JP2002204189A - 電力線雑音フィルタ - Google Patents

電力線雑音フィルタ

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JP2002204189A
JP2002204189A JP2001318163A JP2001318163A JP2002204189A JP 2002204189 A JP2002204189 A JP 2002204189A JP 2001318163 A JP2001318163 A JP 2001318163A JP 2001318163 A JP2001318163 A JP 2001318163A JP 2002204189 A JP2002204189 A JP 2002204189A
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power line
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Masaru Wazaki
賢 和崎
Yoshihiro Saito
義広 斎藤
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TDK Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
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  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い周波数帯域において電力線上の雑音を効
果的に低減すると共に、連続的な雑音のみならず突発的
な雑音も効果的に低減する。 【解決手段】 電力線雑音フィルタ10では、検出回路
11により、電力線1の導電線1a,1bにおける電流
の変動を検出することによって、電力線1上の電流性の
コモンモードの雑音が検出される。そして、逆相信号発
生回路12によって、検出回路11により検出された雑
音と逆相の信号となる逆相信号が発生される。更に、注
入回路13によって、電力線1における2本の導電線1
a,1bに対して、逆相信号に対応した同じ電流の変化
が与えられる。これにより、電力線1上の電流性のコモ
ンモードの雑音が相殺される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力線上の雑音を
低減するための電力線雑音フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】家庭内やオフィス内等における通信技術
の一つとして、電力線に高周波信号を重畳して通信を行
う電力線通信が知られている。この電力線通信では、電
力線に接続された種々の電気・電子機器の動作によっ
て、電力線上に不特定の周波数帯域において突発的な雑
音(以下、ノイズとも言う。)が発生し、このことが、
エラーレートの増加等の通信品質の低下を招くという問
題点があった。
【0003】また、電力線通信を行わない場合であって
も、電力線に接続された機器の動作によって電力線上に
発生したノイズが、同じ電力線に接続された他の機器に
悪影響を与える場合がある。
【0004】なお、電力線上に発生するノイズには、2
本の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズ
と、2本の導電線間に発生するノーマルモードノイズと
がある。また、電力線上に発生するノイズには、電流が
変動する電流性ノイズと、電圧が変動する電圧性ノイズ
とがある。
【0005】上述のようなノイズによる問題に対する対
策としては、電磁妨害(EMI)対策用のノイズフィル
タ(以下、EMIフィルタと言う。)を用いることが考
えられる。EMIフィルタは、一般的には、コモンモー
ドチョークコイル、ノーマルモードチョークコイル、X
キャパシタ、Yキャパシタ等のディスクリート素子を組
み合わせてなるLCフィルタ(インダクタおよびキャパ
シタからなるフィルタ)の構成になっている。
【0006】また、特開平7−115339号公報に
は、ノイズ電流を吸収するラインフィルタが開示されて
いる。このラインフィルタは、一次側コイルと二次側コ
イルを含む第1のトランスと、一次側コイルと二次側コ
イルを含む第2のトランスと、第1のトランスの一次側
コイルにノイズ電流が流れることによって第1のトラン
スの二次側コイルに電磁誘導されたノイズ電流を増幅す
る増幅手段とを備え、増幅手段で増幅されたノイズ電流
を第2のトランスの二次側コイルに流し、第2のトラン
スの一次側コイルのインピーダンスを変化させるもので
ある。このラインフィルタでは、第2のトランスの一次
側コイルのインピーダンスを調整することによって、ノ
イズの減衰効果を高めている。
【0007】また、特開平10−303674号公報に
は、AC電源ライン上のノイズを低減するACラインフ
ィルタが開示されている。このACラインフィルタは、
第3の巻線が追加されたコモンモードチョークコイル
と、AC電源ライン上のコモンモードノイズを抽出する
ノイズ抽出回路と、抽出されたコモンモードノイズを増
幅するノイズ増幅回路と、ノイズ増幅回路の出力に応じ
てコモンモードチョークコイルの第3の巻線に逆相の起
電力を与えるための電流を供給する電流供給回路とを有
している。このACラインフィルタでは、ノイズ抽出回
路によってAC電源ライン上のコモンモードノイズが抽
出され、抽出されたコモンモードノイズがノイズ増幅回
路によって増幅され、電流供給回路によって、ノイズ増
幅回路の出力に応じて、コモンモードチョークコイルの
第3の巻線に、逆相の起電力を与えるための電流が供給
される。これにより、AC電源ライン上のコモンモード
ノイズが低減される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】LCフィルタの構成で
ある従来のEMIフィルタは、回路構成が簡単であると
いう利点を有する反面、以下の(1)〜(3)のような
欠点も有する。
【0009】(1)従来のEMIフィルタでは、インダ
クタンスおよびキャパシタンスによって決まる固有の共
振周波数を有するため、所望の減衰量を狭い周波数帯域
でしか得ることができない。
【0010】(2)電気・電子機器の種類によって、発
生するノイズの周波数帯域、大きさ、性質が異なるた
め、ノイズを発生する機器に応じてEMIフィルタの最
適化を図る必要がある。このため、機器の設計の都度、
ノイズに関する規格に適合させるために、EMIフィル
タの最適化のための試行錯誤を繰り返すことになり、そ
のための測定や評価に時間がかかり、またEMIフィル
タの標準化が困難である。
【0011】(3)従来のEMIフィルタでは、所望の
減衰量が得られる周波数帯域が狭いため、ノイズ発生源
のばらつきによるノイズの周波数の変動や、EMIフィ
ルタのばらつきによる減衰特性の変動によって、ノイズ
低減の効果が変動するという問題点がある。
【0012】一方、特開平7−115339号公報に示
されたラインフィルタでは、第1のトランスで検出した
ノイズ電流に対して1周期遅れで同位相となる電流を、
第2のトランスの二次側コイルに流すことによって、第
2のトランスの一次側コイルのインピーダンスを調整し
ている。従って、このラインフィルタは、周波数が変化
しない連続的なノイズの低減には有効かもしれないが、
突発的なノイズを相殺することはできない。また、特開
平7−115339号公報の図4には、ラインフィルタ
の構成例として、2つのコアにまたがるようにライン線
を巻き、各コアにそれぞれ第1のトランスの二次側コイ
ルと第2のトランスの二次側コイルとを巻いた構成が示
されている。しかしながら、このような構成では、2つ
のコアの位置ずれが生じ易く、配線も難しいという問題
点がある。
【0013】また、特開平10−303674号公報に
示されたACラインフィルタでは、前記公報の図1およ
び図2から分かるように、HPF(ハイパスフィルタ)
を用いてニュートラル(neutral)ライン上の電圧変動
を検出することによってコモンモードノイズを検出し、
このコモンモードノイズをノイズ増幅回路によって増幅
し、このノイズ増幅回路の出力に応じて、電流供給回路
によって、コモンモードチョークコイルの第3の巻線に
逆相の起電力を与えるための電流を発生させ、この電流
をコモンモードチョークコイルの第3の巻線に供給して
いる。
【0014】このように、上記ACラインフィルタで
は、コモンモードノイズの電圧(以下、ノイズ電圧と記
す。)を検出して、このノイズ電圧を増幅した後、コモ
ンモードノイズと逆相の電流(以下、逆相電流と記
す。)に変換し、この逆相電流によってコモンモードノ
イズを相殺するようにしている。
【0015】しかしながら、上記ACラインフィルタで
は、ノイズ電圧の増幅、およびノイズ電圧の逆相電流へ
の変換の過程で、ノイズ電圧に対する逆相電流の遅れが
生じる。また、ノイズ電圧の波形と逆相電流の波形とは
完全には対応しない。これらの理由から、上記ACライ
ンフィルタでは、AC電源ライン上のコモンモードノイ
ズを正確に相殺することは難しい。
【0016】また、上記ACラインフィルタは、基本的
にはコモンモードチョークコイルを用いてコモンモード
ノイズを低減すると共に、逆相電流をコモンモードチョ
ークコイルの第3の巻線に供給することでコモンモード
ノイズ低減の効果を高めている。従って、このACライ
ンフィルタでは、その減衰特性がコモンモードチョーク
コイルの特性に依存するため、広い周波数帯域において
ノイズを低減することは難しいという問題点がある。
【0017】また、上記ACラインフィルタでは、コモ
ンモードノイズを抽出するためのHPFは、ニュートラ
ル(neutral)ラインとフレームグランドとの間に設け
られ、コモンモードノイズを相殺するための第3の巻線
はフレームグランドと電流供給回路との間に接続されて
いる。従って、このACラインフィルタでは、フレーム
グランドがない場合には機能せず、また、フレームグラ
ンドとニュートラル(neutral)ラインとの間のコモン
モードノイズしか相殺できない。すなわち、このACラ
インフィルタの適用範囲は極めて限られている。
【0018】なお、特開昭53−54447号公報の図
5には、電力線上の搬送波を阻止するフィルタが開示さ
れている。このフィルタは、一対の入力端と、一対の出
力端と、1つの入力端と1つの出力端との間に設けられ
た並列共振回路と、一対の出力端の間に設けられた直列
共振回路とを備えている。このフィルタにおける並列共
振回路では、磁心上において、高周波信号が重畳された
商用電流の磁束と、低域通過型フィルタによって高周波
信号が除去された商用電流の磁束とを相殺して、高周波
信号に対してインピーダンスを大きくしている。このフ
ィルタにおける搬送波阻止の原理は、後で説明する本発
明の電力線雑音フィルタにおける雑音低減の原理とは全
く異なるものである。
【0019】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、広い周波数帯域において電力線上の
雑音を効果的に低減することができると共に、連続的な
雑音のみならず突発的な雑音も効果的に低減することの
できる電力線雑音フィルタを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の電力線雑
音フィルタは、電力線における電流の変動を検出するこ
とによって、電力線上の雑音を検出する雑音検出手段
と、雑音検出手段により検出された雑音と逆相の信号と
なる逆相信号を発生する逆相信号発生手段と、電力線に
対して逆相信号発生手段により発生された逆相信号に対
応した電流の変化を与えることによって、電力線上の雑
音を相殺する雑音相殺手段とを備えたものである。
【0021】本発明の第1の電力線雑音フィルタでは、
雑音検出手段により、電力線における電流の変動を検出
することによって電力線上の雑音が検出され、この検出
された雑音と逆相の信号となる逆相信号が逆相信号発生
手段によって発生され、雑音相殺手段により、電力線に
対して逆相信号に対応した電流の変化が与えられて、電
力線上の雑音が相殺される。
【0022】本発明の第1の電力線雑音フィルタにおい
て、雑音検出手段は、電力線における2本の導電線を同
じ位相で伝搬する雑音を検出し、雑音相殺手段は、電力
線における2本の導電線に対して同じ電流の変化を与え
てもよい。
【0023】また、本発明の第1の電力線雑音フィルタ
において、雑音検出手段は、電力線における2本の導電
線の各々に発生する雑音を各導電線毎に検出し、逆相信
号発生手段は、雑音検出手段により検出された各導電線
毎の雑音に対応した各導電線毎の逆相信号を発生し、雑
音相殺手段は、電力線における2本の導電線の各々に対
して、逆相信号発生手段により発生された各導電線毎の
逆相信号に対応した電流の変化を与えてもよい。
【0024】本発明の第2の電力線雑音フィルタは、電
力線における電圧の変動を検出することによって、電力
線上の雑音を検出する雑音検出手段と、雑音検出手段に
