JP2021505429A - 構築化層を有する複合材料の製造および設計 - Google Patents

構築化層を有する複合材料の製造および設計 Download PDF

Info

Publication number
JP2021505429A
JP2021505429A JP2020529530A JP2020529530A JP2021505429A JP 2021505429 A JP2021505429 A JP 2021505429A JP 2020529530 A JP2020529530 A JP 2020529530A JP 2020529530 A JP2020529530 A JP 2020529530A JP 2021505429 A JP2021505429 A JP 2021505429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite material
material system
geometry
carbon
feature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020529530A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021505429A5 (ja
Inventor
エム ポルテラ カルロス
エム ポルテラ カルロス
ビャットスキ アンドレイ
ビャットスキ アンドレイ
アール グリア ジュリア
アール グリア ジュリア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
California Institute of Technology CalTech
Original Assignee
California Institute of Technology CalTech
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US16/151,186 external-priority patent/US10833318B2/en
Application filed by California Institute of Technology CalTech filed Critical California Institute of Technology CalTech
Publication of JP2021505429A publication Critical patent/JP2021505429A/ja
Publication of JP2021505429A5 publication Critical patent/JP2021505429A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • H01M4/133Electrodes based on carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/22Electrodes
    • H01G11/26Electrodes characterised by their structure, e.g. multi-layered, porosity or surface features
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/22Electrodes
    • H01G11/30Electrodes characterised by their material
    • H01G11/32Carbon-based
    • H01G11/34Carbon-based characterised by carbonisation or activation of carbon
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/84Processes for the manufacture of hybrid or EDL capacitors, or components thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • H01M4/139Processes of manufacture
    • H01M4/1393Processes of manufacture of electrodes based on carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/58Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
    • H01M4/583Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx
    • H01M4/587Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx for inserting or intercalating light metals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • H01M4/624Electric conductive fillers
    • H01M4/625Carbon or graphite
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

ある態様では、複合材料システムは、構築化三次元ジオメトリを有する構造であって、前記三次元ジオメトリはモノリシックで決定論的である構造と、マトリックス相であって、前記マトリックス相は、少なくとも部分的に前記構造に含浸するマトリックスとを備える。一部の実施形態では、三次元ジオメトリは、ナノまたはマイクロ構築化三次元ジオメトリである。

