JPH0998539A - 系統連系用インバータ装置 - Google Patents

系統連系用インバータ装置

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JPH0998539A
JPH0998539A JP7256227A JP25622795A JPH0998539A JP H0998539 A JPH0998539 A JP H0998539A JP 7256227 A JP7256227 A JP 7256227A JP 25622795 A JP25622795 A JP 25622795A JP H0998539 A JPH0998539 A JP H0998539A
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inverter
frequency
phase
power
load
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JP7256227A
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Inventor
Sueo Sakata
末男 坂田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に複雑な制御を行うことなく単独運転を確
実に検出して単独運転状態を防止するとともに、逆潮流
時の商用電力系統側の電圧上昇を抑制することのできる
系統連系用インバータ装置を得る。 【解決手段】 直流電源5に接続されたインバータ20
と、インバータを制御するインバータ制御手段200と
を備え、商用電力系統と連系して負荷4に給電を行う装
置において、インバータを一定の進み力率で運転するた
めの位相進み手段204と、インバータの出力周波数の
異常を検出したときにインバータを停止させる周波数異
常検出手段27とを設け、周波数異常検出手段は、位相
進み手段と協動して、インバータの単独運転を検出して
インバータの出力を解列するための単独運転検出手段を
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、商用電力系統に
連系して使用される系統連系用インバータ装置に関し、
特に複雑な制御を行うことなく単独運転を確実に検出し
て単独運転状態を防止するとともに、逆潮流時の商用電
力系統側の電圧上昇を抑制することのできる系統連系用
インバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インバータ装置を介して商用
電力系統に連系された太陽光発電装置等の分散電源にお
いて、太陽光発電装置側の分散電源(インバータ装置)
が単独運転状態になると、トランス等により昇圧された
高電圧が商用電力系統側に印加され、復旧作業の安全が
損なわれるおそれがある。
【0003】したがって、直流電源およびインバータを
含む分散電源の単独運転を検出してこれを防止すること
は、安全性確保の点から極めて重要な問題となってい
る。図6はたとえば特開平6−311654号公報に記
載された従来の系統連系用インバータ装置を概略的に示
す構成図であり、この場合、商用電力系統と太陽光発電
装置との連系状態において、インバータを含む太陽光発
電装置(インバータ装置)の単独運転を検出する機能を
備えている。
【0004】図において、1は太陽光発電装置、3は太
陽光発電装置1の出力端子に接続されて太陽光発電装置
1の単独運転を検出する可変負荷回路、4は交流電力が
供給される負荷、5は太陽光発電装置1と関連して連系
系統を構成する商用電力系統、6は太陽光発電装置1と
商用電力系統5との間に引き通されて負荷4に交流電力
を供給する配電線である。
【0005】なお、図示しないが、配電線6にはインバ
ータ20を含む太陽光発電装置1を解列するための開閉
器が挿入されており、可変負荷回路3により太陽光発電
装置1の単独運転状態が検出された場合には、太陽光発
電装置1を負荷4から切り離すようになっている。
【0006】太陽光発電装置1は、太陽電池10と、太
陽電池10に直流端子が接続されたインバータ20とを
備えている。可変負荷回路3は、インバータ20の交流
端子すなわち配電線6に一端が接続されたスイッチング
素子31と、スイッチング素子31の他端とグランドと
の間に挿入されたコンデンサ32と、スイッチング素子
31にスイッチングパルス信号Sswを入力するための
パルス信号発生器33とを備えている。
【0007】次に、図6に示した従来の系統連系用イン
バータ装置において、商用電源系統5に連系された電圧
形電流制御方式のインバータ20の運転動作について説
明する。通常、太陽電池10で発電された直流電力は、