より検出された雑音と逆相の信号となる逆相信号を発生
する逆相信号発生手段と、電力線に対して逆相信号発生
手段により発生された逆相信号に対応した電圧の変化を
与えることによって、電力線上の雑音を相殺する雑音相
殺手段とを備えたものである。
【0025】本発明の第2の電力線雑音フィルタでは、
雑音検出手段により、電力線における電圧の変動を検出
することによって電力線上の雑音が検出され、この検出
された雑音と逆相の信号となる逆相信号が逆相信号発生
手段によって発生され、雑音相殺手段により、電力線に
対して逆相信号に対応した電圧の変化が与えられて、電
力線上の雑音が相殺される。
【0026】本発明の第2の電力線雑音フィルタにおい
て、雑音検出手段は、電力線における2本の導電線を同
じ位相で伝搬する雑音を検出し、雑音相殺手段は、電力
線における2本の導電線に対して同じ電圧の変化を与え
てもよい。
【0027】また、本発明の第2の電力線雑音フィルタ
において、雑音検出手段は、電力線における2本の導電
線の各々に発生する雑音を各導電線毎に検出し、逆相信
号発生手段は、雑音検出手段により検出された各導電線
毎の雑音に対応した各導電線毎の逆相信号を発生し、雑
音相殺手段は、電力線における2本の導電線の各々に対
して、逆相信号発生手段により発生された各導電線毎の
逆相信号に対応した電圧の変化を与えてもよい。
【0028】本発明の第3の電力線雑音フィルタは、電
力線における電流の変動を検出することによって、電力
線上の第1の雑音を検出する第1の雑音検出手段と、第
1の雑音検出手段により検出された第1の雑音と逆相の
信号となる第1の逆相信号を発生する第1の逆相信号発
生手段と、電力線に対して第1の逆相信号発生手段によ
り発生された第1の逆相信号に対応した電流の変化を与
えることによって、電力線上の第1の雑音を相殺する第
1の雑音相殺手段と、電力線における電圧の変動を検出
することによって、電力線上の第2の雑音を検出する第
2の雑音検出手段と、第2の雑音検出手段により検出さ
れた第2の雑音と逆相の信号となる第2の逆相信号を発
生する第2の逆相信号発生手段と、電力線に対して第2
の逆相信号発生手段により発生された第2の逆相信号に
対応した電圧の変化を与えることによって、電力線上の
第2の雑音を相殺する第2の雑音相殺手段とを備えたも
のである。
【0029】本発明の第3の電力線雑音フィルタでは、
第1の雑音検出手段により、電力線における電流の変動
を検出することによって電力線上の第1の雑音が検出さ
れ、この検出された第1の雑音と逆相の信号となる第1
の逆相信号が第1の逆相信号発生手段によって発生さ
れ、第1の雑音相殺手段により、電力線に対して第1の
逆相信号に対応した電流の変化が与えられて、電力線上
の第1の雑音が相殺される。また、第2の雑音検出手段
により、電力線における電圧の変動を検出することによ
って電力線上の第2の雑音が検出され、この検出された
第2の雑音と逆相の信号となる第2の逆相信号が第2の
逆相信号発生手段によって発生され、第2の雑音相殺手
段により、電力線に対して第2の逆相信号に対応した電
圧の変化が与えられて、電力線上の第2の雑音が相殺さ
れる。
【0030】本発明の第3の電力線雑音フィルタにおい
て、第1の雑音検出手段は、電力線における2本の導電
線を同じ位相で伝搬する第1の雑音を検出し、第1の雑
音相殺手段は、電力線における2本の導電線に対して同
じ電流の変化を与え、第2の雑音検出手段は、電力線に
おける2本の導電線を同じ位相で伝搬する第2の雑音を
検出し、第2の雑音相殺手段は、電力線における2本の
導電線に対して同じ電圧の変化を与えてもよい。
【0031】また、本発明の第3の電力線雑音フィルタ
において、第1の雑音検出手段は、電力線における2本
の導電線の各々に発生する第1の雑音を各導電線毎に検
出し、第1の逆相信号発生手段は、第1の雑音検出手段
により検出された各導電線毎の第1の雑音に対応した各
導電線毎の第1の逆相信号を発生し、第1の雑音相殺手
段は、電力線における2本の導電線の各々に対して、第
1の逆相信号発生手段により発生された各導電線毎の第
1の逆相信号に対応した電流の変化を与え、第2の雑音
検出手段は、電力線における2本の導電線の各々に発生
する第2の雑音を各導電線毎に検出し、第2の逆相信号
発生手段は、第2の雑音検出手段により検出された各導
電線毎の第2の雑音に対応した各導電線毎の第2の逆相
信号を発生し、第2の雑音相殺手段は、電力線における
2本の導電線の各々に対して、第2の逆相信号発生手段
により発生された各導電線毎の第2の逆相信号に対応し
た電圧の変化を与えてもよい。
【0032】本発明の第4の電力線雑音フィルタは、電
力線の所定の位置に配置され、電力線における電流の変
動または電圧の変動を検出することによって、電力線上
の雑音を検出する雑音検出手段と、雑音検出手段により
検出された雑音と逆相の信号となる逆相信号を発生する
逆相信号発生手段と、電力線において検出手段とは異な
る位置に配置され、雑音検出手段において電流の変動を
検出することによって雑音が検出される場合には、電力
線に対して逆相信号発生手段により発生された逆相信号
に対応した電流の変化を与え、雑音検出手段において電
圧の変動を検出することによって雑音が検出される場合
には、電力線に対して逆相信号発生手段により発生され
た逆相信号に対応した電圧の変化を与えることによっ
て、電力線上の雑音を相殺する雑音相殺手段と、電力線
において雑音検出手段が配置された位置と雑音相殺手段
が配置された位置との間の位置に設けられ、通過する雑
音の波高値を低減するインピーダンスを有する波高値低
減用インピーダンス要素とを備えたものである。
【0033】本発明の第4の電力線雑音フィルタでは、
雑音検出手段により電力線における電流の変動または電
圧の変動を検出することによって、電力線上の雑音が検
出され、この検出された雑音と逆相の信号となる逆相信
号が逆相信号発生手段によって発生され、雑音相殺手段
により、電力線に対して逆相信号に対応した電流または
電圧の変化が与えられて、電力線上の雑音が相殺され
る。また、この電力線雑音フィルタでは、波高値低減用
インピーダンス要素によって、雑音相殺手段側の電力線
上の雑音の波高値が低減されると共に、雑音検出手段側
の電力線上の雑音の波高値と雑音相殺手段側の電力線上
の雑音の波高値とが異なる状態が維持される。
【0034】本発明の第4の電力線雑音フィルタにおい
て、波高値低減用インピーダンス要素はインダクタを含
んでいてもよい。
【0035】また、本発明の第4の電力線雑音フィルタ
は、更に、雑音検出手段から逆相信号発生手段を経由し
て雑音相殺手段に至る信号の経路に設けられ、雑音相殺
手段に入力される雑音と雑音相殺手段によって電力線に
与えられる電流または電圧の変化との位相差が180°
に近づくように、逆相信号の位相を調整するインピーダ
ンスを有する位相調整用インピーダンス要素を備えてい
てもよい。この場合、位相調整用インピーダンス要素は
インダクタを含んでいてもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る電力線雑音フィルタの構成を示すブロック図で
ある。本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ10は、
電力線1上の電流性のコモンモードの雑音を低減するも
のである。電力線1は2本の導電線1a,1bを含んで
いる。なお、電力線1は、交流電力を輸送するものでも
よいし、直流電力を輸送するものでもよい。
【0037】電力線雑音フィルタ10は、電力線1上の
雑音を検出する検出回路11と、検出回路11により検
出された雑音と逆相の信号となる逆相信号を発生する逆
相信号発生回路12と、電力線1に対して逆相信号発生
回路12により発生された逆相信号を注入する注入回路
13とを備えている。検出回路11は、注入回路13よ
りも雑音発生源に近い位置に配置される。検出回路11
は本発明における雑音検出手段に対応する。逆相信号発
生回路12は本発明における逆相信号発生手段に対応す
る。注入回路13は本発明における雑音相殺手段に対応
する。
【0038】検出回路11は、電力線1の2本の導電線
1a,1bにおける電流の変動を検出することによっ
て、電力線1上の雑音を検出する。また、検出回路11
は、2本の導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する雑音
を検出する。従って、検出回路11は、電力線1上の電
流性のコモンモードの雑音を検出することになる。
【0039】図1には、検出回路11の構成の一例を示
している。この例では、検出回路11は、2本の導電線
1a,1bを囲うコアと、このコアに巻かれたコイル1
1cを有している。この検出回路11では、コイル11
cに誘起される電流によって、導電線1a,1bにおけ
る電流の変動のうちの高周波成分を検出するようになっ
ている。コアは、フェライト、パーマロイ、アモルファ
ス等の磁性体からなる。検出回路11は、コイル11c
を用いるものに限らず、例えば、電流によって発生する
磁界を検出する磁気センサを含む電流センサを用いるも
のでもよい。この場合における磁気センサとしては、フ
ェライト、パーマロイ、アモルファス等の磁性体からな
るコアとこのコアに巻かれたコイルとを含むセンサヘッ
ドを有する磁気センサや、磁気抵抗効果を利用するMR
(磁気抵抗)素子や、巨大磁気抵抗効果を利用するGM
R(巨大磁気抵抗)素子等を用いることができる。
【0040】注入回路13は、電力線1に対して逆相信
号発生回路12により発生された逆相信号に対応した電
流の変化を与えることによって、電力線1に対して逆相
信号発生回路12により発生された逆相信号を注入し、
これにより電力線1上の雑音を相殺する。また、注入回
路13は、電力線1における2本の導電線1a,1bに
対して、逆相信号に対応した同じ電流の変化を与える。
従って、注入回路13は、電力線1上の電流性のコモン
モードの雑音を相殺することになる。
【0041】図1には、注入回路13の構成の一例を示
している。この例では、注入回路13は、2本の導電線
1a,1bを囲うコアと、このコアに巻かれたコイル1
3cを有している。この注入回路13では、コイル13
cに電流を流すことによって、導電線1a,1bに対し
て逆相信号に対応した同じ電流の変化を与えるようにな
っている。
【0042】図2は、図1における逆相信号発生回路1
2の構成の一例を示す回路図である。この例における逆
相信号発生回路12は、トランス15を有している。ト
ランス15の1次巻線の一端は抵抗16を介して検出回
路11のコイル11cの一端に接続されている。トラン
ス15の1次巻線の他端は、トランス15の2次巻線の
一端と共に回路のグランド(シグナルグランド)に接続
されている。トランス15の2次巻線の他端は注入回路
13のコイル13cの一端に接続されている。コイル1
1cの他端およびコイル13cの他端は回路のグランド
に接続されている。この例における逆相信号発生回路1
2によれば、検出回路11のコイル11cによって検出
された雑音に対応した電流がトランス15の1次巻線に
流れ、それに応じてトランス15の2次巻線に接続され
た注入回路13のコイル13cに、雑音とは逆相の電流
が流れる。
【0043】次に、本実施の形態に係る電力線雑音フィ
ルタ10の作用について説明する。この電力線雑音フィ
ルタ10では、検出回路11により、電力線1の導電線
1a,1bにおける電流の変動を検出することによっ
て、電力線1上の電流性のコモンモードの雑音が検出さ
れる。そして、逆相信号発生回路12によって、検出回
路11により検出された雑音と逆相の信号となる逆相信
号が発生される。更に、注入回路13によって、電力線
1における2本の導電線1a,1bに対して、逆相信号
に対応した同じ電流の変化が与えられる。これにより、
電力線1上の電流性のコモンモードの雑音が相殺され
る。
【0044】以上説明したように、本実施の形態に係る
電力線雑音フィルタ10は、電力線1上の雑音を検出
し、この雑音と逆相の信号となる逆相信号を生成し、こ
の逆相信号を電力線1に注入することによって雑音を相
殺して、雑音を低減する。従って、電力線雑音フィルタ
10は、理想的には、雑音の大きさや周波数帯域には無
関係に雑音を低減することができる。
【0045】また、本実施の形態に係る電力線雑音フィ
ルタ10では、電力線1における電流の変動を検出する
ことによって電力線1上の雑音を検出し、電力線1に対
して逆相信号に対応した電流の変化を与えることによっ
て電力線1上の雑音を相殺する。従って、電力線雑音フ
ィルタ10では、雑音電圧を増幅したり、雑音電圧を逆
相の電流に変換することがないので、雑音に対する逆相
信号の遅れや、雑音の波形に対する逆相信号の波形の相
違を小さくすることができる。従って、電力線雑音フィ
ルタ10によれば、極力、正確に雑音を相殺することが
可能になる。また、電力線雑音フィルタ10によれば、
雑音に対する逆相信号の遅れを小さくすることができる
ことから、連続的な雑音のみならず突発的な雑音も相殺
することが可能になる。
【0046】これらのことから、本実施の形態に係る電