Description

[関連出願の相互参照]
この出願は、2017年12月1日に提出された米国仮特許出願第62/593,768号および2018年10月3日に提出された米国特許出願16/151,186号の利益および優先権を主張し、本明細書と矛盾しない範囲内でそれらの全てを参照として組み込む。
本発明は、海軍研究局から授与された認可番号N00014−16−1−2431および認可番号N00014−16−1−2827の下で政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
本発明は、構築化モノリシック三次元ジオメトリおよびマトリックス相を有する構造を含む複合材料システム、そのような複合材料システムを作製する方法に関する。例えば、上記三次元ジオメトリは、曲面および表面特徴を含む、任意の様々な形状または構成を有する特徴の連続的かつ相互接続されたネットワークを含むことができ、上記マトリックス相は、構造に少なくとも部分的に含浸し得る。
複合材料は、無秩序相または秩序相を形成し、組み合わせて、個々の材料の特性とは異なり得る特性または挙動を提供する1つまたは複数の材料で構成される。通常、これらの相は、高い剛性または強度特性を有する強化相、または残りのボリューム(体積)を充填し、剛性または強度特性が劣るマトリックス相として分類される。複合材料は、強化相とマトリックス相の間の体積比、相(フェーズ)のジオメトリ、および各相の構成特性によって広く特徴付けることができる(文献1)。
無秩序相を有する複合材料は、連続強化相を与えない短繊維、粒子、またはランダムに取り揃えられた成分を含むことができる。これらの材料では、唯一の連続相はマトリックスであり、強化粒子の周りの残りのボリュームに含浸する。マトリックス相は、より硬い/より強い強化粒子間に負荷を分散する働きをする。あるいは、秩序相の複合材料は、強化相として、整列した長繊維(不連続相)またはトラス状(連続相)のジオメトリまでも含むことができ、連続したマトリックス相で囲まれている。秩序および無秩序複合材料の双方は、等方性(つまり、プロービング方向に依存しない挙動)から異方性(すなわち、材料の配向に依存する挙動)まで変化する機械的応答を有することができる。
炭素繊維複合材料は、航空宇宙、自動車、船舶、装甲、さらにはスポーツ用品用途でさえも適用されてきた秩序相複合材料の一形態である。それらが広く使用されているのは、その剛性対密度比、疲労特性、および極限環境への耐性のためである(文献2)。炭素繊維複合材料の基本的な構成要素は、連続的ではない秩序強化相を構成する繊維であり、離散した繊維はマトリックス相を介してのみ結合されている。マトリックス相によって含浸された繊維の配列は、炭素複合材部品の二次元サブコンポーネントであるラミナを形成する。
炭素繊維複合材料における炭素相の不連続性および異方性は、幾つかの破壊モードに関連している。異方性を低減するために、個別の繊維間の接触が増加する織繊維のラミナが作製されたが、依然として不連続な強化相が形成される(文献3)。等方性は、一方向の繊維層でラミネート、すなわちマトリックス相を介して結合された様々な繊維配向のラミナの集合体を形成することによる達成できる。各ラミナの繊維の方向を変更は、積層の異方性の度合いと、(通常は望ましくない)伸縮−曲げ結合を決定する。炭素繊維積層は、その構造により、繊維の座屈(圧縮中)、繊維間破損、層間破損など、様々なメカニズムで破損する可能性がある(文献4)。繊維の座屈は、そうでなければ面内でサポートされない、マトリックス内の繊維の高い細さのために、ラミナの圧縮負荷中に顕著である。繊維間およびラミナ間の破損は、強化相の不連続な性質が原因で発生し、厚み方向と面内方向の両方に荷重を分散するためにマトリックス相に依存する。
連続的な強化相およびマトリックス相を有する複合材料が報告されており、それらの大部分は強化相としてフォーム(泡状物質)を有する(文献5〜9)。フォームは、決定論的構造と直接対照的な、典型的な確率的構造である。炭素繊維の不連続な性質を修正する試みには、炭素マトリックスなどの粒子で構成される相を追加して、繊維マトリックスと層間界面との間の接着を促進することを含む(文献10、11)このアプローチは、これらの材料の強度を高め得るが、連続的な炭素相を形成せず、その結果、層間(最も弱い界面)の破壊を依然としてもたらす。他の研究では、ポリマー導波路プロセスを使用した強化相として、秩序トラス状ネットワークを報告している。これらのトラス状ネットワークのジオメトリは、材料のエッジで始まる直線の光線パターンと、接続するトラス要素間の有限の角度範囲に限定される(文献12)。これらの導波路プロセスによる複合材料の機能的グレードは、同じ制約を受けるが、強化相の構造的統合性を低下させる(文献13、14)。これらの導波路パターンを使用する減衰材料が報告されており、これはエネルギーを散逸させるコーティングとして1つ以上の粘弾性相を必要とする(文献15、16)。
幾つかの場合において、ポリマー導波路によって規定されるアーキテクチャに限定されない3D炭素構造の製造は、ポリマーサンプルの積層造形(AM)を使用して実証されてきた。理論的強度に近いガラス状カーボンのナノ構造は、2光子リソグラフィー(TPL)を使用して製造されてきたが、このプロセスは、スループットが極めて低く、実用的な用途が制限されている(文献17)。セル状カーボン微細構造は、ステレオリソグラフィー(SL)(文献18)およびグラフェンエアロゲルの印刷(文献19)を使用して作製されてきた。しかし、これらの各リソグラフ構造には、3D炭素ネットワークで規定された正味の形状、機能傾斜、減衰特性、衝突吸収特性、またはこれらまたは別の特性の可調整を有する複合部品の直接製造に失敗するなどの欠点に晒される。
本明細書で提供される複合材料システムおよびシステムを作製する方法は、従来の複合材料に関連するこれらおよび他の課題に対処し、それにより、幅広い用途およびパラメータ空間要件に対して高度に調整可能なシステムおよび方法を提供する。
本明細書では、幅広い用途に有用な複合材料システムを作製するための複合材料システムおよび方法が提供され、従来のシステムおよび方法の課題および制限に対処する。これらのシステムが役立つ用途には、航空宇宙(着陸装置の衝突吸収など)、自動車(ブレーキアセンブリの振動緩和など)、医薬品(特定の機械的特性を必要とする医療機器など)、軍事(例:ボディアーマー)、海上装置、スポーツ用品などが含まれるが、これらに限定されない。例えば、本明細書に開示されているシステムは、衝突エネルギーの軽減および/または振動減衰に有用である。開示されたシステムおよび方法は、高度に調整可能かつ決定論的であり、それらは、所望の用途および一連の特性に従って適合および調整され得る。例えば、本明細書に開示される複合材料システムは、連続的に相互接続された複数の三次元ジオメトリを介した機能傾斜を含み得る。例えば、複合材料システムは、複合材料システムの減衰挙動の正確な制御および調整可能性を提供する高度に調整可能で決定論的な共振器の特徴を含み得る。
ある態様では、複合材料システムは以下を含む。すなわち、構築された三次元ジオメトリを有する構造であり、前記三次元ジオメトリはモノリシックで決定論的である;マトリックス相であり、ここで、前記マトリックス相は、少なくとも部分的に前記構造に含浸する。一部の実施形態では、三次元ジオメトリは、ナノまたはマイクロ構築化三次元ジオメトリである。幾つかの実施形態では、構造は、マトリックス層によって、体積で、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも75、少なくとも90%、または好ましくは幾つかの用途では、実質的に100%(体積%)含浸される。幾つかの実施形態では、構造は、マトリックス層によって、質量で、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも75、少なくとも90%、または好ましくは幾つかの用途では、実質的に100%(質量%)含浸される。
本明細書に開示される複合材料システム、構造、および/または三次元ジオメトリは、従来の材料システムでは得ることができない、または入手が困難な、衝突吸収および/または減衰挙動を含む、様々な物理的および機械的特性または実施形態を有し得る。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、2×10J/m〜4×10J/mの範囲から選択される面積正規化衝突エネルギー緩和メトリック(Ψ)によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、少なくとも2×10J/m、要すれば少なくとも2.6×10J/mまたは好ましくは幾つかの用途では少なくとも3.2×10J/mである面積正規化衝突エネルギー緩和メトリック(Ψ)によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、1.9×10J/kg〜4×10J/kgの範囲から選択される密度正規化衝突エネルギー緩和メトリック(Ψ)によって特徴付けられる。本明細書で開示されるシステムおよび方法、構造、複合材料システム、またはその両方の幾つかの実施形態では、1.9×10J/kg〜3.2×10J/kgの範囲から、好ましくは一部の用途については1×10J/kg〜5×10J/kgの範囲から、好ましくは一部の用途については1×10J/kg〜1×10J/kgの範囲から、要すれば3×10J/kg〜1×10J/kgの範囲から選択された密度正規化衝突エネルギー緩和メトリック(Ψ)によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、1Jから少なくとも900Jの範囲から選択されるエネルギーを有する衝突エネルギーの軽減によって特徴付けられる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、0.8〜0.7の範囲から選択される跳ね返り係数によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、0.8〜0.3の範囲から選択される跳ね返り係数によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、粒子が前記構造で加速されるときに跳ね返り係数が決定され、前記粒子は、構造のユニットセルの物理的寸法よりも少なくとも10倍大きい直径を有し、要すれば、粒子サイズは7μm〜14μmであり、前記粒子は500m/秒〜1100m/秒の範囲から選択される速度を有する。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、跳ね返り係数は、8%〜26%の範囲から選択される相対密度を有する構造に対応する。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムは、実質的に前記構造を介して衝突エネルギーを吸収するように構成される。一実施形態では、複合材料システムは、他の点では同一の条件下で、構造物のみによって吸収されるよりも少なくとも20%多い衝突エネルギーを吸収する。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップによって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは、少なくとも1つの完全な振動周波数バンドギャップである。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは、少なくとも1つの部分的な振動周波数バンドギャップである。本明細書で開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、少なくとも1つの部分振動周波数バンドギャップおよび少なくとも1つの完全振動周波数バンドギャップによって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは決定論的である。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは、0.1MHz〜100MHzの範囲内であり、好ましくは、幾つかの用途については0.1MHz〜200MHzの範囲内である。本明細書で開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは、52MHz〜55MHz、19〜26MHz、14〜21MHz、46〜52MHz、1.4MHz〜1.5MHzのうちの少なくとも1つ、または2.4±0.1MHzである。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは、連続振動、パルス振動、またはこれらの組み合わせに曝される構造に対応する。本明細書で開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは、0.1〜200MHzの範囲から選択される幅によって特徴付けられ、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは、任意の幾つかの用途では0.1〜100MHz、任意の幾つかの用途では100Hz〜10MHz、任意の幾つかの用途については0.1〜20MHz、好ましくは幾つかの用途については0.1〜10MHz、任意の幾つかの用途については0.1〜5MHz、または幾つかの用途については0.1〜1Hzである。例えば、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは、医療用途の超音波周波数に関連する周波数に対応する。幅広い振動周波数バンドギャップ幅(例えば、200MHz)は、様々な用途で広範囲の刺激/振動を散逸させるのに役立つ。狭い振動周波数バンドギャップ幅(1MHzなど)は、様々な用途で特定の刺激/振動をフィルタリングするのに役立つ。幾つかの実施形態では、複合材料システムは、広い、狭い、または広いおよび狭い振動周波数バンドギャップを含む。また、振動周波数バンドギャップ(例えば、その幅)は、アーキテクチャの特性長に比例してスケーリングする場合があることに注意されたい。これは、ブラッグ条件により、ΔL=c/f(ΔLは特性微細構造の次元、cは材料の音速、fは周波数)の周波数で著しい効果が生じうることを示しているからである。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、少なくとも1.2%、好ましくは少なくとも3.5%、より好ましくは少なくとも7%、さらにより好ましくは少なくとも9%の減衰比によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、縦方向に少なくとも1.2%〜3.5%の減衰比によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、複合材料システム、またはその両方は、横方向に少なくとも7%〜9%の減衰比によって特徴付けられる。一実施形態では、減衰比は、サイクルで散逸されるエネルギーとサイクルに蓄積される最大エネルギーとの間の比に対応する。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、少なくとも1つの表面特徴を含む。例示的な表面特徴には、シート、表面、中空球、中空楕円、およびシェルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴の少なくとも一部は非ゼロのガウス曲率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴の少なくとも一部は、非ゼロ平均曲率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴の少なくとも一部はゼロ平均曲率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴は、不均一なガウス曲率または不均一な平均曲率によって特徴付けられる。本明細書で開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴は、不均一なガウス曲率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴は、不均一な平均曲率によって特徴付けられる。本明細書で開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴は均一ガウス曲率または均一平均曲率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴は、均一なガウス曲率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴は均一な平均曲率を特徴とする。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴の厚み寸法は、前記少なくとも1つの表面特徴全体にわたって不均一である。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは少なくとも1つの表面特徴を含み、前記少なくとも1つの表面特徴の厚み寸法は前記少なくとも1つの表面特徴全体にわたって一様である。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、スピノーダルジオメトリとして特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は1〜1.3、任意に1〜1.5、または任意に1〜1.35の範囲から選択される相対密度に対する正規化有効弾性率の勾配によって特徴付けられる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、共振器を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリはユニットセルジオメトリによって特徴付けられ、前記ユニットセルジオメトリは、共振器を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、共振器は、前記三次元ジオメトリの少なくとも1つの他の特徴に接続されたマイクロ慣性特徴を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、共振器はマイクロ慣性機構を含み、ここで、前記三次元ジオメトリの別の機構は前記マイクロ慣性機構を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、共振器は、カンチレバービーム特徴と、前記カンチレバービーム特徴の端部に接続された微小慣性特徴とを備える。例えば、マイクロ慣性機構は、ビームまたは表面などの構造部材などの別の機構内に埋め込まれてもよい。例えば、マイクロ慣性は、ビーム構造のノードまたは表面ベースのジオメトリのヒンジにあり得る。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、例えば、衝突エネルギー吸収を有する決定論的異方性衝突エネルギー吸収、または跳ね返り係数などの衝突エネルギー吸収メトリック、例えば少なくとも1%大きい、少なくとも20%大きい、少なくとも100%大きい、好ましくは幾つかの用途について少なくとも1000%大きい、またはさらにより好ましくは第2方向に沿ったよりも第1の方向に沿って10000%大きい(例えば、X、Y、Zまたは任意の方向またはベクトルの間で)跳ね返り係数によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は確定的異方性弾性、例えば、少なくとも1%大きい、少なくとも20%大きい、少なくとも100%大きい、好ましくは幾つかの用途では少なくとも1000%大きい、またはさらにより好ましくは幾つかの用途では第2の方向に沿ったよりも第1の方向に沿って少なくとも10000%大きい(例えば、X、Y、Zまたは任意の方向またはベクトルの間で)弾性率を有することによって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態において、構造は、例えば、少なくとも1%大きい、少なくとも20%大きい、少なくとも100%大きい、好ましくは幾つかの用途では少なくとも1000%大きい、またはさらにより好ましくは幾つかの用途では第2の方向よりも第1の方向(例えば、X、Y、Zまたは任意の方向またはベクトルの間で)に沿って少なくとも10000%大きい減衰比などの減衰または減衰メトリックを有する決定論的異方性減衰によって特徴付けられる。例えば、本明細書に記載の任意の周波数または範囲などの特定の周波数範囲内の振動などの振動は、複合材料システムの決定論的に決定された経路またはコンポーネント、その構造、またはその三次元ジオメトリに従う。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は振動ブラッグ散乱を示し、構造は振動局所共鳴を示さない。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は振動局所共鳴を示し、構造は振動ブラッグ散乱を示さない。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、決定論的等方性衝突エネルギー吸収によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は決定論的な等方性弾性によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、決定論的等方性減衰によって特徴付けられる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、多種多様な材料、または材料の組み合わせと互換性がある。構造は、例えば、積層造形と比較して、任意の1つ以上の材料から形成され得る。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、炭素同素体材料、ポリマー、セラミック材料、金属材料、またはそれらの任意の組み合わせを含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、炭素同素体材料、ポリマー、セラミック材料、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、1つまたは複数の炭素同素体材料を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、少なくとも50体積%の1つまたは複数の炭素材料を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、1つまたは複数の炭素材料の少なくとも50体積%であるコアによって特徴付けられる複数の特徴を含む。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、ノードのないジオメトリである。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、少なくとも1つの中空特徴を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、例えば、中空トラスなど、少なくとも部分的に中空である少なくとも1つの特徴を含む。例えば、スピノーダル形状は、少なくとも1つの中空部分または特徴を含み得る。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、積層造形により形成される。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは少なくとも1つの長手方向特徴を含み、前記少なくとも1つの長手方向特徴の少なくとも一部は、前記特徴の長手方向に沿った非ゼロの曲率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは少なくとも1つの長手方向特徴を含み、前記少なくとも1つの長手方向特徴は、前記特徴の長手方向に沿った不均一な湾曲によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、特徴の長手方向に沿って不均一である少なくとも1つの断面寸法を有する少なくとも1つの長手特徴を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、不均一な断面形状を有する少なくとも1つの特徴を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、前記三次元ジオメトリは、前記構造の厚み方向に対して垂直に配向された縦軸を有する少なくとも1つの縦特徴を含む。例えば、厚み方向は、レイヤー・バイ・レイヤー積層造形において各層が沿って形成される軸に対応する。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は三次元外部境界形状を定義する。そして、前記三次元ジオメトリは、前記境界形状と1つのみまたはゼロの交差点で交差する少なくとも1つの特徴を含む。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、前記構造によって定義される三次元外部境界形状は、複合材料システムの形状に対応する。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、前記構造によって定義される三次元外部境界形状は中空である。例えば、前記構造によって規定される三次元外部境界形状は、中空管、中空円錐、中空楕円、または他の構成の形態であってよい。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、少なくともプライマリ三次元ジオメトリおよびセカンダリ三次元ジオメトリを含む全体的な三次元ジオメトリであり、前記プライマリおよびセカンダリ三次元ジオメトリは異なっている。例えば、構造は、三次元ジオメトリの構造機能傾斜を含むことができ、その結果、構造は、少なくとも2つが直接連続的かつ相互接続され、全てが直接または間接的に連続的かつ相互接続された複数のジオメトリを含む。例えば、構造は、組成的機能傾斜を含み得る。構造機能傾斜(つまり、複数の三次元ジオメトリ、つまり、三次元ジオメトリは少なくともプライマリ三次元ジオメトリとセカンダリ三次元ジオメトリとを含む)を介して、構造または複合材料システムは、衝突エネルギー吸収挙動および/または減衰挙動の機能傾斜を有することができる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、マトリックス相は、少なくともプライマリマトリックス相およびセカンダリマトリックス相とを含む。例えば、構造の第1の部分はプライマリマトリックス相によって含浸され、構造の第2の部分はセカンダリマトリックス相によって含浸されてもよい。プライマリマトリックス相とセカンダリマトリックス相とは異なっていてよい。例えば、プライマリおよびセカンダリマトリックス相は、異なる組成を有することができる。例えば、プライマリマトリックス相は、セカンダリマトリックス相とは異なるポリマーまたは樹脂であってよい。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、前記マトリックス相のない閉領域を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は前記マトリックス相内に封入される。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、前記マトリックス相の外部境界を超えて前記構造の部分が存在しないように、前記マトリックス相内に封入される。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、前記三次元ジオメトリの少なくとも一部は、四面体、ウィア−フェラン(Weaire-Phelan)形状、ハニカム形状、オーセチック形状、オクテットトラス形状、八面体、ダイヤモンド格子として特徴付けられる、3Dカゴメジオメトリ、正方ジオメトリ、立方ジオメトリ、四面体、空間充填多面体、周期極小表面ジオメトリ、三重周期極小表面ジオメトリ、スピノーダルジオメトリ、カイラルジオメトリ、またはこれらの組み合わせによって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、前記三次元ジオメトリの少なくとも一部は、前記三次元ジオメトリをビームベース、シェルベース、オープンセルベース、またはクローズドセルベースの表現で見たときに、四面体、オーセチック形状、オクテットトラス形状、八面体、ダイヤモンド格子、3Dカゴメ形状、正方晶として特徴付けられるビームで三次元ジオメトリを表示するときに、正方ジオメトリ、立方ジオメトリ、4面体、空間充填多面体、周期極小表面ジオメトリ、三重周期極小表面ジオメトリ、スピノーダルジオメトリ、カイラルジオメトリ、またはこれらの組み合わせによって特徴付けられる。本明細書で開示されるシステムおよび方法の実施形態では、前記三次元ジオメトリの少なくとも一部は、ビームまたはシェルベースのジオメトリによって特徴付けられる。ここで、前記ビームまたはシェルベースのジオメトリは対称的ではなく、周期的ではなく、または定期的にテッセレーションされない。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、特徴は、支柱、ビーム、タイ、トラス、シート、表面、球、楕円、およびシェルのうちの1つまたは複数を含む。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、100nm以内の許容範囲で独立して選択される物理的寸法を独立して有する複数の特徴によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、3μm以内の許容範囲で独立して選択される物理的寸法を独立して有する複数の特徴によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、5%〜99.9%、任意に5%〜60%、任意に0.1%〜60%、任意に0.1%〜99.9%、または任意に8%〜30%の範囲から選択される相対密度によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、8%〜60%の範囲から選択される相対密度によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、50μm以下、任意に100〜200μmの範囲から選択される少なくとも1つの物理的寸法を独立して有する複数の特徴によって特徴付けされる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは複数の特徴によって特徴付けられ、前記特徴の少なくとも一部は、独立して、50nm〜200μmの範囲から選択、好ましくは幾つかの用途で2nm〜200μm、幾つかの用途で10nm〜200μm、任意で50μm以下、任意で200nm以下、または任意で100μm〜200μmの範囲から選択された1つまたは複数の平均断面物理的寸法(例えば、厚み、幅、直径など)を有する。例えば、スピノーダルジオメトリは、実質的に10nmの厚みを有する壁またはシェルを含む実質的に中空であり得る。例えば、構造は、内径および外径を有する中空のビームまたはトラスなどの中空の特徴を含み、断面の物理的寸法は、ビームまたはトラスの厚み、または内径と外径との差、または全体の厚みまたは特徴の直径である。例えば、内径は実質的に250nmであってもよく、外径は実質的に900nmであってもよい。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、前記特徴の少なくとも一部は、10nm〜2000μmの範囲にわたって選択される1つまたは複数の平均縦物理的寸法によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリはユニットセルジオメトリによって特徴付けられ、ユニットセルは、10nm〜20μm、任意で100nm〜20μm、任意で1μm〜20μm、任意で5μm〜20μm、または任意で1μm〜200μmの範囲から選択される少なくとも1つの全体的な物理的寸法を有する。例えば、ユニットセルは、長さ、幅、および厚みが20μm、20μm、および5μmの正方ジオメトリを有することができる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムは、少なくとも1つの追加の相を含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、追加の相は、構造およびマトリックス相のないボイドまたは領域である。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造、マトリックス相、または両方は、接着促進添加剤を含む。一実施形態では、接着促進添加剤は、添加剤なしの接着に比べて、構造とマトリックス相との間の接着を促進する。添加剤は、構造の形成中に前駆体材料中に存在するなど、構造の形成中に存在してもよい。構造が少なくとも部分的に形成された後、添加剤が構造上に堆積されてもよい。添加剤は、マトリックス相での構造の含浸中に導入することができる。含浸前に、添加剤をマトリックス相またはマトリックス相前駆体に添加することができる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は弾性によって特徴付けられ、前記構造の前記弾性は決定論的である。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態において、構造は、7μm14μmの範囲から選択された直径および500m/秒〜1100m/秒の範囲から選択された速度を有するSiO粒子からの衝突によって実質的に損傷を受けない。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、構造の三次元ジオメトリを特徴付けるユニットセルの全体の寸法よりも少なくとも1桁大きい(少なくとも10倍)直径を有するSiO粒子からの衝突によって実質的に損傷を受けない。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、曲げ支配モードを有するとして特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、伸張支配モードを有するとして特徴付けられる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、0.14〜1.90GPa/g・cmの範囲から選択される平均比強度(強度対密度比)によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、0.24〜1.0g/cmの範囲から選択される平均密度によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、0.16〜18.6GPaの範囲から選択される平均ヤング率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、0.16〜440GPaの範囲から選択される平均ヤング率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は、5MPa〜20GPaの範囲から選択される圧縮強度によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は20%以上の破壊歪み値によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造は1GPa以上の破壊強度値によって特徴付けられる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、炭素同素体材料は、ガラス状カーボン、黒鉛状炭素、アモルファス炭素、熱分解炭素、黒鉛、カーボンブラック、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、炭素同素体材料は熱分解炭素を含む。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、構造はコーティングを含む。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、コーティングは、金属、セラミック、またはそれらの組み合わせを含む。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、マトリックス相は、ポリマー、エポキシ、炭素同素体、セラミック、金属、粘性流体、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の材料を含む。
一態様では、複合材料システムを作製する方法であって、前記方法は、積層造形によって構造を用意するステップであって、前記構造は、構築化三次元ジオメトリを有し、前記三次元ジオメトリはモノリシックで決定論的である、ステップと、前記構造が前記マトリックス相によって少なくとも部分的に含浸されるように、前記構造にマトリックス相を含浸させるステップであって、それにより前記複合材料系を作るステップと、を含む。幾つかの実施形態では、構造は、マトリックス相によって少なくとも1体積%、少なくとも2体積%、少なくとも5体積%、少なくとも10体積%、少なくとも15体積%、少なくとも20体積%、少なくとも30体積%、少なくとも50体積%、少なくとも75体積%、少なくとも90体積%、または好ましくは幾つかの用途では、実質的に100体積%含浸されている。幾つかの実施形態では、構造は、マトリックス相によって、少なくとも1%、少なくとも2質量%、少なくとも5質量%、少なくとも10質量%、少なくとも15質量%、少なくとも20質量%、少なくとも30質量%、少なくとも50質量%、少なくとも75質量%、少なくとも90質量%、または好ましくは幾つかの用途では、実質的に100質量%含浸されている。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、三次元ジオメトリは、ナノまたはマイクロ構築化三次元ジオメトリである。幾つかの実施形態では、方法は、コンピュータ支援設計技法を使用して前記三次元ジオメトリを設計するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、設計のステップは、計算スピノーダル分解に基づいて前記三次元ジオメトリを決定するステップを含む。幾つかの実施形態では、設計のステップは、前記構造の少なくとも1つの振動周波数バンドギャップが決定的であるように、前記構造の少なくとも1つの振動周波数バンドギャップを決定するステップを含む。幾つかの実施形態では、設計するステップは、前記構造の前記弾性が決定論的であるように、前記構造の弾性を決定するステップを含む。幾つかの実施形態では、設計するステップは、前記構造の復元係数が決定論的であるように、前記構造の復元係数を決定するステップを含む。幾つかの実施形態では、設計するステップは、前記構造の前記面積正規化衝突エネルギー緩和メトリック(Ψ)が決定的であるように、前記構造の面積正規化衝突エネルギー緩和メトリック(Ψ)を決定するステップを含む。幾つかの実施形態では、積層造形プロセスは、デジタル光処理(DLP)技術、連続的な液体界面製造技術、マイクロステレオリソグラフィー(μ−SLA)技術。2光子重合リソグラフィー技術。干渉リソグラフィー技術。ホログラフィックリソグラフィー技術、誘導放出減損(STED)リソグラフィー技術他のバット光重合技術、材料押出技術、粉末床融合技術、材料噴射技術、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、積層造形プロセスは、三次元リソグラフィー技術である。幾つかの実施形態では、前記構造を準備するステップは、三次元フレームワークを形成するステップを含む。前記準備するステップは、前記三次元フレームワークを処理して前記構造を準備するステップをさらに含む。方法は、熱分解プロセスを含む。幾つかの実施形態では、方法は、前記構造にコーティングを塗布するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、方法は、前記構造が少なくとも1つの中空機構を含み、少なくとも1つの中空機構の少なくとも一部が前記コーティングを含むように、前記構造の一部をエッチングするステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、含浸するステップは、超音波処理、真空曝露、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるプロセスを含む。幾つかの実施形態では、方法は、前記複合材料システムを後処理するステップをさらに含み、後処理の前記ステップは、硬化プロセスを含む。幾つかの実施形態では、準備するステップは、樹脂、金属、セラミック、ポリマー、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される前駆体材料を選択するステップを含む。幾つかの実施形態では、準備するステップは、有機樹脂、ハイブリッド有機無機樹脂、金属、金属合金、セラミック、ポリマー、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される前駆体材料を選択するステップを含む。有用な有機樹脂には、アクリルベース、チオールベース、ポリウレタンベース、およびエポキシベースの樹脂が含まれるが、これらに限定されない。有用なハイブリッド有機無機樹脂には、シロキサンおよび金属アルコキシド由来の前駆体、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2018/0088462号に記載されているものが含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、前駆体材料は添加剤をさらに含む。有用な添加剤には、金属および/またはセラミック粒子(例えば、ナノ粒子)、他の無機および/または有機添加剤、樹脂と単一相を形成する無機および/または有機材料の溶液、または懸濁液、樹脂、無機粒子、無機繊維、有機バインダー、ポリマー粉末、金属粉末、セラミック粉末、金属ワイヤー(例、マイクロワイヤーまたはナノワイヤー)、金属塩溶液、金属イオン溶液、およびこれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例えば、押出技術用の前駆体は、無機粒子、繊維などを含む添加剤と共に、熱可塑性ポリマーおよび低融点金属を含み得る。例えば、粉末床ベースの技術の材料供給原料は、金属、セラミック、およびポリマー粉末を含み得る。例えば、バインダージェットベースの技術の使用のための前駆体は、有機バインダーと組み合わせたこれらの粉末を含み得る。例えば、直接エネルギー堆積技術のための前駆体は、金属粉末および金属ワイヤーを含み得る。追加の例として、積層造形技術の他の原料/前駆体材料には、直接インク書き込みおよび電気流体力学印刷用の金属およびセラミックナノ粒子インク、積層ベースプロセス用の金属およびポリマーシート、電気めっきベースおよび光還元用の金属塩または金属イオン溶液、集束ビームに基づく方法(FEBID / FIBID)の前駆体ガス、およびレーザー誘起の前方移動および電磁流体力学的印刷用の溶融金属の液滴が含まれる。
