JP4071832B2 - 液体含有炭素フィブリル材料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電池の電解液保持材、人工土壌、芳香剤、油吸収材などの用途に好適な液体含有炭素フィブリル材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
多量の液体を含有できる材料としては、カーボンブラック、合成繊維や天然繊維よりなる織布や不織布、および吸水性ポリマーや炭素繊維材料などが知られている。しかしカーボンブラックは液体の含有量が小さく、織布や不織布は化学的安定性や耐熱性が不十分であり、また吸水ポリマーは化学的安定性、耐熱性が不十分であり、水系溶媒による膨潤が大きいなどの欠点がある。
【0003】
炭素繊維を液体吸収剤に用いることに関し、特開昭61−132663、同62−276080、同62−276082などの先行技術が知られている。
先行技術の1つには、直径が0.05〜4μで捲縮した炭素質単繊維が絡合してなる炭素質単繊維が開示されている。その繊維は、捲縮しており、繊維内の中空部がほとんどなく、中実の断面を有している。これらの単繊維集合体は、混成または湿式でほぐして再集成できること、柔軟性、成型性に優れていること、および熱処理によって黒鉛化したものが電池電極材へ利用できることなどが述べられている。
【0004】
先行技術の他の1つには、気相法による直径4μm以下、みかけ密度0.3g/cm3 以下の炭素繊維材料を用いる水系溶媒保持炭素繊維材料が開示されている。しかしながら、開示されている炭素材料の直径は4μm以下で、通常は0.1〜0.2μm程度である。
また他の先行技術には、炭素繊維材料はその表面に1μeq/g以上の酸性官能基を有していることが必要とされている。このような酸性官能基を導入するためには、酸化処理を行なわねばならず、このため安全衛生対策、排水・排気の処理対策が必要となる。また、この種の官能基は化学的安定性や耐熱性の点で問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液体の含有量が大きく、化学的に安定で、かつ耐熱性が良好で、導電性に優れた特定の炭素フィブリル材料からなる液体保持材料を提供することになる。
【0006】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の液体含有材料の欠点を改良するため新規なカーボン系材料について検討を進めた結果、特定構造の炭素フィブリルを使用することにより上記の欠点が改良できることを見い出した。
すなわち本発明は、直径3.5〜75nmの微細糸状、チューブ形態の炭素フィブリルが互いに絡み合った平均粒径0.1〜100μの凝集体から主としてなる炭素フィブリル材料に、炭素フィブリル材料に対して重量で3倍以上の液体を含有させた液体含有炭素フィブリル材料を提供する。
【0007】
本発明で使用する炭素フィブリル材料は直径3.5〜75nm、好ましくは3.5〜50nm、微細糸状、チューブ形態の炭素フィブリルが互に絡み合った毛玉状の凝集体から主としてなり、凝集体の平均粒径は0.1〜100μm、好ましくは0.2〜50μmのものである。直径が75nmおよび/または凝集体の平均粒径が100μmを超えると、液体の含有量が低下する。直径が3.5nmおよび/または凝集体の平均粒径が0.1μm未満のものは、製造が困難である。
炭素フィブリル材料中の凝集体の割合は、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。
【0008】
本発明の凝集体のサイズの説明において「平均粒径」と「90%径」の語句を用いる。これは次のように定義されるものである。
粒径をdとし、その粒径における体積分率Vdを確率変数とする分布を粒度分布Dと呼ぶ。この粒度分布Dにおいて、体積分率を最小の粒径からある粒径まで足し合わせた合計が全体の半分となるような特定の粒径を平均粒径dmと定義する。同様に、体積分率を最小の粒径からある粒径まで足し合わせた合計が全体の9割となるような特定の粒径を90%径と定義する。
【0009】
本発明において使用する炭素フィブリル材料の凝集体の粒径分布は次の通りである。すなわち、先に定義した90%径は通常100μm以下、好ましくは80μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。また、90%径が平均粒径の7.5倍以下でもある。
炭素フィブリル凝集体を構成する炭素フィブリルは、アスペクト比が通常5以上、好ましくは100以上、さらに好ましくは1000以上の糸状であり、かつその芯部が中空、すなわちチューブ状のものである、
【0010】