力線雑音フィルタ10によれば、広い周波数帯域におい
て電力線1上の雑音を効果的に低減することが可能にな
ると共に、連続的な雑音のみならず突発的な雑音も効果
的に低減することが可能になる。
【0047】また、本実施の形態に係る電力線雑音フィ
ルタ10は、雑音の周波数帯域、大きさ、性質によらず
に普遍的に作用する。従って、電力線雑音フィルタ10
を用いた場合には、雑音を発生する機器に応じてフィル
タの最適化を図る必要がなくなる。また、電力線雑音フ
ィルタ10の標準化が容易である。
【0048】次に、図3ないし図5を参照して、本実施
の形態に係る電力線雑音フィルタ10の3つの利用例に
ついて説明する。
【0049】図3は、電力線雑音フィルタ10の第1の
利用例を示している。第1の利用例は、雑音発生源とな
る機器の電力入力部分に電力線雑音フィルタ10を設置
した例である。図3に示したシステムでは、電力線1に
対して、スイッチング電源111を介して電気・電子機
器112が接続されていると共に、他の電気・電子機器
113が接続されている。このようなシステムでは、ス
イッチング電源111が雑音発生源となり、スイッチン
グ電源111より発生された雑音が電力線1を介して電
気・電子機器113に伝わり、電気・電子機器113に
悪影響を及ぼすおそれがある。雑音による悪影響を受け
る電気・電子機器113としては、オーディオ・ビデオ
機器、情報機器、医療機器等がある。
【0050】そこで、第1の利用例では、雑音発生源と
なるスイッチング電源111の電力入力部分に電力線雑
音フィルタ10を設置している。これにより、スイッチ
ング電源111より発生された雑音を低減でき、電力線
1上の雑音が、電力線1に接続された他の電気・電子機
器113に悪影響を与えることを防止することができ
る。
【0051】図3に示した第1の利用例は、電力線通信
システムにも適用できる。すなわち、図3において、電
力線1に対して、電力線通信を利用する機器として、電
気・電子機器113を含む複数の機器が接続されている
電力線通信システムを考える。このようなシステムにお
いて、雑音発生源となるスイッチング電源111の電力
入力部分に電力線雑音フィルタ10を設置すれば、スイ
ッチング電源111が発生する雑音が、電力線1を利用
した通信に悪影響を与えることを防止することができ
る。これにより、安定な通信環境を構築することが可能
となる。
【0052】図4は、電力線雑音フィルタ10の第2の
利用例を示している。第2の利用例は、電力線上の雑音
による悪影響を排除したい機器の電力入力部分に電力線
雑音フィルタ10を設置した例である。図4に示したシ
ステムでは、電力線1に対して、電力線1上の雑音によ
る悪影響を排除したい複数の電気・電子機器121,1
22が接続されている。そこで、第2の利用例では、各
機器121,122の電力入力部分にそれぞれ電力線雑
音フィルタ10を設置している。これにより、電力線1
上に発生する雑音の周波数帯域、大きさ、性質によらず
に普遍的に、電力線1上の雑音が機器121,122に
悪影響を与えることを防止することができる。第2の利
用例は、オーディオ・ビデオ機器、情報機器、医療機器
等における雑音障害対策等の広範な用途に適用すること
ができる。
【0053】図5は、電力線雑音フィルタ10の第3の
利用例を示している。第3の利用例は、電力線通信シス
テムにおけるブロッキングフィルタに電力線雑音フィル
タ10を利用した例である。図5に示したシステムで
は、家屋130内に設置された屋内電力線131に対し
て、電力線通信を行う複数の機器132,133が接続
されている。また、屋内電力線131と屋外電力線14
1との間にはブロッキングフィルタ135が設置されて
いる。ブロッキングフィルタ135は、屋内電力線13
1上の通信信号が屋外電力線141に漏洩することを阻
止すると共に、屋外電力線141上の雑音が屋内電力線
131に侵入することを阻止するフィルタである。
【0054】ブロッキングフィルタ135は、本実施の
形態に係る電力線雑音フィルタ10と、この電力線雑音
フィルタ10の屋内側に接続されたコモンモードチョー
クコイル136とを有している。なお、コモンモードチ
ョークコイル136は、電力線通信における通信信号の
減衰を防止するために、通信信号の周波数に対するイン
ピーダンスを大きくするために設けられている。
【0055】第3の利用例によれば、屋内電力線131
上の通信信号が屋外電力線141に漏洩することを阻止
することができると共に、屋外電力線141上の雑音が
屋内電力線131に侵入することを阻止することができ
る。
【0056】[第2の実施の形態]図6は、本発明の第
2の実施の形態に係る電力線雑音フィルタの構成を示す
ブロック図である。本実施の形態に係る電力線雑音フィ
ルタ20は、電力線1上の電圧性のコモンモードの雑音
を低減するものである。
【0057】電力線雑音フィルタ20は、電力線1上の
雑音を検出する検出回路21と、検出回路21により検
出された雑音と逆相の信号となる逆相信号を発生する逆
相信号発生回路22と、電力線1に対して逆相信号発生
回路22により発生された逆相信号を注入する注入回路
23とを備えている。検出回路21は、注入回路23よ
りも雑音発生源に近い位置に配置される。検出回路21
は本発明における雑音検出手段に対応する。逆相信号発
生回路22は本発明における逆相信号発生手段に対応す
る。注入回路23は本発明における雑音相殺手段に対応
する。
【0058】検出回路21は、電力線1の2本の導電線
1a,1bにおける電圧の変動を検出することによっ
て、電力線1上の雑音を検出する。また、検出回路21
は、2本の導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する雑音
を検出する。従って、検出回路21は、電力線1上の電
圧性のコモンモードの雑音を検出することになる。
【0059】図6には、検出回路21の構成の一例を示
している。この例では、検出回路21は、一端が導電線
1aに接続され、他端が逆相信号発生回路22の入力端
に接続されたコンデンサ(キャパシタ)21aと、一端
が導電線1bに接続され、他端が逆相信号発生回路22
の入力端に接続されたコンデンサ21bとを有してい
る。コンデンサ21a,21bは、それぞれ導電線1
a,1bにおける電圧変動のうち、高周波成分を通過さ
せ、交流電力の周波数を含む低周波成分を遮断する。
【0060】逆相信号発生回路22の構成は、例えば、
図2に示した逆相信号発生回路12の構成と同様であ
る。
【0061】注入回路23は、電力線1に対して逆相信
号発生回路22により発生された逆相信号に対応した電
圧の変化を与えることによって、電力線1に対して逆相
信号発生回路22により発生された逆相信号を注入し、
これにより電力線1上の雑音を相殺する。また、注入回
路23は、電力線1における2本の導電線1a,1bに
対して、逆相信号に対応した同じ電圧の変化を与える。
従って、注入回路23は、電力線1上の電圧性のコモン
モードの雑音を相殺することになる。
【0062】図6には、注入回路23の構成の一例を示
している。この例では、注入回路23は、一端が逆相信
号発生回路22の出力端に接続され、他端が導電線1a
に接続されたコンデンサ23aと、一端が逆相信号発生
回路22の出力端に接続され、他端が導電線1bに接続
されたコンデンサ23bとを有している。この例では、
注入回路23は、コンデンサ23a,23bを介して、
導電線1a,1bに対して、逆相信号に対応した同じ電
圧の変化を与える。
【0063】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ2
0では、検出回路21により、電力線1の導電線1a,
1bにおける電圧の変動を検出することによって、電力
線1上の電圧性のコモンモードの雑音が検出される。そ
して、逆相信号発生回路22によって、検出回路21に
より検出された雑音と逆相の信号となる逆相信号が発生
される。更に、注入回路23によって、2本の導電線1
a,1bに対して、逆相信号に対応した同じ電圧の変化
が与えられる。これにより、電力線1上の電圧性のコモ
ンモードの雑音が相殺される。
【0064】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ2
0では、電力線1における電圧の変動を検出することに
よって電力線1上の雑音を検出し、電力線1に対して逆
相信号に対応した電圧の変化を与えることによって電力
線1上の雑音を相殺する。従って、電力線雑音フィルタ
20では、雑音電圧を増幅したり、雑音電圧を逆相の電
流に変換することがないので、雑音に対する逆相信号の
遅れや、雑音の波形に対する逆相信号の波形の相違を小
さくすることができる。従って、電力線雑音フィルタ2
0によれば、極力、正確に雑音を相殺することが可能に
なる。
【0065】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。また、
第1の実施の形態で挙げた電力線雑音フィルタ10の利
用例は、本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ20に
ついても適用できる。
【0066】[第3の実施の形態]図7は、本発明の第
3の実施の形態に係る電力線雑音フィルタの構成を示す
ブロック図である。本実施の形態に係る電力線雑音フィ
ルタ30は、電力線1上の電流性のコモンモードの雑音
および電圧性のコモンモードの雑音を低減するものであ
る。
【0067】電力線雑音フィルタ30は、電力線1上の
雑音を検出する2つの検出回路31C,31Vと、それ
ぞれ検出回路31C,31Vにより検出された雑音と逆
相の信号となる逆相信号を発生する2つの逆相信号発生
回路32C,32Vと、それぞれ電力線1に対して逆相
信号発生回路32C,32Vにより発生された逆相信号
を注入する2つの注入回路33C,33Vとを備えてい
る。検出回路31C,31Vは、注入回路33C,33
Vよりも雑音発生源に近い位置に配置される。
【0068】検出回路31Cは本発明における第1の雑
音検出手段に対応する。逆相信号発生回路32Cは本発
明における第1の逆相信号発生手段に対応する。注入回
路33Cは本発明における第1の雑音相殺手段に対応す
る。検出回路31Vは本発明における第2の雑音検出手
段に対応する。逆相信号発生回路32Vは本発明におけ
る第2の逆相信号発生手段に対応する。注入回路33V
は本発明における第2の雑音相殺手段に対応する。
【0069】検出回路31Cは、電力線1の2本の導電
線1a,1bにおける電流の変動を検出することによっ
て、2本の導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する電流
性の雑音を検出する。従って、検出回路31Cは、電力
線1上の電流性のコモンモードの雑音を検出することに
なる。検出回路31Cが検出する雑音は本発明における
第1の雑音に対応する。
【0070】検出回路31Vは、2本の導電線1a,1
bにおける電圧の変動を検出することによって、2本の
導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する電圧性の雑音を
検出する。従って、検出回路31Vは、電力線1上の電
圧性のコモンモードの雑音を検出することになる。検出
回路31Vが検出する雑音は本発明における第2の雑音
に対応する。
【0071】図7には、検出回路31C,31Vの構成
の一例を示している。この例では、検出回路31Cは、
2本の導電線1a,1bを囲うコアと、このコアに巻か
れたコイル31Ccを有している。コイル31Ccの一
端は逆相信号発生回路32Cの入力端に接続され、他端
は回路のグランドに接続されている。検出回路31Cで
は、コイル31Ccに誘起される電流によって、導電線
1a,1bにおける電流の変動のうちの高周波成分を検
出する。検出回路31Vは、一端が導電線1aに接続さ
れ、他端が逆相信号発生回路32Vの入力端に接続され
たコンデンサ31Vaと、一端が導電線1bに接続さ
れ、他端が逆相信号発生回路32Vの入力端に接続され
たコンデンサ31Vbとを有している。コンデンサ31
Va,31Vbは、それぞれ導電線1a,1bにおける
電圧変動のうち、高周波成分を通過させ、交流電力の周
波数を含む低周波成分を遮断する。
【0072】逆相信号発生回路32Cは、検出回路31
Cにより検出された電流性のコモンモードの雑音と逆相
の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回路32
Vは、検出回路31Vにより検出された電圧性のコモン
モードの雑音と逆相の信号となる逆相信号を発生する。
逆相信号発生回路32Cが発生する逆相信号は本発明に
おける第1の逆相信号に対応する。逆相信号発生回路3
2Vが発生する逆相信号は本発明における第2の逆相信
号に対応する。逆相信号発生回路32C,32Vの構成
は、例えば、図2に示した逆相信号発生回路12の構成
と同様である。
【0073】注入回路33Cは、電力線1の2本の導電
線1a,1bに対して、逆相信号発生回路32Cにより