幾つかの実施形態では、熱分解プロセスは、500℃〜3000℃の範囲から選択された温度範囲にわたって、1時間〜336時間の範囲から選択された期間にわたって行われる。幾つかの実施形態では、熱分解プロセスは、500℃〜900℃、任意で500〜1300℃の範囲から選択される温度範囲にわたって行われる。構造は、熱分解の間、任意選択で、真空および/または不活性ガス、または酸素および水蒸気を実質的に欠く任意の雰囲気に曝される。幾つかの実施形態では、熱分解プロセスは、15%〜80%の範囲から選択される前記構造への前記三次元フレームワークの等方性収縮を提供する。
幾つかの実施形態では、方法は、前記構造に外部刺激を加えて、前記構造の少なくとも1つの振動周波数バンドギャップを変化させるステップをさらに含む。
幾つかの実施形態では、方法は、テンプレートをエッチングするステップを含まない。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムは、好ましくは1000kg/m以下、幾つかの用途に対して1500kg/m以下、1200kg/m以下、より好ましくは幾つかの用途について1000kg/m未満、より好ましくは幾つかの用途について900kg/m以下、より好ましくは幾つかの用途について500kg/m以下、より好ましくは幾つかの用途について300kg/m以下、より好ましくは幾つかの用途について150kg/m以下、またはさらにより好ましくは幾つかの用途について100kg/m以下の密度を有する。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムは、100kg/m〜1500kg/m、100kg/m〜1000kg/m未満の範囲、またはその間の任意の部分範囲から選択される密度を有する。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムまたは構造は、少なくとも100MPa、任意に幾つかの用途について少なくとも495MPa、好ましくは幾つかの用途について少なくとも660MPa、より好ましくは幾つかの用途について少なくとも1000MPa、さらにより好ましくは幾つかの用途について少なくとも1.82GPa、またはさらにより好ましくは幾つかの用途について少なくとも2.2GPaのヤング率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムまたは構造は、100MPa〜5GPaの範囲、またはその間の任意の部分範囲から選択されるヤング率によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムまたは構造は、少なくとも5MPa、好ましくは幾つかの用途では少なくとも8MPa、好ましくは幾つかの用途では少なくとも11MPa、より好ましくは幾つかの用途では少なくとも15MPa、より好ましくは幾つかの用途では少なくとも25MPa、さらにより好ましくは幾つかの用途では少なくとも60MPa、またはさらにより好ましくは幾つかの用途では少なくとも100MPaの降伏強度によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムまたは構造は、5MPa〜100MPaの範囲、またはその間の任意の部分範囲から選択される降伏強度によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムまたは構造は、0.1から少なくとも0.5の範囲から選択される歪み(ε)で壊滅的な破損を示さないことを特徴とする。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムまたは構造は、少なくとも70MPaまたは任意で70〜500MPaの範囲から選択される流動応力によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムまたは構造は、少なくとも10MPa、好ましくは幾つかの用途では少なくとも20MPa、または好ましくは幾つかの用途では10MPa〜100MPaの範囲またはこれらの間の任意のサブレンジから選択される曲げ強度によって特徴付けられる。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、複合材料システムまたは構造は、少なくとも1GPa、好ましくは幾つかの用途では少なくとも1.4GPa、好ましくは幾つかの用途では少なくとも2GPa、好ましくは幾つかの用途では少なくとも3.3GPa、好ましくは幾つかの用途で少なくとも3.9GPa、好ましくは幾つかの用途では少なくとも5GPa、またはより好ましくは幾つかの用途では100MPa〜10GPaの範囲またはこれらの間の任意のサブレンジから選択された曲げ弾性率によって特徴付けられる。
また、本明細書に開示される複合材料システムおよび方法の実施形態のいずれか1つまたは任意の組み合わせを有する複合材料システムも本明細書に開示される。また、本明細書に開示される複合材料システムおよび方法の実施形態のいずれか1つまたは任意の組み合わせを有する材料システムを作製する方法も本明細書に開示される。
特定の理論に拘束されることを望むことなく、本明細書に開示されるデバイスおよび方法に関する根本的な原理の信念または理解について本明細書で議論することができる。機構的説明または仮説の最終的な正確さに関係なく、本発明の実施形態は、それでもなお、有効かつ有用であり得ることが認識される。
任意の連続相を有する複合材料を製造する方法のフローチャートである。 任意のジオメトリを有する連続三次元相を有する複合材料の実施形態であり、単一のトラス要素における変化する断面である。 任意のジオメトリを有する連続三次元相を有する複合材料の実施形態であり、非ゼロの曲率および水平のトラス要素である。 シェルまたは表面形状の連続三次元相を有し、1以上のマトリックス相を有する複合材料の実施形態である。 前の実施形態で説明された複合材料で作製されたモジュール式三次元構造要素の実施形態である。強化段階では成形プロセスは必要なく、ジオメトリは事前に定義される。 前の実施形態で説明された複合材料で作られた構造要素の実施形態であり、面内および厚み方向のジオメトリが機能的に傾斜している。得られた部材には、連続三次元相を有する。 前の実施形態で説明された複合材料で作られた構造要素の実施形態であり、面内および厚み方向のジオメトリが機能的に傾斜している。得られた部材には、連続三次元相を有する。 共振器が振動を散逸させ、材料に減衰を提供するように設計された相マイクロアーキテクチャーの実施形態である。得られた部材には、連続三次元相を有する。 任意のジオメトリを有する連続三次元相を備えた複合材料のサンプルの実施に限定された実施形態であり、DLP3D印刷および対応する顕微鏡写真を介して前駆体樹脂から製造された構造要素である。 任意のジオメトリを有する連続三次元相を備えた複合材料のサンプルの実施に限定された実施形態であり、熱分解後の炭素の三次元連続強化相および対応する顕微鏡写真である。 任意のジオメトリを有する連続三次元相を備えた複合材料のサンプルの実施に限定された実施形態であり、連続三次元相とエポキシマトリックス相とを備えた複合構造要素である。 積層造形による任意の形状の連続強化相の製造プロセスを示す図である。 三次元ジオメトリを有する構造またはその単位格子、すなわち四面体の模式図である。 三次元ジオメトリを有する構造またはその単位格子、すなわちマトリックス相によって含浸された図9Aの構造を有する複合材料システムの模式図である。 高分子オクテット格子であり、ばね構造のベッドに吊るされた完全格子の顕微鏡写真である。 高分子オクテット格子であり、5μmのオクテットのユニットセルを示す拡大図である。 熱分解炭素格子であり、26%の相対密度のオクテット格子である。 熱分解炭素格子であり、サブミクロンのユニットセルを示す拡大図である。26%の相対密度のオクテット格子である。 熱分解炭素格子であり、相対密度が17%の四面十二面体格子である。 熱分解炭素格子であり、最終的な四面十二面体のジオメトリの拡大図である。 相対密度27%のオクテット格子に対する7μmのSiOビーズの影響を示す図である。衝突前の初期フレームにおける衝突子および格子の両方が赤で強調表示されている。後続のフレームは、格子からの衝突子の跳ね返りを明らかにしており、小さな破片が排出されている。衝突速度および跳ね返り速度は、それぞれ1060および560m/秒だった。 格子を基板により良好に接着するためのPMMAレジストコーティングであり、初期炭素格子を示している。 格子を基板により良好に接着するためのPMMAレジストコーティングであり、サブミクロンのPMMAコーティングを施した炭素格子を示している。 格子を基板により良好に接着するためのPMMAレジストコーティングであり、衝突部位とわずかな永久変形を示す衝突後の焦点顕微鏡画像。 図14Aは、格子材料を通る平面波としての衝突の近似を示しており、厚みxlatの格子および厚みxの基板を通過する平面波を示す図である。図14Bは、格子材料を通る平面波としての衝突の近似を示しており、相対密度60%の最悪の場合の炭素オクテット格子の弾性平面波のx−t図であり、(平均)4nsの衝突時間は、弾性波が基板に到達して発射物に反射するのに十分ではないことを示している。 浮遊サンプル製造プロセスを示しており、元のSi基板をパターン化およびエッチングして、高さ約50μmの支柱を作製した。 浮遊サンプル製造プロセスを示しており、熱分解されたままのサンプルを基板につなぎ留めたナノワイヤーを示している。 浮遊サンプル製造プロセスを示しており、解放されたサンプルは、ナノマニピュレーターによって取得された。 浮遊サンプル製造プロセスを示しており、サンプルは、Pt接着剤を使用して支柱に固定された。 浮遊サンプル衝突実験を示しており、同じ反発挙動が観察されたが、厚み方向の完全な貫通や壊滅的なサンプルの破損はなかった。 衝突実験のまとめを示している。衝突エネルギーmv と跳ね返り係数v/vとの間の傾向を観察できる。異なるアーキテクチャ間で大きな違いは見られないが、相対密度の低いサンプルでは反発力の低下が見られた。浮遊サンプル実験は黄色で表示され、PMMAコーティングされた実験は青色で表示されている。 関心正方ユニットセルを示しており、水平方向に楕円形の断面ビーム、垂直方向に円形のビームを有する未変更の正方ユニットセルを示している。 関心正方ユニットセルを示しており、わずかに座屈したジオメトリを示している。 関心正方ユニットセルを示しており、水平方向に楕円形の断面ビーム、垂直方向に円形のビームを有する未変更の正方ユニットセルを示している。 関心正方ユニットセルを示しており、図18Aにおけるユニットセルの上面図である。 関心正方ユニットセルを示しており、図18Bにおけるユニットセルの上面図である。 関心正方ユニットセルを示しており、図18Cにおけるユニットセルの上面図である。 図19Aは、正方ユニットセルの分散関係を示しており、未変更のユニットセルについて示している。図19Bは、正方ユニットセルの分散関係を示しており、わずかに座屈したユニットセルについて示している。図19Cは、正方ユニットセルの分散関係を示しており、完全に座屈したユニットセルについて示している。図19Dは、逆空間の既約ブリルアンゾーンを示しており、部分的なバンドギャップは緑色で網掛けされている。 補助ユニットセルを示しており、未変更のユニットセルを示している。 補助ユニットセルを示しており、追加された共振器を備えたユニットセルを示している。 図21Aは、オーセチックユニットの分散関係を示しており、バンドギャップのない未変更のユニットセルについて示している。図21Bは、オーセチックユニットの分散関係を示しており、共振器を備えたユニットセルについて示しており、バンドギャップの出現を示している。 図22Aは、オーダーメイドの超音波セットアップを示しており、1つのトランスデューサが対象の材料を介して信号を駆動し、別のトランスデューサが送信された信号をピックアップする伝送実験の画像を示している。図22Bは、オーダーメイドの超音波セットアップを示しており、真空チャンバーの写真およびトランスデューサの配置を示している。図22Cは、オーダーメイドの超音波セットアップを示しており、検証目的でトランスデューサ間にゴム製のパックを有する真空中でのセットアップのCCD画像である。 図23Aは、周波数掃引実験を示しており、未変更のユニットセルを示している。図23Bは、周波数掃引実験を示しており、共振器を備えたユニットセルを示している。図23Cは、周波数掃引実験を示しており、周波数掃引送信信号の振幅を示している。2.4MHz程度を中心とするバンドギャップが見つかり、灰色で強調表示されている。図23Dは、周波数掃引実験を示しており、接触のないサンプルの拡大図である。図23Eは、周波数掃引実験を示しており、トランスデューサの接触によりわずかに歪んだサンプルの拡大図である。 図24Aは、チャープ送信実験を示しており、1〜3MHzを含む入力チャープ信号を示している。図24Bは、チャープ送信実験を示しており、ゴムパックを介した送信信号のFFTであり、チャープの周波数成分を確認した。図24Cは、チャープ送信実験を示しており、共振器を含むサンプルを介した送信信号のFFTであり、掃引実験と同じ、中心は約2.4MHzのバンドギャップを示している。 幾つかのサンプルの微細構造の弾性表面を示しており、z軸と整列した硬い方向を示す柱状構造を示している。 x、yおよびz軸と整列した優先方向を示す立方体構造である。 x軸、y軸およびz軸に沿って剛性の大きさが数桁異なることを示すラメラ構造である。 準等方性構造である。 相対密度の関数としての剛性スケーリングを示しており、スピノーダル構造は、絶対係数が高く、より望ましい、より低いスケーリング指数を有している。 図27Aは、支柱構造に関する曲率確率分布である。図27Bは、ノードに0.5rおよびrのフィレットを有するオクテットトラスの曲率確率分布であり、ここでrはチューブの半径である。オクテット構造の絶対曲率は、スピノーダル構造の曲率よりも大幅に高い。 ナノ/マイクロスケールのシェルベースのスピノーダル構造であり、2光子リソグラフィーによって作製されたポリマー構造である。 ナノ/マイクロスケールのシェルベースのスピノーダル構造であり、FIBミリング後にコーティングされた構造であり、再びポリマーを露出する。 ナノ/マイクロスケールのシェルベースのスピノーダル構造であり、ポリマーの内部をエッチングした後のシェルベースのスピノーダル構造である。 マクロスケールでのシェルベースのスピノーダル構造であり、ポリマー柱状スピノーダル構造である。 マクロスケールでのシェルベースのスピノーダル構造であり、図29Aの上面図である。 マクロスケールでのシェルベースのスピノーダル構造であり、得られた炭素強化相である。 マクロスケールでのシェルベースのスピノーダル構造であり、図29Cの上面図である。 ブラストインパクト試験用の構築化プレートであり、ポリマー前駆体プレートおよび得られた熱分解プレートである。 ブラストインパクト試験用の構築化プレートであり、オクテット炭素構造の顕微鏡写真である。 ブラストインパクト試験用の構築化プレートであり、四面十二面体構造の顕微鏡写真である。 強化相の例の立方体であり、ポリマーオクテット立方体である。 強化相の例の立方体であり、図31Aからの熱分解炭素オクテット立方体である。 強化相の例の立方体であり、熱分解炭素3Dカゴメビームである。 図31Aの拡大図である。 図31Bの拡大図である。 図31Cの拡大図である。 管状構築化コンポーネントであり、四面十二面体構造を有するポリマー管である。 図32Aの上面図である。 図32Bの拡大図である。 含浸前の四十面体構造を有する熱分解炭素管である。 図32Dの拡大図である。 図32Dの拡大図である。 図33Aは、熱分解炭素マイクロピラーの製造および微細構造の特性化を示しており、製造プロセスの概略図である。このプロセスは、IP−Dipポリマー樹脂からの円柱状ピラーのTPLDLWと、それに続く900℃の真空下での熱分解と、を含む。図33Bは、熱分解前の代表的なマイクロピラーのSEM画像である。図33Cは、熱分解後の代表的なマイクロピラーのSEM画像であり、かなりの体積収縮を示している。図33Dは、熱分解炭素の明視野TEM画像である。挿入図の回折パターンは、アモルファス構造を示している。図33Eは、図33Dの実線の四角で輪郭が描かれた2つの領域のHRTEM画像である。幾つかのサブナノメートルサイズのボイド(赤い矢印で示される)の存在を示している。図33Fは、図33Dの実線の四角で輪郭が描かれた2つの領域のHRTEM画像である。幾つかのサブナノメートルサイズのボイド(赤い矢印で示される)の存在を示している。図33Gは、熱分解炭素マイクロピラーのラマンスペクトルである。エネルギー1359cm−1および1595cm−1での典型的なGおよびDバンドは、sp混成を示している。図33Hは、熱分解炭素のEELSであり、緑および紫の網掛け部分は、炭素の1s−πピークおよび1s−σピークにそれぞれ対応している。データの定量分析は、熱分解炭素が約96.55%のsp結合を含むことを示している。 図34Aは、熱分解炭素マイクロピラーの一軸圧縮および引張実験を示しており、直径が4.6〜12.7μmの熱分解炭素ピラーの圧縮応力−歪みデータである。これらのマイクロピラーは全て、最大20〜30%程度の歪みまで弾性変形し、破損前にわずかな塑性歪み(8〜10%程度)を示した。破線は線形部分の傾きを示している。図34Bは、図34Aに記載された典型的な熱分解炭素マイクロピラーの圧縮前後のSEM画像であり、複数のフラグメントによって脆性破壊の発生を示している。図34Cは、2.25μm径の熱分解炭素ピラーのその場変形からの代表的な応力−歪みデータセットを示しており、最大33.6%歪みまでの大幅な塑性変形が発生した。挿入図は、圧縮前のマイクロピラーのSEM画像を示している。その場変形中に取得された一連のスナップショットがプロット上に表示されており、番号付きフレームは応力−歪み曲線の同じ番号の赤い矢印に対応している。応力−歪みデータの右側のSEM画像は、圧縮されたマイクロピラーの正面図と背面図である。分裂亀裂の核形成および伝播は、応力−歪み曲線の青い矢印で示される歪みバーストに対応する。図34Dは、ゲージ径が0.7〜2.0μmの熱分解炭素犬の骨形状のサンプルの引張応力歪みデータである。図34Eは、実験前後の典型的な引張試験片のSEM画像である。図34Fは、引張破壊強度の統計分布である。 図35Aは、熱分解炭素マイクロピラーの直径による強度の変化および超大弾性限界を示しており、マイクロピラーの直径の増加に伴う圧縮強度の変化を示している。図において、青い破線は2.3μm未満の直径を有するマイクロピラーの圧縮強度の平均を表している。図35Bは、最大圧縮歪みが23%程度での1.28μmの直径を有する変形可能なピラーの20サイクルの力−変位曲線であり、最初のサイクルを除く全てのサイクルでほぼ完全な回復を示している。SEM画像は、20回の荷重サイクルからの変形前と変形後のピラーを示している。 図36Aは、熱分解炭素ナノピラーの一軸圧縮および引張の原子シミュレーションを示しており、直径20nmのシミュレートされたサンプルの原子構成と断面モーフォロジーである。図36Bは、熱分解炭素ナノピラーの圧縮応力−歪み曲線である。図36Cは、熱分解炭素ナノピラーの引張応力−歪み曲線である。図36Dは、異なる圧縮歪みで変形したピラーのスナップショットである。フォンミーゼス原子歪みに応じて色分けされている。図36Eは、異なる圧縮歪みで変形したピラーのスナップショットである。フォンミーゼス原子歪みに応じて色分けされている。図36Fは、異なる圧縮歪みで変形したピラーのスナップショットである。フォンミーゼス原子歪みに応じて色分けされている。図36Gは、異なる圧縮歪みで変形したピラーのスナップショットである。フォンミーゼス原子歪みに応じて色分けされている。図36Hは、異なる引張歪みで変形したピラーのスナップショットである。フォンミーゼス原子歪みに応じて色分けされている。図36Iは、異なる引張歪みで変形したピラーのスナップショットである。フォンミーゼス原子歪みに応じて色分けされている。図36Jは、異なる引張歪みで変形したピラーのスナップショットである。フォンミーゼス原子歪みに応じて色分けされている。 図37Aは、熱分解炭素マイクロピラーの超高強度/比強度および大きな変形能の組み合わせの概要を示しており、熱分解炭素マイクロピラーを含む様々な構造材料の強度対密度のアシュビーチャートである。図37Bは、我々の熱分解炭素マイクロピラーと他の構造材料との間の引張比強度および圧縮比強度の比較を示す図である。図37Cは、熱分解炭素マイクロピラーおよびその他の構造材料の比強度と破壊歪みのまとめである。我々の熱分解炭素の比強度と変形性との優れた組み合わせは、他のほとんど全ての材料のそれを超えている。 10nmの直径および密度が異なる密度でシミュレーションされたナノピラーの圧縮応力−歪み曲線である。 関連技術および本発明の特定の実施形態からの材料または構造に対応するヤング率(GPa)対密度(g/cm)のプロットである。 炭素同素体材料で形成されたナノピラーの原子配置に対応する画像である。 炭素同素体材料で形成されたナノピラーの原子配置に対応する画像である。 炭素同素体材料で形成されたナノピラーの原子配置に対応する画像である。 炭素同素体材料で形成されたナノピラーの原子配置に対応する画像である。 炭素同素体材料で形成されたナノピラーの原子配置に対応する画像である。図40A〜40Eに示されているナノピラーの直径は10nm、密度は1.0〜1.8g/cmである。sp炭素、sp炭素、およびsp炭素の存在が特定されている。 密度の推定モデルおよび最近の文献で報告された熱分解炭素の密度の比較である。aおよびbは熱分解炭素中の湾曲したグラフェン層の充填構造の図であり、Lは湾曲したグラフェン層のサイズ、Lは隣接する層間の層間距離を表している。cは2つのグラフェン層で構成される典型的なオープン構造のユニットセルである。dはULSの比率L/Lの関数としての熱分解炭素の密度(ρPC)である。実線の曲線は、式(1)に基づく予測から得られ、破線の曲線は文献26から得られた。現在の拡張モデルは、熱分解炭素マイクロピラーの密度が1.0〜1.8g/cmであると予測している。 残留リングのない熱分解マイクロピラーのその場圧縮実験を示している。a、bおよびcは、残留リングのない熱分解炭素ピラーのその場圧縮試験のスナップショットであり、cでは、分裂亀裂が核となり、高い圧縮応力下で急速に伝播して、マイクロピラーの壊滅的な破壊に至った。dは対応する圧縮応力−歪み曲線である。 熱分解炭素マイクロピラーの圧縮に対する残留炭素環の影響を示している。a、bおよびcは、リングが残っている熱分解炭素ピラーのその場圧縮試験のスナップショットである。dは、対応する圧縮応力−歪み曲線であり、「b」でマークされたわずかなバーストは、高い応力集中によるリングのエッジの膨らみに対応している。「c」でマークされた大きな歪みバーストは、ピラーの劈開およびリングの剥離を表している。 原子論的シミュレーションに使用される熱分解炭素ピラーの結合構造を示している。sp結合は、spおよびsp結合よりはるかに遍在している。sp結合は、主に湾曲したグラフェン層の端に局在している。sp結合は、大抵、隣接するグラフェン層を相互に接続するか、グラフェン層の高エネルギー曲面で形成されている。 一軸張力下の熱分解炭素ナノピラーの破壊メカニズムを説明する図であり、56.3〜60.5%の歪みでの伸長したナノピラーのスナップショットである。ナノスケールのキャビティ(オレンジ色の矢印で示される)は、伸張中に核形成および成長し、その後、互いに融合して、ナノスケールのクラックが形成された。 61.0〜61.8%の歪みで伸びたナノピラーのスナップショットである。引張歪みが増加すると、ナノスケールの亀裂が引張方向に垂直な方向に沿って伝播し、滑らかな破面が得られる。図45Aおよび45Bにおける全ての原子は原子フォンミーゼス歪みで色分けされている。 熱分解炭素ピラーの引張強度に対する初期欠陥の影響を示す図である。aおよびbは、それぞれ4nmおよび8nmの長さの初期クラックを含むシミュレーションされたサンプルの原子構成であり、全ての初期クラックは白いフレークで示されている。cおよびdは、長さがそれぞれ4nmおよび8nmの初期クラックのあるピラーの一連のスナップショットである。両方のナノピラーの破壊は、常に既存のナノクラックの成長と拡大から始まった。破壊後のサンプルはどちらも滑らかな破面を有し、これは脆性破壊モードを示している。cおよびdにおける全ての原子は、原子フォンミーゼスひずみによって色分けされている。 熱分解炭素マイクロピラーおよびその他の構造材料の強度および破壊歪みのまとめプロットである。 図48Aは、熱分解炭素ナノ格子の作製および微細構造の特性化を示しており、熱分解炭素ナノ格子の製造プロセスの概略図である。図48Bは、オクテットトラスのユニットセルのCAD表現である。図48Cは、d=435nmの支柱の直径を有するオクテットナノ格子のSEM画像である。図48Dは、アイソトラスのユニットセルのCAD表現である。図48Eは、d=460nmの垂直支柱の直径およびd=523nmの傾いたストラット直径を有するアイソトラスナノ格子のSEM画像である。図48Fは、ナノ格子から抽出された熱分解炭素のHRTEM画像であり、熱分解炭素のアモルファス性を示している。 図49Aは、熱分解炭素ナノ格子のその場一軸圧縮実験を示しており、その場圧縮から得られた異なる相対密度を有する熱分解炭素オクテットトラスナノ格子の機械的応答を示している。図49Bは、その場圧縮から得られた異なる相対密度を有する熱分解炭素アイソトラスナノ格子の機械的応答を示している。図49Cは、d=382nmの圧縮前のオクテットトラスナノ格子のSEM画像である。図において、製造プロセスによって引き起こされた初期の検出可能な構造上の欠陥が囲まれている。図49Dは、d=382nmの圧縮後のオクテットトラスナノ格子のSEM画像である。図49Eは、d=538nmおよびd=612nmの圧縮前のアイソトラスナノ格子のSEM画像である。図において、製造プロセスによって引き起こされた初期の検出可能な構造上の欠陥が囲まれている。図49Fは、d=538nmおよびd=612nmの圧縮後のアイソトラスナノ格子のSEM画像である。 熱分解炭素ナノ格子の機械的性質対密度マップであり、対数スケールで密度に対してプロットされた熱分解炭素ナノ格子のヤング率を示している。 対数スケールで密度に対してプロットされた熱分解炭素ナノ格子の圧縮強度を示している。図50Aおよび50Bのチャートには、比較のために、アルミナ中空ナノ格子(文献11)エアロゲルマイクロ格子(文献23)、ガラス状カーボンナノ格子(文献24)、セル状カーボン微細構造(文献25)、SiOCマイクロ格子(文献26)などのこれまでに報告された幾つかのマイクロおよびナノ構築化材料が含まれている。 異なるユニットセルを使用した熱分解炭素ナノ格子の一軸圧縮の有限要素シミュレーションを示しており、支柱に初期たわみを課すことによって導入された既存の欠陥を含むオクテットラスのナノ格子のシミュレーションされた構成を示している。挿入図は、支柱の初期たわみを含む局所構造の拡大図を示している。 支柱に初期たわみを課すことによって導入された既存の欠陥を含むアイソトラスのナノ格子のシミュレーションされた構成を示している。挿入図は、支柱の初期たわみを含む局所構造の拡大図を示している。 支柱に初期たわみを課すことによって導入された既存の欠陥を含む四面体トラスのナノ格子のシミュレーションされた構成を示している。挿入図は、支柱の初期たわみを含む局所構造の拡大図を示している。 オクテットトラスナノ格子の圧縮応力−歪み曲線である。 アイソトラスナノ格子の圧縮応力−歪み曲線である。 四面体トラスナノ格子の圧縮応力−歪み曲線である。 我々の熱分解炭素ナノ格子と、これまでに報告された他のマイクロおよびナノ格子との比強度の比較を示している。 図53Aは、ポリマーナノ格子のその場圧縮試験を示しており、d=1.12μmのオクテットトラスナノ格子の圧縮応力−歪み曲線である。図53Bは、様々な圧縮歪みの下での変形オクテットトラスナノ格子のSEMスナップショットである。図53Cは、様々な圧縮歪みの下での変形オクテットトラスナノ格子のSEMスナップショットである。円で囲まれた領域は、圧縮中のストラットの座屈を示している。図53Dは、様々な圧縮歪みの下での変形オクテットトラスナノ格子のSEMスナップショットである。図53Eは、d=1.30μm、d=1.49μmのアイソトラスナノ格子の圧縮応力−歪み曲線である。図53Fは、様々な圧縮歪みの下での変形アイソトラスナノ格子のSEMスナップショットである。図53Gは、様々な圧縮歪みの下での変形アイソトラスナノ格子のSEMスナップショットである。円で囲まれた領域は、圧縮中のストラットの座屈を示している。図53Hは、様々な圧縮歪みの下での変形アイソトラスナノ格子のSEMスナップショットである。 図54Aは、ヤング率対熱分解炭素ナノ格子の密度を示しており、対数スケールでのオクテットおよびアイソトラス熱分解炭素ナノ格子のヤング率対密度である。スケーリングべき乗則の勾配が各アーキテクチャに示されている。エラーバーは、同等の密度を有するサンプルの幾つかのデータの平均値からの標準偏差を表している。図54Bは、圧縮強度対熱分解炭素ナノ格子の密度を示しており、対数スケールでのオクテットおよびアイソトラス熱分解炭素ナノ格子の圧縮強度対密度である。スケーリングべき乗則の勾配が各アーキテクチャに示されている。エラーバーは、同等の密度を有するサンプルの幾つかのデータの平均値からの標準偏差を表している。 初期たわみを伴うナノ格子の初期たわみの範囲の関数としての強度の相対的減少を示す図である。 図56Aは、有限要素モデリングと実験結果との比較を示しており、有限要素モデリングおよび実験からのヤング率対相対密度である。有限要素モデリングからの相対密度に対するナノ格子のヤング率の依存性は、実験的測定からの依存性と一致している。図56Bは、有限要素モデリングと実験結果との比較を示しており、有限要素モデリングおよび実験からの強度対相対密度である。有限要素モデリングからの相対密度に対するナノ格子の強度の依存性は、実験的測定からの依存性と一致している。 図57Aは、3D構築化炭素構造であり、断面SEM画像および断面のエネルギー分散分光法(EDS)スペクトルである。スケールバーは5μmである。図57Bは、実験によるラマンスペクトルデータ(・)であり、各バンドのフィッティング曲線(点線)、およびこれらのピークの線形結合(赤い線)である。図57Cは、X線回折(XRD)パターンである。図57Dは、透過型電子顕微鏡(TEM)高解像度画像および回折パターン(入口)である。スケールバーは5nmである。 図58Aは、断面のEDSのライン分析である。図58Bは、XRD分析に使用される3D構築化炭素構造から粉砕された粒子である。 図59Aは、圧縮の代表的な応力−歪み曲線であり、ローマ数字は、図59Bに示す個別の事象に対応している。図59Bは、赤い点線の円で示されている局所破壊での圧縮された3D構築化炭素構造の写真画像である。Iは初期接触時の画像、II−a、b、cは赤線中に示されている部分的な局所崩壊時の画像、IIIは第2の応力解放前の画像、IVは赤線によって示された部分層崩壊時の画像、Vは第3の応力解放前の画像、VIは半層崩壊時の画像である。基板および上部ロードセルがグレー表示されている。 3D構築化炭素構造の5つのサンプルの応力−歪み曲線である。 本発明の特定の実施形態による、ノードのないジオメトリを有する構築化三次元構造を示す画像であり、追加の例示的なノードのないジオメトリは、アブイダらに見られ(「三重に周期的な最小表面を備えた新規フォームの有効導電率および弾性係数」、Mechanics of Materials、vol. 95、2016年4月、102〜115ページ)、これは参照により本明細書に組み込まれる。 本発明の特定の実施形態による、ノードのないジオメトリを有する構築化三次元構造を示す画像である。 シェルベースのスピノーダル強化相の含浸を示している。 四面十二面体チューブ構造を有する強化相の含浸を示している。 オクテット立方体構造を有する強化相の含浸を示している。 図62Aに示した強化相からのエポキシ含浸複合材料である。 図62Bに示した強化相からのエポキシ含浸複合材料である。 図62Cに示した強化相からのエポキシ含浸複合材料である。 図63Aは、圧縮におけるオクテット炭素素材であり、圧縮前のサンプルである。図63Bは、壊滅的な事象の後に破壊したサンプルである。図63Cは、試験済みサンプルの最終ジオメトリであり、破面を示している。図63Dは、2つの同一サンプルの応力−歪み応答である。 図64Aは、圧縮されたオクテット炭素エポキシ材料を示しており、圧縮前のサンプルである。図64Bは、s=0.5後のサンプルを高密度化サンプルである。図64Cは、サンプルの応力−歪み応答である。 図65Aは、炭素オクテット素材の4点曲げについて説明する図であり、実験前のサンプルである。図65Bは、壊滅的破壊事象後のサンプルである。図65Cは、最終サンプルのモーフォロジーである。図65Dは、得られた応力−歪み応答であり、材料の最も外側のエッジに対応している。 図66Aは、エポキシ含浸炭素オクテット材料の4点曲げについて説明する図であり、実験前のサンプルである。図66Bは、最高の曲げ荷重でのサンプルである。図66Cは、目に見える損傷を示さない除荷後のサンプルのモーフォロジーである。図66Dは、得られた応力−歪み応答であり、材料の最も外側のエッジに対応している。
一般に、本明細書で使用される用語および語句は、それらの技術的に認識された意味を有し、当業者に既知の標準的なテキスト、文献および文脈を参照することにより見つけることができる。以下の定義は、本発明の文脈におけるそれらの特定の使用を明確にするために提供される。
「モノリシック」という用語は、単一の相互接続された連続的な要素であるシステム、構造、形状、または他の要素を指す。一実施形態では、モノリシック要素は、接合部または継目がない材料で形成または構成される。一実施形態では、「相互接続」という用語は、システム、構造、形状、または他の要素を指し、その各第1の部分または第1の特徴は、(i)システム、構造、ジオメトリ、または他の要素の第2の部分または第2の特徴に直接接続されている、または(ii)システム、構造、ジオメトリ、または他の要素の第2の部分または第2の特徴に、システム、構造、ジオメトリ、または他の要素の第3の部分または第3の特徴を介して間接的に接続されている。一実施形態では、相互接続されたシステム、構造、ジオメトリ、または他の要素の部分または特徴は、システム、構造、ジオメトリ、または他の要素の残りから完全に分離されていない。一実施形態では、「連続」という用語は、システム、構造、ジオメトリ、または他の要素を指し、その各第1の部分または特徴が、システム、構造、ジオメトリ、またはその他の要素の第2の部分または特徴に、直接的または間接的に結合され、融合され、または同一の中断されていない相に属する。一実施形態では、単に表面的な接触(コンタクト、例えば、タッチ)によって接続されているが、さもなければ互いに分離されている2つの特徴は、連続的ではない。一実施形態では、単に接触しているか、または一緒に織られている、繊維または粒子などの2つの別個の特徴は、相互接続され得るが、互いに連続的ではない。一実施形態では、それぞれが繊維または粒子などの別の特徴と単に接触または織り合わされる、繊維または粒子などの複数の特徴からなる構造またはジオメトリは、相互接続された構造またはジオメトリであり得るが、連続した構造やジオメトリではない。
「決定論的」という用語は、既知の少なくとも1つの特徴および/または少なくとも1つの特性(例えば、振動周波数バンドギャップ)によって特徴付けられる、および/または決定値または所望値の20%、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内、またはより好ましくは0.1%以内に制御されているシステム、構造、形状または他の要素を指す。一実施形態では、決定論的ジオメトリは、前記構造の形成前または形成中に、決定値または所望値の20%、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内、またはより好ましくは0.1%以内に予め決定される少なくとも1つの物理的寸法をそれぞれ独立に有する1つ以上の特徴によって特徴付けられる。例えば、構造の決定論的に構築された三次元ジオメトリは、トラスなどの複数の特徴を含み、1つ以上の物理的寸法(例えば、幅、厚み、直径、長さ)を有し、その値は、CAD技術などによって設計された、または形成前に決定された1つ以上の物理的寸法の値の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内、またはよりさらに好ましくは0.1%以内である。ランダムフォームやナチュラルフォームなどの確率的なジオメトリや構造は、確定的ではない。
「構築化」との用語は、設計され、その設計に従って形成された特徴を有するシステム、構造、ジオメトリ、または特徴を指す。一実施形態では、設計された構造は、決定論的、または決定論的プロセスに従って形成される。一実施形態では、実質的に全ての特徴およびその物理的寸法は、設計または予め決定され、その設計に従って実質的に全ての特徴およびその物理的寸法が設計のものと実質的に同等であるように形成されている。
「三次元ジオメトリ」という用語は、三次元ジオメトリ構成によって特徴付けられるジオメトリを指す。一実施形態では、構造のユニットセルの物理的寸法を完全に記述するために物理空間の三次元システムが必要なとき、構造は三次元ジオメトリを有する。三次元ジオメトリは、ナノ設計および/またはマイクロ設計することができる。一実施形態では、ナノ設計三次元ジオメトリによって特徴付けられる構造は、その値が約1nmから1μm未満までの値である少なくとも1つの物理的寸法(例えば、長さ、幅、直径、または高さ)を有する1つまたは複数の特徴によって特徴付けられる構造である。上記1つまたは複数の「特徴」には、梁、支柱、タイ、トラス、シート、シェル、およびノードが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、ナノ設計三次元ジオメトリによって特徴付けられる構造は、その値が約1nmから1μm未満までの値である少なくとも1つの物理的寸法(例えば、長さ、幅、または高さ)を有するユニットセルによって特徴付けられる構造である。一実施形態では、マイクロ設計三次元ジオメトリによって特徴付けられる構造は、その値が約1μmから1000μmまでの範囲の値である少なくとも1つの物理的寸法(例えば、長さ、幅、または高さ)を有する1つまたは複数の特徴によって特徴付けられる構造である。一実施形態では、マイクロ構築化三次元ジオメトリによって特徴付けられる構造は、1μmから1000μmまでの範囲の値である少なくとも1つの物理的寸法(例えば、長さ、幅、または高さ)を有するユニットセルによって特徴付けられる構造である。