インバータ20で交流電力に変換された後、配電線6を
介して負荷4に供給される。
【0008】このとき、インバータ20は、配電線6を
介して商用電力系統5にも接続されているので、インバ
ータ20の出力電力が負荷電力よりも小さい分は商用電
力系統5から供給されており、電力の融通が行われてい
る。しかし、商用電力系統5が遮断された場合、インバ
ータ20は、単独で負荷4に交流電力を供給し続けるこ
とになり、いわゆる太陽光発電装置1の単独運転状態と
なる。
【0009】このような単独運転状態は、前述のように
安全性を損なうおそれがあるので、速やかに単独運転状
態を検出してインバータ20を停止させる必要がある。
しかしながら、インバータ20の出力電力が負荷電力と
バランスしている場合には、太陽光発電装置1の単独運
転状態を検出することは非常に困難である。
【0010】そこで、配電線6に可変負荷回路3を設
け、パルス信号発生器33からのスイッチングパルス信
号Sswによりスイッチング素子31を開閉し、一定周
期でコンデンサ32を通電遮断する。これにより、イン
バータ20から見た負荷力率が変化し、インバータ20
の出力周波数がコンデンサ32のオンオフに同期して変
化するので、この周波数変動分を抽出して単独運転状態
を検出することができる。
【0011】なお、商用電力系統5が太陽光発電装置1
に接続されている場合には、コンデンサ32のオンオフ
が行われても、インバータ20の出力周波数が変化する
ことはない。こうして単独運転状態を検出されると、配
電線6上の開閉器(図示せず)が開放(オフ)されて、
太陽光発電装置1は負荷4から切り離される。
【0012】また、可変負荷回路3を設ける代わりに、
インバータ20の制御において出力電流位相を周期的に
変化させても、同様に単独運転状態を検出することがで
きることが知られている。
【0013】また、たとえば特開平5−336666号
公報に参照されるように、インバータ20の出力電力を
周期的に変動させておき、出力電力変動に同期した周波
数変動により単独運転状態を検出して、単独運転を防止
することも可能なことが知られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の系統連系用イン
バータ装置は以上のように、単独運転状態を検出するた
めに種々の構成を必要としており、たとえば可変負荷回
路3を用いた場合には、コストアップにつながるという
問題点があった。
【0015】また、インバータ20の電流位相を周期的
に変化させた場合には、単独運転を速やかに検出するた
めに変動周期を短く設定する必要があるので、周波数変
動が小さくなって検出が困難になるとともに、通常運転
において商用電力系統5側の周波数が微小変化(撹乱)
したときに誤検出するおそれがあるという問題点があっ
た。
【0016】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、特に複雑な制御を行うことなく
単独運転を確実に検出して単独運転状態を防止するとと
もに、逆潮流時の商用電力系統側の電圧上昇を抑制する
ことのできる系統連系用インバータ装置を得ることを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る系統連系用インバータ装置は、直流電源に接続された
インバータと、インバータを制御するインバータ制御手
段とを備え、商用電力系統と連系して負荷に給電を行う
系統連系用インバータ装置において、インバータを一定
の進み力率で運転するための位相進み手段と、インバー
タの出力周波数の異常を検出したときにインバータを停
止させる周波数異常検出手段とを設け、周波数異常検出
手段は、位相進み手段と協動して、インバータの単独運
転を検出してインバータの出力を解列するための単独運
転検出手段を構成するものである。
【0018】また、この発明の請求項2に係る系統連系
用インバータ装置は、請求項1において、インバータ
は、電圧形電流制御式インバータにより構成され、位相
進み手段は、インバータ制御手段内に直列に挿入された
位相進み回路により構成されたものである。
【0019】また、この発明の請求項3に係る系統連系
用インバータ装置は、請求項1において、インバータ制
御手段は、商用電力系統の商用周波数を通過させてイン
バータの交流出力波形を決定するバンドパスフィルタを
含み、位相進み手段は、バンドパスフィルタ内の一次遅
れ時定数の設定値により構成されたものである。
【0020】また、この発明の請求項4に係る系統連系
用インバータ装置は、請求項3において、バンドパスフ
ィルタは、直列接続されて2段の一次遅れ系を構成する
2つのアナログ演算増幅器を含み、位相進み手段は、2