発生された逆相信号に対応した同じ電流の変化を与える
ことによって、電力線1に対して逆相信号発生回路32
Cにより発生された逆相信号を注入し、これにより電力
線1上の電流性のコモンモードの雑音を相殺する。注入
回路33Vは、電力線1の2本の導電線1a,1bに対
して、逆相信号発生回路32Vにより発生された逆相信
号に対応した同じ電圧の変化を与えることによって、電
力線1に対して逆相信号発生回路32Vにより発生され
た逆相信号を注入し、これにより電力線1上の電圧性の
コモンモードの雑音を相殺する。
【0074】図7には、注入回路33C,33Vの構成
の一例を示している。この例では、注入回路33Cは、
2本の導電線1a,1bを囲うコアと、このコアに巻か
れたコイル33Ccを有している。コイル33Ccの一
端は逆相信号発生回路32Cの出力端に接続され、他端
は回路のグランドに接続されている。この例では、注入
回路33Cは、コイル33Ccに電流を流すことによっ
て、導電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路32
Cが発生する逆相信号に対応した同じ電流の変化を与え
る。
【0075】また、この例では、注入回路33Vは、一
端が逆相信号発生回路32Vの出力端に接続され、他端
が導電線1aに接続されたコンデンサ33Vaと、一端
が逆相信号発生回路32Vの出力端に接続され、他端が
導電線1bに接続されたコンデンサ33Vbとを有して
いる。この例では、注入回路33Vは、コンデンサ33
Va,33Vbを介して、導電線1a,1bに対して、
逆相信号発生回路32Vが発生する逆相信号に対応した
同じ電圧の変化を与える。
【0076】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ3
0では、検出回路31Cにより、電力線1の導電線1
a,1bにおける電流の変動を検出することによって、
電力線1上の電流性のコモンモードの雑音が検出され
る。また、検出回路31Vにより、電力線1の導電線1
a,1bにおける電圧の変動を検出することによって、
電力線1上の電圧性のコモンモードの雑音が検出され
る。
【0077】そして、逆相信号発生回路32Cによっ
て、検出回路31Cにより検出された電流性のコモンモ
ードの雑音と逆相の信号となる逆相信号が発生される。
また、逆相信号発生回路32Vによって、検出回路31
Vにより検出された電圧性のコモンモードの雑音と逆相
の信号となる逆相信号が発生される。
【0078】更に、注入回路33Cによって、2本の導
電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路32Cが発
生する逆相信号に対応した同じ電流の変化が与えられ
る。また、注入回路33Vによって、逆相信号発生回路
32Vが発生する逆相信号に対応した同じ電圧の変化が
与えられる。これにより、電力線1上の電流性のコモン
モードの雑音および電圧性のコモンモードの雑音が相殺
される。
【0079】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ3
0では、電力線1における電流の変動を検出することに
よって電力線1上の電流性の雑音を検出し、この電流性
の雑音と逆相となる逆相信号に対応した電流の変化を電
力線1に与えることによって電力線1上の電流性の雑音
を相殺する。また、電力線雑音フィルタ30では、電力
線1における電圧の変動を検出することによって電力線
1上の電圧性の雑音を検出し、この電圧性の雑音と逆相
となる逆相信号に対応した電圧の変化を電力線1に与え
ることによって電力線1上の電圧性の雑音を相殺する。
従って、電力線雑音フィルタ30では、雑音電圧を増幅
したり、雑音電圧を逆相の電流に変換することがないの
で、雑音に対する逆相信号の遅れや、雑音の波形に対す
る逆相信号の波形の相違を小さくすることができる。従
って、電力線雑音フィルタ30によれば、極力、正確に
雑音を相殺することが可能になる。
【0080】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。また、
第1の実施の形態で挙げた電力線雑音フィルタ10の利
用例は、本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ30に
ついても適用できる。
【0081】[第4の実施の形態]図8は、本発明の第
4の実施の形態に係る電力線雑音フィルタの構成を示す
ブロック図である。本実施の形態に係る電力線雑音フィ
ルタ40は、電力線1上の電流性のノーマルモードの雑
音および電流性のコモンモードの雑音を低減するもので
ある。
【0082】電力線雑音フィルタ40は、電力線1の2
本の導電線1a,1b上の各雑音を検出する検出回路4
1と、検出回路41により検出された雑音と逆相の信号
となる逆相信号を発生する2つの逆相信号発生回路42
a,42bと、導電線1a,1bに対して逆相信号発生
回路42a,42bにより発生された逆相信号を注入す
る注入回路43とを備えている。検出回路41は、注入
回路43よりも雑音発生源に近い位置に配置される。検
出回路41は本発明における雑音検出手段に対応する。
逆相信号発生回路42a,42bは本発明における逆相
信号発生手段に対応する。注入回路43は本発明におけ
る雑音相殺手段に対応する。
【0083】検出回路41は、各導電線1a,1bにお
ける電流の変動を検出することによって、導電線1a,
1bの各々に発生する雑音を各導電線1a,1b毎に検
出する。従って、検出回路41は、電力線1上の電流性
のノーマルモードの雑音を検出することになる。
【0084】図8には、検出回路41の構成の一例を示
している。この例では、検出回路41は、導電線1aを
囲うコアと、このコアに巻かれたコイル41aと、導電
線1bを囲うコアと、このコアに巻かれたコイル41b
とを有している。コイル41aの一端は逆相信号発生回
路42aの入力端に接続され、他端は回路のグランドに
接続されている。コイル41bの一端は逆相信号発生回
路42bの入力端に接続され、他端は回路のグランドに
接続されている。この検出回路41では、コイル41a
に誘起される電流によって、導電線1aにおける電流の
変動のうちの高周波成分を検出し、コイル41bに誘起
される電流によって、導電線1bにおける電流の変動の
うちの高周波成分を検出する。
【0085】逆相信号発生回路42aは、検出回路41
により検出された導電線1a上の雑音と逆相の信号とな
る逆相信号を発生し、逆相信号発生回路42bは、検出
回路41により検出された導電線1b上の雑音と逆相の
信号となる逆相信号を発生する。逆相信号発生回路42
a,42bの構成は、例えば、図2に示した逆相信号発
生回路12の構成と同様である。
【0086】注入回路43は、導電線1aに対して逆相
信号発生回路42aにより発生された逆相信号に対応し
た電流の変化を与えることによって、導電線1aに対し
て逆相信号発生回路42aにより発生された逆相信号を
注入し、これにより導電線1a上の雑音を相殺する。ま
た、注入回路43は、導電線1bに対して逆相信号発生
回路42bにより発生された逆相信号に対応した電流の
変化を与えることによって、導電線1bに対して逆相信
号発生回路42bにより発生された逆相信号を注入し、
これにより導電線1b上の雑音を相殺する。従って、注
入回路43は、電力線1上の電流性のノーマルモードの
雑音を相殺することになる。
【0087】図8には、注入回路43の構成の一例を示
している。この例では、注入回路43は、導電線1aを
囲うコアと、このコアに巻かれたコイル43aと、導電
線1bを囲うコアと、このコアに巻かれたコイル43b
とを有している。コイル43aの一端は逆相信号発生回
路42aの出力端に接続され、他端は回路のグランドに
接続されている。コイル43bの一端は逆相信号発生回
路42bの出力端に接続され、他端は回路のグランドに
接続されている。この例では、注入回路43は、コイル
43a,43bのそれぞれに電流を流すことによって、
導電線1a,1bに対して、それぞれ逆相信号発生回路
42a,42bより発生された各逆相信号に対応した電
流の変化を与える。
【0088】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ4
0では、検出回路41により、電力線1の導電線1a,
1bの各々における電流の変動を検出することによっ
て、導電線1a,1bの各々に発生する雑音が各導電線
1a,1b毎に検出される。これにより、電力線1上の
電流性のノーマルモードの雑音が検出される。そして、
逆相信号発生回路42a,42bによって、検出回路4
1により検出された各導電線1a,1b毎の雑音と逆相
の信号となる各導電線1a,1b毎の逆相信号が発生さ
れる。更に、注入回路43によって、2本の導電線1
a,1bの各々に対して、各導電線1a,1b毎の逆相
信号に対応した電流の変化が与えられる。これにより、
電力線1上の電流性のノーマルモードの雑音が相殺され
る。また、本実施の形態では、導電線1a,1b上の雑
音を個別に検出し、個別に相殺するため、電力線1上の
電流性のコモンモードの雑音も相殺される。
【0089】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ4
0では、電力線1における電流の変動を検出することに
よって電力線1上の雑音を検出し、電力線1に対して逆
相信号に対応した電流の変化を与えることによって電力
線1上の雑音を相殺する。従って、電力線雑音フィルタ
40では、雑音電圧を増幅したり、雑音電圧を逆相の電
流に変換することがないので、雑音に対する逆相信号の
遅れや、雑音の波形に対する逆相信号の波形の相違を小
さくすることができる。従って、電力線雑音フィルタ4
0によれば、極力、正確に雑音を相殺することが可能に
なる。
【0090】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。また、
第1の実施の形態で挙げた電力線雑音フィルタ10の利
用例は、本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ40に
ついても適用できる。
【0091】[第5の実施の形態]図9は、本発明の第
5の実施の形態に係る電力線雑音フィルタの構成を示す
ブロック図である。本実施の形態に係る電力線雑音フィ
ルタ50は、電力線1上の電圧性のノーマルモードの雑
音および電圧性のコモンモードの雑音を低減するもので
ある。
【0092】電力線雑音フィルタ50は、電力線1の2
本の導電線1a,1b上の各雑音を検出する検出回路5
1と、検出回路51により検出された雑音と逆相の信号
となる逆相信号を発生する2つの逆相信号発生回路52
a,52bと、導電線1a,1bに対して逆相信号発生
回路52a,52bにより発生された逆相信号を注入す
る注入回路53とを備えている。検出回路51は、注入
回路53よりも雑音発生源に近い位置に配置される。検
出回路51は本発明における雑音検出手段に対応する。
逆相信号発生回路52a,52bは本発明における逆相
信号発生手段に対応する。注入回路53は本発明におけ
る雑音相殺手段に対応する。
【0093】検出回路51は、各導電線1a,1bにお
ける電圧の変動を検出することによって、導電線1a,
1bの各々に発生する雑音を各導電線1a,1b毎に検
出する。従って、検出回路51は、電力線1上の電圧性
のノーマルモードの雑音を検出することになる。
【0094】図9には、検出回路51の構成の一例を示
している。この例では、検出回路51は、一端が導電線
1aに接続され、他端が逆相信号発生回路52aの入力
端に接続されたコンデンサ51aと、一端が導電線1b
に接続され、他端が逆相信号発生回路52bの入力端に
接続されたコンデンサ51bとを有している。コンデン
サ51a,51bは、それぞれ導電線1a,1bにおけ
る電圧変動のうち、高周波成分を通過させ、交流電力の
周波数を含む低周波成分を遮断する。
【0095】逆相信号発生回路52aは、検出回路51
により検出された導電線1a上の雑音と逆相の信号とな
る逆相信号を発生し、逆相信号発生回路52bは、検出
回路51により検出された導電線1b上の雑音と逆相の
信号となる逆相信号を発生する。逆相信号発生回路52
a,52bの構成は、例えば、図2に示した逆相信号発
生回路12の構成と同様である。
【0096】注入回路53は、導電線1aに対して逆相
信号発生回路52aにより発生された逆相信号に対応し
た電圧の変化を与えることによって、導電線1aに対し
て逆相信号発生回路52aにより発生された逆相信号を
注入し、これにより導電線1a上の雑音を相殺する。ま
た、注入回路53は、導電線1bに対して逆相信号発生
回路52bにより発生された逆相信号に対応した電圧の
変化を与えることによって、導電線1bに対して逆相信
号発生回路52bにより発生された逆相信号を注入し、
これにより導電線1b上の雑音を相殺する。従って、注
入回路53は、電力線1上の電圧性のノーマルモードの
雑音を相殺することになる。
【0097】図9には、注入回路53の構成の一例を示