本明細書で使用される、実施形態による複合材料システム、構造、または実施形態による三次元ジオメトリなどのジオメトリ、などのシステムの「特徴」は、ビーム、支柱、タイ、トラス、シート、シェル、球、楕円、ノード、またはこれらの組み合わせのような要素を指すが、これらに限定されない。一実施形態では、フィレット(隅肉部)、ベベル(傾斜面)、面取り部、または同様の属性は、特徴の一部であるが、特徴自体ではない。例えば、フィレット、または内側または外側の角の丸みは、1つまたは複数の特徴の一部であるが、本明細書で使用される「特徴」自体ではない。例えば、第1のトラスと第2のトラスとの間のフィレットは、第1のトラスの一部、第2のトラスの一部、または第1と第2のトラスのそれぞれの一部であるが、フィレット自体は、本明細書で使用される、三次元ジオメトリまたは構造の「特徴」ではない。「長手方向の特徴」は、その長さ(またはその長手軸に沿ったサイズ)が、他の特徴的なサイズの寸法(すなわち、幅、高さ、厚み、または直径)のそれぞれよりも少なくとも50%大きい要素を指す。例示的な長手方向の特徴には、ビーム、支柱、タイ、およびトラスが含まれ得るが、これらに限定されない。一実施形態では、表面特徴は、長手方向特徴よりも平坦および/または湾曲した平面特徴としてよりよく特徴付けられ得る特徴である。一実施形態では、表面特徴は、均一または不均一な厚みを有する数学的二次元多様体として近似または特徴付けられ得る特徴に対応する。一実施形態では、表面特徴は、均一または不均一な厚みを有する数学的二次元多様体として近似または特徴付けられ得る特徴に対応し、開いた表面である。例示的な表面特徴には、シートおよびシェルが含まれるが、これらに限定されない。
「マトリックス相」は、複合材料系の構造に少なくとも部分的に含浸し得る材料または材料の組み合わせを指す。マトリックス相は一様(uniform)でも一様でなくてもよい。マトリックス相は均質(homogeneous)でも均質でなくてもよい。構造の少なくとも部分的な含浸は、構造の空隙の少なくとも部分的な充填を指す。一実施形態では、構造の少なくとも部分的な含浸は、構造のアクセス可能な空隙の少なくとも部分的な充填を指す。構造のアクセス不可能な空隙領域とは、マトリックス相への閉じた空隙領域(例えば、スピノーダルジオメトリの中空トラスまたはス中空部分)を指し、構造上に第1のエッチングまたは別の破壊プロセスを実行しないと含浸しない。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、マトリックス相は、ALD、スパッタリング、または電気泳動堆積によって堆積されたコーティングなどのコーティングではない。本明細書に開示されるシステムおよび方法の幾つかの実施形態では、マトリックス相は、固体電解質を含む、電気化学セルの電解質などの電解質ではない。
「振動周波数バンドギャップ」は、構造、複合材料システム、またはその構造の振動(または振動)に対応する周波数または周波数範囲を指し、上記周波数または周波数範囲での振動の大きさまたはエネルギーは、少なくとも10倍(1桁)、少なくとも20倍、少なくとも50倍、好ましくは少なくとも100倍(2桁)、幾つかの用途については、好ましくは、少なくとも200倍、より好ましくは幾つかの用途では少なくとも500倍であり、「振動周波数バンドギャップ」の外側の周波数での振動の大きさまたはエネルギーよりも小さい。幾つかの実施形態では、振動周波数バンドギャップは、中点周波数および/または周波数幅によって特徴付けることができる。一実施形態では、部分振動周波数バンドギャップは、1つまたは複数の方向(例えば、X、Y、Z、またはその間の任意の方向またはベクトル)に沿って存在するが、全ての方向に沿って存在しない振動周波数バンドギャップである。一実施形態では、完全な振動周波数バンドギャップは、全ての方向(例えば、X、Y、Z、またはその間の任意の方向またはベクトル)に沿って存在する振動周波数バンドギャップである。
「断面物理的寸法」という用語は、横軸または断面軸で測定された特徴の物理的寸法を指す。一実施形態では、横軸は、特徴の縦軸に垂直である。一実施形態では、断面物理的寸法は、ビーム、支柱、またはタイなどの特徴の幅または直径に対応する。一実施形態では、縦方向物理的寸法は、特徴の縦軸に沿った特徴の寸法であり、縦軸は、断面軸に垂直である。必要に応じて、縦方向物理的寸法は2つのノード間で測定される。必要に応じて、縦方向物理的寸法は、構造の物理的な端の間で測定される。
「ユニットセル」という用語は、複数の特徴の最小の配置、構成、またはジオメトリを指し、その結果、前記ユニットセルによって特徴付けられる構造全体またはその三次元ジオメトリは、前記ユニットの繰り返しによって形成することができる。例えば、三次元におけるユニットセルの繰り返しは、三次元構造を形成することができる。構造全体は、三次元多孔質構造などの三次元構造とすることができる。
「ヤング率」は、所与の物質の歪みに対する応力の比を指す、材料、デバイス、または層の機械的特性である。ヤング率は次の式で与えられる。
ここで、Eはヤング率、Lは平衡長、ΔLは負荷応力下での長さの変化、Fは負荷された力、Aは力が負荷された面積である。ヤング率は、次の式を用いてラメ定数で表すこともできる。
ここで、λおよびμはラメ定数である。ヤング率は、当技術分野で従来から知られているか、またはまだ知られていない方法に従って測定することができる。例えば、ヤング率はRoylance(「Stress-Strain Curves」、MITコース、2001年8月23日、https://web.mit.edu/course/3/3.11/www/modules/ss.pdf)での申請時にアクセスされる)で説明されている応力−歪み曲線の線形部分の勾配(傾き)に対応する。
用語「平均」は、材料特性または構造特性に関して使用される場合、上記特性の少なくとも2つ、または好ましくは少なくとも3つの同一の測定または計算の計算された算術平均を指す。例えば、構造の平均密度は、上記構造の密度の、同じように実行された少なくとも2つの測定の算術平均である。
「密度」という用語は、体積質量密度を指す。密度は、体積当たりの質量の単位(例えば、g/cm)で表される。材料を参照する場合、密度という用語は、材料の体積質量密度に対応する。構造を参照する場合、密度という用語は、構造の体積質量密度に対応し、これは、構造のジオメトリ構成(ジオメトリ)の関数であり、構造が形成される材料の関数でもあり、そのような構造の気孔率の増加は、その構造の密度の減少に対応する。本発明の一実施形態による三次元ジオメトリを有する構造などの構造の密度は、当技術分野で従来から知られているか、またはまだ知られていない方法に従って測定することができる。例えば、構造の密度は、ディスク形状のサンプルについては、質量、高さ、および直径を決定し、決定された質量をサンプルの体積で割って計算することにより決定することができる。
「相対密度」という用語は、複合材料システム、構造、または特徴における固体材料の体積分率を指す。一実施形態では、相対密度は、構造が構成される固体材料(または材料の組み合わせ)の密度に対する構造の密度の比に対応する。相対密度は、割合(密度の比率)またはパーセンテージ(密度の比率×100%)として表すことができる。一実施形態では、熱分解前の構造またはその三次元ジオメトリの相対密度は、熱分解後のものと実質的に同じである。
「比強度」という用語は、材料、システム、構造、または特徴の密度に対する強度の比を指し、ここで強度は、材料、要素、または構造の破損点における単位面積当たりの力を指す。比強度は、強度対重量比と呼ばれることもある。一実施形態では、「強度」は圧縮強度を指す。一実施形態では、「強度」は引張強度を指す。一実施形態では、圧縮強度は、破砕荷重下で材料が耐えることができる最大応力である。一実施形態では、破砕により破壊される材料、構造、または要素の圧縮強度は、かなり狭い範囲内で独立した特性として定義することができる。一実施形態では、圧縮時に粉砕しない材料、構造、または要素の圧縮強度は、材料を任意の量に変形させるのに必要な応力の量である。一実施形態では、圧縮で粉砕しない材料、構造、システム、特徴、または要素の圧縮強度は、応力−歪み曲線の直線部分からオフセットされた0.2%歪みでの応力として計算することができる。一実施形態では、圧縮強度は、材料、構造、または要素に対する最大負荷を、検査されている材料、構造、または要素の本来の断面積で割ることによって計算される。
「剛性(スチフネス)」という用語は、材料、構造、システム、または特徴が、印加された力に応答して変形に抵抗する程度を指す。剛性は、材料、構造、または要素に加えられた力と、材料、構造、または要素によって示された同じ自由度(例えば、同じ軸または方向)に沿って印加された力によって生成された変位の比率に対応する。「比剛性」という用語は、材料、要素、または構造の密度に対する剛性の比率を指す。一実施形態では、材料、構造、または要素の剛性は、材料、構造、または要素のヤング率である。
特定の実施形態によれば、構造は、ノードのない(すなわち、ノードの特徴がない)ジオメトリを有する。ノードのないジオメトリは、並外れた機械的復元力を備えている。機械的復元力は、例えば、破壊に対する歪み(歪み対破壊)と破壊に対する強度(強度対破壊)の観点から理解できる。一実施形態では、材料、要素、または構造の破壊強度は、材料、要素、または構造の圧縮強度に対応する。一実施形態では、本発明の構造は、2%〜5%、任意選択で2.9%〜3.5%の破壊に対する歪みを有する。破壊までの歪みは、当技術分野で従来から知られているか、またはまだ知られていない方法に従って決定することができる。例えば、歪み対破壊は、構造体の突然の応力損失(破壊)までの応力対歪みデータの第3の線形部分などの線形部分に対応する歪みの値から、決定することができる。
「積層造形」という用語は、材料の堆積または積層よって構造または特徴を形成するためのプロセスを指す。「積層造形プロセス(additive manufacture process)」および「積層造形プロセス(additive manufacturing process)」という用語は、互換的に使用され得る。積層造形プロセスは、複雑な三次元構造または要素を形成するために、材料のレイヤー・バイ・レイヤー(層ごと)の堆積を伴う場合がある。堆積される材料は、無機材料、有機−無機複合材料、ポリマー、金属、またはこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。例示的な積層造形プロセスには、3D印刷、ステレオリソグラフィー(SLA)、溶融堆積物モデリング(FDM)、および2光子リソグラフィーが含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、積層造形プロセスは、構造または要素を形成するための除去加工を必要としない。除去加工プロセスの例には、切削加工、機械加工、放電加工、彫刻、成形、研削、穴あけ、およびエッチングが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、積層造形プロセスは、コンピュータ支援設計(CAD)を含むか、またはそれによって支援される。
一実施形態では、「欠陥」という用語は、例えば、局所変形、亀裂、ビーム接合部オフセット、ビームの膨らみ、支柱、およびピットまたはボイドなどの、製造に起因する不完全性、または意図しない特徴または特性を指す。
「ノード」という用語は、ビームまたは支柱などの複数の特徴の接合部または交差点を指す場合がある。構造は、ノードのないジオメトリである三次元ジオメトリを有することができる。
一実施形態によれば、「コア」という用語は、三次元ジオメトリを有する構造の特徴を指す場合、その特徴の外面までを含み、特徴の外面を除く、特徴の内容積を指す。一実施形態では、特徴のコアは、任意のコーティング、特にその上に存在する熱分解プロセスの後に導入されたコーティングのそれを除いた特徴の内容積に対応する。
「プレポリマー」という用語は、モノマーが中間分子量状態に反応した、モノマーまたは1以上のモノマーを含む混合物を指す。プレポリマーは、さらに重合して完全に硬化した高分子量状態にすることができる。幾つかの実施形態では、プレポリマーおよびモノマーという用語は互換的に使用され得る。
本明細書で使用する場合、「ポリマー」という用語は、多くの場合、かなりの数の繰り返し単位(例えば、3つ以上の繰り返し単位、場合により、幾つかの実施形態は10繰り返し単位以上、幾つかの実施形態では30繰り返し単位以上)および高分子量(例えば10,000Da以上、幾つかの実施形態では50,000Da以上、100,000Daに等しい)によって特徴付けられる共有化学結合によって結合される繰り返し構造ユニットからなる分子を指す。ポリマーは通常、1つ以上のモノマー前駆体の重合生成物である。ポリマーという用語は、ホモポリマー、または本質的に単一の繰り返しモノマーサブユニットからなるポリマーを含む。ポリマーという用語はまた、2つ以上の異なるタイプのモノマーが同じポリマー中に結合されるときに形成されるコポリマーを含む。コポリマーは、2つ以上のモノマーサブユニットを含むことができ、ランダム、ブロック、ブラシ、ブラシブロック、交互、セグメント化、グラフト化、テーパー化および他の構造を含むことができる。有用なポリマーには、アモルファス、セミアモルファス、結晶またはセミクリスタル状態であり得る有機ポリマーまたは無機ポリマーが含まれる。ポリマーを架橋する(例えば、物理的架橋)ことができるポリマー側鎖は、幾つかの用途に有用であり得る。
「実質的に」という用語は、参照特性に対して10%以内、5%以内、1%以内、または同等の特性を指す。「実質的に等しい」、「実質的に同等」、または「実質的に変化しない」という用語は、特性または条件を説明する参照値と組み合わせて使用される場合、与えられた参照値に対して10%以内、任意に5%以内、任意に1%以内、任意に0.1%以内、または任意に等しいことを指す。例えば、比率の値が10%以内、任意に5%以内、任意に1%以内、または任意に1に等しい場合、比率は実質的に1に等しい。「実質的に大きい」という用語は、特性または条件を説明する参照値と組み合わせて使用される場合、提供された参照値よりも少なくとも2%、任意に少なくとも5%、または任意に少なくとも10%大きい値を指す。「実質的に少ない」という用語は、特性または条件を説明する参照値と組み合わせて使用される場合、提供された参照値よりも少なくとも2%、任意に少なくとも5%、または任意に少なくとも10%低い値を指す。
一実施形態では、合金または合金の前駆体などの本発明の組成物または化合物は、単離または実質的に精製されている。一実施形態では、当技術分野で理解されているように、単離または精製化合物は、少なくとも部分的に単離または実質的に精製されている。一実施形態では、本発明の実質的に精製された組成物、化合物または製剤は、場合により一部用途について99%、場合によっては一部用途について99.9%、場合によっては一部用途について99.99%、および場合によっては一部用途について99.999の化学純度を有する。
一実施形態では、「軽減されたエネルギー」という用語は、複合システム、構造、特徴、または材料からリダイレクトされ、複合システム、構造、特徴または材料の故障を引き起こさないエネルギーを指す(例えば、衝突前の粒子のエネルギー+速度ベクトルが最初のものと異なる場合のみの衝突後の粒子のエネルギー)。一実施形態では、「衝突エネルギー」という用語は、衝突前の衝突子のエネルギーを指す。一実施形態では、用語「吸収エネルギー」は、衝突エネルギー(例えば、粒子)の衝突エネルギーと反発エネルギーとの差を指す。一実施形態では、「比エネルギー吸収」という用語は、材料密度(ρ)に対する歪みエネルギー密度(W、W=∫σdεとして定義される)の比を指す。一実施形態では、「比エネルギー吸収」という用語は、複合システム、構造、材料、または特徴密度(歪み)に対する歪みエネルギー密度(W、W=∫σdεとして定義される)の比を指す。
以下の説明では、本発明の正確な性質の完全な説明を提供するために、本発明のデバイス、デバイスコンポーネントおよび方法の多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしで本発明を実施できることが明らかであろう。
一実施形態では、複合材料システムは、三次元ジオメトリを有する少なくとも1つのモノリシック構造(または「強化相」)を有し、(導波管プロセスとは対照的に)トラス要素の中心線が材料の縁から全体を通って延在せず、材料内の任意の点で開始および終了し得る。同様に、トラス要素の中心線は、これが不可能な導波路プロセスとは対照的に、厚み方向に垂直を含む、材料内の任意の方向に配置できる。同様に、特定のトラス要素は任意の断面を有することができ、トラス要素全体で変化し得る。最後に、特定のトラス要素の中心線は、ゼロ以外の曲率を有することができる。1以上のマトリックス相が、強化相の周囲のボリュームを満たす。マトリックス相は、ポリマー、セラミック、炭素、および金属を含むがこれらに限定されない、異なる材料クラスで構成することができる。
一実施形態では、複合材料系は、負、ゼロ、または正のガウス曲率を有する三次元のシェルまたは表面ジオメトリを有する連続強化相を有する。シェルジオメトリの壁または膜は、材料全体にわたって様々な厚みを有することができる。表面ジオメトリは、外部のマトリックス相から分離された閉じたキャビティに従うことができる。1つ以上のマトリックス相が、強化相の周囲のボリュームを満たす。強化相は、ポリマー、セラミック、炭素、および金属を含むがこれらに限定されない、異なる材料クラスで構成することができる。
一実施形態では、任意の形状のモジュール式三次元構造要素は、前の実施形態で説明された複合材料で作られる。複合材料の強化相は、連続相として、最終的な構造コンポーネントのジオメトリを有するようになる。上記構造コンポーネントのトポロジーは、ゼロまたは複数の穴(つまり、それぞれモノリシック複合コンポーネントまたは管状コンポーネント)を有することができる。得られた穴は、異なるマトリックス相で含浸するか、変更せずに残すことができる。
一実施形態では、任意の形状の構造コンポーネントは、前の実施形態で説明された複合材料で作られ、1つまたは複数の相の機能的に傾斜したジオメトリを有する。強化相の連続的な格子構造または表面は、連続性を保ちながら、厚み方向および面内で変化することができる。断面および厚みは、相の連続性に影響を与えることなく変更することもできる。
一実施形態では、前の実施形態で提供された複合材料の連続強化相の微細構造は、共振器として機能し、材料に減衰を提供する特徴を有することができる。共振器は、マトリクス位相によって囲まれるか、または隔離される。
任意のアーキテクチャを有する三次元複合材料システムを作製する方法は、コンピュータ支援設計(CAD)ツールにより任意の構造(周期的であり得る)を設計するステップと、所望の前駆体樹脂を選択するステップと、前記樹脂を、SLAおよびDLPを含むがこれらに限定されない積層造形技術の所望のレイヤー・バイ・レイヤーのパターン特徴に露出するステップとを含む。必要に応じて、その後、追加の樹脂が除去され、サンプルはUVおよび熱処理で後硬化され、その後、指定された温度プロファイルおよび制御された環境で熱分解プロセスが行われる。続いて、構造に1つ以上の材料を含浸させ、真空プロセスおよび超音波処理プロセスを利用して、最終的に連続した任意の形状の相を有する複合材料を形成する。
本明細書に開示される複合材料システムは、弱い層間界面が排除され、曲げおよび圧縮下で優れた材料応答をもたらすという点で、典型的な炭素繊維複合材料からの改善を提供する。強化相が完全に相互接続されていることにより、薄い材料の面内特性が損傷の程度を決定しうる衝突吸収用途に利点をもたらしうる。さらに、上記の方法は、成形プロセスを回避する代わりに最終的な望ましいジオメトリで強化相を製造することにより、構造部品の製造において明確な利点を提供する。
以下は、本明細書に開示される複合材料システムおよび方法の例示的、例示的、実施形態の説明である。
図1に具体化される製作プロセスは、複合材料の強化相として機能する1つ以上のジオメトリの設計から開始する。前駆体樹脂は、結果として得られる強化相の構成特性を決定しうるが、アーキテクチャは構造応答(つまり、伸張または曲げが支配的)を決定する。構造は、ステレオリソグラフィー(SLA)やデジタル光プロセッシング(DLP)3Dプリンティングなどの積層造形技術を使用して製造され、任意の連続した形状を作製できる。次に、印刷された構造を炉内に配置して、真空または不活性雰囲気において熱分解プロセスを行うことができる。得られる強化相は、炭素またはセラミック材料であり得る。得られた強化相に選択されたマトリックス相を含浸させる前に、任意のコーティングプロセスを行うことができる。含浸ステップ中に、真空脱気や超音波処理などの追加のプロセスは、マトリックス相の完全な含浸を確実にするのに役立つ。最後に、得られた複合材料は、UVまたは加熱プロセスによって後硬化することができる。
図2Aに提示された実施形態では、上記のプロセスによって作製された炭素強化相10のサブセットがエポキシマトリックス16に埋め込まれている。この場合、その剛性対密度比が高く、ポリマー導波路パターンによっては達成可能な曲げが支配的なアーキテクチャため、伸張が支配的なアーキテクチャが選択された。この構造の所定のトラス要素も可変断面を有し、格子ノード12を強化し、一定断面構造と比較して剛性を高める。この特定のジオメトリでは、トラス要素14は、導波路プロセスで必要とされるように、必ずしも縁でではなく、材料内の任意の点で開始および終了することができる。この実施形態の変形例を図2Bに示し、所与のトラス要素が非ゼロの曲率18を有することが許容されており、トラス要素は、厚み方向20に対して垂直に配向することができる。
図3に提示された実施形態は、エポキシマトリックス相26によって含浸されたシェルまたは表面22で作られた連続的な3D炭素相のサブセットを示している。強化相の表面は、導波管プロセスでは達成できない非ゼロのガウス曲率を有することができる。このジオメトリは、オクテットトラス構造の表面を使用して実現された。このジオメトリでは、マトリックス相26からの含浸を防ぐために、隔離領域28を作製して、気相を構成することができる。最後に、この構造の表面の厚みは、不定(一定ではない)24に設計されており、これは、導波管プロセスでは不可能である。
図4に示される別の実施形態は、前の実施形態で説明したような複合材料で作られたモジュール構造要素を示している。典型的な繊維ベースの複合材料とは異なり、強化相30は、構造コンポーネント(例えば、管)と同じ形状を有するように設計されており、追加の成形プロセスを必要としない。この場合、順応性を追加し、部品のエネルギー吸収能力を高めるために、曲げが支配的なアーキテクチャが選択された。構造コンポーネントにはプライマリマトリックス相32を有するが、チューブの内部ボリュームは空のままにするか、セカンダリマトリックス相34で充填することができる。
図5A〜5Bは、(前の実施形態で説明されたような複合材料から作製された)構造コンポーネントの機能傾斜が達成される実施形態を提示している。構造部品は、幾つかの異なるジオメトリ36、40、42および46を有する1つの連続した強化相を有している。楕円トラス要素の断面積が36から40、42まで増加する上部領域には、曲げが支配的な四面体十面体アーキテクチャが使用されている。領域36から領域40へのドメイン遷移38は連続的であり、接続性は変更されていない(つまり、導波路プロセスを通じてなされる幾つかの機能傾斜の場合のようにトラス要素が突然終了しない)。下部領域46は、円形断面トラス要素および上部領域への連続的遷移44を有する、伸張が支配的なオクテットトラス構造からなる。
一実施形態では、図6に示すように、相の微細構造内の共振器の設計により、剛性のある減衰複合材料が作られる。ユニットセル48は、ユニットセル内に共振器50を備えたオクテットトラス構造からなる。上記共振器は、自由端にマイクロ慣性が追加された片持ち梁からなり、梁の長さおよび自由端のマイクロ慣性の量によって決定される所定の周波数ωで共振するように調整されている。ユニットセルは、トラス要素およびシェルの組み合わせで形成でき、これにより、補強ユニットセル48に含浸するプライマリマトリックスから共振器を分離することができる。シェルが存在する場合、オクテット52内の八面体の内部ボリュームは空のままにして、共振器の自由振動が可能になり、そうでなければ硬い材料の減衰特性が可能になる。
実施された実施形態が、図7A〜7Cに示されている。この実施形態では、全体の寸法が12.5×4×0.13cmの三次元連続オクテットトラス構造54を有するシートが、オートデスクエンバープリンタおよびPR−48樹脂を使用するDLP3D印刷によって製造される。樹脂構造56のユニットセルサイズは〜1.3mmであり、円形断面トラス要素を有している。次いで、樹脂構造は不活性雰囲気の炉内でピーク温度1000℃で熱分解される。得られた炭素構造58は、元の質量の7%減少だけで、元の体積の40%まで等方性収縮を受ける。結果として得られる炭素ユニットセル60は、元のオクテットトラスジオメトリと500μm程度の特徴的なサイズを維持する。次に、炭素構造はエポキシマトリックス相62によって含浸され、複合構造シートの強化相64になる。
図8は、DLPまたはSLA 3D印刷によって、前の実施形態で説明した複合材料の強化相を製造する1つの可能な方法を示している。プリンタヘッド66は、強化相の縁に結合され、印刷プロセス中に構造を垂直に引っ張る。印刷スクリーン70は、任意の露光パターン72が下から投影されるときに重合する未硬化の前駆体樹脂の層を有する。これにより、構築方向に垂直なトラス要素に加えて、構造のエッジから開始および終了する任意の断面を有するトラス要素68が可能となることに注意されたい。
概して、三次元の任意に設計された完全に相互接続された相を有する複合材料システムの特定の例示的な実施形態、およびそれを作製する方法が提示される。強化相が完全に相互接続され、断面が変化し、曲率がゼロではない(連続的なマトリックス相が含浸した)トラス要素で構成される特定の実施形態について説明する。これらの複合材料システムにより、曲率がゼロでなく厚みが変化するシェルを有する相互接続された三次元強化相の製造が可能になる。幾つかの実施形態では、機能傾斜した連続相を有する、上記の複合材料で作製されたモジュール構造部品が提示される。さらに、特定の実施形態は、材料の剛性に影響を与える散逸性粘弾性相を必要とせずに、微細構造内の共振器の設計を通じて複合材料における強化された振動減衰を提示する。
背景および説明に対応する文献
文献1:Z. Hashin, “Analysis of Composite MaterialsA Survey,” Journal of Applied Mechanics, vol. 50, no. 3, p. 481, 1983. オンラインで利用可能:http://appliedmechanics. asmedigitalcollection.asme.org/article.aspx?articleid=1407040
文献2:I. Daniel and O. Ishai, Engineering Mechanics of Composite Materials. Oxford University Press, 2006.
文献3:T. Ishikawa and T.-w. Chou, “Elastic Behavior of Woven Hybrid Composites”, Journal of Composite Materials, vol. 16, no. 1, pp. 2-19, 1982. オンラインで利用可能:http://iournals.saqepub.eom/doi/10.1 177/002199838201600101
文献4:I. M. Daniel, J. J. Luo, P. M. Schubel, and B. T. Werner, “Interfiber/interlaminar failure of composites under multi-axial states of stress”, Composites Science and Technology, vol. 69, no. 6, pp. 764-771, 2009. オンラインで利用可能:http://dx.doi.org/10.1016/j.compscitech.2008.04.016
文献5:J. W. Klett, T. D. Burchell, and A. Choudry, “Pitch-based carbon foam and composites and use thereof”, Patent US 7 070 755B2, 07 04, 2006. オンラインで利用可能:https://patents.google.com/patent/US7070755B2/
文献6:B. E. Williams, J. Brockmeyer, and R. H. Tuffias, “Composite foam structures”, Patent US 6 929 866B1, 08 16, 2005. オンラインで利用可能:https://patents.google.com/patent/US6929866B1/
文献7:R. J. Grylls and C. M. Austin, “Article made of ceramic foam joined to a metallic nonfoam, and its preparation”, Patent US 6 582 812B1, 04 24, 2003. オンラインで利用可能:https://patents.google.com/patent/US6582812B1/
文献8:G. Rettenbacher, J. Reiter, F. Feuchtenschlager, P. Schulz, and P.-F. Louvigne, “Multilayer composite armour”, Patent US 70 226 045B2, 0411, 2006. オンラインで利用可能:https://patent.google.com/patent/US70226045B2/
文献9:J. Zeschky, F. Goetz-Neunhoeffer, J. Neubauer, S. H. Lo, B. Kummer, M. Scheffler, and P. Greil, “Preceramic polymer derived cellular ceramics”, Composites Science and Technology, vol. 63, no. 16, pp. 2361-2370, 2003.
文献10:M. Tehrani, A. Y. Boroujeni, T. B. Hartman, T. P. Haugh, S. W. Case, and M. S. Al-Haik, “Mechanical characterization and impact damage assessment of a woven carbon fiber reinforced carbon nanotube-epoxy composite”, Composites Science and Technology, vol. 75, pp. 42-48, 2013. オンラインで利用可能:http://dx.doi.org/10.1016/j.compscitech.2012.12.005
文献11:S. S. Wicks, R. G. de Villoria, and B. L. Wardle, “Interlaminar and intralaminar reinforcement of composite laminates with aligned carbon nanotubes,” Composites Science and Technology, vol. 70, no. 1, pp. 20-28, 2010. オンラインで利用可能:http://dx.doi.org/10.1016/j.compscitech.2009.09.001
文献12:A. J. Jacobsen, W. B. Barvosa-Carter, A. F. Gross, R. Cumberland, K. W. Kirby, and D. Kisailus, “Composite structures with ordered three-dimensional (3d) continuous interpenetrating phases,” Patent US 8 320 727B1, 1127, 2012. オンラインで利用可能:https://patents.googie.com/patent/US8320727B1/
文献13:S. S. Yang and A. J. Jacobsen, “Micro-truss materials having in-plane material property variations,” Patent US 9 405 067B2, 08 02, 2016. オンラインで利用可能:https://patent.google.com/patent/US9405067B2/
文献14:J. M. Hundley, T. A. Schaedler, S. S. Yang, and A. J. Jacobsen, “Architected materials for enhanced energy absorption”, Patent US 9 375 864B2, 06 28, 2016. オンラインで利用可能:https://patent.google.com/patent/US9375864B2/
文献15:T. A. Schaedler, A. J. Jacobsen, W. Carter, and G. McKnight, “Constrained microlayer cellular material with high stiffness and damping”, Patent US 9 217 084B2, 12 22, 2015. オンラインで利用可能:https://patent.google.com/patent/US9217084B2/
文献16:R. A. Manning and A. J. Bronowicki, "Composite damping structures and related method", Patent US 5 507 477A, 04 16, 1996. オンラインで利用可能:https://patent.google.com/patent/US5507477B2/
文献17:J. Bauer, A. Schroer, R. Schwaiger, and O. Kraft, “Approaching theoretical strength in glassy carbon nanolattices”, Nature Materials, vol. 8, no. February, 2016.
文献18:X. Chen, G. Zhao, Y. Wu, Y. Huang, Y. Liu, J. He, L. Wang, Q. Lian, and D. Li, “Cellular carbon microstructures developed by using stereolithography,” Carbon, vol. 123, pp. 34-44, 2017. オンラインで利用可能:http://dx.doi.org/10.1016/j.compscitech.2017.07.043
文献19:Q. Zhang, F. Zhang, S. P. Medarametla, H. Li, C. Zhou, and D. Lin, “Three-Dimensional Printing of Graphene Aerogel,” Small, vol. 12, no. January, 2016.
本発明は、以下の非限定の実施例によってさらに理解することができる。
実施例1:3D炭素アーキテクチャの衝突応答
高い剛性対密度比または強度対密度比を有する材料の製造および設計は、気泡材料の使用を通じて研究されてきた。特に、梁(ビーム)ベースの格子アーキテクチャにより、軽量であるが剛性の高い材料(文献1、2)と、理論限界に近づく強力な材料(文献3)の作製が可能となった。これらの研究の多くはこれらの材料の静的応答に焦点を当てており、格子構造の動的応答を研究した研究はほとんどない。特に、一部の研究ではμmスケールでの格子構造の動的圧縮が研究されており(文献4)、別の研究では格子コアサンドイッチプレートなどのマクロスケール構造の影響が研究されている(文献5)。これらの研究に関連する長さスケールとテッセレーションにより、境界条件の長さスケールが固有の微細構造のものよりもはるかに大きいスケールの適切な分離は実現しない。このような分離により、個別の構造の特性とは対照的に、真の材料特性を調べることができる。
本実施例では、スケールの適切な分離を維持しながら、炭素格子構造(すなわち、本発明の複合材料における強化相の形態)の超音速衝突応答について説明する。2光子リソグラフィー製造プロセスを使用して、様々なユニットセルジオメトリと相対密度(8〜26%)のナノメートルスケールの機能を備えた三次元格子構造を作製し、超音速(500〜1100m/s)での衝突後の限界損傷を観察する。これらの結果は、(含浸前の)軽量設計相がどのようにして衝突に対して非常に弾力性を提供できるかを示している。
1.1サンプルの設計と作製
アーキテクチャは静的状態で異なる機械的特性に繋がるため(文献6、7)、目的は、格子アーキテクチャの超音速衝突に対するアーキテクチャの影響を調査することであった。剛体オクテットと非剛体の十四面体ユニットセルの高分子格子は、5〜10μmの範囲のユニットセルサイズで、2光子リソグラフィープロセス(Nanoscribe)を使用して製造された(図10A−10B参照)。さらに、ビーム半径は、8%、17%および26%の3つの異なる相対密度のサンプルが達成されるように変更された。
有効なサンプルサイズがユニットセルのサイズよりもはるかに大きく、格子を有効材料として近似できるように、十分に大きいテッセレーション(約60×60×15ユニットセル)を選択した。次に、高分子サンプルに対して真空で900℃までの熱分解処理を施し、元のジオメトリを保持しながら、80%の等方性収縮を有するモノリシック炭素格子が得られた(図11A〜11D参照)。
最小の初期ユニットセル(すなわち、5μm)について、約200nmまで落としたビーム径を用いて、得られた炭素ユニットセルはサブミクロンの寸法を有していた。熱分解中に小さな反りが発生するものの、最終的なユニットセルのジオメトリは、元のポリマーの形状に対応する。
1.2 衝突実験
得られた炭素構造(すなわち、強化相)は、7〜14μmの範囲の直径を有するSiO粒子を加速することによって超音速衝突に晒された。全ての場合において、粒子径は、特徴的なユニットセルサイズよりも少なくとも1桁大きかった。採用された方法は、レーザー誘起粒子衝突試験(LIPIT)(文献8、9)として定義され、高速カメラで衝突プロセスを取得しながら、最大1km/秒の制御可能な衝突速度を可能にする。図12は、相対密度が26%で、衝突速度が1060m/秒のオクテット格子の特徴的な実験を示している。
試験された全ての格子について、発射体は跳ね返り、衝突速度および跳ね返り速度が測定された。格子と基板の間の接着性が低いことによって、サンプルは衝突後数ミリ秒で層間剥離し、破壊後の特性評価を可能にするサンプルの修正が必要であった。サンプルを基板に効果的につなぐために、PMMAレジストの薄層が基板上にかけられ、格子を基板に結合する数百ナノメートルのコーティングが得られた(図13A〜13C参照)。
1.3 理論弾性波速度
観察された挙動が基板に依存しない(すなわち、基板の剛性または厚みに影響されない)ことを確認するために、図14Aに示すように、平面弾性波が格子の厚みを通して衝突部位から発するという単純化された問題を提案する。細長くないオクテット格子の有効ヤング率が下記の式(1)で与えられるとする(文献7)。