さらにこの炭素フィブリルは、フィブリル軸に平行な複数の黒鉛質層を有し、好ましくは連続的な熱炭素被覆を持たないものである。この熱炭素被覆で覆われた表面積の割合は通常50%以下、好ましくは25%以下、さらに好ましくは5%以下である。
本発明では、炭素フィブリル材料は、製造し、微粉砕しただけで使用できるが、必要に応じてその表面を変性したものを使用できる。例えば、酸化などの化学反応やエポキシ樹脂などのポリマーによるコーティングなどの手段により変性することができる。
炭素フィブリル材料を、硝酸などで酸化して、材料表面の酸素量(X線光電子分光法により定量分析できる)を2〜3%以上、特に5%以上とする材料の親水性が大となる。酸化処理した材料は、水をすばやく吸収するが、水量が大となると、水を保持するよりも水に分散しやすくなる。このため、水保持能力は逆に低下するので、水系液体の含有材料としては、酸化などの親水化処理をしないものが好ましい。
【0011】
本発明で使用する炭素フィブリル材料は特許出願公表平2−503334号公報にその製造方法が記載されているが、具体例を次に記す。
垂直式管状反応器において自重または不活性ガスなどのガス噴射によって、金属含有触媒粒子を炭素含有ガス流に導入することによって炭素フィブリルを製造する。反応温度は550〜1200℃である。触媒粒子は前駆体化合物、例えばフェロセンの分解によって反応器中で形成されてよい。反応器には、触媒粒子を受けとめる石英ウールの内部プラグと反応器の温度をモニターする熱電対とを備えた石英管を用いる。さらに、触媒、反応ガスおよびアルゴンといったパージガスを夫々導入する入口ポートおよび反応器のガス抜き用出口ポートを備える。
【0012】
適当な炭素含有ガスは、飽和炭化水素類、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサンおよびシクロヘキサン、不飽和炭化水素類、例えばエチレン、プロピレン、ベンゼンおよびトルエン、酸素含有炭化水素類、例えばアセトン、メタノールおよびテトラヒドロフラン、ならびに一酸化炭素である。好ましいガスはエチレンおよびプロパンである。好ましくは水素ガスを添加する。典型的には炭素含有ガス対水素ガスの比は1:20〜20:1の範囲である。好ましい触媒は蒸着アルミナ支持体上に堆積した、モリブデン−鉄、クロム−鉄、セリウム−鉄、およびマンガン−鉄である。
【0013】
フィブリルを成長させるために反応管を550〜1200℃に加熱し、同時に、例えばアルゴンでパージする。反応管が所定温度に達すると水素流および炭素含有ガス流の導入を開始する。1インチの太さの反応管について、約100ミリリットル/分の水素流量および約200ミリリットル/分の炭素含有ガス流量が適当である。反応管を上記流量の反応ガスで5分間以上パージした後、触媒を石英ウールプラグに落とす。次に、反応ガスを反応器内全体において触媒(典型的には0.5〜1時間)と反応させる。反応時間が終了すると反応ガス流を停止し、炭素非含有ガス、例えばアルゴンをパージして反応器を室温まで冷却し、反応管からフィブリルを回収する。フィブリルの収率は触媒の鉄含量の30倍以上である。
【0014】
本発明で用いる炭素フィブリル材料は、前記のようにして製造した炭素フィブリルをそのまま、あるいは多くの場合、粉砕して所定のサイズに調製して得る。粉砕の手段としては、例えば気流式粉砕機(ジェットミル)または衝撃式粉砕機がある。これらの粉砕機は連続運転が可能であり、ボールミル、振動ミルなどと比較して単位時間あたりの処理量も大きいため、粉砕コストを低く抑えることができる。さらに、分級機構を粉砕機内に設けたり、サイクロンなどの分級機をライン中に設けることにより、粒度分布の狭い均一な炭素フィブリル凝集体を得ることができる。
【0015】
本発明で使用する炭素フィブリル材料はそのまま使用することができるが、必要に応じて、バインダーを用いて固着させ、成型して使用することができる。バインダーとしては、フェトル樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化型樹脂や液状重合性モノマーと重合開始剤混合物が用いられる。また発泡剤や成型後、除去可能な樹脂を添加することにより、空隙を有する成型体として使用することができる。またバインダーを含有させた後、高温で焼成し、炭化させたものを使用することもできる。
本発明において、炭素フィブリル材料中に含有される液体の含有量は液体の種類により異なるが、炭素フィブリル材料の重量の3倍以上である。
【0016】
本発明で用いる液体は、水系液体および非水系液体である。水系液体とは、水または水溶液であり、場合により、これに他の物質が微分散したものを含む。水溶液は、水に可溶性の液体または固体の有機化合物または無機化合物を溶解したものである。非または難水溶性の物質を水に分散するときは、界面活性剤を併用するのが好ましい。
【0017】