している。この例では、注入回路53は、一端が逆相信
号発生回路52aの出力端に接続され、他端が導電線1
aに接続されたコンデンサ53aと、一端が逆相信号発
生回路52bの出力端に接続され、他端が導電線1bに
接続されたコンデンサ53bとを有している。この例で
は、注入回路53は、コンデンサ53a,53bを介し
て、導電線1a,1bに対して、それぞれ逆相信号発生
回路52a,52bより発生された各逆相信号に対応し
た電圧の変化を与える。
【0098】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ5
0では、検出回路51により、電力線1の導電線1a,
1bの各々における電圧の変動を検出することによっ
て、導電線1a,1bの各々に発生する雑音が各導電線
1a,1b毎に検出される。これにより、電力線1上の
電圧性のノーマルモードの雑音が検出される。そして、
逆相信号発生回路52a,52bによって、検出回路5
1により検出された各導電線1a,1b毎の雑音と逆相
の信号となる各導電線1a,1b毎の逆相信号が発生さ
れる。更に、注入回路53によって、2本の導電線1
a,1bの各々に対して、各導電線1a,1b毎の逆相
信号に対応した電圧の変化が与えられる。これにより、
電力線1上の電圧性のノーマルモードの雑音が相殺され
る。また、本実施の形態では、導電線1a,1b上の雑
音を個別に検出し、個別に相殺するため、電力線1上の
電圧性のコモンモードの雑音も相殺される。
【0099】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ5
0では、電力線1における電圧の変動を検出することに
よって電力線1上の雑音を検出し、電力線1に対して逆
相信号に対応した電圧の変化を与えることによって電力
線1上の雑音を相殺する。従って、電力線雑音フィルタ
50では、雑音電圧を増幅したり、雑音電圧を逆相の電
流に変換することがないので、雑音に対する逆相信号の
遅れや、雑音の波形に対する逆相信号の波形の相違を小
さくすることができる。従って、電力線雑音フィルタ5
0によれば、極力、正確に雑音を相殺することが可能に
なる。
【0100】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。また、
第1の実施の形態で挙げた電力線雑音フィルタ10の利
用例は、本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ50に
ついても適用できる。
【0101】[第6の実施の形態]図10は、本発明の
第6の実施の形態に係る電力線雑音フィルタの構成を示
すブロック図である。本実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタ60は、電力線1上の電流性のノーマルモードの
雑音、電圧性のノーマルモードの雑音、電流性のコモン
モードの雑音および電圧性のコモンモードの雑音を低減
するものである。
【0102】電力線雑音フィルタ60は、電力線1の2
本の導電線1a,1b上の電流性の各雑音を検出する検
出回路61Cと、導電線1a,1b上の電圧性の各雑音
を検出する検出回路61Vと、検出回路61Cにより検
出された各雑音と逆相の信号となる逆相信号を発生する
2つの逆相信号発生回路62Ca,62Cbと、検出回
路61Vにより検出された各雑音と逆相の信号となる逆
相信号を発生する2つの逆相信号発生回路62Va,6
2Vbと、導電線1a,1bに対して逆相信号発生回路
62Ca,62Cbにより発生された逆相信号を注入す
る注入回路63Cと、導電線1a,1bに対して逆相信
号発生回路62Va,62Vbにより発生された逆相信
号を注入する注入回路63Vとを備えている。検出回路
61C,61Vは、注入回路63C,63Vよりも雑音
発生源に近い位置に配置される。
【0103】検出回路61Cは本発明における第1の雑
音検出手段に対応する。逆相信号発生回路62Ca,6
2Cbは本発明における第1の逆相信号発生手段に対応
する。注入回路63Cは本発明における第1の雑音相殺
手段に対応する。検出回路61Vは本発明における第2
の雑音検出手段に対応する。逆相信号発生回路62V
a,62Vbは本発明における第2の逆相信号発生手段
に対応する。注入回路63Vは本発明における第2の雑
音相殺手段に対応する。
【0104】検出回路61Cは、電力線1の2本の導電
線1a,1bにおける電流の変動を検出することによっ
て、2本の導電線1a,1bの各々に発生する電流性の
雑音を各導電線1a,1b毎に検出する。従って、検出
回路61Cは、電力線1上の電流性のノーマルモードの
雑音を検出することになる。検出回路61Cが検出する
雑音は本発明における第1の雑音に対応する。
【0105】検出回路61Vは、2本の導電線1a,1
bにおける電圧の変動を検出することによって、2本の
導電線1a,1bの各々に発生する電圧性の雑音を各導
電線1a,1b毎に検出する。従って、検出回路61V
は、電力線1上の電圧性のノーマルモードの雑音を検出
することになる。検出回路61Vが検出する雑音は本発
明における第2の雑音に対応する。
【0106】図10には、検出回路61C,61Vの構
成の一例を示している。この例では、検出回路61C
は、導電線1aを囲うコアと、このコアに巻かれたコイ
ル61Caと、導電線1bを囲うコアと、このコアに巻
かれたコイル61Cbとを有している。コイル61Ca
の一端は逆相信号発生回路62Caの入力端に接続さ
れ、他端は回路のグランドに接続されている。コイル6
1Cbの一端は逆相信号発生回路62Cbの入力端に接
続され、他端は回路のグランドに接続されている。この
検出回路61Cでは、コイル61Caに誘起される電流
によって、導電線1aにおける電流の変動のうちの高周
波成分を検出し、コイル61Cbに誘起される電流によ
って、導電線1bにおける電流の変動のうちの高周波成
分を検出する。
【0107】また、この例では、検出回路61Vは、一
端が導電線1aに接続され、他端が逆相信号発生回路6
2Vaの入力端に接続されたコンデンサ61Vaと、一
端が導電線1bに接続され、他端が逆相信号発生回路6
2Vbの入力端に接続されたコンデンサ61Vbとを有
している。コンデンサ61Va,61Vbは、それぞれ
導電線1a,1bにおける電圧変動のうち、高周波成分
を通過させ、交流電力の周波数を含む低周波成分を遮断
する。
【0108】逆相信号発生回路62Caは、検出回路6
1Cにより検出された導電線1a上の電流性の雑音と逆
相の信号となる逆相信号を発生する。逆相信号発生回路
62Cbは、検出回路61Cにより検出された導電線1
b上の電流性の雑音と逆相の信号となる逆相信号を発生
する。逆相信号発生回路62Vaは、検出回路61Vに
より検出された導電線1a上の電圧性の雑音と逆相の信
号となる逆相信号を発生する。逆相信号発生回路62V
bは、検出回路61Vにより検出された導電線1b上の
電圧性の雑音と逆相の信号となる逆相信号を発生する。
逆相信号発生回路62Ca,62Cbが発生する各逆相
信号は本発明における第1の逆相信号に対応する。逆相
信号発生回路62Va,62Vbが発生する各逆相信号
は本発明における第2の逆相信号に対応する。逆相信号
発生回路62Ca,62Cb,62Va,62Vbの構
成は、例えば、図2に示した逆相信号発生回路12の構
成と同様である。
【0109】注入回路63Cは、導電線1a,1bに対
して、それぞれ、逆相信号発生回路62Ca,62Cb
により発生された各逆相信号に対応した電流の変化を与
えることによって、導電線1a,1bに対して逆相信号
発生回路62Ca,62Cbにより発生された各逆相信
号を注入し、これにより導電線1a,1b上の電流性の
雑音を相殺する。従って、注入回路63は、電力線1上
の電流性のノーマルモードの雑音を相殺することにな
る。
【0110】注入回路63Vは、導電線1a,1bに対
して、それぞれ、逆相信号発生回路62Va,62Vb
により発生された各逆相信号に対応した電圧の変化を与
えることによって、導電線1a,1bに対して逆相信号
発生回路62Va,62Vbにより発生された各逆相信
号を注入し、これにより導電線1a,1b上の電圧性の
雑音を相殺する。従って、注入回路63Vは、電力線1
上の電圧性のノーマルモードの雑音を相殺することにな
る。
【0111】図10には、注入回路63C,63Vの構
成の一例を示している。この例では、注入回路63C
は、導電線1aを囲うコアと、このコアに巻かれたコイ
ル63Caと、導電線1bを囲うコアと、このコアに巻
かれたコイル63Cbとを有している。コイル63Ca
の一端は逆相信号発生回路62Caの出力端に接続さ
れ、他端は回路のグランドに接続されている。コイル6
3Cbの一端は逆相信号発生回路62Cbの出力端に接
続され、他端は回路のグランドに接続されている。この
例では、注入回路63Cは、コイル63Ca,63Cb
のそれぞれに電流を流すことによって、導電線1a,1
bに対して、それぞれ逆相信号発生回路62Ca,62
Cbより発生された各逆相信号に対応した電流の変化を
与える。
【0112】また、この例では、注入回路63Vは、一
端が逆相信号発生回路62Vaの出力端に接続され、他
端が導電線1aに接続されたコンデンサ63Vaと、一
端が逆相信号発生回路62Vbの出力端に接続され、他
端が導電線1bに接続されたコンデンサ63Vbとを有
している。この例では、注入回路63Vは、コンデンサ
63Va,63Vbを介して、導電線1a,1bに対し
て、それぞれ逆相信号発生回路62Va,62Vbより
発生された各逆相信号に対応した電圧の変化を与える。
【0113】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ6
0では、検出回路61Cにより、電力線1の導電線1
a,1bの各々における電流の変動を検出することによ
って、導電線1a,1bの各々に発生する電流性の雑音
が各導電線1a,1b毎に検出される。これにより、電
力線1上の電流性のノーマルモードの雑音が検出され
る。また、検出回路61Vにより、電力線1の導電線1
a,1bの各々における電圧の変動を検出することによ
って、導電線1a,1bの各々に発生する電圧性の雑音
が各導電線1a,1b毎に検出される。これにより、電
力線1上の電圧性のノーマルモードの雑音が検出され
る。
【0114】そして、逆相信号発生回路62Ca,62
Cbによって、検出回路61Cにより検出された各導電
線1a,1b毎の電流性の雑音と逆相の信号となる各導
電線1a,1b毎の逆相信号が発生される。また、逆相
信号発生回路62Va,62Vbによって、検出回路6
1Vにより検出された各導電線1a,1b毎の電圧性の
雑音と逆相の信号となる各導電線1a,1b毎の逆相信
号が発生される。
【0115】更に、注入回路63Cによって、2本の導
電線1a,1bの各々に対して、逆相信号発生回路62
Ca,62Cbにより発生された各導電線1a,1b毎
の逆相信号に対応した電流の変化が与えられる。また、
注入回路63Vによって、2本の導電線1a,1bの各
々に対して、逆相信号発生回路62Va,62Vbによ
り発生された各導電線1a,1b毎の逆相信号に対応し
た電圧の変化が与えられる。これにより、電力線1上の
電流性のノーマルモードの雑音および電圧性のノーマル
モードの雑音が相殺される。また、本実施の形態では、
導電線1a,1b上の雑音を個別に検出し、個別に相殺
するため、電力線1上の電流性のコモンモードの雑音お
よび電圧性のコモンモードの雑音も相殺される。
【0116】本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ6
0では、電力線1における電流の変動を検出することに
よって電力線1上の電流性の雑音を検出し、この電流性
の雑音と逆相となる逆相信号に対応した電流の変化を電
力線1に与えることによって電力線1上の電流性の雑音
を相殺する。また、電力線雑音フィルタ60では、電力
線1における電圧の変動を検出することによって電力線
1上の電圧性の雑音を検出し、この電圧性の雑音と逆相
となる逆相信号に対応した電圧の変化を電力線1に与え
ることによって電力線1上の電圧性の雑音を相殺する。
従って、電力線雑音フィルタ60では、雑音電圧を増幅
したり、雑音電圧を逆相の電流に変換することがないの
で、雑音に対する逆相信号の遅れや、雑音の波形に対す
る逆相信号の波形の相違を小さくすることができる。従
って、電力線雑音フィルタ60によれば、極力、正確に
雑音を相殺することが可能になる。
【0117】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。また、
第1の実施の形態で挙げた電力線雑音フィルタ10の利
用例は、本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ60に
ついても適用できる。
【0118】[第7の実施の形態]図11は、本発明の
第7の実施の形態に係る電力線雑音フィルタの構成を示
すブロック図である。本実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタ70は、第4の実施の形態と同様に、電力線1上
