシステムの需要
がある。家庭内における通信ネットワークシステムの構
築する際に選択し得る通信方式としては、無線を利用し
た通信方式、有線を利用した通信方式および電力線を利
用した通信方式がある。このうち、電力線を利用した通
信方式には、既設の電力線を利用するため配線工事費が
かからない、家庭内の外観を損ねない等の利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電力線を利用
した通信方式には、電力線に接続された機器によって、
電力線の通信環境の悪化が引き起こされるという問題点
があった。電力線の通信環境の悪化とは、例えば、電力
線に接続された機器によるノイズの発生や、機器による
ラインインピーダンスの低下によって、電力線における
信号伝送特性が劣化することである。このように電力線
の通信環境が悪化すると、電力線通信におけるエラーレ
ートが増加する。電力線通信において、電力線の通信環
境を悪化させる機器としては、例えば、インバータを用
いて制御を行う空気調節機や照明機器や、コンピュータ
等の電子機器がある。このような機器では、高周波発振
動作によってノイズを発生し、内蔵された進相コンデン
サやアクロス・アライン・コンデンサがラインインピー
ダンスを低下させる。
【0004】図15は、照明機器によってラインインピ
ーダンスが低下する現象の一例を示している。図15に
おいて、横軸は周波数、縦軸はラインインピーダンスで
ある。この例では、記号Aで示した周波数20MHzの
近傍で、ラインインピーダンスが大きく低下している。
【0005】電力線通信において、エラーレートの低減
を図るために、スペクトラム拡散方式やマルチキャリア
方式といった通信方式を採用することも考えられる。し
かしながら、このような通信方式を採用しても、電力線
の通信環境が改善されない限り、エラーレートの増加や
通信速度の低下は避けられない。
【0006】このような事情から、長年の通信技術の開
発、改善にもかかわらず、電力線通信ネットワークシス
テムの実用化は困難であった。
【0007】ノイズに対する対策としては、例えば特開
平7−245576号公報や、特開平9−200094
号公報に示されるように、電力線通信ネットワークシス
テムと外部との間にブロッキングフィルタを設置する技
術が知られている。この技術によれば、外部からネット
ワークシステムへのノイズの侵入や、ネットワークシス
テム内の信号の外部への漏出を防止することができる。
しかしながら、この技術では、ネットワークシステム内
に設置された機器が発生するノイズによる通信環境の悪
化を防止することはできない。
【0008】ラインインピーダンスの低下に対する対策
としては、例えば特開平8−98277号公報に、電力
線と、インピーダンス低下を招く機器との間に、伝送信
号の周波数成分のインピーダンスを高くするためのイン
ピーダンスアッパを設置する技術が開示されている。こ
の技術では、特に、インピーダンスアッパとしてLC共
振回路を用い、伝送信号の周波数成分に対してのみイン
ピーダンスを増加させるようにしている。
【0009】ところで、現在、日本の電波法では、総務
大臣の許可が不要となる電力線搬送通信設備の指定基準
の一つとして搬送波の周波数範囲が挙げられており、そ
れは同法施行規則により10kHz〜450KHzと規
定されている。前記特開平8−98277号公報では、
伝送信号の周波数の例として、上記の10kHz〜45
0KHzの範囲内となる125kHzを挙げている。
【0010】上記の10kHz〜450KHzの周波数
帯域では、ノーマルモードノイズが多いため、前記特開
平8−98277号公報に示されたように、ラインに直
列に挿入されたインダクタを有するインピーダンスアッ
パは、ノーマルモードノイズ低減の意味からも有効であ
ると考えられる。しかしながら、50Hzまたは60H
zの商用周波数の電力を輸送する電力線において、フェ
ライト等の高透磁率材をノーマルモード用インダクタの
コアとして使用すると、通常の形状のコアでは磁気飽和
してしまう。そのため、コアの断面積を商用周波数に合
わせて極端に大きくしたり、棒状コアを用いる等により
開磁路にして極端にコアの透磁率を下げない限り、コア
としてフェライト等の高透磁率材を使用することができ
ない。その他のコアとしては、珪素鋼板や圧粉コア等の
低透磁率材を使うことになる。また、周波数をf、イン
ダンタのインダンタンスをLとすると、インダンタのイ
ンピーダンスZは、Z=2π・f・Lと表される。従っ
て、10kHz〜450KHzのような低い周波数fに
おいて、大きなインピーダンスZを得るためには、大き
なインダクタンスLが必要になる。そのため、インダク
タの形状が大きくなるという問題点がある。
【0011】一方、海外では既に、ブロードバンドの技
術として、数MHz〜数十MHzの周波数帯域での高速
な電力線通信技術の開発が進められており、将来、日本
でもこのようなブロードバンドの技術が導入される可能
性もある。このようなMHzオーダーの高い周波数帯域
において電力線通信が行われる場合にも、前述のよう
に、機器によるノイズの発生や、機器によるラインイン
ピーダンスの低下によって、電力線の通信環境の悪化が
引き起こされる。しかしながら、従来は、このような周
波数帯域で電力線通信を行う場合における電力線の通信
環境の悪化に対する対策は考えられていなかった。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、特に1MHz以上の高い周波数帯域
において電力線通信を行う電力線通信ネットワークシス
テムにおいて、電力線に接続された機器による電力線の
通信環境の悪化を防止して、通信環境を改善することが
できるようにした電力線通信ネットワークシステムを提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電力線通信ネッ
トワークシステムは、電力線と、電力線を利用して互い
に通信を行う複数の電力線通信装置と、電力線に接続さ
れて電力線のラインインピーダンスの低下を引き起こす
インピーダンス障害機器と電力線との間に設けられ、コ
モンモードチョークを含み、電力線のラインインピーダ
ンスを増加させるインピーダンス調整器とを備えたもの
である。
【0014】本発明の電力線通信ネットワークシステム
では、コモンモードチョークを含むインピーダンス調整
器によって、電力線のラインインピーダンスが増加され
ると共に電力線上のコモンモードノイズが低減される。
これにより、特に1MHz以上の高い周波数帯域におい
て電力線通信を行う場合に、有効に電力線の通信環境の
悪化を防止できる。
【0015】本発明の電力線通信ネットワークシステム
は、更に、電力線を利用せずに、インピーダンス障害機
器との間で通信を行うインピーダンス障害機器用通信装
置を備えていてもよい。インピーダンス障害機器用通信
装置は、電力線を利用して、あるいは電力線を利用せず
に、電力線通信装置との間で通信を行ってもよい。ま
た、インピーダンス障害機器用通信装置は、電力線を利
用して通信を行う領域外の装置との間で、電力線を利用
せずに通信を行ってもよい。
【0016】また、本発明の電力線通信ネットワークシ
ステムは、更に、電力線に接続されてノイズを発生させ
るノイズ障害機器と電力線との間に設けられたノイズフ
ィルタを備えていてもよい。この場合、ノイズフィルタ
は、電力線上のノイズを検出するノイズ検出手段と、ノ
イズ検出手段によって検出されたノイズと逆相の信号を
発生させる逆相信号発生手段と、逆相信号発生手段によ
って発生された信号を電力線に与えることによって、電
力線上のノイズを相殺するノイズ相殺手段とを有してい
てもよい。また、電力線通信ネットワークシステムは、
更に、電力線を利用せずに、ノイズ障害機器との間で通