無機化合物としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸などの酸、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基、およびこれらからなる塩がある。
【0018】
塩の例として、塩化リチウム、塩化亜鉛、塩化アンモニウム、チオシアン酸リチウム、ホウフッ化リチウムなどがあるが、このほか亜鉛、鉄、銅、マンガン、ニッケルなどの金属の塩もあげられる。このほか酸化性の化合物として、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過マンガン酸ナトリウム、重クロム酸カリウムなどがある。これらの化合物は1種または2種以上用いる。
【0019】
有機化合物としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンなどの低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、エタノールアミンなどのアミン類などの親水性化合物やドデシルベンゼンスルホン酸塩、オレイン酸塩など有機酸の塩、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムなどの天然および合成の水溶性ポリマーなどがあり、これらは1種または2種以上用いる。有機化合物と無機化合物の混合物も使用できる。
【0020】
非水系液体は、前出の水系液体以外の有機液体が挙げられる。例えば、ヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、リモネンなどの脂肪族、脂環族、芳香族の炭化水素、ジクロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化ベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチレングリコールのモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フルフラール、メントール、リナロール、ロジノールなどのアルコール類、アセチルアセトン、α−ヨノン、メチルヨノン、ベンゾフェノンなどのケトン類、ジイソブチルエーテルアニソール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ジメトキシエタンなどのエーテル類、酢酸、醋酸、プロピオン酸などのカルボン酸やギ酸エチル、醋酸エチル、アセト醋酸エチル、酪酸エステルやジブチルテレフタレートなどのカルボン酸エステル、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類、ジメチル硫酸やパラトルエンスルホン酸メチルなどの硫酸エステルやスルホン酸エステル類、トルエチルアミン、ピリジン、アニリンなどのアミン類、アセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、クレゾールなどのフェノール類など、およびこれらの混合物である。
【0021】
また必要に応じて、これらの非水系液体に対し、溶解または混合可能な無機化合物や有機化合物を加えることができる。
水系液体の例としては、塩化亜鉛と塩化アンモニウムの水溶液などの各種電池用電解液、消毒剤を含む液、水溶性肥料を含む液、ガス吸収用のアルカリまたは酸を含む液、また非水系液体の例としては、過塩素酸リチウムのプロピレンカーボネート溶液などの電池用電解液や香料などが挙げられる。
【0022】
水系液体含有炭素フィブリル材料の用途としては、電池の電解液保持材料、トイレタリー用消毒剤、人工土壊、ガス吸収材などが挙げられる。非水系液体含有炭素フィブリル材料の用途としては、油吸収材、液状の香料を含有させた芳香剤、リチウム塩と非水系液体よりなる電池の電解液保持材料などに有用である。
【0023】
本発明において使用される液体の含有量の測定方法としては、各種の方法によって行なうことができる。例えばJIS K1469 5.5に規定されているアセチレンブラックの塩酸吸収量の測定方法、JIS K6221 6.1.2B法(へら練り法)に規定されているゴム用カーボンブラックの吸油量の測定方法や特開昭62−276080および特開昭62−276082記載の方法や、またはこれらの方法に準じて行なうことができる。
【0024】
【実施例】
本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、いかなる意味においても実施例によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されるものではない。
炭素フィブリル凝集体の粒径は、炭素フィブリル材料を界面活性剤を添加した水中にて超音波ホモジナイザーを用いて分散させ、この水分散液をレーザー回折散乱式粒度分布計を用いて分析し、測定した。