の電流性のノーマルモードの雑音および電流性のコモン
モードの雑音を低減するものである。本実施の形態で
は、検出回路および注入回路が、それぞれ逆相信号発生
回路の一部を構成している。
【0119】電力線雑音フィルタ70は、電力線1の導
電線1a上の雑音を検出する検出回路71Aと、導電線
1aに対して検出回路71Aにより検出された雑音と逆
相の信号となる逆相信号を注入する注入回路73Aと、
検出回路71Aおよび注入回路73Aを含む逆相信号発
生回路72Aとを備えている。検出回路71Aは、注入
回路73Aよりも雑音発生源に近い位置に配置される。
検出回路71Aは本発明における雑音検出手段に対応す
る。逆相信号発生回路72Aは本発明における逆相信号
発生手段に対応する。注入回路73Aは本発明における
雑音相殺手段に対応する。
【0120】検出回路71Aは、1次巻線と2次巻線と
を含むトランス71Tと、一端がトランス71Tの2次
巻線の一端に接続されたコンデンサ74とを有してい
る。トランス71Tにおいて、1次巻線は導電線1aに
対して直列に接続されている。また、注入回路73A
は、1次巻線と2次巻線とを含むトランス73Tを有し
ている。このトランス73Tにおいて、1次巻線は導電
線1aに対して直列に接続されている。コンデンサ74
の他端は、トランス73Tの2次巻線の一端に接続され
ている。トランス71Tの2次巻線の他端と、トランス
73Tの2次巻線の他端は接地されている。ここで、ト
ランス71Tの2次巻線とトランス73Tの2次巻線
は、トランス73Tの1次巻線における電流の変化がト
ランス71Tの1次巻線における電流の変化と逆相にな
るように接続されている。
【0121】検出回路71Aでは、導電線1aに接続さ
れたトランス71Tの1次巻線における電流の変動によ
って、トランス71Tの2次巻線に電流が誘起される。
トランス71Tの2次巻線に誘起された電流のうちの高
周波成分、すなわち雑音成分が、コンデンサ74を通過
して、検出回路71Aより出力される。このようにし
て、検出回路71Aは、導電線1a上の雑音を検出す
る。
【0122】検出回路71Aより出力された電流は、注
入回路73Aにおけるトランス73Tの2次巻線に流
れ、その結果、トランス73Tの1次巻線に電流が誘起
される。トランス73Tの1次巻線に誘起される電流
は、検出回路71Aによって検出される雑音とは逆相と
なる。このようにして、注入回路73Aは、導電線1a
上の電流性のノーマルモードの雑音を相殺する。
【0123】なお、本実施の形態に係る電力線雑音フィ
ルタ70では、導電線1aに対して設けられた検出回路
71A、注入回路73Aおよび逆相信号発生回路72A
と全く同様の構成の検出回路、注入回路および逆相信号
発生回路が、電力線1の導電線1bに対しても設けられ
ている。
【0124】本実施の形態によれば、検出回路71Aお
よび注入回路73Aが、それぞれ逆相信号発生回路72
Aの一部を構成しているので、電力線雑音フィルタ70
の構成が簡単になる。
【0125】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第4の実施の形態と同様である。また、
第1の実施の形態で挙げた電力線雑音フィルタ10の利
用例は、本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ70に
ついても適用できる。
【0126】[第8の実施の形態]次に、本発明の第8
の実施の形態に係る電力線雑音フィルタについて説明す
る。図12は、本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ
の基本的な構成を示すブロック図である。本実施の形態
に係る電力線雑音フィルタ80は、電力線1の所定の位
置に配置され、電力線1上の雑音を検出する検出回路8
1と、検出回路81により検出された雑音と逆相の信号
となる逆相信号を発生する逆相信号発生回路82と、電
力線1において検出回路81とは異なる位置に配置さ
れ、電力線1に対して逆相信号発生回路82により発生
された逆相信号を注入する注入回路83と、電力線1に
おいて検出回路81が配置された位置と注入回路83が
配置された位置との間の位置に設けられ、通過する雑音
の波高値を低減するインピーダンスを有するインピーダ
ンス素子84とを備えている。検出回路81は、注入回
路83よりも雑音発生源に近い位置に配置される。検出
回路81は本発明における雑音検出手段に対応する。逆
相信号発生回路82は本発明における逆相信号発生手段
に対応する。注入回路83は本発明における雑音相殺手
段に対応する。インピーダンス素子84は、本発明にお
ける波高値低減用インピーダンス要素に対応する。
【0127】図12に示した電力線雑音フィルタ80の
うち、インピーダンス素子84以外の部分の構成は、第
1ないし第7の実施の形態のうちのいずれの構成でもよ
い。
【0128】インピーダンス素子84のインピーダンス
は、電力線1によって輸送される電力の周波数において
は電力の輸送を妨げないように十分小さく、且つ雑音の
周波数帯においては雑音の波高値を低減できるように大
きくなっている。このようなインピーダンス素子84と
しては、例えばインダクタを用いることができる。
【0129】次に、図12に示した電力線雑音フィルタ
80の作用について説明する。この電力線雑音フィルタ
80では、検出回路81と注入回路83の間における電
力線1の途中にインピーダンス素子84が挿入されてい
る。従って、インピーダンス素子84よりも検出回路8
1側の電力線1(以下、単に検出回路81側の電力線1
と言う。)上に発生した雑音が、インピーダンス素子8
4を通過して、インピーダンス素子84よりも注入回路
83側の電力線1(以下、単に注入回路83側の電力線
1と言う。)に流入した場合、注入回路83側の電力線
1上の雑音の波高値は、検出回路81側の電力線1上の
雑音の波高値よりも小さくなる。また、本実施の形態で
は、インピーダンス素子84を設けたことにより、検出
回路81側の電力線1上の雑音の波高値と注入回路83
側の電力線1上の雑音の波高値とが異なる状態を維持す
ることができる。
【0130】また、図12に示した電力線雑音フィルタ
80では、検出回路81により、電力線1上の雑音が検
出される。そして、逆相信号発生回路82によって、検
出回路81により検出された雑音と逆相の信号となる逆
相信号が発生される。更に、注入回路83によって、電
力線1に対して逆相信号発生回路82により発生された
逆相信号が注入される。これにより、注入回路83側の
電力線1上の雑音が相殺される。
【0131】なお、本実施の形態では、インピーダンス
素子84を通過した後の雑音の波高値は、インピーダン
ス素子84を通過する前の雑音の波高値よりも小さくな
る。従って、本実施の形態では、注入回路83によって
電力線1に注入される逆相信号の波高値を、インピーダ
ンス素子84を通過した後に注入回路83に入力される
雑音の波高値に近いものとなるように調整する必要があ
る。
【0132】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、インピーダンス素子84による雑音の低減の効果と
逆相信号の注入による雑音の低減の効果との相乗効果に
よって、注入回路83側の電力線1上の雑音の波高値を
小さくすることができる。更に、本実施の形態によれ
ば、検出回路81側の電力線1上の雑音の波高値と注入
回路83側の電力線1上の雑音の波高値とが異なる状態
を維持することができることから、注入回路83側の電
力線1において、雑音の波高値が小さい状態を安定に維
持することができる。従って、本実施の形態によれば、
効果的に、注入回路83側の電力線1上の雑音を低減す
ることができる。
【0133】ところで、注入回路83に入力される雑音
と、注入回路83によって電力線1に与えられる電流ま
たは電圧の変化すなわち注入回路83によって電力線1
に注入される逆相信号との位相差は180°であること
が理想的である。しかし、本実施の形態では、検出回路
81と注入回路83の間における電力線1の途中にイン
ピーダンス素子84を設けたことにより、インピーダン
ス素子84の通過の前後で雑音の位相が変化する場合が
ある。そのため、図12に示した電力線雑音フィルタ8
0では、注入回路83に入力される雑音と注入回路83
によって電力線1に注入される逆相信号との位相差が1
80°から大きくずれる場合がある。このような場合に
は、検出回路81から逆相信号発生回路82を経由して
注入回路83に至る信号の経路に、逆相信号の位相を調
整するインピーダンスを有するインピーダンス素子を挿
入するとよい。
【0134】図13は、検出回路81から逆相信号発生
回路82を経由して注入回路83に至る信号の経路に、
位相調整用のインピーダンス素子を挿入した電力線雑音
フィルタ80の構成を示すブロック図である。この電力
線雑音フィルタ80では、逆相信号発生回路82と注入
回路83との間にインピーダンス素子85を挿入してい
る。インピーダンス素子85は、注入回路83に入力さ
れる雑音と注入回路83によって電力線1に注入される
逆相信号との位相差が180°に近づくように、逆相信
号の位相を調整するものである。また、このインピーダ
ンス素子85により、注入回路83によって電力線1に
注入される逆相信号の波高値を、注入回路83に入力さ
れる雑音の波高値に近づくように調整することもでき
る。インピーダンス素子85は、本発明における位相調
整用インピーダンス要素に対応する。
【0135】ここで、図13に示したように、検出回路
81、インピーダンス素子84および注入回路83を経
由する信号の経路を経路Xと呼び、検出回路81、逆相
信号発生回路82、インピーダンス素子85および注入
回路83を経由する信号の経路を経路Yと呼ぶ。インピ
ーダンス素子85のインピーダンスは、経路Xを通過し
た信号と経路Yを通過した信号との位相差が180°に
近づくように設定される。なお、インピーダンス素子8
5を設けずに、逆相信号発生回路82が、経路Xを通過
した信号と経路Yを通過した信号との位相差を180°
に近づける機能を有していてもよい。
【0136】図13に示した電力線雑音フィルタ80に
よれば、注入回路83に入力される雑音と注入回路83
によって電力線1に注入される逆相信号との位相差を1
80°に近づけることができると共に、注入回路83に
よって電力線1に注入される逆相信号の波高値を、注入
回路83に入力される雑音の波高値に近づけることがで
きる。従って、この電力線雑音フィルタ80によれば、
より効果的に、注入回路83側の電力線1上の雑音を低
減することができる。図13に示した電力線雑音フィル
タ80のその他の作用および効果は、図12に示した電
力線雑音フィルタ80と同様である。
【0137】次に、図14を参照して、注入回路83に
入力される雑音の位相および波高値と、注入回路83に
よって電力線1に注入される逆相信号の位相および波高
値の好ましい関係について説明する。図14は、注入回
路83に入力される雑音、注入回路83によって電力線
1に注入される逆相信号、およびこれらを合成して得ら
れる合成信号を、それぞれベクトルで表すベクトル図で
ある。図14に示したように、注入回路83に入力され
る雑音のベクトルの大きさを1、注入回路83によって
電力線1に注入される逆相信号のベクトルの大きさをA
(A≧0)、雑音のベクトルの位相に対する逆相信号の
ベクトルの位相のずれをφ(0°≦φ≦360°)とす
る。また、雑音と逆相信号との合成信号のベクトルの大
きさをBとする。また、合成信号のベクトルを、雑音の
ベクトルの位相と同じ位相の成分と、雑音のベクトルの
位相と90°ずれた位相の成分とに分け、それらの成分
の大きさをそれぞれB、Bとする。B、B、B
は、以下の各式で表される。
【0138】B=1+Acosφ B=Asinφ B=B +B =(1+Acosφ)+Asinφ =1+2Acosφ+A …(1)
【0139】式(1)より、φ=180°のとき、B
は極小値(1−A)となる。A=1のとき、極小値は
0となる。よって、雑音低減の最適条件は、φ=180
°、A=1である。すなわち、雑音低減の最適条件は、
雑音と逆相信号との位相差が180°で、雑音の波高値
と逆相信号の波高値が等しいことである。
【0140】次に、雑音を低減するための条件、すなわ
ちB<1とするための条件を求める。B<1となる条件
は、式(1)より、次のようになる。
【0141】2Acosφ+A<0 …(2)
【0142】式(2)から、A≠0、すなわち、 A>0 …(3) である必要がある。
【0143】A≠0のとき、式(2)は、以下のように
なる。 2cosφ+A<0 cosφ<−A/2 …(4)
【0144】ここで、A=1とすると、式(4)は次の
ようになる。 cosφ<−1/2
【0145】従って、A=1のとき、B<1とするに
は、 120°<φ<240° とする必要がある。
【0146】また、φ=180°とすると、式(4)は
次のようになる。 −1<−A/2 A<2 …(5)