信を行うノイズ障害機器用通信装置を備えていてもよ
い。ノイズ障害機器用通信装置は、電力線を利用して、
あるいは電力線を利用せずに、電力線通信装置との間で
通信を行ってもよい。また、ノイズ障害機器用通信装置
は、電力線を利用して通信を行う領域外の装置との間
で、電力線を利用せずに通信を行ってもよい。
【0017】また、本発明の電力線通信ネットワークシ
ステムは、更に、電力線を利用して通信を行う領域内の
電力線と領域外の電力線との間に設けられ、コモンモー
ドチョークを含み、領域内の電力線のラインインピーダ
ンスを増加させる第2のインピーダンス調整器を備えて
いてもよい。
【0018】また、本発明の電力線通信ネットワークシ
ステムは、更に、電力線を利用して通信を行う領域内の
電力線と領域外の電力線との間に設けられ、領域内の電
力線上の信号が領域外の電力線に漏洩することを阻止す
る漏洩阻止器を備えていてもよい。
【0019】また、本発明の電力線通信ネットワークシ
ステムにおいて、電力線通信装置は、電力線を利用して
通信を行う領域外の装置との間で、電力線を利用せずに
通信を行ってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一
実施の形態に係る電力線通信ネットワークシステムの構
成を示す説明図である。この図に示したように、本実施
の形態に係る電力線通信ネットワークシステム(以下、
単にネットワークシステムとも言う。)は、電力線1
と、この電力線1に接続され、電力線1より電力の供給
を受けると共に、信号の伝送路として電力線1を利用し
て互いに電力線通信を行う複数の電力線通信装置11,
12と、電力線1に接続され、電力線1より電力の供給
を受ける家庭電気機器制御用通信装置41とを備えてい
る。図1において、符号10は、電力線を利用して通信
を行う領域を表している。この電力線通信領域10は例
えば屋内に対応し、電力線通信領域10の外は屋外に対
応する。
【0021】電力線1には、電力線通信装置11,12
の他にも、電力線1より電力の供給を受ける機器が接続
されている。この機器には、電力線1のラインインピー
ダンスの低下を引き起こすインピーダンス障害機器2
1,22と、ノイズを発生させるノイズ障害機器31,
32とが含まれている。
【0022】領域10内の電力線1は、2本の導電線1
a,1bを含んでいる。なお、電力線1は、交流電力を
輸送するものでもよいし、直流電力を輸送するものでも
よい。また、本実施の形態では、電力線1に対してアー
ス線2が併設されている。領域10内の電力線1および
アース線2は、領域10外の電力線101およびアース
線102に接続されている。
【0023】電力線通信装置11,12の例としてはコ
ンピュータが挙げられる。電力線通信装置11,12
は、それぞれ、電力線1に接続されて互いに電力線通信
を行う電力線通信端末13,14を有している。
【0024】インピーダンス障害機器21,22の例と
しては、インバータを用いて制御を行う照明機器や空気
調節機が挙げられる。ノイズ障害機器31,32の例と
しては、電子レンジや冷蔵庫が挙げられる。通信装置4
1は、電力線1を利用せずに、インピーダンス障害機器
21,22およびノイズ障害機器31,32との間で通
信を行い、例えばこれらの制御を行う。通信装置41
は、本発明におけるインピーダンス障害機器用通信装置
およびノイズ障害機器用通信装置に対応する。
【0025】本実施の形態に係るネットワークシステム
は、更に、電力線1とインピーダンス障害機器21,2
2との間に設けられたインピーダンス調整器5,6と、
電力線1とノイズ障害機器31,32との間に設けられ
たノイズフィルタ7,8とを備えている。インピーダン
ス調整器5,6は、コモンモードチョークを含み、電力
線1のラインインピーダンスを増加させるものである。
ノイズフィルタ7,8は、電力線1上のノイズを低減す
るものである。
【0026】本実施の形態に係るネットワークシステム
は、更に、領域10内の電力線1と領域10外の電力線
101との間に設けられた分離部9を備えている。分離
部9は、インピーダンス調整器とノイズフィルタとを含
んでいる。
【0027】本実施の形態に係るネットワークシステム
は、更に、電力線通信装置11,12および通信装置4
1との間で通信を行うと共に、領域10外の装置43と
の間で通信を行う通信端末42とを備えている。
【0028】電力線通信装置11,12および機器2
1,22,31,32は、それぞれ、通信装置41との
間で通信を行うための通信部15,16,23,24,
33,34を含んでいる。電力線通信装置11,12の
通信部15,16は、通信端末42との間でも通信を行
うようになっている。
【0029】通信装置41と各通信部15,16,2
3,24,33,34との間の通信は、電波または光を
用いて行ってもよいし、電力線1以外の信号線を用いて
行ってもよい。
【0030】また、電力線通信端末13,14を介し
て、通信装置41と電力線通信装置11,12との間
で、電力線1を利用した通信を行うようにしてもよい。
【0031】また、通信端末42と、通信装置41およ
び電力線通信装置11,12の通信部15,16との間
の通信も、電波または光を用いて行ってもよいし、電力
線1以外の信号線を用いて行ってもよい。
【0032】通信端末42と装置43との間の通信に
は、種々の通信基盤を利用することができる。例えば、
ケーブルテレビジョン(CATV)やデジタルサブスク
ライバライン(digital subscriber line:xDSL)
等の有線通信網を用いてもよいし、無線通信網を用いて
もよい。あるいは、ファィバトゥザホーム(fiber to t
he home:FTTH)等の光通信網を用いてもよい。
【0033】次に、本実施の形態に係るネットワークシ
ステムの作用の概略について説明する。電力線通信装置
11,12は、電力線通信端末13,14を介して、互
いに電力線1を利用して電力線通信を行う。本実施の形
態では、電力線通信を行う周波数の帯域を、例えば1M
Hz〜100MHzとする。また、電力線通信装置1
1,12は、通信端末42との間で、電力線1を利用せ
ずに通信を行い、通信端末42を介して領域10外の装
置43との間で通信を行ってもよい。
【0034】通信装置41は、例えば、インピーダンス
障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32の
制御を行う。通信装置41は、電力線通信装置11,1
2との間で、電力線1を利用して、あるいは電力線1を
利用せずに通信を行ってもよい。また、通信装置41
は、通信端末42との間で、電力線1を利用せずに通信
を行い、通信端末42を介して領域10外の装置43と
の間で通信を行ってもよい。従って、通信装置41を介
して、電力線通信装置11,12または領域10外の装
置43から、インピーダンス障害機器21,22および
ノイズ障害機器31,32の制御を行うことも可能であ
る。
【0035】次に、インピーダンス調整器5,6につい
て詳しく説明する。まず、図2ないし図4を参照して、
インピーダンス調整器5,6の構成について説明する。
図2はインピーダンス調整器5,6の基本的な構成部分
を表した回路図、図3はインピーダンス調整器5,6の
構成を示す説明図、図4はインピーダンス調整器5,6
におけるギャップ制御部の平面図である。
【0036】図2および図3に示したように、インピー
ダンス調整器5,6は、磁性材料よりなる1つの環状の
コア(磁芯)50に第1の巻線51aと第2の巻線51
bを巻き付けて構成されたコモンモードチョークを含ん
でいる。第1の巻線51aは電力線1の一方の導電線1
aに直列に挿入され、第2の巻線51bは電力線1の他
方の導電線1bに直列に挿入される。コア50は、例え
ばフェライトで形成されている。