【0025】
実施例における塩酸吸収量の測定は、JIS K1469.5.5に準じた次の方法による。
(1)塩酸は、塩化水素6重量%水溶液を用いる。
(2)試料(炭素フィブリル材料)5.00gを乾燥した三角フラスコ300mlにとる。
(3)塩酸10mlを試料上に滴加し、栓をした後約1分間水平に振り混ぜ浸透させる。
(4)栓をした三角フラスコを逆にして持ち、手首を支点として左右に1分半よく振る。塩酸が均一に浸透したら振り混ぜを止めて、フラスコ壁に付着した試料をガラス棒で静かにかき落とす。
(5)塩酸5mlを滴加し、(4)と同様の方法で2分間よく振る。必要に応じてこの操作を繰り返す。
(6)さらに、順次滴加量を減らし(2ml、1ml、0.5ml、0.2ml)、(4)と同様の方法でよく振る。振りながら試料が集結して大塊となり、一つの団塊状になったときを終点とする。
(7)塩酸の所要ml数を通算して、塩酸吸収量とする。
【0026】
実施例における非水系液体(DBP ジブチルフタレートを例とする)の含有量の測定は、JIS K6221 6.1.2B法に準じた次の方法による。
(1)試料(炭素フィブリル材料)1.00gをとり、30cm角のガラス板上におく。
(2)ビュレットから必要なDBP量の約1/2を、ガラス板上に滴加し、これを円状に広げる。
(3)試料を少しずつDBPの上に移し、へらを用いて練る。
(4)さらにDBP約1/4〜1/3を加え、同一操作を繰り返す。終点に近づいたら1滴ずつ加える。
(5)全体が1つの締まった塊状となった点を終点とする。この操作は10〜15分で終るようにする。
(6)含有量は、試料100g当りの液体(DBP)のml数で表示する。
【0027】
実施例1〜5
炭素フィブリル材料として、平均直径13nmの微細糸状、チューブ形態の黒鉛質の炭素フィブリルが絡み会ってなる凝集体を用いた。凝集体の平均粒径および90%径は表1に示した。これらの炭素フィブリル材料への塩酸含有量を測定し、表1に示した。
比較例1
炭酸フィブリル材料の代りにアセチレンブラックを用いたほかは、実施例1と同様に実験した。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例6〜10、比較例2、3
炭酸フィブリル材料として、実施例1〜5と同じもの、および比較例2、3としてそれぞれアセチレンブラックおよびHAFカーボンブラック(N330)を用いた。非水系液体としてDBP(ジブチルフタレート)を選び、前記の方法で炭素試料への含有量を測定し、結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】
実施例11〜13
円筒状ガラス容器に、表3に示す割合で実施例2と同じ炭素フィブリル材料と水を入れ、少しガラス棒でかきまぜたのち、3分間超音波で処理し、さらに少しガラス棒でかきまぜた後、混合物の分離状態を観察した。次いで容器を水平に傾けて、混合物の挙動および混合物より水が流出するか否かを観察した。
この結果を表3に示した。実験に用いた炭素フィブリル材料に対し重量比40倍以内なら、混合物から水の分離はなかった。しかし、参考例1に示したように66倍の水を混合した場合は、水が分離した。
【0032】
比較例4、5
炭素フィブリル材料の代りにHAFカーボンブラック(N330)を用い、表3に示す割合の水を混合したほかは、実施例11と同様に実験した。
この結果、わずか2.8倍量の水でも、水の分離が観察された。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】
本発明の液体含有炭素フィブリル材料は、炭素フィブリル材料が、化学的、熱的に極めて安定であり、かつ導電性が高い極微細の炭素フィブリルの凝集体よりなるので、液体の含有量および保持安定性が大きい効果がある。このため使用目的に応じて各種の液体や機能性、反応性の無機化合物および有機化合物の混合物を含有させることができる。そして、各種電池の電解液の保持材料、消毒剤、油吸収剤、芳香剤、人工土壊、各種ガスの吸収剤などの用途に有用である。特に本発明の炭素フィブリル材料は表面に酸化処理してなくても水系液体の含有量が大きく、また酸性官能基を有しないため化学的に安定であり、耐熱性にも優れるので電池の電解質などの用途に好適に使用される。
Claims (1)
- 直径3.5〜75nmの微細糸状、チューブ形態の炭素フィブリルが絡み合った平均粒径1.7〜7.4μmの凝集体からなる炭素フィブリル材料に、炭素フィブリル材料に対して重量比で3倍以上の液体を含有させたことを特徴とする液体含有炭素フィブリル材料からなる、各種電池の電解液を保持した材料。
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