JP6427464B2 - 導電性高分子を含むカーボンナノチューブの分散液、炭素材料及び該分散液の製造方法 - Google Patents

導電性高分子を含むカーボンナノチューブの分散液、炭素材料及び該分散液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性高分子を含むカーボンナノチューブの分散液、炭素材料及び該分散液の製造方法に関する。
特許文献1(特開2011−178878号公報)には、カーボンナノチューブ自体の特性を損なうことなく、外観上、及び/または性能上、欠陥や異物の少ない導電層を簡便な方法で得ることができる長期安定性に優れたカーボンナノチューブ組成物を得るために、カーボンナノチューブと、導電性ポリマーと、溶剤とを含有するカーボンナノチューブ含有組成物であって、動的光散乱法で測定した粒径分布において、1nm以上1μm未満の累計散乱強度(I)と1μm以上100μm未満の累計散乱強度(II)の比((I)/(II))が3.0以上であるカーボンナノチューブ含有組成物が開示されている。更にカーボンナノチューブ含有組成物を、基材に塗布した後、常温または加熱により乾燥して形成したカーボンナノチューブ含有導電層が開示されている。
特開2011−178878号公報
しかしながら、凝集粒子として得られたカーボンナノチューブは十分な分散性を発揮しないという課題があった。また、十分に分散していない組成物は、基材上に塗布して導電層を得ることはできるが、凝集粒子間の引力がないので、基材が無い状態で導電層を形成することは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、分散性の良好なカーボンナノチューブの分散液、炭素材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は下記(1)〜(6)を含む。
(1) スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子の水溶液中に、数平均繊維径100nm以上であるカーボンナノチューブAと、数平均繊維径30nm以下であるカーボンナノチューブBと、が分散していることを特徴とするカーボンナノチューブの分散液。
(2) 前記カーボンナノチューブA:100質量部に対し、前記カーボンナノチューブBが1〜100質量部含有される(1)に記載の分散液。
(3) 前記カーボンナノチューブA及びBを合計0.01〜10質量%含有する(1)または(2)に記載の分散液。
(4) 前記導電性高分子を前記カーボンナノチューブA及びBの合計量100質量部に対して0.1〜50質量部含有する(1)〜(3)のいずれか一項に記載の分散液。
(5)(1)〜(4)のいずれか一項に記載の分散液から水を除去して得られる炭素材料であって、前記カーボンナノチューブAの表面に複数の前記カーボンナノチューブBが付着し、該カーボンナノチューブBが複数の該カーボンナノチューブAの間に跨った構造を有する炭素材料。
(6) 前記導電性高分子の水溶液に、前記カーボンナノチューブA及びBを、湿式ジェットミルを用いて混合することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブの分散液の製造方法。
本発明によれば、カーボンナノチューブが微分散し、分散性が向上した分散液を得ることができる。
さらに、本発明のカーボンナノチューブの分散液を用いることによりカーボンナノチューブをより均一に含む炭素材料を形成しやすくなり、例えば、電子部品等として使用することができる。
実施例13で得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真(倍率:50000倍)
本発明の分散液は、スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子の水溶液中に、数平均繊維径100nm以上であるカーボンナノチューブAと、数平均繊維径30nm以下であるカーボンナノチューブBとが分散している。また、本発明の分散液は、スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子の水溶液中に、カーボンナノチューブA及びBを、湿式ジェットミルを用いて混合することにより得ることができる。
なお、本発明において分散しているとは、分散液を1週間以上静置しても沈降物が観察されない状態を示す。
本発明のカーボンナノチューブの分散液においては、スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子を添加剤として添加する。スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子を添加剤として使用することによりカーボンナノチューブを分散させる。
本発明の導電性高分子としては、スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子を使用する。この導電性高分子は、水溶性導電性高分子であることが好ましい。特に、下記一般式(1)及び(2)で表されるモノマー単位を有する高分子であることが好適である。一般式(1)及び(2)のうち、一般式(1)はさらにより好ましい。
(式中、R1、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニルオキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、トリハロメチル基、フェニル基、または−SO 基(Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、または第4級アンモニウムイオンを表す。)を表す。nは、1〜20の整数を表す。)
スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子としては、ポリアルキルジオキシチオフェン誘導体またはポリイソチアナフテン誘導体があげられ、特にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリイソチアナフテンスルホン酸がより好ましい。ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)はポリスチレンスルホン酸をドーパントとして添加することが好ましい。ポリイソチアナフテンスルホン酸は自己ドープ型導電性高分子であるため、より好適に用いられる。
スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子の具体例としては、昭和電工株式会社製のエスペイサー(登録商標)♯100、エスペイサー♯300、ヘレウス株式会社のClevios(商標)、荒川化学工業株式会社のビームセット 1700CP、信越化学株式会社製のセプルジーダ(商標)(SEPLEGYDA(登録商標)、綜研化学株式会社のベラゾール(登録商標)、ポリチオフェンBaytron Pを用いることが好ましく、エスペイサー♯100、エスペイサー♯300、Clevios、Baytron Pがより好ましく、エスペイサー♯100、エスペイサー♯300、Cleviosがさらに好ましく、エスペイサーがもっとも好ましい。なお、エスペイサー♯100は上記一般式(2)で表わされる構造を含む。エスペイサー♯300は上記一般式(1)で表わされる構造を含む。
本発明のカーボンナノチューブの分散液においては、分散媒として水を使用する。本発明においては、添加剤としてスルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子を使用することで、カーボンナノチューブが水に分散される効果を高めていると考えられる。
本発明に用いるカーボンナノチューブAは、数平均繊維径が100nm以上であり、好ましくは100〜1000nm、より好ましくは100〜300nmである。長さとしては、好ましくは0.2〜20μm 、より好ましくは0.5〜15μm、さらに好ましくは0.5〜13μmである。このようなカーボンナノチューブの市販品としては、昭和電工株式会社製のVGCF(登録商標)−H(数平均繊維径150nm、数平均繊維長:10〜20μm、直線的形状)、保土ヶ谷化学工業株式会社製のCT−12(平均繊維径:110nm)、CT−25(平均繊維径:150nm)等が挙げられる。
本発明に用いるカーボンナノチューブBは、数平均繊維径が30nm以下であり、好ましくは1〜30nm、より好ましくは5〜20nmである。長さとしては、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.2〜8μm、さらに好ましくは0.2〜5μmである。このようなカーボンナノチューブAの市販品としては、昭和電工株式会社製のVGCF(登録商標)−X(数平均繊維径15nm、非直線的形状)、ナノシル社製のNC2100、NC2101、NC1100、株式会社名城ナノカーボン製のMWNT MTC(繊維径10−40nm)等が挙げられる。
なお、数平均繊維径は、カーボンナノチューブAおよびBいずれにおいても、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される繊維100個の数平均値である。これは、100本の繊維を撮影して画像処理によって二値化して求めた値を平均して計算することができる。また、カーボンナノチューブAにおいて数平均繊維長は、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される繊維100個の数平均値である。これは、100本の繊維を撮影して画像処理によって二値化して求めた値を平均して計算することができる。
本発明の分散液中、カーボンナノチューブA:100質量部に対し、カーボンナノチューブBは1〜100質量部含有されることが好ましい。カーボンナノチューブBの含有量は、本発明の分散液を用いて構成される電極材料の導電性をより向上させるためには4〜30質量部であることがより好ましく、8〜14質量部であることがさらに好ましい。
本発明の分散液中のカーボンナノチューブA及びBの合計の含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは0.05〜7質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明の分散液中のスルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子の含有量は、カーボンナノチューブA及びBの合計量100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましく、0.5〜2質量部であることがさらに好ましい。
本発明の分散液から水を除去した炭素材料は、カーボンナノチューブAの表面に複数のカーボンナノチューブBが付着し、カーボンナノチューブBが複数のカーボンナノチューブAの間に跨った構造を有することが好ましい。なお、炭素材料の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察等で確認することができる。