【0037】コア50には、ギャップ52が形成されて
いる。このギャップ52には、ギャップ制御部53が装
着されている。ギャップ制御部53は、図4に示したよ
うに、磁性材料よりなるギャップ制御用コア54と、こ
のギャップ制御用コア54に巻き付けられたギャップ制
御用コイル55とを有している。そして、ギャップ制御
用コア54の一部が、コア50に密着するようにギャッ
プ52内に挿入されている。ギャップ制御用コア54は
コア50と共に閉磁路を形成する。ギャップ制御用コア
54の材料は、コア50の材料と同じでもよいし、異な
っていてもよい。
【0038】図3に示したように、ギャップ制御用コイ
ル55には電流制御回路56が接続され、この電流制御
回路56には電力線通信制御回路57が接続されてい
る。電力線通信制御回路57は、例えば電力線通信端末
13,14に内蔵され、電力線通信に関する種々の制御
を行う。電力線通信制御回路57は、電流制御回路56
に対して、電力線通信を行う周波数の情報を与える。電
流制御回路56は、電力線通信を行う周波数に応じて、
ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御す
る。
【0039】次に、図5ないし図10を参照して、イン
ピーダンス調整器5,6の作用について説明する。な
お、ここでは、説明を簡略化するために、コア50,5
4の材料が同じ特性のフェライトであるものとする。
【0040】一般に、ギャップの無いフェライトコアの
磁束密度Bと磁界Hとの関係(B−H曲線)は図5に示
したようになる。ここでは、説明を簡略化するために、
図5において残留磁束密度や保磁力については図示して
いない。なお、図5において、Bmは最大磁束密度を表
している。また、フェライトコアの透磁率をμとする
と、磁束密度Bと磁界Hと透磁率μの関係は、以下の式
(1)で表される。
【0041】B=μH …(1)
【0042】式(1)と図5から分かるように、与えら
れた磁界HにおけるB−H曲線の接線の傾きが、その磁
界における透磁率μになる。図5から分かるように、B
−H曲線の接線の傾き、すなわち透磁率μは、磁界Hに
応じて変化する。図5では、磁界H10のときに、磁束
密度がB10、透磁率がμ1であり、磁界H11のとき
に、磁束密度がB11、透磁率がμ2であることを表し
ている。また、透磁率μは、コアの材料の特性によって
も変化する。
【0043】次に、コアに巻数Nのコイルを装着し、こ
のコイルに電流を流した場合を考える。コアの磁路長を
L、コイルに流れる電流をIとすると、この電流によっ
て発生される磁界Hは、以下の式(2)で表される。
【0044】H=I・N/L …(2)
【0045】次に、ギャップ制御部53について考え
る。以下の説明では、ギャップ制御用コイル55に流す
電流をI、ギャップ制御用コイル55によって発生さ
れ、ギャップ制御用コア54に印加されるバイアス磁界
をH、ギャップ制御用コア54の磁路長をL、ギャ
ップ制御用コア54の断面積をS、ギャップ制御用コ
ア54の透磁率をμ、ギャップ制御用コア54の磁気
抵抗をRとする。
【0046】式(2)から、ギャップ制御用コイル55
によって発生される磁界Hの大きさは、ギャップ制御
用コイル55に流す電流Iの大きさに比例することが
分かる。また、図5から、ギャップ制御用コア54の透
磁率μは、磁界Hの大きさによって変化することが
分かる。従って、ギャップ制御用コイル55に流す電流
の大きさを制御することによって、ギャップ制御用
コア54の透磁率μを制御することができる。
【0047】また、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗
は、以下の式(3)で表され、透磁率μに反比例
する。
【0048】R=L/μ・S …(3)
【0049】このように、ギャップ制御用コイル55に
流す電流Iの大きさを変えることにより、ギャップ制
御用コア54に印加されるバイアス磁界Hが変化し、
その結果、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗Rが変
化する。従って、ギャップ制御用コイル55に流す電流
の大きさを制御することによって、ギャップ制御用
コア54の磁気抵抗Rを制御することができる。
【0050】次に、コア50の磁気特性について考え
る。図6はギャップの無いフェライトコアを表し、図7
はギャップを有するフェライトコアを表し、図8はコア
50のギャップにギャップ制御用コア54が挿入されて
いる状態を表している。一般に、図6に示したようなギ
ャップの無いフェライトコアに、図7に示したようにギ
ャップを設けると、コアが磁気飽和する磁界が大きくな
ることが知られている。このことを、図9に示したB−
H曲線を参照して説明する。図9において、(a)はギ
ャップの無いフェライトコアのB−H曲線を簡略化して
表し、(b)はギャップを有するフェライトコアのB−
H曲線を簡略化して表している。また、Bsは飽和磁束
密度を表している。図9に示したように、ギャップを有
するフェライトコアにおいて磁束密度Bが飽和磁束密度
Bsに達する、すなわち磁気飽和するときの磁界Hb
は、ギャップの無いフェライトコアにおいて磁束密度B
が飽和磁束密度Bsに達するときの磁界Haよりも大き
くなる。従って、ギャップを有するフェライトコアの透
磁率μbは、ギャップの無いフェライトコアの透磁率μ
aよりも小さくなる。
【0051】図8に示したように、コア50は、ギャッ
プを有するが、そのギャップにギャップ制御用コア54
が挿入されている。従って、コア50の磁気特性は、ギ
ャップ制御用コア54の磁気特性に応じて変化する。す
なわち、ギャップ制御用コイル55に電流が流れていな
いときには、コア50のギャップが、コア50と同じ材
料よりなるギャップ制御用コア54によって埋められた
状態となるため、コア50の磁気特性は、ギャップの無
いコアと同様になり、図9における(a)のB−H曲線
で表される。一方、ギャップ制御用コア54が磁気飽和
する大きさの電流をギャップ制御用コイル55に流す
と、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗R が最大とな
り、ギャップ制御用コア54は空気のギャップと同様に
作用することになる。このときのコア50の磁気特性
は、ギャップを有するコアと同様になり、図9における
(b)のB−H曲線で表される。ギャップ制御用コイル
55に流す電流の大きさを0から、ギャップ制御用コア
54が磁気飽和する大きさの間で変化させると、その電
流の大きさに応じて、ギャップ制御用コア54の磁気抵
抗Rが変化する。このときのコア50の磁気特性は、
図9における(c)のB−H曲線で表される。また、コ
ア50の透磁率は、μaとμbとの間で、ギャップ制御
用コイル55に流す電流の大きさに応じて変化する。
【0052】以上のことから、ギャップ制御用コイル5
5に流す電流の大きさを制御することによって、コア5
0の透磁率を制御することができる。
【0053】次に、インピーダンス調整器5,6のイン
ピーダンスZについて考える。ここで、周波数をf、コ
ア50の透磁率をμ、コア50の断面積をS、コア50
の磁路長をL、巻線51a,51bの巻数をNとする
と、インピーダンスZは以下の式(4)で表される。
【0054】Z=2πf・μ・S・N/L …(4)
【0055】前述のように、ギャップ制御用コイル55
に流す電流の大きさを制御することによって、コア50
の透磁率μを制御することができる。このことと式
(4)から、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大
きさを制御することによって、インピーダンス調整器
5,6のインピーダンスZを制御できることが分かる。