【0147】従って、式(3)、(5)より、φ=18
0°のとき、B<1とするには、 0<A<2 とする必要がある。
【0148】次に、一例として、B≦1/5とするため
の条件を求める。B≦1/5となる条件は、式(1)よ
り、次のようになる。 1+2Acosφ+A≦1/25 2Acosφ+A≦−24/25…(6)
【0149】ここで、A=1とすると、式(6)は次の
ようになる。 cosφ≦−49/50
【0150】従って、A=1のとき、B≦1/5とする
には、 169°≦φ≦191° とする必要がある。
【0151】また、φ=180°とすると、式(6)は
次のようになる。 −2A+A≦−24/25 A−2A+24/25≦0 (A−4/5)(A−6/5)≦0 4/5≦A≦6/5
【0152】従って、φ=180°のとき、B≦1/5
とするには、 0.8≦A≦1.2 とする必要がある。
【0153】次に、図15および図16を参照して、図
13に示した本実施の形態に係る電力線雑音フィルタ8
0の一実施例について説明する。図15は、本実施例の
電力線雑音フィルタ80の構成を示すブロック図、図1
6は、本実施例の電力線雑音フィルタ80の構成を示す
回路図である。
【0154】本実施例の電力線雑音フィルタ80は、第
2の実施の形態と同様に、電力線1上の電圧性のコモン
モードの雑音を低減するものである。図15に示したよ
うに、この電力線雑音フィルタ80において、検出回路
81は、一端が導電線1aに接続され、他端が逆相信号
発生回路82の入力端に接続されたコンデンサ81a
と、一端が導電線1bに接続され、他端が逆相信号発生
回路82の入力端に接続されたコンデンサ81bとを有
している。コンデンサ81a,81bは、それぞれ導電
線1a,1bにおける電圧変動のうち、高周波成分を通
過させ、交流電力の周波数を含む低周波成分を遮断す
る。また、この電力線雑音フィルタ80において、注入
回路83は、一端が逆相信号発生回路82の出力端に接
続され、他端が導電線1aに接続されたコンデンサ83
aと、一端が逆相信号発生回路82の出力端に接続さ
れ、他端が導電線1bに接続されたコンデンサ83bと
を有している。この例では、注入回路83は、コンデン
サ83a,83bを介して、導電線1a,1bに対し
て、逆相信号に対応した同じ電圧の変化を与える。
【0155】また、図16に示したように、本実施例の
電力線雑音フィルタ80において、逆相信号発生回路8
2は、トランス86を有している。トランス86の1次
巻線の一端はコンデンサ81a,81bに接続されてい
る。トランス86の1次巻線の他端は、トランス86の
2次巻線の一端と共に回路のグランド(シグナルグラン
ド)に接続されている。トランス86の2次巻線の他端
は、インピーダンス素子85に接続されている。
【0156】また、本実施例の電力線雑音フィルタ80
において、インピーダンス素子84にはコモンモードチ
ョークコイル87を用い、インピーダンス素子85には
ラインチョークコイル88を用いている。
【0157】本実施例の電力線雑音フィルタ80におい
て、コンデンサ81a,81bのキャパシタンスは、例
えば漏洩電流値が所定の規格値以内になるように設定さ
れる。具体的には、コンデンサ81a,81b,83
a,83bのキャパシタンスは、例えば10〜20,0
00pFの範囲内である。
【0158】また、トランス86の1次巻線と2次巻線
の巻数比は1:1であることが理想的であるが、トラン
ス86における信号の減衰を考慮して巻数比を変えても
よい。
【0159】次に、本実施例の電力線雑音フィルタ80
の特性の一例について説明する。この例では、以下の条
件で電力線雑音フィルタ80を構成した。すなわち、コ
ンデンサ81a,81b,83a,83bのキャパシタ
ンスは1000pFである。トランス86の1次巻線と
2次巻線の巻数比は1:1である。また、トランス86
の1次巻線側のインダクタンスは0.1μHである。イ
ンピーダンス素子84(コモンモードチョークコイル8
7)におけるインピーダンスは10μHである。インピ
ーダンス素子85(ラインチョークコイル88)におけ
るインピーダンスは10μHである。
【0160】本実施例の電力線雑音フィルタ80の特性
と比較するために、以下の2つの比較例の回路を構成し
た。第1の比較例の回路は、図16に示した回路に含ま
れる雑音の経路と逆相信号の経路のうちの雑音の経路の
みからなる回路である。第1の比較例の回路は、具体的
には、図17に示したように、電力線1に、本実施例に
おけるインピーダンス素子84(コモンモードチョーク
コイル87)のみを挿入した回路である。第2の比較例
の回路は、図16に示した回路に含まれる雑音の経路と
逆相信号の経路のうちの逆相信号の経路のみからなる回
路である。第2の比較例の回路は、具体的には、図18
に示したように、図16に示した回路から、電力線1の
うちの検出回路81から注入回路83に至る部分と、イ
ンピーダンス素子84とを除いた回路である。
【0161】図19は、本実施例の電力線雑音フィルタ
80と第1および第2の比較例の回路のそれぞれのイン
ピーダンスの絶対値の周波数特性を示している。図19
において、符号91で示す線は、第1の比較例の回路の
特性および第2の比較例の回路の特性を表し、符号92
で示す線は、本実施例の電力線雑音フィルタ80の特性
を表している。
【0162】図20は、本実施例の電力線雑音フィルタ
80と第1および第2の比較例の回路のそれぞれのイン
ピーダンスの初期位相の周波数特性を示している。図2
0において、符号93で示す線は、第1の比較例の回路
の特性および第2の比較例の回路の特性を表し、符号9
4で示す線は、本実施例の電力線雑音フィルタ80の特
性を表している。
【0163】図21は、本実施例の電力線雑音フィルタ
80と第1および第2の比較例の回路のそれぞれのゲイ
ンの周波数特性を示している。図21において、符号9
5で示す線は、第1の比較例の回路の特性を表し、符号
96で示す線は、第2の比較例の回路の特性を表し、符
号97で示す線は、本実施例の電力線雑音フィルタ80
の特性を表している。図21から、本実施例の電力線雑
音フィルタ80によれば、電力線1にインピーダンス素
子84(コモンモードチョークコイル87)のみを挿入
した第1の比較例の回路に比べて、大幅に雑音を低減す
ることができることが分かる。
【0164】次に、第3の比較例の回路として、図16
に示した回路からインピーダンス素子85(ラインチョ
ークコイル88)を除いた回路を構成した。この第3の
比較例は、逆相信号の位相を調整しない例である。
【0165】図22は、本実施例の電力線雑音フィルタ
80と第1の比較例の回路と第3の比較例の回路のそれ
ぞれのゲインの周波数特性を示している。図22におい
て、符号98で示す線は、第1の比較例の回路の特性を
表し、符号99で示す線は、第3の比較例の回路の特性
を表し、符号100で示す線は、本実施例の電力線雑音
フィルタ80の特性を表している。図22に示したよう
に、逆相信号の位相を調整しない第3の比較例の回路で
は、電力線1にインピーダンス素子84(コモンモード
チョークコイル87)のみを挿入した第1の比較例の回
路に比べても雑音の低減率が低くなる。これに対し、逆
相信号の位相を調整した本実施例の電力線雑音フィルタ
80では、効果的に雑音を低減することができる。
【0166】なお、本実施の形態において、インピーダ
ンス素子84,85は、インダクタに限らず、インダク
タとキャパシタとを含む回路等であってもよい。
【0167】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1ないし第7のいずれかの実施の形態
と同様である。また、第1の実施の形態で挙げた電力線
雑音フィルタ10の利用例は、本実施の形態に係る電力
線雑音フィルタ80についても適用できる。
【0168】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず、種々の変更が可能である。例えば、適宜、検出
された雑音、または逆相信号を増幅するようにしてもよ
い。この場合でも、雑音電圧を逆相の電流に変換するこ
とがないので、雑音に対する逆相信号の遅れや、雑音の
波形に対する逆相信号の波形の相違を小さくすることが
できる。
【0169】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし3の
いずれかに記載の電力線雑音フィルタでは、電力線にお
ける電流の変動を検出することによって電力線上の雑音
を検出し、この検出された雑音と逆相の信号となる逆相
信号を発生し、電力線に対して逆相信号に対応した電流
の変化を与えて、電力線上の雑音を相殺する。従って、
本発明によれば、広い周波数帯域において電力線上の雑
音を効果的に低減することができると共に、連続的な雑
音のみならず突発的な雑音も効果的に低減することがで
きるという効果を奏する。
【0170】また、請求項2記載の電力線雑音フィルタ
では、電力線における2本の導電線を同じ位相で伝搬す
る雑音を検出し、電力線における2本の導電線に対して
同じ電流の変化を与える。従って、本発明によれば、特
に電力線上のコモンモードの雑音を効果的に低減するこ
とができるという効果を奏する。
【0171】また、請求項3記載の電力線雑音フィルタ
では、電力線における2本の導電線の各々に発生する雑
音を各導電線毎に検出し、検出された各導電線毎の雑音
に対応した各導電線毎の逆相信号を発生し、電力線にお
ける2本の導電線の各々に対して各導電線毎の逆相信号
に対応した電流の変化を与える。従って、本発明によれ
ば、電力線上のノーマルモードの雑音およびコモンモー
ドの雑音を効果的に低減することができるという効果を
奏する。
【0172】また、請求項4ないし6のいずれかに記載
の電力線雑音フィルタでは、電力線における電圧の変動
を検出することによって電力線上の雑音を検出し、この
検出された雑音と逆相の信号となる逆相信号を発生し、
電力線に対して逆相信号に対応した電圧の変化を与え
て、電力線上の雑音を相殺する。従って、本発明によれ
は、広い周波数帯域において電力線上の雑音を効果的に
低減することができると共に、連続的な雑音のみならず
突発的な雑音も効果的に低減することができるという効
果を奏する。
【0173】また、請求項5記載の電力線雑音フィルタ
では、電力線における2本の導電線を同じ位相で伝搬す
る雑音を検出し、電力線における2本の導電線に対して
同じ電圧の変化を与える。従って、本発明によれば、特
に電力線上のコモンモードの雑音を効果的に低減するこ
とができるという効果を奏する。
【0174】また、請求項6記載の電力線雑音フィルタ
では、電力線における2本の導電線の各々に発生する雑
音を各導電線毎に検出し、検出された各導電線毎の雑音
に対応した各導電線毎の逆相信号を発生し、電力線にお
ける2本の導電線の各々に対して各導電線毎の逆相信号
に対応した電圧の変化を与える。従って、本発明によれ
ば、電力線上のノーマルモードの雑音およびコモンモー
ドの雑音を効果的に低減することができるという効果を
奏する。
【0175】また、請求項7ないし9のいずれかに記載
の電力線雑音フィルタでは、電力線における電流の変動
を検出することによって電力線上の第1の雑音を検出
し、この検出された第1の雑音と逆相の信号となる第1
の逆相信号を発生し、電力線に対して第1の逆相信号に
対応した電流の変化を与えて、電力線上の第1の雑音を
相殺する。また、この電力線雑音フィルタでは、電力線
における電圧の変動を検出することによって電力線上の
第2の雑音を検出し、この検出された第2の雑音と逆相
の信号となる第2の逆相信号を発生し、電力線に対して
第2の逆相信号に対応した電圧の変化を与えて、電力線
上の第2の雑音を相殺する。従って、本発明によれば、
広い周波数帯域において電力線上の雑音を効果的に低減
することができると共に、連続的な雑音のみならず突発
的な雑音も効果的に低減することができるという効果を
奏する。
【0176】また、請求項8記載の電力線雑音フィルタ
では、電力線における2本の導電線を同じ位相で伝搬す
る第1の雑音を検出し、電力線における2本の導電線に
対して第1の逆相信号に対応した同じ電流の変化を与え
る。また、この電力線雑音フィルタでは、電力線におけ
る2本の導電線を同じ位相で伝搬する第2の雑音を検出
し、電力線における2本の導電線に対して第2の逆相信
号に対応した同じ電圧の変化を与える。従って、本発明
によれば、特に電力線上のコモンモードの雑音を効果的
に低減することができるという効果を奏する。
【0177】また、請求項9記載の電力線雑音フィルタ
では、電力線における2本の導電線の各々に発生する第
1の雑音を各導電線毎に検出し、検出された各導電線毎
の第1の雑音に対応した各導電線毎の第1の逆相信号を
発生し、電力線における2本の導電線の各々に対して各
導電線毎の第1の逆相信号に対応した電流の変化を与え
る。また、この電力線雑音フィルタでは、電力線におけ
る2本の導電線の各々に発生する第2の雑音を各導電線
毎に検出し、検出された各導電線毎の第2の雑音に対応
した各導電線毎の第2の逆相信号を発生し、電力線にお