本発明の分散液は、例えば、スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子の水溶液に、カーボンナノチューブA及びBを、湿式ジェットミルを用いて混合することにより得ることができる。
湿式ジェットミルとしては、株式会社常光製ナノジェットパル(登録商標)、アドバンストナノテクノロジー社製ナノメーカー、ナノマイザー株式会社製ナノマイザー(登録商標)、スギノマシン社製スターバースト(登録商標)、吉田工業株式会社製超高圧湿式微粒子化装置等が使用できる。
湿式ジェットミルによる混合時の圧力は、好ましくは100MPa以上、より好ましくは150〜250MPaである。
上記の方法で、平均径の異なるカーボンナノチューブA及びカーボンナノチューブBを混合することにより、凝集しているカーボンナノチューブBがほぐれて分散される。
好ましくは、後述する分散液中の粒子の平均粒径(D50)が、カーボンナノチューブAの平均繊維長の2倍以下、好ましくは1倍以下になるまで上述の方法で混合すると、得られる炭素材料の導電性がより良好になる。
なお、ミキサーやボールミル等で混合すると、混合エネルギーが小さい場合は凝集塊のほぐれ具合が少なく、混合エネルギーが大きい場合は繊維にせん断力がかかりすぎるため繊維が切断されるといった問題がある。その点上記の湿式ジェットミルによる方法を用いるとカーボンナノチューブAやBの凝集塊に適度な混合エネルギーを与えることが出来るため、凝集塊をほぐすことが出来る。
このようにして得られた本発明の分散液は、複合材料・帯電防止剤・樹脂添加剤・金属添加剤・アルミニウム(箔を含む)の表面塗布、蒸着、圧着の際に用いることができる。
分散液そのものを潤滑剤として使用することもできる。
上記のようにして得られた本発明の分散液は、常法により脱水しシート状に成形することが出来る。
脱水方法としては、濾過(好ましくは吸引濾過や遠心濾過)、紙漉き、加圧等の方法を用いることが出来る。これらの方法を用いて脱水して得られた炭素材料は、必要に応じて加圧圧縮しても良く、さらに炭素材料に残留した水を常温あるいは加熱乾燥、真空乾燥することにより除去しても良い。ここで炭素材料とは本発明の分散液から水を除去した構造体を指す。この時、導電性高分子は炭素材料に残存していても良いし、水と共に除去しても良い。
得られた炭素材料は、ほぐれたカーボンナノチューブの繊維が他のカーボン繊維と絡まり、繊維径の細いカーボンナノチューブBが複数のカーボンナノチューブAに跨った構造を有する。その結果、成形した炭素材料はその後の取り扱いの際にも問題なく形を維持することが出来、目的とする用途での使用に耐えるものを作ることが出来る。
形を維持するために更に炭素繊維を加えても良い。特に大きな形状の炭素材料を形成する場合、炭素材料の強度が強くなり有効である。加える炭素繊維としては、数平均繊維径が1〜100μmであり、好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜30μmである。特に、炭素材料の形状が板状である場合、炭素繊維の数平均繊維長は、炭素材料の最大面の最大内包円の直径Dに対し、好ましくは1mm〜0.9*D、より好ましくは2〜0.5*D、さらに好ましくは3〜0.3*Dである。このような炭素繊維は市販品より選別し用いることが出来る。
炭素繊維の数平均繊維径が1μm以上あるいは数平均繊維長が1mm以上の場合、炭素材料の強度補強性能が良好で、炭素繊維の数平均繊維径が100μm以下あるいは数平均繊維長がD*0.9以下の場合は均一膜を形成しやすく壊れにくくなる。
炭素繊維の含有量は、カーボンナノチューブA及びBの合計量100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、3〜15質量部であることがさらに好ましい。
炭素繊維はカーボンナノチューブを混合する際、同時に加えても良いが、ジェットミルで効率的に混合するために、カーボンナノチューブAとBとをジェットミルで混合した後の分散液に添加し、混合するのが好ましい。混合方法は一般的な方法を用いることが出来、例えば超音波、ホモジナイザー、スパイラルミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパーサー、ハイブリットミキサーなどの撹拌または混練装置が用いることができる。
上記の範囲の炭素繊維は成形された炭素材料の強度を強くし、取り扱いを容易にする働きがある。
また、本発明の分散液から水を除去してなる炭素材料は、医薬・医療・バイオ、大型輸送機分野、環境分野、電気・電子分野、スポーツ・レジャー、産業資材、触媒、摺動・潤滑材、磁性材料として好適に用いることができる。具体的には、電池の電極として特に炭素電極の代わりに用いることが出来、例えばLi電池・Li−空気電池・金属−空気電池等の電極や、燃料電池触媒・光触媒等の触媒、電気二重層コンデンサ・固体コンデンサの電極材料、平面蛍光管・冷陰極管等の光学機器の陰極材料、タッチパネルや太陽電池等の透明電極の材料、水素吸蔵剤等に使用できる。電極や触媒に使用する場合は、導電性を高くするため圧縮成形することが好ましい。これにより隣接するカーボンナノチューブの繊維間に接触点が増え好適な導電パスを形成することが出来る。一方繊維径の異なるカーボンナノチューブを分散させているため適度な隙間が形成されるため、炭素材料は電解質や反応ガスのような反応媒体が容易に通過できる空隙を有することが出来る。導電パスの接触点数や反応媒体が通過する空隙数は、例えば混合するカーボンナノチューブ種や上記の圧縮成形条件で好適に制御することが出来る。