【0056】本実施の形態では、例えば1MHz〜10
0MHzの周波数帯域において、周波数fにかかわらず
にインピーダンスZが一定値に近づくように、好ましく
は周波数fにかかわらずにインピーダンスZが一定値に
なるように、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大
きさを制御する。すなわち、電流制御回路56は、電力
線通信制御回路57からの周波数fの情報に基づいて、
f・μが予め定められた一定値に近づくように、ギャッ
プ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御する。
【0057】図10は、インピーダンス調整器5,6の
作用を概念的に示す説明図である。図10において、Z
は一般的なコモンモードチョークのインピーダンスの
周波数fに対する変化を表し、Zはインピーダンス調
整器5,6のインピーダンスの周波数fに対する変化を
表している。図10に示したように、一般的なコモンモ
ードチョークのインピーダンスは、ある周波数の範囲で
は周波数fに比例して変化するが、インピーダンス調整
器5,6のインピーダンスは、周波数fにかかわらずに
一定値に近づく。このようなインピーダンス調整器5,
6を、インピーダンス障害機器21,22と電力線1と
の間に配置することにより、電力線1のラインインピー
ダンスも周波数fにかかわらずに一定値に近づく。
【0058】次に、ノイズフィルタ7,8について詳し
く説明する。図11はノイズフィルタ7,8の構成の一
例を示すブロック図である。図11に示したノイズフィ
ルタ7,8は、電力線1上の電流性のコモンモードのノ
イズおよび電圧性のコモンモードのノイズを低減するも
のである。なお、電流性のノイズとは電流が変動するノ
イズを言い、電圧性のノイズとは電圧が変動するノイズ
を言う。
【0059】ノイズフィルタ7,8は、電力線1上のノ
イズを検出する2つの検出回路61C,61Vと、それ
ぞれ検出回路61C,61Vにより検出されたノイズと
逆相の信号となる逆相信号を発生する2つの逆相信号発
生回路62C,62Vと、それぞれ電力線1に対して逆
相信号発生回路62C,62Vにより発生された逆相信
号を注入する2つの注入回路63C,63Vとを備えて
いる。
【0060】検出回路61C,61Vは本発明における
ノイズ検出手段に対応し、逆相信号発生回路62C,6
2Vは本発明における逆相信号発生手段に対応し、注入
回路63C,63Vは本発明におけるノイズ相殺手段に
対応する。
【0061】検出回路61Cは、電力線1の2本の導電
線1a,1bにおける電流の変動を検出することによっ
て、2本の導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する電流
性のノイズを検出する。従って、検出回路61Cは、電
力線1上の電流性のコモンモードのノイズを検出するこ
とになる。
【0062】検出回路61Vは、2本の導電線1a,1
bにおける電圧の変動を検出することによって、2本の
導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する電圧性のノイズ
を検出する。従って、検出回路61Vは、電力線1上の
電圧性のコモンモードのノイズを検出することになる。
【0063】図11には、検出回路61C,61Vの構
成の一例を示している。この例では、検出回路61C
は、2本の導電線1a,1bを囲うコイル61Ccを有
している。コイル61Ccの一端は逆相信号発生回路6
2Cの入力端に接続され、他端は回路のグランドに接続
されている。コイル61Ccは、導電線1a,1bにお
ける電流の変動のうちの高周波成分を検出する。なお、
検出回路61Cは、コイル61Ccを用いるものに限ら
ず、例えば、電流によって発生する磁界を検出する磁気
センサを含む電流センサを用いるものでもよい。この場
合における磁気センサとしては、フェライト、パーマロ
イ、アモルファス等の磁性体からなるセンサヘッドを有
する磁気センサや、磁気抵抗効果を利用するMR(磁気
抵抗)素子や、巨大磁気抵抗効果を利用するGMR(巨
大磁気抵抗)素子等を用いることができる。
【0064】また、図11には、検出回路61Vの構成
の一例を示している。この例では、検出回路61Vは、
一端が導電線1aに接続され、他端が逆相信号発生回路
62Vの入力端に接続されたコンデンサ61Vaと、一
端が導電線1bに接続され、他端が逆相信号発生回路6
2Vの入力端に接続されたコンデンサ61Vbとを有し
ている。コンデンサ61Va,61Vbは、それぞれ導
電線1a,1bにおける電圧変動のうち、高周波成分を
通過させ、交流電力の周波数を含む低周波成分を遮断す
る。
【0065】逆相信号発生回路62Cは、検出回路61
Cにより検出された電流性のコモンモードのノイズと逆
相の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回路6
2Vは、検出回路61Vにより検出された電圧性のコモ
ンモードのノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生す
る。
【0066】注入回路63Cは、電力線1の2本の導電
線1a,1bに対して、逆相信号発生回路62Cにより
発生された逆相信号に対応した同じ電流の変化を与える
ことによって、電力線1に対して逆相信号発生回路62
Cにより発生された逆相信号を注入し、これにより電力
線1上の電流性のコモンモードのノイズを相殺する。注
入回路63Vは、電力線1の2本の導電線1a,1bに
対して、逆相信号発生回路62Vにより発生された逆相
信号に対応した同じ電圧の変化を与えることによって、
電力線1に対して逆相信号発生回路62Vにより発生さ
れた逆相信号を注入し、これにより電力線1上の電圧性
のコモンモードのノイズを相殺する。
【0067】図11には、注入回路63Cの構成の一例
を示している。この例では、注入回路63Cは、2本の
導電線1a,1bを囲うコイル63Ccを有している。
コイル63Ccの一端は逆相信号発生回路62Cの出力
端に接続され、他端は回路のグランドに接続されてい
る。この例では、注入回路63Cは、コイル63Ccを
用いて、導電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路
62Cが発生する逆相信号に対応した同じ電流の変化を
与える。
【0068】また、図11には、注入回路63Vの構成
の一例を示している。この例では、注入回路63Vは、
一端が逆相信号発生回路62Vの出力端に接続され、他
端が導電線1aに接続されたコンデンサ63Vaと、一
端が逆相信号発生回路62Vの出力端に接続され、他端
が導電線1bに接続されたコンデンサ63Vbとを有し
ている。この例では、注入回路63Vは、コンデンサ6
3Va,63Vbを介して、導電線1a,1bに対し
て、逆相信号発生回路62Vが発生する逆相信号に対応
した同じ電圧の変化を与える。
【0069】図12は図11における逆相信号発生回路
62Cの構成の一例を示す回路図である。この例におけ
る逆相信号発生回路62Cは、トランス81を有してい
る。トランス81の一次巻線の一端は抵抗82を介して
検出回路61Cのコイル61Ccの一端に接続されてい
る。トランス81の一次巻線の他端は、トランス81の
二次巻線の一端と共に回路のグランド(シグナルグラン
ド)に接続されている。トランス81の二次巻線の他端
は注入回路63Cのコイル63Ccの一端に接続されて
いる。コイル61Ccの他端およびコイル63Ccの他
端は回路のグランドに接続されている。この例における
逆相信号発生回路62Cによれば、検出回路61Cのコ
イル61Ccによって検出されたノイズに対応した電流