つのアナログ演算増幅器のうちの後段のアナログ演算増
幅器の一次遅れ時定数の設定値により構成されたもので
ある。
【0021】また、この発明の請求項5に係る系統連系
用インバータ装置は、請求項3において、バンドパスフ
ィルタは、デジタルシグナルプロセッサを用いたデジタ
ルフィルタにより構成され、位相進み手段は、デジタル
フィルタ内に組み込まれたものである。
【0022】また、この発明の請求項6に係る系統連系
用インバータ装置は、請求項1から請求項5までのいず
れかにおいて、インバータの進み力率は、通常の連系運
転時において商用電力系統側に給電される逆潮流時での
交流電圧を所定の規制値に抑制するだけの値に設定され
たものである。
【0023】また、この発明の請求項7に係る系統連系
用インバータ装置は、請求項1から請求項5までのいず
れかにおいて、インバータの進み力率は、0.95程度
に設定されたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図につ
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1を示す構
成図であり、1、4〜6、10および20は前述と同様
のものである。なお、太陽電池10は、他の燃料電池ま
たは蓄電池等の直流発電設備によっても構成され得る。
【0025】23はインバータ20と負荷4との間の配
電線6に挿入された開閉器であり、単独運転状態の検出
時にインバータ20の出力電力を商用電力系統5から解
列する。25は配電線6に設けられた変流器であり、イ
ンバータ20から供給される交流出力電流Isを検出す
る。27はインバータ20の出力周波数の上昇すなわち
交流電圧Vsの過周波数を検出して開閉器23を開放す
る過周波数検出器であり、周波数異常検出手段を構成し
ている。ILは配電線6から負荷4に供給される負荷電
流(通常、交流電圧Vsに対して遅れ位相となる)であ
る。
【0026】200はインバータ20の交流出力電流I
sおよび配電線6の交流電圧Vs等に基づいてインバー
タ20をPWM制御するインバータ制御手段であり、以
下の回路構成要素201〜207を備えている。201
はインバータ20の出力電力を決定するための電力制御
回路であり、最大電力追従制御回路または直流電圧一定
制御回路により構成され、交流出力電流Isの大きさを
決定するための直流レベルの信号を出力する。
【0027】202は配電線6上の交流電圧Vsを検出
する変圧器、203は交流電圧Vsから高周波成分を除
去して基本波成分Vs′(正弦波形のみ)を抽出するバ
ンドパスフィルタ(BPF)、204は基本波成分V
s′の位相を位相差θだけ進ませて進み基本波(Vs′
+θ)を出力する位相進み回路である。
【0028】205はインバータ20の交流出力電流I
sの大きさ、波形および位相を決定する基準電流Isr
efを生成する乗算器であり、電力制御回路201から
の直流レベル信号と位相進み回路204からの進み基本
波(Vs′+θ)との乗算により基準電流Isrefを
求める。206は基準電流Isrefと交流出力電流I
sとの電流偏差ΔIs(=Isref−Is)を演算す
る減算器である。
【0029】207は電流偏差ΔIsに基づいてインバ
ータ20に対するPWM制御信号CPを出力するPWM
波形作成回路であり、PWM制御信号CPによりインバ
ータ20を駆動し、インバータ20の交流出力電流Is
を基準電流Isrefに高速に追従させる。
【0030】なお、インバータ制御手段200内の変圧
器202により検出された交流電圧Vsは、過周波数検
出器27にも入力されている。また、図示を省略してい
るが、過周波数検出器27からの検出信号は、開閉器2
3を開放するのみならず、たとえばインバータ制御手段
200内のPWM波形作成回路207にも入力されてお
り、PWM波形作成回路207を無効にしてインバータ
20を停止させるようになっている。
【0031】図1のように、交流出力電流Isに対する
基準電流Isrefの波形を決定するためのバンドパス
フィルタ203の出力側に、基準電流Isrefの位相
を決定するための位相進み回路204を挿入して、イン
バータ20の運転を進み力率とすることにより、インバ
ータ20側の単独運転時の交流電圧Vsの周波数上昇を
過周波数検出器27を用いて検出し、開閉器23を遮断
して単独運転状態を防止するようになっている。
【0032】図2は交流出力電流Is、交流電圧Vsお
よび負荷電流ILの相互のベクトル関係を示す説明図で
あり、交流電圧Vsに対して、負荷電流ILは位相差φ
だけ遅れ位相であり、交流出力電流Isは位相差θだけ
進み位相である。なお、IL′は負荷力率PFが1.0
(交流電圧Vsに対して位相遅れなし)の場合の負荷電
流である。