さらに、本発明の炭素材料を電極基板上に含有させた電界放出ディスプレイ(Field Emission Display)、本発明の炭素材を複合材として用いたハイパービルディング・大型橋梁用ケーブル・自動車・航空機・宇宙船等も活用例として考えられる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
(分散液の調製)
分散媒の水(100ml)に、添加剤としてポリイソチアナフテンスルホン酸であるエスペイサー(登録商標)#300(重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリスチレンスルホン酸換算)12000、1質量%水溶液、3g)を溶解し、エスペイサー水溶液を得た。
この溶液に、カーボンナノチューブAとして昭和電工社製VGCF(登録商標)−H(数平均繊維径150nm、数平均繊維長10μm、1.80g)、カーボンナノチューブBとしてVGCF(登録商標)−X(数平均繊維径15nm、0.20g)を加えた。
次いで、圧力170MPaで10分間、湿式ジェットミルを用いて溶液を混合し、この混合操作を3回繰り返した。さらにこの溶液を、ナノマイザー(登録商標)を用いて分散させ、この分散操作を10回繰り返して、実施例1の分散液を得た。
(平均粒径測定)
得られた分散液の分散性を確認するために、分散液中の粒子の平均粒径(D50)を測定した。結果を表1に示す。
なお、平均粒径(D50)とは日機装製レーザー回析・散乱式粒度分布計(マイクロトラックMT3000)で測定した光の散乱パターンと同等な散乱パターンを示す球形粒子の集合体の粒度分布において体積分率50%の粒径を示す。
(走査型電子顕微鏡による観察)
分散状態を調べるため、得られた分散液を減圧濾過し、熱風乾燥器を用いて乾燥させた粉末を得た。この粉末を適切量採取して、走査型電子顕微鏡により観察した(図1)。
<実施例2〜12、比較例1〜3>
導電性高分子、カーボンナノチューブA、カーボンナノチューブBの種類や質量を表1のように変更したこと以外は実施例1と同様にしてそれぞれ分散液を得た。
得られた分散液の平均粒径(D50)を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
表1より、平均粒径(D50)が、実施例1〜12では9.8〜18.5μmであるのに対し、比較例1〜3では27.3〜28.2μmである。実施例1〜12は比較例1〜3よりも分散液の分散性が高く、さらに、実施例1ではより分散性が高いことが確認された。このような結果が得られた要因としては、カーボンナノチューブの分散液において、カーボンナノチューブBの凝集塊が適度にほぐされたこと等が考えられる。
<実施例13>
実施例1で得られた分散液に、カーボン短繊維(ドナカーボ・チョップS−232、大阪ガス社製)を100g添加して、ミキサー(IKA社製 ULTRA−TURRAX UTC 80)を用いて混合した。
カーボン短繊維を混合したこのスラリーを3リットル用いて、横210mm、縦300mmの長方形の濾過機に流し込み、吸引濾過してケーキを作製した。得られたケーキに総荷重20トンをかけて圧縮してから、重しを載せて200℃の乾燥器に入れて乾燥させた。乾燥した炭素材料の厚さは5mmで総重量は56gであった。この炭素材料の一部を切り出す等の形状を加工をしても割れが生じず、取り扱い性の良好な炭素材料を得ることが出来た。
<比較例4〜5>
比較例1、2の分散液にカーボン短繊維を加え、実施例13と同様にして炭素材料を得た。乾燥した炭素材料の厚さはいずれも5mmで、総重量はそれぞれ56g、55gであった。しかし、いずれも、得られた炭素材料を乾燥機から取り出した際、あるいは切り出す加工をする際に割れが発生してしまった。
本発明のカーボンナノチューブの分散液を用いることによりカーボンナノチューブをより均一に含む炭素材料を形成しやすくなり、例えば、電子部品等として使用することができる。

Claims (6)

  1. スルホ基を有するチオフェン骨格を含む導電性高分子の水溶液中に、
    数平均繊維径100nm以上であるカーボンナノチューブAと、
    数平均繊維径30nm以下であるカーボンナノチューブBと、
    が分散していることを特徴とするカーボンナノチューブの分散液。
  2. 前記カーボンナノチューブA:100質量部に対し、前記カーボンナノチューブBが1〜100質量部含有される請求項1に記載の分散液。
  3. 前記カーボンナノチューブA及びBを合計0.01〜10質量%含有する請求項1または2に記載の分散液。
  4. 前記導電性高分子を前記カーボンナノチューブA及びBの合計量100質量部に対して0.1〜50質量部含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の分散液。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の分散液から水を除去して得られる炭素材料であって、前記カーボンナノチューブAの表面に複数の前記カーボンナノチューブBが付着し、該カーボンナノチューブBが複数の該カーボンナノチューブAの間に跨った構造を有する炭素材料。
  6. 前記導電性高分子の水溶液に、前記カーボンナノチューブA及びBを、湿式ジェットミルを用いて混合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブの分散液の製造方法。
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