がトランス81の一次巻線に流れ、それに応じてトラン
ス81の二次巻線に接続された注入回路63Cのコイル
63Ccに、ノイズとは逆相の電流が流れる。
【0070】逆相信号発生回路62Vの構成も、例え
ば、図12に示した逆相信号発生回路62Cの構成と同
様である。
【0071】図11に示したノイズフィルタ7,8で
は、検出回路61Cにより、電力線1の導電線1a,1
bにおける電流の変動を検出することによって、電力線
1上の電流性のコモンモードのノイズが検出される。ま
た、検出回路61Vにより、電力線1の導電線1a,1
bにおける電圧の変動を検出することによって、電力線
1上の電圧性のコモンモードのノイズが検出される。
【0072】そして、逆相信号発生回路62Cによっ
て、検出回路61Cにより検出された電流性のコモンモ
ードのノイズと逆相の信号となる逆相信号が発生され
る。また、逆相信号発生回路62Vによって、検出回路
61Vにより検出された電圧性のコモンモードのノイズ
と逆相の信号となる逆相信号が発生される。
【0073】更に、注入回路63Cによって、2本の導
電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路62Cが発
生する逆相信号に対応した同じ電流の変化が与えられ
る。また、注入回路63Vによって、逆相信号発生回路
62Vが発生する逆相信号に対応した同じ電圧の変化が
与えられる。これにより、電力線1上の電流性のコモン
モードのノイズおよび電圧性のコモンモードのノイズが
相殺される。
【0074】図13はノイズフィルタ7,8の構成の他
の例を示すブロック図である。図13に示したノイズフ
ィルタ7,8は、電力線1上の電流性のノーマルモード
およびコモンモードのノイズと、電力線1上の電圧性の
ノーマルモードおよびコモンモードのノイズを低減する
ものである。
【0075】図13に示したノイズフィルタ7,8は、
電力線1の2本の導電線1a,1b上の電流性の各ノイ
ズを検出する検出回路71Cと、導電線1a,1b上の
電圧性の各ノイズを検出する検出回路71Vと、検出回
路71Cにより検出された各ノイズと逆相の信号となる
逆相信号を発生する2つの逆相信号発生回路72Ca,
72Cbと、検出回路71Vにより検出された各ノイズ
と逆相の信号となる逆相信号を発生する2つの逆相信号
発生回路72Va,72Vbと、導電線1a,1bに対
して逆相信号発生回路72Ca,72Cbにより発生さ
れた逆相信号を注入する注入回路73Cと、導電線1
a,1bに対して逆相信号発生回路72Va,72Vb
により発生された逆相信号を注入する注入回路73Vと
を備えている。
【0076】検出回路71C,71Vは本発明における
ノイズ検出手段に対応し、逆相信号発生回路72Ca,
72Cb,72Va,72Vbは本発明における逆相信
号発生手段に対応し、注入回路73C,73Vは本発明
におけるノイズ相殺手段に対応する。
【0077】検出回路71Cは、電力線1の2本の導電
線1a,1bにおける電流の変動を検出することによっ
て、2本の導電線1a,1bの各々に発生する電流性の
ノイズを各導電線1a,1b毎に検出する。
【0078】検出回路71Vは、2本の導電線1a,1
bにおける電圧の変動を検出することによって、2本の
導電線1a,1bの各々に発生する電圧性のノイズを各
導電線1a,1b毎に検出する。
【0079】図13には、検出回路71Cの構成の一例
を示している。この例では、検出回路71Cは、導電線
1aを囲うコイル71Caと、導電線1bを囲うコイル
71Cbとを有している。コイル71Caの一端は逆相
信号発生回路72Caの入力端に接続され、他端は回路
のグランドに接続されている。コイル71Cbの一端は
逆相信号発生回路72Cbの入力端に接続され、他端は
回路のグランドに接続されている。コイル71Caは、
導電線1aにおける電流の変動のうちの高周波成分を検
出し、コイル71Cbは、導電線1bにおける電流の変
動のうちの高周波成分を検出する。
【0080】また、図13には、検出回路71Vの構成
の一例を示している。この例では、検出回路71Vは、
一端が導電線1aに接続され、他端が逆相信号発生回路
72Vaの入力端に接続されたコンデンサ71Vaと、
一端が導電線1bに接続され、他端が逆相信号発生回路
72Vbの入力端に接続されたコンデンサ71Vbとを
有している。コンデンサ71Va,71Vbは、それぞ
れ導電線1a,1bにおける電圧変動のうち、高周波成
分を通過させ、交流電力の周波数を含む低周波成分を遮
断する。
【0081】逆相信号発生回路72Caは、検出回路7
1Cにより検出された導電線1a上の電流性のノイズと
逆相の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回路
72Cbは、検出回路71Cにより検出された導電線1
b上の電流性のノイズと逆相の信号となる逆相信号を発
生する。また、逆相信号発生回路72Vaは、検出回路
71Vにより検出された導電線1a上の電圧性のノイズ
と逆相の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回
路72Vbは、検出回路71Vにより検出された導電線
1b上の電圧性のノイズと逆相の信号となる逆相信号を
発生する。逆相信号発生回路72Ca,72Cb,72
Va,72Vbの構成は、例えば、図12に示した逆相
信号発生回路62Cの構成と同様である。
【0082】注入回路73Cは、導電線1a,1bに対
して、それぞれ、逆相信号発生回路72Ca,72Cb
により発生された各逆相信号に対応した電流の変化を与
えることによって、導電線1a,1bに対して逆相信号
発生回路72Ca,72Cbにより発生された各逆相信
号を注入し、これにより導電線1a,1b上の電流性の
ノイズを相殺する。
【0083】注入回路73Vは、導電線1a,1bに対
して、それぞれ、逆相信号発生回路72Va,72Vb
により発生された各逆相信号に対応した電圧の変化を与
えることによって、導電線1a,1bに対して逆相信号
発生回路72Va,72Vbにより発生された各逆相信
号を注入し、これにより導電線1a,1b上の電圧性の
ノイズを相殺する。
【0084】図13には、注入回路73Cの構成の一例
を示している。この例では、注入回路73Cは、導電線
1aを囲うコイル73Caと、導電線1bを囲うコイル
73Cbとを有している。コイル73Caの一端は逆相
信号発生回路72Caの出力端に接続され、他端は回路
のグランドに接続されている。コイル73Cbの一端は
逆相信号発生回路72Cbの出力端に接続され、他端は
回路のグランドに接続されている。この例では、注入回
路73Cは、コイル73Ca,73Cbを用いて、導電
線1a,1bに対して、それぞれ逆相信号発生回路72
Ca,72Cbより発生された各逆相信号に対応した電
流の変化を与える。
【0085】また、図13には、注入回路73Vの構成
の一例を示している。この例では、注入回路73Vは、
一端が逆相信号発生回路72Vaの出力端に接続され、
他端が導電線1aに接続されたコンデンサ73Vaと、
一端が逆相信号発生回路72Vbの出力端に接続され、
他端が導電線1bに接続されたコンデンサ73Vbとを
有している。この例では、注入回路73Vは、コンデン
サ73Va,73Vbを介して、導電線1a,1bに対
して、それぞれ逆相信号発生回路72Va,72Vbよ
り発生された各逆相信号に対応した電圧の変化を与え
る。
【0086】図13に示したノイズフィルタ7,8で
は、検出回路71Cにより、電力線1の導電線1a,1
bの各々における電流の変動を検出することによって、
導電線1a,1bの各々に発生する電流性のノイズが各
導電線1a,1b毎に検出される。これにより、電力線
1上の電流性のノイズが検出される。また、検出回路7