【0033】図3はインバータ20の単独運転時に負荷
力率PFを変化させたときの周波数fの変化を示す特性
図であり、実験的に求めた負荷力率PFと交流電圧Vs
の周波数fとの関係を示す。図3において、負荷4が誘
導性負荷であって遅れ位相(負荷力率PFが1.0より
も小さい)の場合には周波数fは高くなり、負荷4が容
量性負荷であって進み位相の(負荷力率PFが1.0よ
りも小さい)場合には周波数fは低くなる。
【0034】次に、図2および図3を参照しながら、図
1に示したこの発明の実施の形態1の動作について説明
する。まず、定常の連系運転時において、開閉器23は
閉成(オン)されており、負荷4に対する負荷電流IL
は、太陽電池10およびインバータ20を含む発電装置
ならびに商用電力系統5の両方から連系して供給され
る。
【0035】また、電力制御回路201は、インバータ
20の交流出力電流Isの大きさを決定し、変圧器20
2およびバンドパスフィルタ203は、交流電圧Vsか
ら得られる基本波成分Vs′により交流出力電流Isの
波形を決定し、位相進み回路204は、基本波成分V
s′に対する位相差θを決定する。この結果、定常運転
中のインバータ20の交流出力電流Isは、PWM制御
信号CPにより、交流電圧Vsの位相に対して位相差θ
だけ進んだ状態に制御される。
【0036】このとき、交流電圧Vsに対する負荷電流
ILおよび交流出力電流Isのベクトル関係は図2のよ
うになり、負荷力率PFによって決定される負荷電流I
Lの位相は、通常、交流電圧Vsよりも位相差φだけ遅
れとなっている。負荷力率PFは、最大値を考慮して
も、図3内の1.0に近づくのみであり、進み力率にな
ることは一般の需要家の負荷ではあり得ない。
【0037】なお、需要家の力率は、進みとならないよ
うに設定されているが、たとえば、高圧需要家等におい
て力率改善用のコンデンサを投入したままになって、夜
間時に力率が進みになることもあり得る。しかし、太陽
光発電用のインバータ20の場合、夜間の太陽電池出力
がないことから、昼間しか運転されないので、夜間時の
進み力率の可能性を考慮する必要はない。
【0038】定常の連系運転時においては、交流出力電
流Isの位相は交流電圧Vsの位相と同じである。一
方、商用電力系統5が遮断された場合、インバータ20
は単独運転状態となるが、このときの単独運転時の周波
数fの変化特性を、負荷力率PFをパラメータとして実
験的に求めると、図3のようになる。この場合、インバ
ータ20は、力率1.0の運転状態としている。
【0039】図3において、交流電圧Vsの周波数f
は、負荷4が遅れ力率(負荷力率PFが遅れ側)であれ
ば高くなり、逆に、進み力率(負荷力率PFが進み側)
であれば低くなる。また、周波数fの変化は、遅れ力率
側の方が大きい。なお、負荷力率PFが遅れ力率の場合
に周波数fが高くなるのは、たとえば、以下の理由によ
る。
【0040】すなわち、インバータ20は、負荷4に負
荷電流ILを供給するが、負荷電流ILが遅れ力率であ
るため、図2のように、交流電圧Vsの位相は相対的に
位相差φだけ進みとなる。また、インバータ20の交流
出力電流Isの位相は、交流電圧Vsの位相を基準とす
るため、位相差φだけさらに進みとなる。したがって、
交流出力電流Isの位相が進みに作用することにより、
交流電圧Vsの周波数fは段々上昇していくことにな
る。
【0041】以下、単独運転時の過周波数検出動作につ
いて、具体的に説明する。前述のように、インバータ2
0の交流出力電流Isは、位相進み回路204の作用に
より、交流電圧Vsよりも位相差θだけ進んだ位相で制
御される。ここで、負荷力率PFを最大1.0(進み負
荷はあり得ない)とした条件下で考えると、最も周波数
上昇が起こりにくい状態は、図3から明らかなように、
負荷力率PFが1.0のときである。
【0042】しかしながら、位相進み回路204の作用
により、インバータ制御手段200は、交流電圧Vsの
位相よりも位相差θだけ進みとなるようにインバータ2
0の交流出力電流Isを流そうとするので、時系列的に
考えると、交流出力電流Isの位相は、どんどん進んで
いくことになる。
【0043】したがって、前述のように、インバータ2
0が力率1.0の運転方式で且つ負荷4が遅れ負荷(負
荷力率PFが遅れ)の場合の作用(図3参照)と全く等
価となり、交流出力電流Isの位相進みによって交流電
圧Vsの周波数fは上昇する。
【0044】こうして、交流出力電流Isの進みに応じ
て交流電圧Vsの周波数fが高くなることにより、過周
波数検出器27は、太陽光発電装置1の単独運転状態に
起因した過周波数状態を容易に検出し、過周波数検出信
号により、インバータ20を停止させるとともに、開閉
器23を遮断(オフ)して単独運転を直ちに防止するこ
とができる。