ここで、Esは構成材料のヤング率であり、r/lはストラットの長さに対する半径の比である。この場合、弾性波速度は、下記の式(2)で近似できる。

ここで、ρは有効格子密度である。r/l=0.2、ρ=1252kg/m(相対密度60%の炭素オクテットに対応)などの最悪の場合の値と、14μmのサンプル厚を使用すると、弾性波がサンプルを2回通過(つまり、往復)するのに約12nm要する。高速カメラフレームでは、おおよその衝突時間を測定できるため、4nsの平均衝突時間は、基板に関する情報が跳ね返り前に粒子に伝達されないことを意味する。言い換えると、跳ね返り挙動は、基板ではなく、単に格子材料の関数である。これは、図14Bに示されるx−t図に要約されている。
この主張を実験的に検証するために、我々は、同一の格子が基板から数ミクロン離れた、Si支柱に取り付けられた、浮遊サンプル実験を設計した。この実験は、両端固定境界条件を備えたプレートが加速された質量によって影響を受けるマクロスケールの落下塔衝突実験を模倣した(図15A〜15D参照)。このようにして、格子は以前に置かれていたSi基板から完全に切り離された。
588m/秒の衝突速度で浮遊サンプルに対して同じ実験を行うと、同じ反発挙動と320m/秒の跳ね返り速度が得られた(図16参照)。この結果は、観察された応答が基板に独立であることを確認した。
1.4 エネルギー吸収スケーリング挙動
異なる相対密度で、剛性および非剛性の両方のアーキテクチャのサンプルに衝突実験を行うと、図17の結果が得られた。低衝突エネルギーでの実験(すなわち、mv 、ここでvは衝突速度である)、最も高い跳ね返り係数が得られた(つまり、跳ね返り係数は、衝突速度に対する跳ね返り速度の比v/vである)。
剛体および非剛体アーキテクチャは、静的な状態で弾性率に最大1桁の差を有する可能性があるが(文献7)、超音速衝突条件では決定的な差は観察されなかった。オクテットと四面体十二面体のサンプルは、調査された運動エネルギーの状態全体で同様の跳ね返り係数を有していた。
図17で観察された傾向は、アーキテクチャに独立に、衝突エネルギーと跳ね返り係数の相関を示しているように見える。衝突エネルギーが高く、相対密度が異なる実験では、相対密度が低下すると反発力が低下するように思われた。これは、おそらく局所的な損傷でより低い有効材料強度とより多くのエネルギーが消費されるためである。高衝突エネルギーでのこのわずかな局所的な損傷にもかかわらず、これらの結果は、衝突を緩和するためのアーキテクチャを使用することにおける利点を示している。これは、エネルギーを衝突部位からより容易に分散でき、局所的な損傷を低減できるためである。衝突プロセスが、弾性波が発射物に到達してから跳ね返りが発生するまでの時間が許容されないとすると、このプロセスはアーキテクチャではなく慣性が支配的である可能性が高く、慎重な設計と物質分布の制御が依然として必要となる。
追加の注記:マトリックス相は追加の慣性(つまり、質量)に対応するため、マトリックス相はエネルギー散逸または軽減を増加させ得る。減衰に関しては、ポリマーなどの粘弾性マトリックスが振動や衝突エネルギーをさらに減衰させ得る。マトリックスは亀裂が開く/伝播するのを防ぐのに役立つため、材料の強度も増加する。これらの増加の具体的な値は、アーキテクチャと材料の選択に大きく依存し得る。
1つの例は「コーティングされたサンプル」(エポキシの薄い層で覆われている)であり、これはマトリックス相(エポキシなど)が部分的に含浸した構造を有する複合材料システムに対応する。図13Bおよび17を参照すると、薄いポリマー層を追加すると、跳ね返り係数がコーティングされていないサンプルの跳ね返り係数の約0.65に減少した(35%減少)。これは、反発時の粒子の運動エネルギーが58%少ないことに換算される。粒子が跳ね返って構造的完全性が維持されているため、エネルギー緩和基準は変化しないが、マトリックスのないサンプル(吸収されたエネルギー)と比較して、散逸/吸収(つまり、熱または永久変形に変換)エネルギーは20%増加する(コーティングされていないサンプルによって九州されたエネルギーは衝突エネルギーの66%だったが、コーティングされたサンプルによって86%が吸収された)。これは薄いコーティングだったため、一実施形態においてマトリックスを追加するときの吸収増加の下限であり得る。吸収されるエネルギーは、衝突エネルギーと跳ね返り後の衝突子の運動エネルギーとの差に対応することに注意されたい。
一般に、マトリックスを含めると跳ね返り係数は減少し、エネルギー吸収は増加する。これは、マトリックスの粘弾性/塑性特性によりエネルギーの一部が吸収されるため、反対方向に移動するのに衝突子に戻されるエネルギーが少なくなることを意味している。マトリックスを有していると、マトリックス相のない構造と比較して、全ての減衰特性が向上する。例えば、マトリックスは、振動周波数バンドギャップ幅を増加させるか、または幾つかの周波数での振動の伝達強度を減少させ得る。静的な観点から見ると、マトリックス相がない構造と比較して、マトリックス相が存在する場合、材料の強度が大幅に増加して、破壊は壊滅的/脆性から延性のようになり得る。
実施例2:アーキテクチャによる材料減衰
構成材料の注意深い設計は、興味深い散逸挙動をもたらす可能性があり、これはエネルギー散逸に繋がり得る。研究は、ブラッグ散乱や局所共鳴などの分散メカニズムを使用して、振動を減衰させることができる大きな3D印刷された効果的な材料(文献10)および水中で超音波を散逸させるマイクロスケール材料(文献11)を示した。材料の密度と剛性を考慮しながらの構成の適切な設計は、剛性を有する非散逸性の構成材料による効果的な材料の減衰に繋がる。
本実施例では、ブラッグ散乱および局所共振メカニズムを利用して、堅固な非減衰構成材料で振動エネルギーを散逸させるために、構成の慎重な設計を利用する。
2.1 ブラッグ散乱:正方格子
図18Aに示されているもののような正方ユニットセルから始めると、その部材の体積膨張は、体積膨張の程度に応じて、ユニットセルを図18B〜18Cに示されるものに変化させる座屈不安定性をもたらすだろう。
ビームへの曲率の導入は、ユニットセルの形状が変化させるだけでなく、特に面内方向でその有効な機械的特性も変化させる。これらの正方ユニットセルで構成される材料の動的特性に対するこの座屈ジオメトリの影響を数値的に調査する。
この数値研究のために、各ユニットセルは、Siコーティングを有するポリマーコアを有すると仮定した。水平ビームのポリマーの小半径は0.25μm、主半径は0.9μm、Siコーティングは0.4μm、垂直ビームのポリマー半径は0.9μmであり、コーティングは同一であった。元の正方ユニットセルの寸法は、20×20×5μmであった。
座屈の各段階での三次元ユニットセルの固有振動数解析は、市販の有限要素パッケージCOMSOL Multiphysicsを使用して行われた。各ユニットセルは、水平ビーム領域と垂直ビーム領域とに分割され、それぞれは、対応する均質化されたビームのプロパティの弾性材料モデルを含んでいた。均質化された特性は、各材料(つまり、ポリマーとシリコン)の既知の体積からの加重体積平均、各材料の対応するヤング率、密度、およびポアソン比を使用して得られた。
図18A〜18Fに示される正方ユニットセルを使用して、ブロッホ境界条件がユニットセルの対応する面に適用された。図19Dに示す既約ブリルアンゾーンを使用して、端数ベクトルが境界を通り抜け、固有周波数が各状態で計算された。四面体要素が使用され、メッシュの収束が全ての場合において確認された。
図19A〜19Dは、上記ユニットセルからなる材料全体に伝播することができない周波数に対応して、(対称性のために)xおよびy方向の部分バンドギャップの出現を示している。これは、図19Aにおける非座屈の場合にバンドギャップが現れないと仮定すると、図19B〜19Cにおけるバンドギャップの出現は、座屈したジオメトリによって可能になったブラッグ散乱に起因する。振動周波数のバンドギャップ幅は、アーキテクチャの特徴長さに比例して変化しうる。具体的には、ブラッグ条件は、ΔL=c/f(ΔLは微細構造の特徴寸法、cは材料内の音速、fは周波数であり、周波数に線形の関係を示している)の周波数で著しい影響が発生する可能性があることを示している。
これらの結果は、減衰に繋がり得る分散メカニズムを可能にする、設計された構造の調整可能性を示している。得られたバンドギャップの周波数の絶対値と幅は、ユニットセルのサイズと構成材料を変更することによって調整できる。ここで示した結果は、完全弾性材料モデルで得られており、これは、金属、セラミック、炭素など、本質的に減衰しない硬い材料でも同じ挙動が実現できることを意味している。
2.2 局所共鳴:共振器を有するオーセチック設計
ブラッグ散乱に加えて、局所共鳴を使用して、一般により低い周波数でのバンドギャップを可能にすることができる。この研究では、Krodelらによって提示されたオーセチックユニットセルを利用する(文献12)。図20A〜20Bに示すように、共振器(すなわち、片持ち梁に取り付けられた集中質量)をユニットセルに追加する。
寸法が60×60×210μmの完全にポリマーのユニットセルを想定して、セクション2.1で行われたように、我々は数値研究を行った。弾性材料モデルを使用し(すなわち、構成材料の減衰が想定されていない)、Γ−X方向の分散関係(図19D参照)を計算した。
未修正のオーセチックユニットセル(図21Aを参照)の分散関係は、関心方向にバンドギャップがないことを示す一方、共振器(図21Bを参照)を追加すると、1.5MHzにてバンドギャップが導入される。セクション2.1と同様に、このバンドギャップの幅と位置は、ユニットセルの寸法、材料、および共振器パラメータに基づいて完全に調整可能である。
図21A〜2Bからの数値結果を実験的に検証するため。同じ寸法、材料、およびパラメータのサンプルを製造し、それらを真空中のカスタム振動伝達実験で試験した(図22A〜22C参照)。
上に提示した構成を使用して、1〜3MHzの間で変動する周波数を有する連続正弦波がサンプルを通して送信された(図23A〜23Eを参照)。
共振器ユニットセルについて、周波数掃引を実行すると、図23Cに示すように、約2.4MHzの周波数を中心とするバンドギャップを示した。バンドギャップは、図21A〜21Bのシミュレーションによって予測されたものよりわずかに高い周波数で生じた。これは、トランスデューサとの適切な接触を確立することによって格子が歪められたためであり、分散挙動を変化させ得る(図23D〜23E間の歪みの差を参照)。
このバンドギャップをさらに検証するために、(連続波の代わりに)チャープが格子を介して送信される追加の送信実験を行った。この場合、チャープは1〜3MHzの周波数を含み、高速フーリエ変換(FFT)が送信信号に適用されて、その周波数内容を分析しました(図24A〜24C参照)。
高分子オーセチック格子に関するこれらの実験およびシミュレーションは、材料に減衰を導入するメカニズムとして局所共振を追加する可能性を示している。シミュレーションの材料特性は完全に線形弾性であるため、この挙動は、金属、セラミック、炭素などの様々な材料に拡張できる。
実施例3:スピノーダル分解由来アーキテクチャによる完全に調整可能な弾性
ビームベースのアーキテクチャを有する設計材料は、高い剛性対密度比(文献1、6)を達成するのに効果的であることが示されているが、それらは依然として理論限界からはほど遠い。さらに、それらの機械的特性は、故障の原因となる可能性のある応力集中としても機能するノード(文献7)の存在により、理論予測から逸脱している。
この実施例では、ノードを欠き、ビームベースのアーキテクチャよりも優れた機械的特性およびより高い機械的調整可能性を達成するシェルベースの微細構造を作製するためのスピノーダル分解の使用について説明する。
3.1 弾性表面調整可能性
スペクトル法および異方性エネルギー汎関数(文献13)を使用して、数値スピノーダル分解は、完全に調整可能な弾性を有する微細構造をもたらし得る(計算スピノーダル分解を説明する例示的な方法については、A.Vidyasagar、S.Krodel、およびDM Kochmannの「異方性のスピノーダル分解をシミュレートすることによって得られる調整可能な機械的異方性を有する微細構造パターン」、Science、vol.474、no.2218、p.20180535、2018参照)。得られた微細構造(つまり、シェル)の境界のみを使用して、市販の有限要素コードAbaqusを使用して3D弾性表面を計算し、微細構造の有効ヤング率の完全な調整可能性を示した(図25A〜25D参照)。
図25A〜25Dに示される弾性表面は、これらの構造の数値シミュレーションによって示されるように、一般的に研究されているビームベースのアーキテクチャでは達成できない比類のない弾性調整能力を示している。この高度に調整可能な挙動に加えて、スピノーダル構造は、理論限界に近づき、トラスや3周期最小表面(文献14〜16)などの他の構造よりも大幅に大きいヤング率を示すことができる(図26参照)。
柱状構造、Pセル最小表面、および等しい相対密度を有する中空オクテットトラスに周期境界条件を適用することによって、スピノーダル構造がz方向に探査すると、より近くに来て、優れた弾性率を有することを示しており、フォイクト境界に近づいている。さらに、