1Vにより、電力線1の導電線1a,1bの各々におけ
る電圧の変動を検出することによって、導電線1a,1
bの各々に発生する電圧性のノイズが各導電線1a,1
b毎に検出される。
【0087】そして、逆相信号発生回路72Ca,72
Cbによって、検出回路71Cにより検出された各導電
線1a,1b毎の電流性のノイズと逆相の信号となる各
導電線1a,1b毎の逆相信号が発生される。また、逆
相信号発生回路72Va,72Vbによって、検出回路
71Vにより検出された各導電線1a,1b毎の電圧性
のノイズと逆相の信号となる各導電線1a,1b毎の逆
相信号が発生される。
【0088】更に、注入回路73Cによって、2本の導
電線1a,1bの各々に対して、逆相信号発生回路72
Ca,72Cbにより発生された各導電線1a,1b毎
の逆相信号に対応した電流の変化が与えられる。また、
注入回路73Vによって、2本の導電線1a,1bの各
々に対して、逆相信号発生回路72Va,72Vbによ
り発生された各導電線1a,1b毎の逆相信号に対応し
た電圧の変化が与えられる。これにより、電力線1上の
電流性のノイズおよび電圧性のノイズが相殺される。
【0089】図11または図13に示したノイズフィル
タ7,8では、電力線1における電流の変動を検出する
ことによって電力線1上の電流性のノイズを検出し、こ
の電流性のノイズと逆相となる逆相信号に対応した電流
の変化を電力線1に与えることによって電力線1上の電
流性のノイズを相殺する。また、ノイズフィルタ7,8
では、電力線1における電圧の変動を検出することによ
って電力線1上の電圧性のノイズを検出し、この電圧性
のノイズと逆相となる逆相信号に対応した電圧の変化を
電力線1に与えることによって電力線1上の電圧性のノ
イズを相殺する。従って、ノイズフィルタ7,8は、理
想的には、ノイズの大きさや周波数帯域には無関係にノ
イズを低減することができる。
【0090】また、ノイズフィルタ7,8では、ノイズ
電圧を増幅したり、ノイズ電圧を逆相の電流に変換した
りすることがないので、ノイズに対する逆相信号の遅れ
や、ノイズの波形に対する逆相信号の波形の相違を小さ
くすることができるので、極力、正確にノイズを相殺す
ることが可能になる。また、ノイズフィルタ7,8によ
れば、ノイズに対する逆相信号の遅れを小さくすること
ができることから、連続的なノイズのみならず突発的な
ノイズも相殺することが可能になる。
【0091】これらのことから、ノイズフィルタ7,8
によれば、広い周波数帯域において電力線1上のノイズ
を効果的に低減することが可能になると共に、連続的な
ノイズのみならず突発的なノイズも効果的に低減するこ
とが可能になる。
【0092】また、ノイズフィルタ7,8は、ノイズの
周波数帯域、大きさ、性質によらずに普遍的に作用す
る。従って、ノイズフィルタ7,8を用いた場合には、
ノイズを発生する機器に応じてフィルタの最適化を図る
必要がなくなる。また、ノイズフィルタ7,8の標準化
が容易である。
【0093】なお、ノイズフィルタ7,8の構成は、図
11または図13に示したものに限らず、例えば、図1
1における検出回路61C、逆相信号発生回路62Cお
よび注入回路63Cと、検出回路61V、逆相信号発生
回路62Vおよび注入回路63Vのうちの一方のみを備
えたものでもよい。また、ノイズフィルタ7,8は、図
13における検出回路71C、逆相信号発生回路72C
a,72Cbおよび注入回路73Cと、検出回路71
V、逆相信号発生回路72Va,72Vbおよび注入回
路73Vのうちの一方のみを備えたものでもよい。
【0094】次に、図14を参照して、図1における分
離部9について説明する。図14に示したように、分離
部9は、領域10外の電力線101と領域10内の電力
線1との間に、直列に挿入された漏洩阻止器91とイン
ピーダンス調整器92とを含んでいる。漏洩阻止器91
は領域10外の電力線101側に配置され、インピーダ
ンス調整器92は領域10内の電力線1側に配置されて
いる。漏洩阻止器91の構成は、ノイズフィルタ7,8
と同様である。また、インピーダンス調整器92の構成
は、インピーダンス調整器5,6と同様である。インピ
ーダンス調整器92は、本発明における第2のインピー
ダンス調整器に対応する。
【0095】漏洩阻止器91は、例えば漏洩電流に起因
して、領域10内の電力線1上の信号が領域10外の電
力線101に漏洩することを阻止する。また、インピー
ダンス調整器92は、領域10内の電力線1のラインイ
ンピーダンスを増加させると共に、電力線1のラインイ
ンピーダンスを周波数にかかわらずに一定値に近づくよ
うにする。
【0096】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、電力線1のラインインピーダンスの低下を引き起こ
すインピーダンス障害機器21,22と電力線1との間
にインピーダンス調整器5,6を設けたので、電力線1
のラインインピーダンスを増加させることができる。ま
た、インピーダンス調整器5,6は、コモンモードチョ
ークを含んでいるので、電力線1上のコモンモードノイ
ズを低減することができる。従って、本実施の形態によ
れば、特に、ノイズのうちコモンモードノイズの割合が
大きい1MHz〜100MHzの周波数帯域において電
力線通信を行う場合に、電力線1に接続された機器によ
る電力線1の通信環境の悪化を防止して、通信環境を改
善することができる。
【0097】また、本実施の形態では、電力線通信を行
う周波数に応じてインピーダンス調整器5,6における
ギャップ制御用コア54の磁気特性を変え、更にこれに
よりコア50の磁気特性を変えることによって、例えば
1MHz〜100MHzの周波数帯域において、インピ
ーダンス調整器5,6のインピーダンスが周波数にかか
わらずに一定値に近づくようにしている。従って、本実
施の形態によれば、例えば1MHz〜100MHzの周
波数帯域において、電力線1のラインインピーダンスを
周波数にかかわらずにほぼ一定に保持して、電力線1の
通信環境をより改善することができる。すなわち、電力
線1のラインインピーダンスが周波数にかかわらずにほ
ぼ一定に保持されれば、電力線通信における通信信号の
振幅は、周波数にかかわらずにほぼ一定になる。その結
果、電力線通信におけるエラーレートを低減し、通信速
度を大きくすることが可能になる。また、エラーレート
が低減されれば、簡便な通信方式を採用することも可能
になる。
【0098】また、インピーダンス調整器5,6は、コ
モンモードチョークを含み、1MHz以上の高い周波数
帯域で使用されるので、コア50,54の材料としてフ
ェライト等の高透磁率材を使用することができると共
に、コア50は小型なもので済む。また、フェライト
は、電力線通信を行う周波数帯域1MHz〜100MH
zにおいて磁気特性が劣化しないため、コア50,54
の材料として適している。従って、インピーダンス調整
器5,6は、フェライトのような実用的な材料を用いて
製造でき、且つ小型化が可能である。
【0099】また、インピーダンス調整器5,6では、
ギャップ制御部53は、コア50のギャップ52内に挿
入されたギャップ制御用コア54と、このギャップ制御
用コア54に巻き付けられたギャップ制御用コイル55
とを有している。従って、このインピーダンス調整器
5,6によれば、ギャップ制御用コイル55に流す電流
を調整して、ギャップ制御用コイル55によってギャッ
プ制御用コア54に印加するバイアス磁界を調整するこ
とによって、容易にコア50の磁気特性を変化させるこ
とが可能になる。
【0100】また、本実施の形態によれば、ノイズを発
生させるノイズ障害機器31,32と電力線1との間に
ノイズフィルタ7,8を設けたので、電力線1に接続さ
れた機器による電力線1の通信環境の悪化をより確実に
防止することができる。