【0045】このように、インバータ20を交流電圧V
sに対して一定の位相差θの進み力率で運転させること
により、太陽光発電装置1の単独運転時において、イン
バータ20の運転から見た場合、負荷力率PFが最大
1.0であっても、見かけ上では負荷力率PFが遅れ力
率の作用を有することになる。
【0046】すなわち、常時連系運転時においてインバ
ータ20を進み力率で運転させておき、太陽光発電装置
1の単独運転状態発生時に負荷4の力率PFが1.0の
場合であっても、インバータ20から見て、負荷4を見
かけ上の遅れ負荷とし、周波数fの上昇を顕在化させて
単独運転状態を確実に検出している。この結果、インバ
ータ20の出力周波数fが上昇するので、汎用的に設け
られる過周波数検出器27の機能で十分に過周波数を検
出することができ、確実に単独運転状態を検出してこれ
を停止させることができる。
【0047】なお、単独運転時の交流電圧Vsの周波数
fの上昇は早いので、単独運転状態に突入してから1秒
以内には過周波数を検出することができる。また、周波
数fの変化が大きいので、定常の連系運転時での商用電
力系統5の撹乱時を誤検出することもない。
【0048】また、位相進み回路204によって進み制
御される交流出力電流Isの位相差θは、たとえば10
°程度に設定すれば十分であるが、余裕を見て、定常運
転時のインバータ20の進み力率が0.95程度となる
ように位相差θ(18°程度)を設定することが望まし
い。すなわち、インバータ20を0.95程度の進み力
率で運転した場合、インバータ20の運転効率等はほと
んど変わらないので、上記の検出方法で、従来の性能を
維持しつつ、簡便に且つ確実に単独運転を防止すること
ができる。
【0049】また、インバータ20を進み力率で運転さ
せることは、商用電力系統5から見た場合には逆に遅れ
負荷の作用をもたらすので、商用電力系統5の受電点の
力率が進みになるような作用をもたらすことはない。
【0050】さらに、インバータ20を一定の進み力率
運転することにより、通常の連系運転時の逆潮流時(イ
ンバータ20の出力電力が負荷4で要求される負荷電力
を上回り、商用電力系統5側に給電される状態)におけ
る交流電圧Vsの上昇を防止する作用を有し、電圧上昇
抑制対策としての効果も有する。すなわち、一般に、配
電線6のインピーダンス(リアクタンスを含む)が高い
場合には、定常の連系運転時の逆潮流時において交流電
圧Vsが上昇し、負荷4を構成する各種機器に対して過
電圧が印加されるなどの弊害が大きくなる。
【0051】しかし、上述したように、0.95程度の
進み力率でインバータ20を運転しておけば、商用電力
系統5から見た場合に遅れ力率となるので、配電線6の
リアクタンス降下により交流電圧Vsの上昇を抑制する
ことができ、負荷4に過電圧が印加されることはない。
なお、交流電圧Vsのリアクタンス降下Vxは、無効電
力に基づくもので、配電線6の抵抗値をR、リアクタン
スをXとすれば、以下の式(1)のように表わされる。
【0052】 Vx=Is・R+Is・X・sinθ …(1)
【0053】式(1)から明らかなように、位相差θが
小さくなってインバータ20の運転力率が1.0に近づ
くほど、リアクタンス降下が小さくなり、交流電圧Vs
が上昇する。しかし、インバータ20の運転力率を約
0.95程度(θ=18°程度)に設定することによ
り、ほとんどの場合、過電圧とならないための規制値を
クリアすることができる。もし、規制値をクリアできな
い場合には、インバータ20の運転力率をさらに小さ
く、たとえば、0.9程度(θ=26°程度に対応)に
設定すればよい。
【0054】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、交流電圧Vsに対する交流出力電流Isの位相を位
相差θだけ進めるために位相進み回路204を設けた
が、位相進み回路204を設けずに、バンドパスフィル
タ203に位相進み機能を含ませてもよい。以下、位相
進み回路204を不要にしたこの発明の実施の形態2を
図について説明する。
【0055】図4はこの発明の実施の形態2によるバン
ドパスフィルタ203を示す構成図であり、6、20
2、203および205は前述と同様のものである。図
4において、バンドパスフィルタ203は、直列接続さ
れた2段のアナログ演算増幅器203aおよび203b
からなる一次遅れ回路と、アナログ演算増幅器203a
および203bの間に挿入された減算器203cとを備
えている。
【0056】変圧器202の出力端子は、アナログ演算
増幅器203aの入力端子と減算器203cの非反転入
力端子とにそれぞれ接続され、アナログ演算増幅器20
3aの出力端子は、減算器203cの反転入力端子に接