の形式(Eは有効ヤング率、Eは構成材料のヤング率、ρは相対密度(ρはρバー)、aはスケーリング指数)のフィッティングを適用すると、より低い(より望ましい)スピノーダル構造のスケーリング指数を生じる。
上述のように、スピノーダル構造の1つの明らかな利点は、それらのノードの欠如であり、それにより、亀裂が開始する可能性がある応力集中が低減される。これは、節点で無限の曲率を有するトラスとは対照的に、準一定の低い曲率を有する表面をもたらす(図27A〜27B参照)。
上記のオクテットトラスの曲率分布は、ノードにフィレットを適用した場合でも二峰性の分布を示す。これは構造の最大曲率を制限するが、絶対値はスピノーダル構造の最大曲率よりもはるかに大きくなる。
本明細書に開示される構造、ジオメトリ、および/またはシステムの有効弾性率は、典型的なトラスまたは横繊維の有効弾性率よりも理論限界(フォイクト境界)に近づくことを言及する必要がある(すなわち、図26における黒いフォイクト線に近づく)。弾性調整可能性に関して、ここに開示された複合材料システムは、スピノーダル形状の構造を有するものとして、弾性、減衰、衝突エネルギー吸収、および/または他の特性または特徴の決定論的異方性(または必要に応じて等方性)によって特徴付けられることにも言及する必要がある。
3.2 シェルベースのスピノーダル材料の製造
本発明者らは、2光子リソグラフィープロセスを使用して、マイクロスケールで高分子スピノーダル構造を作製した。原子層堆積(ALD)やマグネトロンスパッタリングなどの堆積技術を使用して、金属またはセラミックを5nm〜5μmまで堆積させた。この場合、得られる材料は強化相がシェルベースの複合材料である。あるいは、ポリマーコアを取り除いて空のままにするか、別のマトリックスと交換することができる。新しく適用されたコーティングの下でポリマーを露出させるために、集束イオンビーム(FIB)ミリングを使用して、コーティングの小さなセクションを削除した。最後に、構造をOプラズマなどのエッチングチャンバーに導入し、内部のポリマーコアを削除して、シェルベースのスピノーダル構造を作製した。
これらの構造を、マイクロメートルからセンチメートルのスケールで、また、図29A〜29Dに示したDLP3D印刷法を使用して製造した。次に、得られたシェルベースのポリマー構造を1300℃まで真空で熱分解し、マトリックスに含浸させることができるシェルベースの炭素強化相が得られた。
実施例4:ブラスト衝突試験のための熱分解プレートの顕微鏡写真
図30A〜30Cは、ブラスト衝突試験用に設計されたプレートであり、図30Aはポリマー前駆体プレートおよび得られる熱分解プレート、図30Bはオクテット炭素構造の顕微鏡写真、図30Cは四面十二面体構造の顕微鏡写真である。
実施例5:様々なアーキテクチャの強化相ブロック
図31A〜31Fは、強化フェーズの例の立方体であり、図31Aはポリマーオクテットキューブ、図31Bは図31Aからの熱分解炭素オクテット立方体、図31Cは熱分解炭素3Dカゴメビーム、図31D〜31Fは図31A〜Cの拡大図である。
実施例6:管状構築化コンポーネントの直接製造
図32A〜32Fは、管状構築化コンポーネントであり、図32Aは四面十二面体構造を有するポリマー管、図32Bは図30Aの上面図、図32Cは、図31の拡大図、図32Dは含浸前の四十面体構造を有する熱分解炭素管、図32E〜32Fは図32Aの拡大図である。
実施例1〜6に対応する参考文献
文献1:X. Zheng, H. Lee, T. H. Weisgraber, M. Shusteff, J. DeOtte, E. B. Duoss, J. D. Kuntz, M. M. Biener, Q. Ge, J. A. Jackson, S. O. Kucheyev, N. X. Fang, and C. M. Spadaccini, “Ultralight, ultrastiff mechanical metamaterials,” Science, vol. 344, no. 6190, pp. 1373-1377, jun 2014. オンラインで入手可能:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24948733http://www.sciencemag.org/cgi/doi/10.1 126/science.1252291
文献2:L. R. Meza, S. Das, and J. R. Greer, “Strong, lightweight, and recoverable three-dimensional ceramic nanolattices,” Science, vol. 5, no. 6202, pp. 1322-1326, 2014. オンラインで入手可能: www.sciencemag.org/content/345/6202/1322/suppl/DC1
文献3:J. Bauer, A. Schroer, R. Schwaiger, and O. Kraft, “Approaching theoretical strength in glassy carbon nanolattices,” Nature Materials, vol. 8, no. February, 2016.
文献4:J. A. Hawreliak, J. Lind, B. Maddox, M. I. Barham, M. C. Messner, N. Barton, B. J. Jensen, and M. Kumar, “Dynamic Behavior of Engineered Lattice Materials,” Scientific Reports, vol. 6, p. 28094, 2016. オンラインで入手可能:http://www.nature.com/articles/srep28094
文献5:C. J. Yungwirth, H. N. G. Wadley, J. H. O’Connor, A. J. Zakraysek, and V. S. Deshpande, “Impact response of sandwich plates with a pyramidal lattice core,” International Journal of Impact Engineering, vol. 35, no. 8, pp. 920-936, 2008.
文献6:L. R. Meza, G. P. Phlipot, C. M. Portela, A. Maggi, L. C. Montemayor, A. Cornelia, D. M. Kochmann, and J. R. Greer, “Reexamining the mechanical property space of three-dimensional lattice architectures,” Acta Materialia, vol. 140, pp. 424-432, 2017. [Online] Available: http://dx.doi.Org/10.1016/j.actamat.2017.08.052
文献7:C. M. Portela, J. R. Greer, and D. M. Kochmann, “Impact of node geometry on the effective stiff ness of non-slender three-dimensional truss lattice architectures,” Extreme Mechanics Letters, vol. 22, pp. 1 10-138, 2018. オンラインで入手可能:https://doi.Org/10.1016/j.eml.2018.06.004
文献8:J.-h. Lee, D. Veysset, J. P. Singer, M. Retsch, G. Saini, T. Pezeril, K. A. Nelson, and E. L. Thomas, “High strain rate deformation of layered nanocomposites,” Nature Communications, vol. 3, no. May, pp. 1 164-1 169, 2012. オンラインで入手可能:http://dx.doi.org/10.1038/ncomms2166
文献9:D. Veysset, A. J. Hsieh, S. Kooi, A. A. Maznev, K. A. Masser, and K. A. Nelson, “Dynamics of supersonic microparticle impact on elastomers revealed by real time multi frame imaging,” Nature Publishing Group, pp. 1-6, 2016. オンラインで入手可能:http://dx.doi.Org/10.1038/srep25577
文献10:K. H. Matlack, A. Bauhofer, S. Kr odel, A. Palermo, and C. Daraio, “Composite 3D-printed meta-structures for low frequency and broadband vibration absorption,” PNAS, pp. 1-5, 2015. オンラインで入手可能:http://arxiv.Org/abs/151 1 09465{%}0Ahttp://dx.doi.org/10.1073/pnas.1600171 1 13
文献11:S. Krodel and C. Daraio,“Microlattice Metamaterials for Tailoring Ultrasonic Transmission with Elastoacoustic Hybridization,” Physical Review Applied, vol. 6, no. 6, p. 064005, 2016. オンラインで入手可能:
文献12:S. Krodel, T. Delpero, A. Bergamini, P. Ermanni, and D. M. Kochmann, “3D auxetic micro-lattices with independently controllable acoustic band gaps and quasi-static elastic moduli,” Advanced Engineering Materials, vol. 16, no. 4, pp. 357-363, 2014.
文献13:A. Vidyasagar, S. Krodel, and D. M. Kochmann, “Microstructural patterns with tunable mechanical anisotropy obtained by simulating anisotropic spinodal decomposition,” Proceedings of the Royal Society A: Mathematical, Physical and Engineering Science, vol. 474, no. 2218, p. 20180535, 2018. オンラインで入手可能:http://rspa.royalsocietypublishing.Org/lookup/doi/10. 1098/rspa.2018.0535
文献14:L. Zhang, S. Feih, S. Daynes, S. Chang, M. Y. Wang, J. Wei, and W. F. Lu,“Energy absorption characteristics of metallic triply periodic minimal surface sheet structures under compressive loading,” Additive Manufacturing, no. August, 2018. オンラインで入手可能:https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S2214860418304688
文献15: B. D. Nguyen, S. C. Han, Y. C. Jung, and K. Kang,“Design of the P-surfaced shellular, an ultra-low density material with micro-architecture,” Computational Materials Science, vol. 139, pp. 162-178, 2017. オンラインで入手可能:http://dx.doi.Org/10.1016/j.commatsci.2017.07.025
文献16:O. Al-Ketan, R. Rezgui, R. Rowshan, H. Du, N. X. Fang, and R. K. Abu Al-Rub, “Microarchitected Stretching-Dominated Mechanical Metamaterials with Minimal Surface Topologies,” Advanced Engineering Materials, vol. 1800029, p. 1800029, 2018.
実施例7:衝突エネルギー計算およびケイラーとの比較
技術報告に記載されている2光子リソグラフィープロセス(ρ=26%(ρはρバー)の相対密度を有する)を通じて製造されたオクテット炭素構造の衝突挙動を、ケブラー170g/mサテン織布と比較した(文献1)。
面積正規化エネルギー緩和メトリックは、下記の式で定義される。

ここで、Wは(吸収および/またはリダイレクトされた)絶対エネルギーであり、Aは影響に関連する面積である。このタイプのケブラーシート(面密度ρa,Kev=0.17kg/m)の1枚の値を使用すると、ΨLat=2.61×10J/mと比較して、得られた値はΨKev=3.26×10J/mであった。このメトリックの違いは、主に実験に関連するスケールの違いによるものである。また、ケブラーシートには発射体が穴をあけ、物理的な完全性を失っているが、格子には小さな永久的な変形があり、衝突子によって穴は開けられなかった。
各材料の面密度に基づいて最後の1回の正規化を実行すると(格子のρa,Kev=0.008kg/m)、1キログラム当たりのエネルギー緩和の測定基準(または「密度正規化衝突エネルギー緩和測定基準」)は、ケブラーおよび格子の場合、それぞれ1.9×10J/kgおよび3.2×10J/kgであることが提供される。
実施例7に関連する文献
文献1:F. Figucia, US Army R&D Command (1980).
実施例8:原子レベルアーキテクチャを介した設計による炭素
概要:これらの特性は相互に排他的である可能性があるため、高強度、高変形能/延性、大きな弾性限界、および低密度の組み合わせで材料を設計および作製することは、長年の課題であった。ここでは、前駆体の材料と熱分解の条件を制御することにより、特定の種類の原子レベルのアーキテクチャを有する熱分解炭素マイクロピラーを作製した。ナノメカニカル実験により、熱分解炭素マイクロピラーは、2.5GPa程度の引張強度と、理論限界である11.0GPa程度に近づく圧縮強度、実質的な弾性限界20〜30%、および低密度1.0〜1.89g/cmを示し、これは、既存の全ての構造材料の特性を超える8.07GPa/g・cmの比強度に対応する。直径が2.3μm未満の熱分解炭素マイクロピラーはゴムのような挙動を示し、破滅的な故障なしに約50%の大きな圧縮歪みを持続した一方、大きなものは20%程度の歪みで脆性破壊を示した。大規模原子シミュレーションは、これらの優れた機械的特性が、少なくとも部分的には、熱分解炭素微細構造内の1nmのカールグラフェンフラグメントの局所変形、隣接するフラグメント間の相互作用、および炭素原子間の強力な共有結合の存在によって可能になることを明らかにした。
現代の高度な材料設計において、高強度、実質的な変形性、大きな弾性限界、および低密度を組み合わせた高性能材料の作製は、長年の目標および課題である。ほぼ全ての構造材料には、2組の明らかな矛盾、すなわち、高強度と高変形性/延性、高強度と低密度が存在する。例えば、金属および合金は延性があり、変形中の転位塑性の調整により10%を超える破壊歪みに耐えることができる(文献1)。ただし、それらの降伏強度は通常100MPa程度に制限され、弾性限界は約2%にすぎない。セラミックはより高い強度(数GPaまで)を有しているが、変形中に可動格子転位が存在しないため、破壊歪みは通常5%未満である(文献1)。金属およびセラミック材料は、一般に密度が2.7g/cmを超える。ポリマー(文献2)と多孔質材料(フォーム(文献3)、ナノ格子(文献4)、ナノスポンジ(文献5)など)は軽量であり、密度はほとんどの金属やセラミックよりもはるかに低くなっている。これらの材料は大幅に変形可能であり、通常50%(文献2〜5)を超える弾性歪みに耐えることができるが、その強度は10MPa程度である。
多数の研究(文献6〜13)は、材料の機械的特性(強度および延性など)は、それらの微細構造およびイントリンシックおよびエクストリンシックの寸法によって大きく左右されることを示している。従って、微細構造またはイントリンシックおよびエクストリンシック寸法を調整することは、材料の機械的特性を変更する効果的な方法である。幾つかの多結晶金属については、粒子サイズを小さくし、原子レベルでナノ双晶構造(文献6、7)を組み込むことにより、強度が100MPa程度から1GPa程度に増加した。原子濃度がほぼ等しい5つ以上の主要元素を含む高エントロピー合金(HEAs)は、固溶により1〜3GPaの高い降伏強度および10〜30%(文献8)の破壊歪みを示しており、これは格子スケールでの複数の主成分の混合によって制御される(文献8)。エクストリンシック寸法(つまり、サンプルサイズ)が10μm未満の単結晶金属は、いわゆる「より小さくより強い」サイズ効果を示す(文献9〜11)。例には、理論限界に近い、5.6GPaの超高引張強度を示す数十ナノメートルの直径を有するAuナノワイヤー/ナノピラーが含まれる(文献10)。この超高強度は、純度が高くほぼ欠陥のない結晶微細構造および/またはナノスケールでの転位源の枯渇(文献9)に関連している。セラミックスについては、最近の研究(文献12)は、ゲージセクションに沿って結晶粒がほとんどないマイクロサイズの形状記憶ジルコニアピラーは、マルテンサイト相変態を受けることにより、約7%の疑似弾性歪みに耐えることを示しており、これらのセラミックスピラーの圧縮強度は最大1.5〜2.5GPaであった。ポリマーについては、強固で固い相(ナノファイバーまたはナノ粒子の形態)がポリマーマトリックスに導入されると、通常、得られるポリマーベースの複合材料は最大で0.5GPa程度の強度を有する(文献13、14)。
炭素系材料は、炭素原子の固有の電子構造により、多数の同素体を含み、これにより、sp、spおよびsp混成結合の形成が可能になる。炭素材料の機械的および物理的特性は、様々な結合構造の結果として大きく変わり得る。2つの代表的な炭素同素体として、100%のsp結合を有するグラフェンとカーボンナノチューブは、100GPa(文献16)までの超高引張強度を有すると報告されている。これら2つの同素体の機械的特性は、空孔、五角形−七角形対、および結晶粒界などの欠陥に非常に敏感であり、欠陥周辺の応力集中により強度が大幅に低下し得る(文献16〜20)。それらはより大きなスケールでの構造用途には実用的ではないが、それらの三次元(3D)アセンブリは、基本的なビルディングブロックの座屈と曲げによって超弾性挙動を示し、巨視的なレベルまでスケールアップできる(文献21〜24)。3Dグラフェンアセンブリの多孔質微細構造は、これらの構築化材料が極めて軽量であり、0.001〜1.0g/cmの低密度と最大50%の優れた弾性限界を有することを可能にするが、強度は10MPa程度である(文献21〜23)。最近、様々な熱分解炭素材料(文献25〜28)が、高分子前駆体を使用した熱分解によって合成されている。1000℃で調製されたバルク熱分解炭素サンプル(文献26)は、4GPaの最適硬度、1.1〜1.4g/cmの密度を有していた。400〜1000℃の高温、10〜25GPaの高圧で合成されたマイクロサイズのガラス状カーボン(文献27)は、9GPaの圧縮強度および2.0〜2.5g/cmの密度を示した。熱分解炭素材料は、通常、破壊歪みが3%未満(文献27)のへき開面を有している。約200nmの特徴的なストラットサイズと0.3〜0.7g/cmの密度を有するガラス状カーボンナノ格子(文献28、29)は、2光子リソグラフィーによって作製されたフォトレジストベースのマイクロアーキテクチャーを使用した熱分解によって製造され、10%未満の破壊歪みにて約300MPaの圧縮強度を達成した。これらの熱分解炭素材料の微細構造は、通常、数ナノメートルの寸法を有する湾曲した炭素層またはフラーレンのようなフラグメントで構成され、それらの機械的特性および性能は、最初の前駆体、熱分解後の原子レベルの微細構造、および処理温度と圧力に強く依存する(文献25、26)。これらの研究は、材料の複数の特性(密度、強度、変形性を含む)を、原子レベルアーキテクチャを設計および制御し、特徴的な寸法を小さくすることによって同時に改善できることを示唆している。また、高強度、著しい延性、大きな弾性限界、および低密度の組み合わせを保持する高性能材料の設計および製造に関連する約束および課題の双方を強調している。
この例示的な実施例では、我々は、2光子リソグラフィーおよび熱分解によって、0.7〜12.7μmの直径を有する熱分解炭素マイクロピラーを開示する。透過型電子顕微鏡(TEM)、ラマン分光法、および電子エネルギー損失分光法(EELS)に基づく特性評価により、これらのマイクロピラーは、1nmサイズのカールグラフェンフラグメント、前駆体材料および熱分解の条件を制御することによって達成される原子レベルのアーキテクチャで構成されることが明らかとなった。その場ナノメカニカル試験は、熱分解炭素が20〜30%の超大弾性限界、2.5および11.0GPaの高引張強度および高圧縮強度、1.0〜1.8g/cmの低密度、および8.07GPa/g・cmまでの超高比最大強度を有することを示し、直径が2.3μm未満のサンプルでは、40%を超える歪みを与えても、実質的に破壊せずに塑性変形し、ゴムのような挙動を示すことを示した。実験的に得られた微細構造を大規模な原子シミュレーションに組み込んで、一軸圧縮および張力下での熱分解炭素ピラーの優れた機械的特性の根底にある変形メカニズムを調査した。
図33Aは、市販のアクリルベースのフォトレジストであるIP−Dipからの2光子リソグラフィーダイレクトレーザーライティング(TPLDLW)を使用して印刷された、直径6〜50μm、高さ12〜100μmの円柱状マイクロピラーの製造プロセスの概略図を示している。TPLDLWによる製造中、サンプルのジオメトリおよび寸法を正確に制御できる。続いて900℃で5時間、真空中で熱分解すると、高分子サンプルが完全に炭化し、体積が98%収縮する(文献29)。得られた熱分解炭素ピラーは、1.28〜12.7μm(熱分解前の寸法の20〜25%)の範囲の直径を有する(図33B〜33C)。シリコン基板上に見える残された炭素リングは、元のピラーの足跡と、熱分解中に基板によって課された制約を表している。幾つかのサンプルは、一軸引張実験用のグリップに適合するようにキャップ付きで製造された。合成の詳細については、この実施例で後述する。
図33Dは、熱分解炭素ピラーの代表的な高解像度TEM(HRTEM)画像を含んでおり、選択した領域の電子回折(SAED)パターンを挿入図に含み、そのアモルファス微細構造を明らかにしている。図33E〜33Fの拡大されたTEM画像は、ピラー体積全体にランダムに分布した、サブナノメートルサイズのボイド(図33E〜33Fで赤い矢印で示される)を生じる多数の1.0〜1.5nmサイズのカール原子フラグメントの存在を示している。熱分解炭素サンプルの炭素層フラグメントの寸法と隣接する層間の間隔は、以前に製造されたもの(それぞれ約4〜6μmおよび1.67〜1.99nm)よりもはるかに小さい(文献26、27)。これらの微細構造特徴は、非黒鉛化ガラス状カーボンのために開発された、報告された幾何学モデルを拡張することにより、熱分解炭素マイクロピラーの密度を推定するための有用な基盤を提供する(文献26)。この幾何学モデルでは、密度は炭素層の平均寸法と曲率、および隣接する層間の間隔に依存する。このモデルを使用して、この研究での熱分解炭素マイクロピラーの密度を1.0〜1.8g/cmと測定した。これは、低密度タイプIのガラス状カーボンの密度に近い(文献27、30)。関連する方法の詳細は、この実施例で後述する。図33Gは、代表的な熱分解炭素マイクロピラーのラマンスペクトルを示しており、グラファイトのDおよびGピークにそれぞれ対応する1359cm−1および1595cm−1のラマンシフトで2つの顕著なピークを含んでいる。Dバンド下の積分面積とGバンド下の積分面積の比率(I/I)により、下記の式(1)で示される、HRTEM画像で観察されたカールした炭素層のフラグメントのほぼ特徴的な結晶サイズLを計算することができた(図33E〜33F)。

ここで、アルファは定数(2.4×1010)、λはラマン実験で使用されたレーザーの波長(ナノメートル単位)である。この式を使用して、炭素層フラグメントの特徴的な結晶サイズは2.4nmと計算された。これは、HRTEM観察から決定された1.0〜1.5nmのサイズと基本的に一致している。炭素層の結晶サイズの評価では、HRTEM観測はラマンスペクトルに基づく式(1)からの近似予測よりも高い精度を有していることに注意されたい。その後の計算では、HRTEM観察から導き出されたように、カールした炭素層の特徴的な結晶サイズは1.0〜1.5nmと計算された。図33Hに示すように、EELSは、292eVでの1s−σピークおよび285eVでの1s−sピークの存在を明らかにしており、これらはsp混成炭素に特徴的なsおよびπ結合と整合している。sp結合の割合は、2ウィンドウ法(文献32)を使用し、参照材料として全てspのガラス状カーボン原料を採用することによって見積もられた(文献27)。sp結合の割合は96.5%と高く、これは熱分解炭素マイクロピラーにおけるsp混成の優位性を示している。この結果は、sp混成アモルファスカーボンは700℃程度を超えると不安定になるため(文献30)、高温で処理された熱分解炭素材料が主に無秩序なsp結合を含むという以前の実験的観察と一致している(文献27)。この結果は、これらの結合がグラフェンの層に対応していることも示している。ラマンスペクトルおよびEELSデータに基づく推定と分析の詳細については、後にこの実施例の方法の説明において説明する。上記の微細構造特性は、我々の熱分解炭素がサブナノメートルサイズのボイドが散在したナノメートルサイズのカールしたグラフェンフラグメントのアセンブリであることを明らかにしている。全体として、この特定の繊細な微細構造は、前駆体材料を選択し、印刷されたサンプルの寸法/ジオメトリおよび熱分解条件を制御することによって、設計および作製された。
熱分解炭素マイクロピラーの機械的特性を特徴付けるために、我々は一連のナノメカニカル実験を行った。非その場一軸圧縮実験は、直径120μmのフラットパンチ圧子チップを有するナノ圧子で行われた。図34Aは、直径が4.6μm〜12.7μmのマイクロピラーの全ての圧縮応力−歪みデータセットを示している。全てのマイクロピラーが破損するまでスムーズに変形し、最初に約20〜30%の歪みまで弾性変形し、次に破壊前にさらに8〜10%程度の歪みを超えて塑性変形したようである。マイクロピラーの上面でのわずかなミスアライメントにより、最初の1〜3%程度の歪みの下で非線形挙動が発生した。図34Aにおける応力−ひずみ曲線の線形弾性部分のフィッティングに基づいて、ヤング率は16〜26GPaであると見積もった。これらのマイクロピラーの破損強度は、直径が小さくなるにつれて3.8GPaから5.6GPaまで増加した。図34Bは、変形前後の直径が7.17μmの典型的なマイクロピラーのSEM画像を示しており、脆性破壊によりμピラーが小さな断片に破壊されたことを示している。
我々はまた、2μm程度以下の直径を有するマイクロピラーに対して同様のその場圧縮実験を行った。その場圧縮実験は、同時ビデオキャプチャで変形を正確に制御できるカスタムメイドの現場ナノメカニカル機器(SEMentor)で行われた(文献33)。図34Cは、直径2.25μmのマイクロピラーの圧縮応力−歪み応答を示しており、これは、最大10%程度の歪みの線形弾性様式に続いて、最大25%程度の歪みの広大なプラトー様プラスチック領域、および歪みが18%程度を越えて増加すると、応力が5.48GPaから12.63GPaに急速に増加する最終段階によって特徴付けられる。この応力−歪み曲線は、ゴムの曲線に似ている。12.63GPaの最大応力から除荷した後、約10%の弾性歪みを解放すると、マイクロピラーは部分的に回復した。図34Cは、実験中のこのサンプルの一連のスナップショットを示しており、番号付きフレームは、データ内の同じ番号の赤い矢印に対応する。最大負荷歪みが43.6%になるまで、局所化や壊滅的な障害が発生することなく、マイクロピラーが徐々に短くなって厚くなることが分かった(直径2.25μmを有する熱分解炭素マイクロピラーのその場圧縮が行われる)。圧縮中、マイクロピラーは圧縮歪みの増加に伴って徐々に短くなり、厚くなる。圧縮中に、わずかな傾きが発生することがある。除荷後、マイクロピラーは約10%の歪みの弾性回復を有する。ピラーの正面図と背面図から取得したSEM画像は、垂直方向に整列した分割マイクロクラックを明らかにしており、これは、大きな圧縮応力の下で核形成しやすく、応力−歪みデータ(図34C)の青い矢印で示されるように、わずかな歪みバーストに繋がった。この実施例1では、そのようなサンプルの圧縮強度は、最初のバーストでの応力に対応する。図42は、圧縮下での直径2.26μmの別のマイクロピラーの詳細なその場変形プロセスを示しており、分裂マイクロクラックの核形成と伝播を取得している。図42における対応する応力−歪みデータのdは、図34Cにおけるプロットと同様の特徴を示している。これらの2つのデータセット間の明らかな違いは、大きな歪みバーストが図42dに見られることであり、これは微小亀裂の急速な伝播によって引き起こされる可能性がある。ほぼ全ての2μm径のマイクロピラーの圧縮中に、同様の変形と破損の兆候が観察される。残りの炭素リング(図34B)の影響の可能性を排除するために、イオンビーム(FIB)ミリングを集束させて、サンプルからリングを除去する(圧縮前の図34Cおよび図42d参照)。図43は、残った炭素リングを保持する直径1.86μmのマイクロピラーの圧縮変形を示しており、これは圧縮中に基板から膨張して基板から分離し、図43dに示すように、36%程度の歪みで実質的な歪みバーストをもたらした。図43dにおいて達成された最大応力は、図34Cおよび図42dのものに匹敵しており、残りの炭素リングの強度への限界寄与を示唆している。
同じ手順を使用して作製された犬の骨形状の試験片に対する一軸引張実験が、通常のナノ圧子では達成できない引張試験を可能にするSEMentor内でその場で行われた(文献33)。図34Dは、直径0.7〜2.0μmのサンプルの引張応力−歪みデータを要約している。線形弾性荷重の後に、全てのサンプルが脆性破壊を介して10〜25%の伸びまで破損したことを確認した(直径1.5μmの熱分解炭素マイクロピラーのその場引っ張り試験が実行される。マイクロピラーは伸びて破損し、滑らかな破面が得られる。引張破壊歪みは最大で約26%である)。典型的な滑らかな破面を図34Eに示す。試験された全ての熱分解炭素試料の引張強度の統計的分布が34Fに示しており、2つのパラメータのワイブル分布に適合している。

ここで、σおよびmは材料パラメータである。この分布により、1.78GPaの特性強度と、3.42の低いワイブル係数mが得られる。これは、破壊強度のばらつきが大きいことを示している。熱分解炭素サンプルの破損強度におけるこの高い変動性は、それらの破損が内部欠陥に起因する可能性が高いことを示唆している。
図35Aは、圧縮実験から得られた全ての実験データを示しており、強度は圧縮破壊応力として定義されている。このプロットは、直径が2.3μmより大きいサンプルの場合、べき乗則σ〜D−0.37(図35A)に従って、直径Dが減少すると圧縮強度σが増加することを明らかにしている。このスケーリング則はσ〜D−0.40の理論的予測とよく一致しており、特徴的な直径Dの準脆性柱の圧縮破壊を記述する破壊力学ベースのモデル(文献34)の漸近分析から導き出されたものである。このモデルでは、ピラーは実験観察と同様に、初期長さhの分割亀裂の伝播を介して破損することが分かる(例えば、図34Cおよび図42)。このモデルは、理論限界σthの式も提供する(文献34)。