【0101】また、本実施の形態では、ノイズフィルタ
7,8は、電力線1上のノイズを検出し、この検出され
たノイズと逆相の信号を発生させ、この信号を電力線1
に与えることによって、電力線1上のノイズを相殺す
る。従って、本実施の形態によれば、広い周波数帯域に
おいて電力線1上のノイズを効果的に低減することがで
きると共に、連続的なノイズのみならず突発的なノイズ
も効果的に除去することができる。
【0102】また、本実施の形態によれば、電力線1を
利用せずにインピーダンス障害機器21,22およびノ
イズ障害機器31,32との間で通信を行う通信装置4
1を備えたので、通信装置41とインピーダンス障害機
器21,22およびノイズ障害機器31,32との通信
が可能になり、これにより、通信装置41によってイン
ピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器3
1,32を制御すること等が可能になる。
【0103】また、本実施の形態によれば、通信装置4
1は、電力線1を利用して、あるいは電力線1を利用せ
ずに、電力線通信装置11,12との間で通信を行うよ
うにしたので、電力線通信装置11,12と通信装置4
1との通信が可能になり、これにより、通信装置41を
介して電力線通信装置11,12によってインピーダン
ス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32
を制御すること等が可能になる。また、通信を行う機器
としてインピーダンス障害機器21,22およびノイズ
障害機器31,32も含めた通信ネットワークシステム
の構築が可能になる。
【0104】また、本実施の形態によれば、通信装置4
1は、電力線1を利用して通信を行う領域10外の装置
43との間で、電力線1を利用せずに通信を行うように
したので、領域10外の装置43と通信装置41との通
信が可能になり、これにより、通信装置41を介して、
領域10外の装置43によってインピーダンス障害機器
21,22およびノイズ障害機器31,32を制御する
こと等が可能になる。
【0105】また、本実施の形態では、領域10内の電
力線1と領域10外の電力線101との間に分離部9を
設けている。この分離部9は、領域10外の電力線10
1と領域10内の電力線1との間に、直列に挿入された
漏洩阻止器91とインピーダンス調整器92とを含んで
いる。インピーダンス調整器92は、コモンモードチョ
ークを含み、領域10内の電力線1のラインインピーダ
ンスを増加させる。従って、本実施の形態によれば、領
域10内の電力線1のラインインピーダンスを増加させ
て、電力線1の通信環境を向上させることができる。ま
た、本実施の形態によれば、漏洩阻止器91によって、
領域10内の電力線1上の信号が領域10外の電力線1
01に漏洩することを防止することができる。
【0106】また、本実施の形態によれば、電力線通信
装置11,12は、領域10外の装置43との間で、電
力線1を利用せずに通信を行うようにしたので、領域1
0外の装置43と電力線通信装置11,12との通信が
可能になる。
【0107】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々の変更が可能である。例えば、インピーダンス
障害機器21,22またはノイズ障害機器31,32と
電力線1との間に、分離部9と同様に、インピーダンス
調整器とノイズフィルタの両方を直列に挿入してもよ
い。
【0108】また、電力線通信装置11,12が、電力
線1を利用せずに、インピーダンス障害機器21,22
またはノイズ障害機器31,32と直接、通信を行っ
て、これらの制御等を行ってもよい。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし12
のいずれかに記載の電力線通信ネットワークシステムに
よれば、コモンモードチョークを含むインピーダンス調
整器によって、電力線のラインインピーダンスが増加さ
れると共に電力線上のコモンモードノイズが低減され
る。従って、本発明によれば、特に1MHz以上の高い
周波数帯域において電力線通信を行う場合に、電力線に
接続された機器による電力線の通信環境の悪化を防止し
て、通信環境を改善することができるという効果を奏す
る。
【0110】また、請求項2ないし4のいずれかに記載
の電力線通信ネットワークシステムによれば、電力線を
利用せずに、インピーダンス障害機器との間で通信を行
うインピーダンス障害機器用通信装置を備えたので、イ
ンピーダンス障害機器用通信装置によってインピーダン
ス障害機器を制御すること等が可能になるという効果を
奏する。
【0111】また、請求項3記載の電力線通信ネットワ
ークシステムによれば、インピーダンス障害機器用通信
装置は、電力線を利用して、あるいは電力線を利用せず
に、電力線通信装置との間で通信を行うようにしたの
で、電力線通信装置とインピーダンス障害機器用通信装
置との通信が可能になり、これにより、インピーダンス
障害機器用通信装置を介して電力線通信装置によってイ
ンピーダンス障害機器を制御すること等が可能になると
いう効果を奏する。
【0112】また、請求項4記載の電力線通信ネットワ
ークシステムによれば、インピーダンス障害機器用通信
装置は、電力線を利用して通信を行う領域外の装置との
間で、電力線を利用せずに通信を行うようにしたので、
インピーダンス障害機器用通信装置を介して、領域外の
装置によってインピーダンス障害機器を制御すること等
が可能になるという効果を奏する。
【0113】また、請求項5ないし9のいずれかに記載
の電力線通信ネットワークシステムによれば、更に、電
力線に接続されてノイズを発生させるノイズ障害機器と
電力線との間に設けられたノイズフィルタを備えたの
で、電力線に接続された機器による電力線の通信環境の
悪化をより確実に防止することができるという効果を奏
する。
【0114】また、請求項6記載の電力線通信ネットワ
ークシステムによれば、ノイズフィルタは、電力線上の
ノイズを検出するノイズ検出手段と、ノイズ検出手段に
よって検出されたノイズと逆相の信号を発生させる逆相
信号発生手段と、逆相信号発生手段によって発生された
信号を電力線に与えることによって、電力線上のノイズ
を相殺するノイズ相殺手段とを有するので、広い周波数
帯域において電力線上のノイズを効果的に低減すること
ができると共に、連続的なノイズのみならず突発的なノ
イズも効果的に除去することができるという効果を奏す
る。
【0115】また、請求項7ないし9のいずれかに記載
の電力線通信ネットワークシステムによれば、電力線を
利用せずに、ノイズ障害機器との間で通信を行うノイズ
障害機器用通信装置を備えたので、ノイズ障害機器用通
信装置によってノイズ障害機器を制御すること等が可能
になるという効果を奏する。
【0116】また、請求項8記載の電力線通信ネットワ
ークシステムによれば、ノイズ障害機器用通信装置は、
電力線を利用して、あるいは電力線を利用せずに、電力
線通信装置との間で通信を行うようにしたので、電力線
通信装置とノイズ障害機器用通信装置との通信が可能に
なり、これにより、ノイズ障害機器用通信装置を介して
電力線通信装置によってノイズ障害機器を制御すること
等が可能になるという効果を奏する。
【0117】また、請求項9記載の電力線通信ネットワ
ークシステムによれば、ノイズ障害機器用通信装置は、
電力線を利用して通信を行う領域外の装置との間で、電
力線を利用せずに通信を行うようにしたので、ノイズ障
害機器用通信装置を介して、領域外の装置によってノイ
ズ障害機器を制御すること等が可能になるという効果を
奏する。
【0118】また、請求項10記載の電力線通信ネット
ワークシステムによれば、更に、電力線を利用して通信
を行う領域内の電力線と領域外の電力線との間に設けら