続され、減算器203cの出力端子は、アナログ演算増
幅器203bの入力端子に接続されている。
【0057】各アナログ演算増幅器203aおよび20
3bの一次遅れ時定数T1およびT2は、バンドパスフィ
ルタ203の通過帯域の下限ωLおよび上限ωHを決定し
ており、それぞれ、以下の式(2)、(3)で表わされ
る。
【0058】ωL=1/(2πT1) …(2) ωH=1/(2πT2) …(3)
【0059】ここで、前段のアナログ演算増幅器203
aの伝達関数Gaを1/(1+T1S)とすれば、減算
器203cを通した伝達関数Gcは、以下の式(4)の
ように表わされる。
【0060】 Gc=1−Ga =1−1/(1+T1S) =T1S/(1+T1S) …(4)
【0061】また、後段のアナログ演算増幅器203b
の伝達関数Gbを1/(1+T2S)とすれば、バンド
パスフィルタ203の全体の伝達関数G(s)は、以下
の式(5)のように表わされる。
【0062】 G(s)={T1S/(1+T1S)}×{1/(1+T2S)} …(5)
【0063】式(5)で表わされるバンドパスフィルタ
203のゲインGおよび位相差θを、角周波数ωに対す
る特性図としてボード線図により表わすと、図5のよう
になる。
【0064】図5において、横軸は常用対数で示してお
り、実線は時定数T2を変化させる前の特性曲線、破線
は時定数T2を変化させた後の特性曲線である。また、
ωoは商用角周波数、ωLおよびωHはバンドパスフィル
タ203の通過帯域の下限および上限、ωH′は時定数
2を変化させた後の通過帯域の上限、θ′は時定数T2
を変化させた後の商用角周波数ωoにおける位相差であ
る。ここでは、各時定数T1、T2により設定される下限
ωL、上限ωH(実線参照)は、以下の式(6)、(7)
で表わされるものとする。
【0065】ωL=ωo/2 …(6) ωH=2・ωo …(7)
【0066】式(6)、(7)となるように各時定数T
1、T2を決定すると、商用角周波数ωoにおける位相差
θは、図5内の実線で示すように、0となる。一方、フ
ィルタ通過帯域の上限をωHよりも大きい値ωH′になる
ように時定数T2を決定すると、ゲインGおよび位相差
θの特性曲線は破線のように変化し、商用角周波数ωo
において、インバータ20の交流出力電流Isの目標波
形は、位相差θ′だけ進みとなる。
【0067】このとき、位相差θ′は18°〜26°の
範囲内に設定され、cosθ′は、0.9〜0.95の
範囲内の値となる。
【0068】このように、バンドパスフィルタ203の
本来の機能において、アナログ演算増幅器203bの一
次遅れ時定数T2を変化させるのみで、簡単に且つ安価
に位相進み機能を実現することができる。したがって、
位相進み回路204(図1参照)が設置されなくても、
前述と同等の作用効果を奏することができる。
【0069】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、位相進み機能を有するバンドパスフィルタ203と
して、アナログ演算増幅器203aおいて203bを用
いたが、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)を用い
たデジタフィルタで構成してもよい。この場合、デジタ
ル演算のみで処理できるため、単独運転状態の検出精度
が向上する。また、生産性が向上するため、さらにコス
トダウンを実現することができる。
【0070】以上のようにこの発明によれば、インバー
タ20を一定の位相差θによる進み力率(約0.95)
で運転しておくことにより、単独運転時において負荷力
率PFが1.0であっても、インバータ20から見た場
合に、見かけ上の遅れ力率の負荷となり、インバータ2
0の出力周波数fが大きく上昇する。したがって、過周
波数検出器204の機能により、簡易な構成で容易に単
独運転を検出することができ、安価で且つ精度の高い系
統連系用インバータ装置が得られる効果がある。
【0071】また、インバータ20を進み力率で運転す
ることにより、通常連系運転での逆潮流時に発生する交
流電圧Vsの異常上昇を抑制することができる。また、
インバータ20を進み力率運転するためのインバータ制
御手段200内の位相進み機能として、電流波形基準作
成用のバンドパスフィルタ203内の1定数(時定数T
2)を変化させることにより、容易に且つ安価に位相進
み機能を実現することができる。
【0072】さらに、バンドパスフィルタ203とし
て、DSPを用いたデジタフィルタを用いることによ
り、単独運転状態の検出精度が向上するとともに、さら
にコストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す構成図であ
る。
【図2】 この発明の実施の形態1による交流電圧とイ