ここで、Eはヤング率、Γは破壊エネルギーである。文献35に報告されているガラス状カーボンのヤング率E=19.5GPa(全てのサンプルの圧縮実験から得られた平均ヤング率)および破壊エネルギーΓ=29.9〜61.9J/mを用い、式(2)を用いて初期長さh=100nm〜1μmの分割亀裂のσth=4.0〜13.5GPaの理論限界範囲を計算した。この予測範囲は、実験的に得られた3.8〜11.3GPaの圧縮強度(図35A)に類似しており、直径が2.3μm未満の熱分解炭素ピラーの強度が理論限界に近づいていることを意味している。平均強度を超える強調表示された領域(図35Aにおいて青い破線で示されている)では、マイクロピラーは7.2〜11.3GPaの超高圧縮応力および40%を超える高圧縮歪みに耐えることができる。D<2.3μmのマイクロピラーの圧縮強度の大きな変動は、主に初期分割マイクロクラックhの長さの変動から生じる。D<2.3μmのマイクロピラーの圧縮強度は、平均で0.8〜2.5GPaの対応する引張強度よりも3.5倍高い。この張力−圧縮非対称性は、最近の楕円破壊基準から決定されるように、高強度の共有結合等方性材料で発生する非対称係数2.5〜4.4の理論予測と一致している(文献36)。圧縮および引張実験により、D<2.3μmの熱分解炭素マイクロピラーが高い変形性、すなわち、破壊前の40%を超える圧縮歪みおよび20%程度に引張歪みを示すことが明らかになった。これらのサンプルの繰り返し圧縮実験では、最初のサイクルを超える各サイクル後にほぼ完全な回復が見られた。図35Bは、23%の最大圧縮歪みを伴う、直径1.28μmのマイクロピラーの20サイクルの力−変位データセットを示している。これらのデータは、図35Bの挿入図に示される変形前/変形後のSEM画像と組み合わせて、23%の歪みへの20サイクルの圧縮後に、マイクロピラーがその元の高さの95%回復したことを示している。
小規模の熱分解炭素の観察された大きな変形能および超高強度を可能にする根本的なメカニズムを明らかにするために、LAMMPSにより(文献37)、10〜20nmの直径を有し、一定のアスペクト比(=2)を有する熱分解炭素ピラーの一軸圧縮および張力の大規模分子動力学(MD)シミュレーションを行った。シミュレーション中、ナノピラーは軸方向に沿って5×10/秒の一定の歪み速度および300Kの一定温度で圧縮または伸張された。シミュレーション全体を通して、適応型分子間反応経験的ボンドオーダー力場(文献38)を使用して、原子間相互作用を記述した。この力場は、炭素結合の形成と切断を捉えることができる(文献38)。原子シミュレーションの完全な説明は、下記の方法で説明する。シミュレートされたサンプルは、多くの1nm程度のサイズのカールグラフェン層のフラグメントで構成されており、1.4g/cmの密度を有し、これは図36Aに示すように、実験サンプルのTEM観察と一致する。これらのフラグメントは、共有結合またはファンデルワールス相互作用によって結合されていた。図36Aにおける拡大画像は、隣接するグラフェンフラグメント間の間隔が約0.4nmであること、および図33D〜33FにおけるHRTEM画像のように、それらに隣接して幾つかのサブナノメートルサイズのボイドが存在することを示している。グラフェンにおける炭素原子の混成は、通常、sp結合が主にグラフェン層のエッジ内に集中し、sp結合が一般に隣接するグラフェン層を相互に接続するか、高エネルギー曲面で形成する(図36A)。特定のシミュレートされたサンプルでは、sp結合の割合は、spおよびsp(図44参照)結合の割合よりも少なくとも1桁高く、sp結合の優位性を示し、EELSによる上記の分析と一致している。図36B〜36Cは、MDシミュレーションから決定された圧縮および引張応力−歪み応答を示しており、実験データと同様の傾向と応力を明らかにしている。この結果は、シミュレートされたサンプルと実験的なサンプルの微細構造と密度の類似性を部分的に確認している。図36D〜36Gは、様々な圧縮歪みでのシミュレーションされた変形サンプルの断面の幾つかのスナップショットを示している。初期の弾性段階では、カールグラフェン層は互いに近づき、幾つかは大きく曲がった(図36D)。負荷された圧縮歪みが増加するにつれて、幾つかのグラフェン層が隣接するグラフェン層に比べて滑り、せん断下でグラフェン層が突然破壊された(図36D〜36E)。図36Bに示すように、そのような個別の破壊事象は、21.5%の歪みで機械的応答における応力変動を引き起こした。50%の圧縮歪みで、サブナノメートルサイズのボイドが崩壊し、ナノピラーの緻密化を引き起こした。隣接するグラフェン層の層間滑りとせん断のために、ナノピラーにわずかな傾斜が生じた(図36F)。除荷中に、ナノピラーは、蓄積された弾性歪みエネルギーの解放に関連する回復を示した。グラフェン層間の距離が増加し、サブナノメートルサイズのボイドが部分的に再開した(図36G)。回復された歪みは19%であり、これは実験結果に匹敵する(図36B)(さらに、直径20nmの熱分解炭素ナノピラーに対する一軸圧縮の原子論的シミュレーションが実行される。初期圧縮段階では、カールグラフェン層が互いに接近し、一部のグラフェン層が大きく曲がる。圧縮歪みが増加するにつれて、幾つかのグラフェン層は、隣接する層に対して滑り、せん断下でグラフェン層が突然破壊される。圧縮歪みが50%になると、サブナノメートルサイズのボイドが閉じて、ピラーが緻密化する傾向がある。隣接するグラフェン層の層間の滑りとせん断によって、ナノピラーにおいてわずかな傾斜が発生する。除荷中に、ナノピラーは一定の弾性回復を示す。グラフェン層間の距離が増加し、サブナノメートルサイズのボイドが部分的に再び開いた。)
実験の別の類似点は、張力に晒された全てのシミュレートされたナノピラーが、ほぼ線形の弾性変形を受けた後に破壊されたことである(図36C)。図36H〜36Jは、異なる歪みで伸張されたサンプルの断面の一連のスナップショットを示している。多数のナノスケールのキャビティが核形成し、張力下で拡大し、その後合体して、ナノスケールの亀裂の形成をもたらすことを確認した(図36lおよび図45A)。最終的に、これらのナノスケールのクラックは、引張荷重に垂直な方向に伝播し、滑らかな破断面をもたらした(図36Jおよび図45B)。このへき開破壊は、図34Eに示される実験的観察と同様である(さらに、直径20nmの熱分解炭素ナノピラーでの一軸張力の原子シミュレーションが実行される。張力中に、湾曲したグラフェン層が伸張される。多数のナノスケールのキャビティが核となり、成長して合体し、ナノスケールの亀裂が形成される。最終的に、これらのナノスケールの亀裂は引張方向に垂直な方向に伝播し、滑らかな破面になる)。図36Cは、初期亀裂のないナノピラーの引張強度が20GPaを超えることを示しており、これは、強力な共有結合を破壊するためにかなりの力が必要であることから生じる。強度はナノピラーに亀裂を導入した後、約12GPaに低下するが、これは、初期の欠陥/不完全性の存在により、熱分解炭素ピラーの引張強度が大幅に低下することを示している。図46は、初期長さが4nmおよび8nmのナノクラックを有するナノピラーの変形プロセスを示している。それらの破壊は常に、既存のナノクラックの成長と拡張に起因し、ナノクラックのないナノピラーよりも小さい破壊歪みと滑らかな破壊表面に繋がることが分かる。シミュレートされたサンプルの引張強度は、実験サンプルの引張強度よりもはるかに高くなり、これは、実験およびシミュレーションにおける負荷された歪み速度の約10〜11桁の差、サンプルサイズの約1〜2桁の差および同等でない欠陥濃度によって生じる一般的な現象である。MDシミュレーションでは、熱分解炭素ピラーの圧縮および張力に関するメカニズムの詳細も明らかとなった。圧縮中、サブナノメートルサイズのボイドの閉鎖、構造の緻密化、グラフェン層のフラグメントとの滑り/せん断により、大きな変形に対応する。伸張下では、初期欠陥のあるサンプルは、既存の欠陥の合体と拡張によって破壊する。初期欠陥のないサンプルの場合、引張変形は、ナノスケールのキャビティの核形成、成長、合体、および得られたナノスケールの亀裂の伝播によって支配される(図36H〜36Jおよび図45A〜45B)。これらの基本的な変形メカニズムは、熱分解炭素マイクロピラーの観察された高い変形性、高い弾性限界、および高い強度について合理的に説明する。
この研究で検討された熱分解炭素材料の特性をそれらの内容で調べるために、図37Aに様々な構造材料の強度対密度の材料パラメータをプロットし、これには、従来の構造材料(文献4、25、26、39)および最近報告された高強度ナノ材料(文献6、10、40〜43)も含まれる。このプロットは、本研究における熱分解炭素の強度が、バルクの熱分解炭素(PyCs)(文献25、26、39)、グラファイト、炭素繊維強化炭素(C/C)(文献40)、酸化グラフェン紙(GOP)(文献41)、銅ナノピラー(Cu−NPs)(文献42)、金ナノピラー(Au−NPs)(文献43)、バルクナノ双晶銅(NT−Cu)(文献6)、およ
び文献28において提案された構造材料の一軸強度の上限に接近している。熱分解炭素マイクロピラーの強度は、炭素マイクロファイバー(文献44)および金ナノワイヤー(Au−NW)(文献10)の強度に匹敵するが、その密度は、それぞれ炭素繊維およびAu−NWの約79%および7.3%である。図47は、形状記憶ジルコニア(文献12)、SU−8複合材料(文献14)、炭素マイクロファイバー(文献44)、GOP(文献41)、Cu−NPs(文献42)、NT−Cu(文献6)、およびZrベースの金属ガラス(MG)(文献45)を含む、様々な材料の強度と破壊歪みの類似した特性プロットを示している。本研究の熱分解炭素マイクロピラーは、高強度と高変形性の優れた組み合わせを示しており、これは、これまでに全ての材料を悩ませてきた強度と変形性との間の古典的なトレードオフを克服することを意味している。熱分解炭素マイクロピラーは、2.5GPaの高い引張強度と11.0GPaの高い圧縮強度とを兼ね備え、1.0〜1.8g/cmの低密度を有しているため、高強度と低密度との競合が部分的に克服されており、8.07GPa/g・cmの超高比強度に繋がる。図37Bは、様々な材料の固有の比引張強度および比圧縮比強度を示しており、熱分解炭素マイクロピラーの比強度が、GOP、NT−Cu、およびAu−NWよりも1桁大きく、炭素マイクロファイバーに匹敵することを示している。それらの比圧縮強度は、一般的な硬質セラミック(文献46)(BC、SiC、およびAlなど)、金属ナノピラー(Cu−NPs(文献42)およびAu−NPs(文献43))、および炭素材料(PyCs(文献25、26、39)、グラファイト、およびC/C(文献40))の中のこれまでで最高の比圧縮強度(文献28)を有するダイヤモンドのそれを超えている。図37Cは、熱分解炭素、およびチタン合金、マグネシウム合金、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)およびダイヤモンドを含む、その他の様々な材料の比強度対破壊歪みのアシュビープロットを示している。特に、我々の熱分解炭素は、他の物質が到達しないアシュビー図の未踏のスペースを占めている。我々の実験およびシミュレーションにより、熱分解炭素マイクロピラーは、高い変形能、超大弾性限界、および超高強度と比強度の固有の組み合わせを示すことが明らかとなった。熱分解炭素マイクロピラーのこれらの優れた機械的特性は、その微細構造と構成材料から生じる。基本的なビルディングブロックとして、1nmサイズのカールグラフェン層は、高い強度と同様に、高い面内剛性と面外柔軟性とを備えている。これらのグラフェン層の密集したアセンブリは、共有結合またはファンデルワールス相互作用によって熱分解炭素マイクロピラーを形成する。その結果、熱分解炭素マイクロピラーは大きな弾性変形を維持し、大きな圧縮と伸張に対抗できる。これらの結果は、ナノメートルサイズのカールグラフェンフラグメントを高性能炭素材料に組み立てる新しい設計ルートを提供する。
本発明の熱分解炭素マイクロピラーは、既存のバルクおよびマイクロサイズの熱分解炭素(文献26、27)よりも1.5〜8.2倍高い圧縮強度および少なくとも1桁大きい破壊歪みを示すことに留意されたい。機械的特性のこれらの違いは、これらの材料間の微細構造およびサンプルサイズの違いに起因するとすることができる。第1に、炭素層のフラグメントの結晶サイズと、熱分解炭素の隣接する層間の間隔は、既存のバルクおよびマイクロサイズの熱分解炭素のそれら(約4〜6nmおよび1.67〜1.99nm)よりもはるかに小さい(文献26、27)。これらの様々な微細構造は、様々な熱分解前駆体の材料および条件(温度や継続時間など)によって引き起こされる。第2に、高強度で大きな変形能を備えた熱分解炭素の直径は数ミクロンであり、(数百ミクロンを超える)バルクおよびマイクロサイズの熱分解炭素の直径よりも2〜4桁小さい(文献26、27)。従って、原子レベルの微細構造とサンプル寸法の設計/制御により、熱分解炭素の機械的特性が大幅に向上した。
要約すると、我々は、DLWおよび熱分解を介してポリマーフォトレジストから誘導された新しい熱分解炭素マイクロピラーを合成した。これらのマイクロピラーは、平均サイズが約1.0〜1.5nmのカールしたグラフェンフラグメントで構成されている。圧縮試験と引張試験の両方で、これらのマイクロピラーは、大きな変形能、超大弾性限界、および超高強度と比強度の並外れた組み合わせを示すことが分かった。大規模なMDシミュレーションは、熱分解炭素ピラーの変形のメカニズムの詳細を提供した。すなわち、圧縮変形は構造の緻密化とグラフェン層の滑り/せん断によって支配されたのに対して、引張変形は初期欠陥の拡張またはナノスケールのキャビティの核形成、成長、合体によって支配された。これらの変形メカニズムは、高変形性、高弾性限界、高強度などの望ましい特性の固有な組み合わせを担っている。我々の結果は、熱分解炭素材料の微細構造、変形メカニズム、および機械的特性の間の重要な関係を明らかにし、それによって新しい高性能炭素材料を設計および合成するための潜在的なルートを提供する。
方法
サンプルの作製:熱分解炭素マイクロピラーの作製プロセスは、2つの工程:2光子リソグラフィーおよび高温熱分解を含む。まず、3DTPL DLW(Nanoscribe社製 Photonic Professional)を使用して、ディップインレーザーリソグラフィー構成、63倍の対物レンズ、および市販のIP−Dipフォトレジストを使用して、ピラーを合成した。熱分解のために、印刷された高分子サンプルは、真空管炉で7.5℃/分の昇温速度で900℃まで加熱し、その後、目標温度で5時間維持し、最後に自然速度で室温まで冷却した。熱分解後、ピラーの寸法は元の値の約20%〜25%に縮小し、これは98%の体積収縮に相当する。圧縮実験のための熱分解炭素ピラーの直径Dは、1.28〜12.7μmまで変化させた。0.7〜2.0μmのゲージセクションを有する犬の骨形をしたサンプルも、引張実験と同じ手順を使用して合成した。熱分解炭素サンプルのアスペクト比(つまり、高さ対直径)は、圧縮で1.4〜1.8、引張で1.5〜4.3とした。
微細構造の特徴付け:熱分解炭素マイクロピラーの微細構造は、FEI Technai TF-30 TEMによって300kVの加速電圧にて特徴付けられた。EELSは、FEI Technai TF-20で加速電圧200kVにて実施され、spおよびsp結合の相対比率を見積もった。TEM分析用のサンプルは、特定領域のリフトアウト手順を使用して準備し、分離したラメラをTEMグリッドに取り付け、イオンビーム(FIB、FEIVersa)中の15kVの電圧および10μAの電流を使用して60.73nmの最終厚みまで最終的に薄厚化した。ラマンスペクトルは、514.5nmレーザーを備えたラマン分光計(Renishaw M1000 Micro)を使用して、室温で収集された。
ナノメカニカル実験:直径1.18〜2.28μmのサンプルに対する一軸圧縮および全ての一軸引張実験は、カスタムメイドのその場ナノメカニカル機器(SEMentor)(文献33)において、直径10μmのフラットパンチ圧子チップを用いて10−3/秒の一定の公称ひずみ速度で行われた。直径が4.6〜12.7μmのより大きなサンプルは、ナノ圧子(Nanoidenter G200XP, Agilent/Keysight Technologies)で、120μm径のフラットパンチを使用して、その場装置における負荷限界のため、0.02〜0.2mN/秒の一定の負荷率で圧縮した。G200において直径2.21〜12.7μmのサンプルに対して追加の圧縮実験を行い、その場実験の結果を個別に検証した。
TEM分析からの熱分解炭素マイクロピラーの密度の推定:HRTEM画像は、熱分解炭素マイクロピラーがナノメートルサイズのランダムに分布した湾曲グラフェン層からなることを明らかにしている。図41は、これらの材料の密度の推定に関連する画像の包括的なセットを提供する。図41aは、湾曲したグラフェンセグメントの分布を示す。図41bは、個々の代表的なグラフェンセグメントを示し、ここで、平均の端から端までの長さはLであり、隣接する層間の間隔はLである。熱分解炭素の密度(ρPC)を推定するために、既存の幾何モデル(文献26)に基づいて構築した。湾曲したグラフェン層の密度ρCGLは、以下のように表すことができる。
ここで、ρは単結晶グラファイトの密度(ρ=2.25g/cm)、Lは単結晶グラファイトの層間距離(L=0.34nm)、βは湾曲したグラフェンの曲率を反映する形状係数であり、β=1は平坦なグラフェン層を表し、β=π/2は半円に相当する。図41cは、2つの湾曲したグラフェン層の合理的な積層構造を表す概略図である。このジオメトリをガイドとして使用すると、熱分解炭素の密度は以下の式(2)ように推定できる(文献26)。

ここで、θは典型的なユニットセル内の2つのグラフェン層間の配向角度であり(図41c)であり、θ=45°は等方性熱分解炭素(文献26)に対応し、湾曲したグラフェン層がランダムに分布する。TEM観察(図33E〜33F)に基づいて、我々はβ=1またはπ/2、θ=π/4、L=0.4nm、およびL=1.0〜1.5nmを得た。これらのパラメータを式(1)および(2)に代入することにより。ρPC=1.0〜1.8g/cmを得る。図41dは、我々の変更されたモデル、以前の幾何学的モデルとバルクの熱分解炭素の実験データを比較している。この修正モデルからの予測は、実験データと一致している(文献25、39)。
ラマンスペクトルに基づく炭素フラグメントのサイズの推定:ラマン分光法は、グラフェン、カーボンナノチューブおよびガラス状カーボンを含む、ナノスケールレベルでの炭素材料の欠陥および無秩序性を調べるために広く使用されている(文献31、47)。ラマンスペクトルにおけるDピークの下の積分面積とGピークの下の積分面積の比I/Iは、式(1)によって炭素材料の面内結晶子サイズ(L)に関連している(文献31)。まず、1580、1350、1620、1200cm−1程度のラマンシフトで4つのローレンツ型バンド(G、D、D、D)および文献47における1500cm−1でのガウス型バンド(D)を使用して、熱分解炭素マイクロピラーのラマンスペクトルをフィッティングした。図33Gに示されるラマンスペクトルは、I/I=6.937、レーザー波長λ=514.5nmを有し、これは式(1)によってL=2.4nmを与える。この結果は、HRTEM分析に基づいて推定された1.0〜1.5nmの湾曲したグラフェン層の特徴的なサイズと一致している。
EELSに基づくsp結合の割合の推定:EELSスペクトルは、炭素材料の電子構造に関する定量的情報を提供する(文献27、32)。共通の2ウィンドウ法(文献32)を使用して、熱分解炭素マイクロピラーのsp結合の割合を推定し、そこでは完全なsp混成されたガラス状カーボン原料のEELSデータを参照として使用した。図33Hの熱分解炭素のEELSデータからおよびガラス状カーボン原料を使用して、熱分解炭素とガラス状カーボン原料のπおよびσピーク周辺の2つのウィンドウ下の面積lπおよびlσを計算した。次に、正規化された比率Nintは、以下の式(3)のように計算される(文献27、32)。

ここで、上付き文字「PC」および「RG」は、それぞれ熱分解炭素およびガラス状カーボン原料を表す。次の式(4)に示すように、正規化された比率Nintはsp結合の割合の関数fでもある(文献27、32)。