れ、コモンモードチョークを含み、領域内の電力線のラ
インインピーダンスを増加させる第2のインピーダンス
調整器を備えたので、領域内の電力線のラインインピー
ダンスを増加させて、電力線の通信環境を向上させるこ
とができるという効果を奏する。
【0119】また、請求項11記載の電力線通信ネット
ワークシステムによれば、更に、電力線を利用して通信
を行う領域内の電力線と領域外の電力線との間に設けら
れ、領域内の電力線上の信号が領域外の電力線に漏洩す
ることを阻止する漏洩阻止器を備えたので、領域内の電
力線上の信号が領域外の電力線に漏洩することを防止す
ることができるという効果を奏する。
【0120】また、請求項12記載の電力線通信ネット
ワークシステムによれば、電力線通信装置は、電力線を
利用して通信を行う領域外の装置との間で、電力線を利
用せずに通信を行うようにしたので、領域外の装置と電
力線通信装置との通信が可能になるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電力線通信ネット
ワークシステムの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるインピーダンス
調整器の基本的な構成部分を表した回路図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるインピーダンス
調整器の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示したインピーダンス調整器におけるギ
ャップ制御部の平面図である。
【図5】ギャップの無いフェライトコアの磁束密度と磁
界との関係を示す特性図である。
【図6】ギャップの無いフェライトコアを表す説明図で
ある。
【図7】ギャップを有するフェライトコアを表す説明図
である。
【図8】図3に示したインピーダンス調整器におけるコ
アのギャップにギャップ制御用コアが挿入されている状
態を表す説明図である。
【図9】図3に示したインピーダンス調整器におけるコ
アの磁気特性を示す説明図である。
【図10】図3に示したインピーダンス調整器の作用を
概念的に示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態におけるノイズフィル
タの構成の一例を示すブロック図である。
【図12】図11における逆相信号発生回路の構成の一
例を示す回路図である。
【図13】本発明の一実施の形態におけるノイズフィル
タの構成の他の例を示すブロック図である。
【図14】図1における分離部の構成を示すブロック図
である。
【図15】照明機器によってラインインピーダンスが低
下する現象の一例を示す特性図である。
【符号の説明】
1…電力線、5,6…インピーダンス調整器、7,8…
ノイズフィルタ、9…分離部、10…電力線通信領域、
11,12…電力線通信装置、13,14…電力線通信
端末、15,16…通信部、21,22…インピーダン
ス障害機器、23,24…通信部、31,32…ノイズ
障害機器、33,34…通信部、41…家庭電気機器制
御用通信装置、42…通信端末、50…コア、51a,
51b…巻線、52…ギャップ、53…ギャップ制御
部、54…ギャップ制御用コア、55…ギャップ制御用
コイル、56…電流制御回路、57…電力線通信制御回
路。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力線と、 前記電力線を利用して互いに通信を行う複数の電力線通
    信装置と、 前記電力線に接続されて電力線のラインインピーダンス
    の低下を引き起こすインピーダンス障害機器と前記電力
    線との間に設けられ、コモンモードチョークを含み、電
    力線のラインインピーダンスを増加させるインピーダン
    ス調整器とを備えたことを特徴とする電力線通信ネット
    ワークシステム。
  2. 【請求項2】 更に、前記電力線を利用せずに、前記イ
    ンピーダンス障害機器との間で通信を行うインピーダン
    ス障害機器用通信装置を備えたことを特徴とする請求項
    1記載の電力線通信ネットワークシステム。
  3. 【請求項3】 前記インピーダンス障害機器用通信装置
    は、前記電力線を利用して、あるいは電力線を利用せず
    に、前記電力線通信装置との間で通信を行うことを特徴
    とする請求項2記載の電力線通信ネットワークシステ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記インピーダンス障害機器用通信装置
    は、電力線を利用して通信を行う領域外の装置との間
    で、電力線を利用せずに通信を行うことを特徴とする請
    求項2または3記載の電力線通信ネットワークシステ
    ム。
  5. 【請求項5】 更に、前記電力線に接続されてノイズを
    発生させるノイズ障害機器と前記電力線との間に設けら
    れたノイズフィルタを備えたことを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかに記載の電力線通信ネットワークシ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記ノイズフィルタは、電力線上のノイ
    ズを検出するノイズ検出手段と、前記ノイズ検出手段に
    よって検出されたノイズと逆相の信号を発生させる逆相
    信号発生手段と、前記逆相信号発生手段によって発生さ
    れた信号を前記電力線に与えることによって、電力線上
    のノイズを相殺するノイズ相殺手段とを有することを特
    徴とする請求項5記載の電力線通信ネットワークシステ
    ム。
  7. 【請求項7】 更に、前記電力線を利用せずに、前記ノ
    イズ障害機器との間で通信を行うノイズ障害機器用通信
    装置を備えたことを特徴とする請求項5または6記載の
    電力線通信ネットワークシステム。
  8. 【請求項8】 前記ノイズ障害機器用通信装置は、前記
    電力線を利用して、あるいは電力線を利用せずに、前記
    電力線通信装置との間で通信を行うことを特徴とする請
    求項7記載の電力線通信ネットワークシステム。
  9. 【請求項9】 前記ノイズ障害機器用通信装置は、電力
    線を利用して通信を行う領域外の装置との間で、電力線
    を利用せずに通信を行うことを特徴とする請求項7また
    は8記載の電力線通信ネットワークシステム。
  10. 【請求項10】 更に、電力線を利用して通信を行う領
    域内の電力線と領域外の電力線との間に設けられ、コモ
    ンモードチョークを含み、領域内の電力線のラインイン
    ピーダンスを増加させる第2のインピーダンス調整器を
    備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに
    記載の電力線通信ネットワークシステム。
  11. 【請求項11】 更に、電力線を利用して通信を行う領
    域内の電力線と領域外の電力線との間に設けられ、領域
    内の電力線上の信号が領域外の電力線に漏洩することを
    阻止する漏洩阻止器を備えたことを特徴とする請求項1
    ないし10のいずれかに記載の電力線通信ネットワーク
    システム。
  12. 【請求項12】 前記電力線通信装置は、電力線を利用
    して通信を行う領域外の装置との間で、電力線を利用せ
    ずに通信を行うことを特徴とする請求項1ないし11の
    いずれかに記載の電力線通信ネットワークシステム。
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