ける2本の導電線の各々に対して各導電線毎の第2の逆
相信号に対応した電圧の変化を与える。従って、本発明
によれば、電力線上のノーマルモードの雑音およびコモ
ンモードの雑音を効果的に低減することができるという
効果を奏する。
【0178】また、請求項10ないし13のいずれかに
記載の電力線雑音フィルタでは、雑音検出手段により電
力線における電流の変動または電圧の変動を検出するこ
とによって、電力線上の雑音を検出し、この検出された
雑音と逆相の信号となる逆相信号を逆相信号発生手段に
よって発生し、雑音相殺手段により、電力線に対して逆
相信号に対応した電流または電圧の変化を与えて、電力
線上の雑音を相殺する。また、この電力線雑音フィルタ
では、波高値低減用インピーダンス要素によって、雑音
相殺手段側の電力線上の雑音の波高値が低減されると共
に、雑音検出手段側の電力線上の雑音の波高値と雑音相
殺手段側の電力線上の雑音の波高値とが異なる状態が維
持される。従って、本発明によれば、効果的に、雑音相
殺手段側の電力線上の雑音を低減することができるとい
う効果を奏する。
【0179】また、請求項12または13記載の電力線
雑音フィルタは、雑音相殺手段に入力される雑音と雑音
相殺手段によって電力線に与えられる電流または電圧の
変化との位相差が180°に近づくように、逆相信号の
位相を調整するインピーダンスを有する位相調整用イン
ピーダンス要素を備えている。従って、本発明によれ
ば、より効果的に、雑音相殺手段側の電力線上の雑音を
低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタの構成を示すブロック図である。
【図2】図1における逆相信号発生回路の構成の一例を
示す回路図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタの利用例を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタの他の利用例を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタの更に他の利用例を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る電力線雑音フ
ィルタの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る電力線雑音
フィルタの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態に係る電力線雑音
フィルタの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態に係る電力線雑音
フィルタの基本的な構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第8の実施の形態に係る電力線雑音
フィルタの構成の一例を示すブロック図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態における雑音、逆
相信号およびこれらを合成して得られる合成信号をベク
トルで表すベクトル図である。
【図15】本発明の第8の実施の形態における一実施例
の電力線雑音フィルタの構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第8の実施の形態における一実施例
の電力線雑音フィルタの構成を示す回路図である。
【図17】本発明の第8の実施の形態における一実施例
に対する第1の比較例の回路を示す回路図である。
【図18】本発明の第8の実施の形態における一実施例
に対する第2の比較例の回路を示す回路図である。
【図19】本発明の第8の実施の形態における一実施例
の電力線雑音フィルタと第1および第2の比較例の回路
のそれぞれのインピーダンスの絶対値の周波数特性を示
す特性図である。
【図20】本発明の第8の実施の形態における一実施例
の電力線雑音フィルタと第1および第2の比較例の回路
のそれぞれのインピーダンスの初期位相の周波数特性を
示す特性図である。
【図21】本発明の第8の実施例の電力線雑音フィルタ
と第1および第2の比較例の回路のそれぞれのゲインの
周波数特性を示す特性図である。
【図22】本発明の第8の実施例の電力線雑音フィルタ
と第1および第3の比較例の回路のそれぞれのゲインの
周波数特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1…電力線、1a,1b…導電線、10…電力線雑音フ
ィルタ、11…検出回路、12…逆相信号発生回路、1
3…注入回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G064 CA01 CB10 DA03 5G066 EA03 5K046 AA03 BA05 CC17 PP01 PP07 PS11 PS52 PS53 PS54

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力線における電流の変動を検出するこ
    とによって、電力線上の雑音を検出する雑音検出手段
    と、 前記雑音検出手段により検出された雑音と逆相の信号と
    なる逆相信号を発生する逆相信号発生手段と、 電力線に対して前記逆相信号発生手段により発生された
    逆相信号に対応した電流の変化を与えることによって、
    電力線上の雑音を相殺する雑音相殺手段とを備えたこと
    を特徴とする電力線雑音フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記雑音検出手段は、電力線における2
    本の導電線を同じ位相で伝搬する雑音を検出し、 前記雑音相殺手段は、電力線における2本の導電線に対
    して同じ電流の変化を与えることを特徴とする請求項1
    記載の電力線雑音フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記雑音検出手段は、電力線における2
    本の導電線の各々に発生する雑音を各導電線毎に検出
    し、 前記逆相信号発生手段は、前記雑音検出手段により検出
    された各導電線毎の雑音に対応した各導電線毎の逆相信
    号を発生し、 前記雑音相殺手段は、電力線における2本の導電線の各
    々に対して、前記逆相信号発生手段により発生された各
    導電線毎の逆相信号に対応した電流の変化を与えること
    を特徴とする請求項1記載の電力線雑音フィルタ。
  4. 【請求項4】 電力線における電圧の変動を検出するこ
    とによって、電力線上の雑音を検出する雑音検出手段
    と、 前記雑音検出手段により検出された雑音と逆相の信号と
    なる逆相信号を発生する逆相信号発生手段と、 電力線に対して前記逆相信号発生手段により発生された
    逆相信号に対応した電圧の変化を与えることによって、
    電力線上の雑音を相殺する雑音相殺手段とを備えたこと
    を特徴とする電力線雑音フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記雑音検出手段は、電力線における2
    本の導電線を同じ位相で伝搬する雑音を検出し、 前記雑音相殺手段は、電力線における2本の導電線に対
    して同じ電圧の変化を与えることを特徴とする請求項4
    記載の電力線雑音フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記雑音検出手段は、電力線における2
    本の導電線の各々に発生する雑音を各導電線毎に検出
    し、 前記逆相信号発生手段は、前記雑音検出手段により検出
    された各導電線毎の雑音に対応した各導電線毎の逆相信
    号を発生し、 前記雑音相殺手段は、電力線における2本の導電線の各
    々に対して、前記逆相信号発生手段により発生された各
    導電線毎の逆相信号に対応した電圧の変化を与えること
    を特徴とする請求項4記載の電力線雑音フィルタ。
  7. 【請求項7】 電力線における電流の変動を検出するこ
    とによって、電力線上の第1の雑音を検出する第1の雑
    音検出手段と、 前記第1の雑音検出手段により検出された第1の雑音と
    逆相の信号となる第1の逆相信号を発生する第1の逆相
    信号発生手段と、 電力線に対して前記第1の逆相信号発生手段により発生
    された第1の逆相信号に対応した電流の変化を与えるこ
    とによって、電力線上の第1の雑音を相殺する第1の雑
    音相殺手段と、 電力線における電圧の変動を検出することによって、電
    力線上の第2の雑音を検出する第2の雑音検出手段と、 前記第2の雑音検出手段により検出された第2の雑音と
    逆相の信号となる第2の逆相信号を発生する第2の逆相
    信号発生手段と、 電力線に対して前記第2の逆相信号発生手段により発生
    された第2の逆相信号に対応した電圧の変化を与えるこ
    とによって、電力線上の第2の雑音を相殺する第2の雑
    音相殺手段とを備えたことを特徴とする電力線雑音フィ
    ルタ。
  8. 【請求項8】 前記第1の雑音検出手段は、電力線にお
    ける2本の導電線を同じ位相で伝搬する第1の雑音を検
    出し、 前記第1の雑音相殺手段は、電力線における2本の導電
    線に対して同じ電流の変化を与え、 前記第2の雑音検出手段は、電力線における2本の導電
    線を同じ位相で伝搬する第2の雑音を検出し、 前記第2の雑音相殺手段は、電力線における2本の導電
    線に対して同じ電圧の変化を与えることを特徴とする請
    求項7記載の電力線雑音フィルタ。
  9. 【請求項9】 前記第1の雑音検出手段は、電力線にお
    ける2本の導電線の各々に発生する第1の雑音を各導電
    線毎に検出し、 前記第1の逆相信号発生手段は、前記第1の雑音検出手
    段により検出された各導電線毎の第1の雑音に対応した
    各導電線毎の第1の逆相信号を発生し、 前記第1の雑音相殺手段は、電力線における2本の導電
    線の各々に対して、前記第1の逆相信号発生手段により
    発生された各導電線毎の第1の逆相信号に対応した電流
    の変化を与え、 前記第2の雑音検出手段は、電力線における2本の導電
    線の各々に発生する第2の雑音を各導電線毎に検出し、 前記第2の逆相信号発生手段は、前記第2の雑音検出手
    段により検出された各導電線毎の第2の雑音に対応した
    各導電線毎の第2の逆相信号を発生し、 前記第2の雑音相殺手段は、電力線における2本の導電
    線の各々に対して、前記第2の逆相信号発生手段により
    発生された各導電線毎の第2の逆相信号に対応した電圧
    の変化を与えることを特徴とする請求項7記載の電力線
    雑音フィルタ。
  10. 【請求項10】 電力線の所定の位置に配置され、電力
    線における電流の変動または電圧の変動を検出すること
    によって、電力線上の雑音を検出する雑音検出手段と、 前記雑音検出手段により検出された雑音と逆相の信号と
    なる逆相信号を発生する逆相信号発生手段と、 電力線において前記検出手段とは異なる位置に配置さ
    れ、前記雑音検出手段において電流の変動を検出するこ
    とによって雑音が検出される場合には、電力線に対して
    前記逆相信号発生手段により発生された逆相信号に対応
    した電流の変化を与え、前記雑音検出手段において電圧
    の変動を検出することによって雑音が検出される場合に
    は、電力線に対して前記逆相信号発生手段により発生さ
    れた逆相信号に対応した電圧の変化を与えることによっ
    て、電力線上の雑音を相殺する雑音相殺手段と、 電力線において前記雑音検出手段が配置された位置と前
    記雑音相殺手段が配置された位置との間の位置に設けら
    れ、通過する雑音の波高値を低減するインピーダンスを
    有する波高値低減用インピーダンス要素とを備えたこと
    を特徴とする電力線雑音フィルタ。
  11. 【請求項11】 前記波高値低減用インピーダンス要素
    はインダクタを含むことを特徴とする請求項10記載の
    電力線雑音フィルタ。
  12. 【請求項12】 更に、前記雑音検出手段から逆相信号
    発生手段を経由して雑音相殺手段に至る信号の経路に設
    けられ、雑音相殺手段に入力される雑音と雑音相殺手段
    によって電力線に与えられる電流または電圧の変化との
    位相差が180°に近づくように、前記逆相信号の位相
    を調整するインピーダンスを有する位相調整用インピー
    ダンス要素を備えたことを特徴とする請求項10または
    11記載の電力線雑音フィルタ。
  13. 【請求項13】 前記位相調整用インピーダンス要素は
    インダクタを含むことを特徴とする請求項12記載の電
    力線雑音フィルタ。
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