ンバータの交流出力電流および負荷電流との関係をベク
トルで示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による負荷力率と周
波数との関係を実験データにより示す特性図である。
【図4】 この発明の実施の形態2によるバンドパスフ
ィルタを示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による角周波数に対
するバンドパスフィルタのゲインおよび位相差の関係を
ボード線図で示す特性図である。
【図6】 従来の系統連系用インバータ装置を示す構成
図である。
【符号の説明】
1 太陽光発電装置、4 負荷、5 商用電力系統、6
配電線、10 太陽電池(直流電源)、20 インバ
ータ、23 開閉器、25 変流器、27 過周波数検
出器(周波数異常検出手段)、200 インバータ制御
手段、202変圧器、203 バンドパスフィルタ、2
03a、203b アナログ演算増幅器、204 位相
進み回路、f 周波数、IL 負荷電流、Is 交流出
力電流、T1、T2 一次遅れ時定数、Vs 交流電圧、
θ、θ′ 位相差、ωo 商用角周波数。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源に接続されたインバータと、前
    記インバータを制御するインバータ制御手段とを備え、
    商用電力系統と連系して負荷に給電を行う系統連系用イ
    ンバータ装置において、 前記インバータを一定の進み力率で運転するための位相
    進み手段と、 前記インバータの出力周波数の異常を検出したときに前
    記インバータを停止させる周波数異常検出手段とを設
    け、 周波数異常検出手段は、前記位相進み手段と協動して、
    前記インバータの単独運転を検出して前記インバータの
    出力を解列するための単独運転検出手段を構成すること
    を特徴とする系統連系用インバータ装置。
  2. 【請求項2】 前記インバータは、電圧形電流制御式イ
    ンバータにより構成され、 前記位相進み手段は、前記インバータ制御手段内に直列
    に挿入された位相進み回路により構成されたことを特徴
    とする請求項1に記載の系統連系用インバータ装置。
  3. 【請求項3】 前記インバータ制御手段は、前記商用電
    力系統の商用周波数を通過させて前記インバータの交流
    出力波形を決定するバンドパスフィルタを含み、 前記位相進み手段は、前記バンドパスフィルタ内の一次
    遅れ時定数の設定値により構成されたことを特徴とする
    請求項1に記載の系統連系用インバータ装置。
  4. 【請求項4】 前記バンドパスフィルタは、直列接続さ
    れて2段の一次遅れ系を構成する2つのアナログ演算増
    幅器を含み、 前記位相進み手段は、前記2つのアナログ演算増幅器の
    うちの後段のアナログ演算増幅器の一次遅れ時定数の設
    定値により構成されたことを特徴とする請求項3に記載
    の系統連系用インバータ装置。
  5. 【請求項5】 前記バンドパスフィルタは、デジタルシ
    グナルプロセッサを用いたデジタルフィルタにより構成
    され、 前記位相進み手段は、デジタルフィルタ内に組み込まれ
    たことを特徴とする請求項3に記載の系統連系用インバ
    ータ装置。
  6. 【請求項6】 前記インバータの進み力率は、通常の連
    系運転時において前記商用電力系統側に給電される逆潮
    流時での交流電圧を所定の規制値に抑制するだけの値に
    設定されたことを特徴とする請求項1から請求項5まで
    のいずれかに記載の系統連系用インバータ装置。
  7. 【請求項7】 前記インバータの進み力率は、0.95
    程度に設定されたことを特徴とする請求項1から請求項
    5までのいずれかに記載の系統連系用インバータ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6801442B2 (en) 2001-10-01 2004-10-05 Canon Kabushiki Kaisha Power conversion apparatus, power conversion system, and islanding operation detection method
JP2010529826A (ja) * 2007-06-04 2010-08-26 サステイナブル エナジー テクノロジーズ ステップ波電力変換装置のための予測方式および誘導インバータトポロジ

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