上記式(3)と式(4)とを互いに等しいとすると、熱分解炭素マイクロピラーにおけるsp結合の割合は96.5%であることが分かった。
原子論的シミュレーション:LAMMPS(文献37)を使用して熱分解炭素ナノピラーの一軸圧縮および張力をエミュレートする一連の大規模な原子論的シミュレーションを実行した。原子間相互作用を説明するために、全てのシミュレーションで適応型分子間反応経験的ボンドオーダー力場(文献38)を使用した。この力場は、ボンドオーダー(結合次数)、非結合相互作用(つまり、ファンデルワールス)、およびねじれ相互作用に基づいて結合相互作用を記述する。これにより、炭素結合の形成と破壊を捉えることができる(文献38)。まず、HRTEM画像から実験的に決定された微細構造を使用してシミュレートされるサンプルを作製し、これらは平均サイズが1nmの多数の湾曲したグラフェンフラグメントを含んでいた。これらのグラフェンフラグメントは、C84フラーレンから抽出された。ランダムな方向性を有する多数のこのようなグラフェンフラグメントは、最初は27.5×27.5×54.3nmの寸法のシミュレーションボックスに六方最密充填された。次に、このシステムは、NPTアンサンブル下でエネルギー最小化と300Kで50psの自由緩和によって平衡化された。平衡化後、シミュレートされたシステムの密度が1.40g/cm(微細構造の特徴に基づく熱分解炭素マイクロピラーの推定中央密度)に凝縮するまで、NVTアンサンブルを介して300Kで550ps、10/秒の一定歪み速度で静水圧圧縮された。圧縮後、静水圧は10GPaまで増加した。続いて、シミュレーションボックスの全ての寸法を制限することにより、体積を一定に保ちながら、溶解−急冷プロセスを実行した。このプロセス中、まず、温度を50ps以内で300Kから1200Kまで徐々に上げ、次に温度を1200Kに300ps保持してグラフェンフレークを高温高圧にて溶融し、最後に温度を1200Kから300Kまで50psで下げた。次に、NPTアンサンブルの下で、300Kで200psのシミュレーションサンプルを緩和して、圧力を完全にゼロにした。緩和後、シミュレートされたサンプルの寸法は20.5×20.4×40.8nmで、密度は1.4g/cm程度であった。これらのプロセス全体を通じて、シミュレーションされたサンプルの3方向全てに周期境界条件が課された。
次に、一軸変形シミュレーションを実行するために、上記緩和された立方体サンプルから直径が10nmおよび20nmのナノピラーを抽出した。実験を模倣するために、全てのナノピラーのアスペクト比を2付近に維持した。平衡化後、NVTアンサンブルによって5×108/秒の一定の歪み速度および300Kの一定温度で軸方向に沿ってナノピラーを圧縮または伸張した。シミュレーション中、各原子の応力はビリアル応力定理に基づいて計算された。圧縮応力および引張応力は、ナノピラー内の全ての原子の軸方向応力を平均して得られた。
我々は、シミュレートされたサンプルの引張応答に対する、ナノスケールの亀裂などの欠陥の影響も調査した。「構築されたままの」サンプルから幾つかの原子を除去することによって、長さが4nmまたは8nmの幾つかのナノスケールの亀裂を導入した。平衡化後、同じ引張荷重を「構築されたままの」サンプルおよびナノクラックのあるサンプルに負荷し、それらの応力歪み応答および破壊を比較した。シミュレーション全体を通じて、シミュレーションされたナノピラーの軸方向に沿って周期境界条件が課された。各原子の配位数をカウントすることにより、シミュレートされたサンプルのsp、sp、およびsp結合を特定した。sp結合は主に湾曲したグラフェン層の端に分布しており、sp結合は隣接するグラフェン層を相互に接続しているか、グラフェン層の高エネルギー曲面に形成されていることが分かった(図44参照)。「構築されたままの」サンプルのsp、sp、およびsp混成結合の割合は、それぞれ8.8%、89.1%および1.8%であり、シミュレーションされたサンプルではsp結合が支配的であり、実験結果と一致していた(図33H)。残りの0.3%の結合はダングリングボンドであった。
実施例8に対応する文献
文献1:Meyers, M. A. & Chawla, K. K. Mechanical Behavior of Materials (Cambridge Univ. Press, Cambridge, 2009).
文献2:Ashby, M. F. Material Property Charts in Materials Selection in Mechanical Design (Butterworth-Heinemann, Oxford, ed. 4, 2011), chap. 4, pp. 57-96.
文献3:Muth, J. T., Dixon, P. G., Woish, L, Gibson, L. J. & Lewis, J. A. Architected cellular ceramics with tailored stiffness via direct foam writing. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 114, 1832-1837 (2017).
文献4:Lucas, R., Meza, L. R., Das, S. & Greer, J. R. Strong, lightweight, and recoverable three-dimensional ceramic nanolattices. Science 345, 1322-1326 (2014).
文献5:Wang, H. et al. Ultralight, scalable, and high-temperature-resilient ceramic nanofiber sponges. Sci. Adv. 3, e1603170 (2017).
文献6:Lu, L., Shen, Y., Chen, X., Qian, L. & Lu, K. Ultrahigh strength and high electrical conductivity in copper. Science 304, 422-426 (2004).
文献7:Sanders, P. G., Eastman, J. A., & Weertman, J. R. Elastic and tensile behavior of nanocrystalline copper and palladium. Acta Mater. 45, 4019-4025 (1997).
文献8:Zhang, Y. et al. Micro structures and properties of high-entropy alloys. Prog. Mater. Sci. 61, 1-93 (2014).
文献9:Greer, J. R. & Hosson, J. T. Plasticity in small-sized metallic systems: Intrinsic versus extrinsic size effect. Prog. Mater. Sci. 56, 654-724 (2011).
文献10:Wu, B., Heidelberg, A. & Boland, J. J. Mechanical properties of ultrahigh-strength gold nanowires. Nat. Mater. 4, 525-529 (2005).
文献11:Lowry, M. B. et al. Achieving the ideal strength in annealed molybdenum nanopillars. Acta Mater. 58, 5160-5167 (2010).
文献12:Lai, A., Du, Z., Gan, C. L. & Schuh, C. A. Shape memory and superelastic ceramics at small scales. Science 341, 1505-1508 (2013).
文献13:Jordan, J., Jacob, K. I., Tannenbaum, R., Sharaf, M. A. & Jasiuk, I. Experimental trends in polymer nanocomposites-a review. Mater. Sci. Eng. A 393, 1-1 1 (2005).
文献14:Dusoe, K. J. et al. Ultrahigh elastic strain energy storage in metal-oxide-infiltrated patterned hybrid polymer nanocomposites. Nano Lett. 17, 7416-7423 (2017).
文献15:Gogotsi, Y. Not just graphene: The wonderful world of carbon and related nanomaterials. MRS Bull. 40, 1 1 10-1 121 (2015).
文献16:C. Lee, C., X. Wei, X., J. W. Kysar, J. W. & Hone, J. Measurement of the elastic properties and intrinsic strength of monolayer graphene. Science 321, 385-388 (2008). 文献17:Rasool, H. I., Ophus, C., Klug, W. S., Zettl, A. & Gimzewski, J. K. Measurement of the intrinsic strength of crystalline and polycrystalline graphene. Nat. Commun. 4, 281 1 (2013).
文献18:Zhang, P. et al. Fracture toughness of graphene. Nat. Commun. 5, 3782 (2014).
文献19:Wei, Y. et al. The nature of strength enhancement and weakening by pentagon-heptagon defectsin graphene. Nat. Mater. 11, 759-763 (2012).
文献20:Song, Z., Artyukhov, V. I., Wu, J., Yakobson, B. I. & Xu, Z. Defect-detriment to graphene strength Is concealed by local probe: the topological and geometrical effects. ACS Nano 9, 401-408 (2015).
文献21:Cao, A., Dickrell, P. L, Sawyer, W. G., Ghasemi-Nejhad, M. N. & Ajayan, P. M. Super-compressible foam-like carbon nanotube films. Science 310, 1307-1310 (2005).
文献22:Qu, L., Dai, L., Stone, M., Xia, Z. & Wang, Z. L. Carbon nanotube arrays with strong shear binding-on and easy normal lifting-off. Science 322, 238-242 (2008).
文献23:Barg, S. et al. Mesoscale assembly of chemically modified graphene into complex cellular networks. Nat. Commun. 5, 4328 (2014).
文献24:Qin, Z., Jung, G. S., Kang, M. J. & Buehler, M. J. The mechanics and design of a lightweight three-dimensional graphene assembly. Sci. Adv. 3, e1601536 (2017).
文献25:Zhang, H., Lopez-Honorato, E. & Xiao, P. Fluidized bed chemical vapor deposition of pyrolytic carbon-ill. Relationship between microstructure and mechanical properties. Carbon 91, 346-357 (2015).
文献26:Stein, I. Y. et al. Structure-mechanical property relations of non-graphitizing pyrolytic carbon synthesized at low temperatures. Carbon 117, 41 1-420 (2017).
文献27:Hu, M. et al. Compressed glassy carbon: An ultrastrong and elastic interpenetrating graphene network. Sci. Adv. 3, e1603213 (2017).
文献28:Bauer, J., Schroer, A., Schwaiger, R. & Kraft, O. Approaching theoretical strength in glassy carbon nanolattices. Nat. Mater. 15, 438-443 (2016).
文献29:Li, X. & Gao, H. Mechanical metamaterials: Smaller and stronger. Nat. Mater. 15, 373-374 (2016).
文献30:Harris, P. J. New perspectives on the structure of graphitic carbons. Crit. Rev. Solid State 30, 235-253 (2005).
文献31:Cangado, G. L. et al. General equation for the determination of the crystallite size of nanographite by Raman spectroscopy. Appl. Phys. Lett. 88, 163106 (2006).
文献32:J Bruley, J., Williams, D. B., Cuomo, J. J. & Pappas, D. P. Quantitative near-edge structure analysis of diamond-like carbon in the electron microscope using a two-window method. J. Microsc. 180, 22-32 (1995).
文献33:Jennings, A. T. & Greer, J. R. Tensile deformation of electroplated copper nanopillars PM Mag. 91, 1 108-1 120 (2011).
文献34:Bazant, Z. P. & Xiang, Y. Size effect in compression fracture: Splitting crack band propogation. J. Eng. Mech. 13, 162-172 (1997).
文献35:Zhao, J. X., Bradt, R. C. & Walker, P. L. The fracture toughness of glassy carbons at elevated temperatures. Carbon 23, 15-18 (1985).
文献36:Qu, R. & Zhang, Z. A universal fracture criterion for high-strength materials. Sci. Rep. 3, 1 1 17 (2013).
文献37:Plimpton, S. Fast parallel algorithms for short-range molecular dynamics. J. Comp. Phys. 117, 1-19 (1995).
文献38:Stuart, S. J., Tutein, A. B. & Harrison, J. A. A reactive potential for hydrocarbons with intermolecular interactions. J. Chem. Phys. 112, 6472-6486 (2000).
文献39:Yajima, S., Hirai, T. & Hayase, T. Micro-hardness of pyrolytic graphite and siliconated pyrolytic graphite. Tanso 69, 41-47 (1972).
文献40:Oku, T., Kurumada, A., Imamura, Y. & Ishihara, M. Effects of ion irradiation on the hardness properties of graphites and C/C composites by indentation tests. J. Nucl. Mater. 381 , 92-97 (2008).
文献41:Dikin, D. et al. Preparation and characterization of graphene oxide paper. Nature 448, 457-460 (2007).
文献42:Jang, D., Li, X., Gao, H. & Greer, J. R. Deformation mechanisms in nanotwinned metal nanopillars. Nat. Nanotechnol. 7, 594-601 (2012).
文献43:Greer, J. R., Oliver, W. C. & Nix, W. D. Size dependence of mechanical properties of gold at the micron scale in the absence of strain gradients. Acta Mater. 53, 1821-1830 (2005).
文献44:Fu, S. Y., Lauke, B., Mader, E., Yue, C. Y. & Hu, X. Tensile properties of short-glass-fiber-and short-carbon-fiber-reinforced polypropylene composites. Composites Part A 31, 1117-1125 (2000).
文献45:Jang, D. & Greer, J. R. Transition from a strong-yet-brittle to a stronger-and-ductile state by size reduction of metallic glasses. Nat. Mater. 9, 215-219 (2010).
文献46:Dunlay, W. A., Tracy, C. A. & Perrone, P. J. A proposed uniaxial compression test for high strength ceramics. DTIC Document, (1989).
文献47:Sadezky, A., Muckenhuber, H., Grothe, H., Niessner, R. & Poschl, U. Raman microspectroscopy of soot and related carbonaceous materials: Spectral analysis and structural information. Carbon 43, 1731 -1742 (2005).
実施例9:軽量で欠陥のない、強力なナノ構造炭素
この例示的な実施例の要約:現代の材料設計における長年の課題は、欠陥に対して堅固であり、極端な熱機械環境に耐えることができる低密度材料を作製することである。なぜなら、これらの特性は通常、相互に排他的であるためであり、密度が低いほど、材料は弱く壊れやすくなる。我々は、これまでの全てのナノおよびマイクロ構築化材料よりも1〜3桁以上も優れている1.90GPa/g・cmという特定の強度(強度対密度比)を達成できるナノ構築化炭素を作製する簡単なプロセスを開発した。我々は2光子リソグラフィーを使用し、続いて900℃の真空で熱分解して、熱分解炭素の2つのプロトタイプトポロジ、すなわち、オクテットおよびアイソトラスを作製した。ユニットセルの寸法は2μm程度であり、ビーム径は261nm〜679nm、密度は0.24〜1.0g/cmとした。マイクロメカニカル実験では、ヤング率が0.34〜18.6GPa、強度が0.05〜1.9GPa、平均歪み対破壊が14%〜17%であることを示している。実験およびシミュレーションは、密度が0.95g/cmを超える場合、これらのナノ格子は製造起因の欠陥に鈍感になり、その結果、構成材料の理論強度にほぼ到達し、ナノおよびマイクロ構築化炭素が過酷な熱機械環境下での構造用途の特に有望な候補にしている。熱分解炭素の原子レベルの微細構造、ナノサイズのビーム寸法、最適化された格子トポロジー間の相互作用の点で、破損前の高比強度、低密度、および広範囲の変形性のこの組み合わせについて説明する。
意義:
多孔質材料の強度および密度は、典型的には一緒にスケーリングする。現代の材料設計における長年の課題は、軽量で強力かつ剛性のある多孔質材料を作製することであった。ここでは、直接レーザー書き込みと高温での熱分解という2段階の手順によって、設計可能なトポロジーを有する熱分解炭素ナノ格子の作製を示した。ナノ格子における支柱の最小の特徴的なサイズは、利用可能な三次元リトグラフ技術の解像度の限界に近づいた。我々は、これらの熱分解炭素ナノ格子は、これまでに報告されたほぼ全てのマイクロ/ナノ構造材料の1〜3桁強いことを実証した。
木材、骨、ユープレクテラスポンジ(Euplectella sponges)、珪藻および竹などの軽量多孔質材料は、自然界の至る所に存在する。これらの天然構造材料は、広範囲にわたって調査され(文献1〜5)、外部から負荷された荷重に対して弾力性があり、衝突エネルギーの吸収および散逸に強力であることが示されている。このような機械的弾力性は、2つの主要な設計原則、すなわち(i)構成材料におけるマルチスケール階層および天然材料の長さスケールであり、これらは通常、ナノからマクロスケールまでの特性寸法を有する複雑なマルチレベルアーキテクチャからなる(文献5)、および(ii)特徴的な材料の長さのスケールが臨界値(文献4)を下回る場合の欠陥に対するそれらの耐性、によって可能となる。どちらの原則も高度な材料のエンジニアリングに適用され、様々な程度の成功を収めている(文献5、6)。
「軽量」であると見なされる材料の一般的なガイドラインは、その密度が水の密度よりも低いことである(すなわち、ρ≦1.0g/cm)(文献16)。特に、三次元(3D)微細加工および積層造形における材料加工技術の最近の進歩は、高比剛性、高比強度、優れた復元力/回復力などのその他の有益な特性を有することが多い軽量材料を製造するための特に有望なパスを提供する(文献7〜27)。これらのナノおよびマイクロ設計化材料における超軽量の不利益は、べき乗則スケーリングによる剛性および強度の大幅な低下である:ρ〜(ρ/ρ、E〜(ρ/ρ、ここでρは降伏強度、Eはヤング率、ρは密度、ρは完全に密な構成固体(文献1)の密度である。指数mおよびnは一般に1より大きいため、他の特性(熱安定性、電気伝導率、磁性、回復性など)を維持しながら、軽量で強固な材料を同時に作製する方法論を開発することができる。これは、材料の選択およびアーキテクチャが制限されているため、大きな挑戦である。
今日までのマイクロ/ナノ構築化材料に関するほとんどの研究は、中空ビームベースのアーキテクチャに焦点を合わせてきており、これは付随する高いコンプライアンスを伴って非常に軽量である。上記中空ビームゲースアーキテクチャは、例えば、弾性率が529kPa、密度が0.010g/cm程度での圧縮強度が10kPa程度のニッケルベースの中空管状マイクロ格子(文献7)、0.003〜1.4GPaのヤング率、密度が0.006〜0.25g/cmでの圧縮強度が0.07〜30MPaのセラミック中空管状ナノ格子(文献10〜14)である。これらのマイクロ/ナノ構築化材料は、長さスケール階層の共通の特徴を有し、すなわちそれらの構造要素の関連寸法は、3〜5桁の大きさに及び、数十ナノメートル〜数百マイクロメートル、さらにはそれ以上である。大面積投影マイクロステレオリソグラフィーを使用して製造されたニッケル合金中空管状ナノ格子の構造的特徴は、空間次元において数十ナノメートルから数十センチメートルまでの7桁に及び、20%を超える引張歪みを達成し、0.15%の相対密度に対応する0.20g/cm程度の密度での125kPaの低弾性率および80kPa程度の低い引張強度を有する(文献17)。これらのナノ格子の変形可能性は、一連の階層およびシェル座屈にわたる曲げ支配および伸縮支配の階層構造、および薄肉中空シリンダーに特徴的な弾性不安定性の組み合わせによるものである(文献17)。薄壁アーキテクチャの中で、3D周期的グラフェンエアロゲルマイクロ格子は、直接インク書き込みにより合成され、これらの材料は非常に軽量で、0.031〜0.123g/cmの密度を有し、非常に順応性があり、1〜10MPaの弾性率を有し、弱く、0.10〜1.6MPaの低い強度を有し、90%歪みまでの圧縮後にほぼ完全な回復を示す(文献23)。
幾つかの努力はまた、様々な材料の非中空ビームからなるマイクロおよびナノ構築化材料の合成および機械的特性に捧げられてきており、これは中空ビーム対応物と比較してより高い剛性およびより高い密度を提供する。これらの研究のほとんどは、コアシェル型のビームからなるアーキテクチャに基づいており、通常はアクリルポリマーコアおよび数十ナノメートルから数百ナノメートルの薄く堅固な外側コーティングを有する。例えば、ポリマーコアアルミナシェルビームを備えた三角トラスマイクロ格子は、TPLとALDとを組み合わせることによって合成され、4〜6%程度の低破壊歪みおよび0.42g/cmの密度で約30MPaの弾性率を維持した(文献16)。スパッタされた14〜126nm厚の高エントロピー合金(HEA)コーティングを有する直径262〜774nmのポリマービームで構成されるオクテットトラスナノ格子は、密度が0.087〜0.865g/cmでヤング率が16〜95MPa、圧縮強度が1〜10MPaであると報告されている(文献20)。HEAの厚みが50nm未満のサンプルは、50%を超える圧縮後に完全に回復した(文献20)。コアシェルビームナノおよびマイクロ構築化材料を超えて、モノリシックビームを使用した3D構造メタマテリアルの製造と変形に関する幾つかの報告が存在する。例えば、特注の合成樹脂上でTPLおよび続く熱分解によって作製された、300〜400nmの直径のモノリシックビームおよび2μmのユニットセルを有するナノ結晶ニッケルオクテットトラスナノ格子は、2.5g/cmの密度で、90MPa程度の弾性率、189MPaの圧縮強度、20%を超える高破壊歪みを示した(文献20)。UVマスクパターン化ポリマーテンプレートを熱分解することによって作製された、ビーム径が100μm程度のガラス状カーボンオクテットトラス微小格子に関する報告は、0.19g/cmの密度で、1.1GPaの弾性率、10.2MPaの圧縮強度、およびわずか3%程度の破壊歪みを報告している(文献24)。ステレオリソグラフィーおよび熱分解を使用して作製された、菱形12面体ユニットセルおよび50〜150μmのビーム径を有するガラス状カーボン微小格子は、密度が0.03〜0.05g/cm、弾性率が5〜25MPa、圧縮強度が0.08〜0.35MPaであり、5%程度の歪みで破壊されることを示した(文献25)。TPLおよび熱分解によって作製された四面体ユニットセルを有するガラス状カーボンナノ格子は、より小さい寸法の0.97〜2.02μmのユニットセルおよび200nm程度のビーム径を有し、0.35g/cm程度の密度で、3.2GPaの弾性率および280MPa程度の圧縮強度を有していた(文献18)。この簡単な概要は、密度と設計された材料の順応性との間の結合を強調しており、すなわち、密度が低いほど、材料は柔らかく、弱くなる。
我々は、ナノ構築化熱分解炭素を製造するためのアプローチを開発し、2光子リソグラフィーおよび熱分解を使用して、図48A〜48Fに示される2つのプロトタイプのユニットセルジオメトリ、すなわち、オクテットおよびアイソトラスを実証した。オクテットトラスアーキテクチャは、立方体の異方性を有し、三角形、四面体、または立方体のトラスやフォームなどの他の従来の格子(文献28)に比べて優れた全体的な特性を有し、アイソトラス構造は等方性であり、従来の格子トポロジーに比べて最適な合成を保持するように理論化されている(文献29)。一軸圧縮実験は、0.24〜1.0g/cmの範囲の密度で、ヤング率は0.34〜18.6GPa、破壊強度は0.05〜1.9GPa、破損前の変形可能性は14〜17%であることを明らかにした。最高の比強度は1.90GPa/g・cmまでであり、報告されている他の全ての機械的に堅固な軽量メソ/マイクロ/ナノ格子(文献7〜27)よりも優れている。この違いは、最適化されたユニットセルジオメトリ、低減された特徴サイズ、および高品質な熱分解炭素によるものである。
結果:
図48Aは、製造プロセスを説明しており、TPLを使用してIP−Dipフォトレジストから5×5×5単位セルのマイクロ格子を印刷することから始まる。レイヤー・バイ・レイヤー方式で高速ガルボモードを使用して、直径0.8〜3.0μmの円形断面を有する長さ7〜10μmの支柱を印刷した。次に、ポリマーサンプルを7.5℃/分の昇温速度で900℃まで真空炉で加熱し、5時間熱分解し、自然速度で室温まで冷却した(詳細については、方法を参照されたい)。図48Bおよび48Dは、10μmサイズのオクテットおよびアイソトラスユニットセルのCAD設計を示している。オクテットトラスの支柱の直径dは、0.8〜2.4μmになるように設計されている。アイソトラスでは、垂直ストラットの直径dは1.4〜3.0μmであり、所定の傾斜したストラットの直径d

として維持され、トポロジーの最適化に基づくd/d比は1.14程度であった(文献29)。熱分解後、ポリマーは炭素の形態に変化し、大幅な体積収縮と質量損失を受けた(文献30)。各支柱は、その初期寸法(図48Cおよび48E)の20%〜25%程度まで収縮し、付随するユニットセルサイズは10μm程度からから2μm程度まで縮小した。熱分解後に得られた261〜679nm程度の支柱の直径は、利用可能なほとんどの3Dリソグラフィー技術の解像度の限界(0,0,0)を大幅に下回っている。3DCADモデルおよび走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した寸法に基づいて、ナノ格子内の固体材料の体積分率を計算することにより、熱分解炭素ナノ格子の相対密度を17%〜72%と見積もった。図48Eにおける拡大図は、熱分解後にd/dが1.14程度に保たれていることを示しており、これは一様な体積収縮を示唆している。図48Fは、集束イオンビーム(FIB)ミリングによってナノ格子から抽出された典型的なサンプルの高解像度透過型電子顕微鏡(HRTEM)画像を示しており、ガラス状/アモルファスの微細構造を示している。我々の以前の研究において、原子モデルと実験測定との組み合わせを使用して、これらの条件下で生成された熱分解炭素の密度を1.40g/cm程度と見積もっており(文献31)、2000℃未満の熱分解温度の下で製造されたI型のガラス状カーボンの密度と整合している(文献32)。この絶対密度にナノ格子の相対密度を掛けることによって、0.24g/cm〜1.0g/cmまで変化するナノ格子の密度を計算した。これは軽量範囲内である。
本発明者らは、全てのポリマー微小格子および熱分解炭素ナノ格子に対して一軸圧縮を行った(方法の詳細を参照)。全サンプルの断面積と初期の高さによって、圧縮実験からの荷重−変位データを正規化することにより、工学的応力および歪みを求めた。図49Aおよび49Bは、幾つかの代表的なオクテットおよびアイソトラスの熱分解炭素ナノ格子の圧縮応力歪み応答を伝えており、全てのサンプルで類似しているように見える。オクテットトラスナノ格子の相対密度が24%から68%の範囲にあるため、そのヤング率は2.57GPa〜10.73GPaに増加し、その圧縮強度は0.21GPa〜1.73GPaに増加した(図49A)。アイソトラスナノ格子の相対密度はやや高く、28〜72%であり、ヤング率は2.28GPaから9.67GPaまで増加し、その圧縮強度は0.14GPaから1.90GPaまで増加した(図49B)。応力−歪みデータの初期非線形性は、不完全な初期接触、および粗い格子面と平坦なパンチとの間のわずかな初期不整合から生じる(文献16)。線形弾性荷重は10〜20%程度の歪みまで持続し、その後、全ての熱分解サンプルは脆性破壊によって破滅的に破損した(図49C〜49F)。平均破壊歪みは、オクテットナノ格子の場合には14.0%、アイソトラスナノ格子の場合には16.7%であり、報告されたガラス状カーボンナノ格子(文献18)に対する10%程度、ガラス状カーボン微小格子(文献24、25)に対する3〜5%程度を超えている。この強化された変形性は、円形支柱のより良好な機械的安定性によって可能になっており、円形支柱は楕円形の支柱よりも均一に荷重を伝達でき(文献33)、より長い熱分解時間を保証して十分な炭酸化を可能にする。図53A〜53Hは、比較および完全性のために、オクテットトラス(図53A)およびアイソトラス(図53E)ユニットセルを有する典型的なポリマー微小格子の圧縮応力−歪みデータを示している。このデータは、わずかな不完全な初期接触および粗い格子面と平坦パンチとの間の不整合によって引き起こされた2.5%程度の歪みを超える初期非線形領域を有している(文献16)。線形弾性荷重は、歪み範囲が2.5〜7.5%程度の歪み範囲上で開始し、塑性変形が続き、続いて5〜7.5%上で拡がる応力プラトーが続く。このような応力プラトーは、SEM画像(図53Cおよび53G)によって証明されるように、支柱の座屈に対応する。表1は、異なる相対密度を有する試験した高分子マイクロ格子のヤング率および強度をまとめており、同等の相対密度の場合、オクテットトラス微小格子よりもアイソトラスマイクロ格子のヤング率は2倍程度、強度は1.3倍高く、これは予測と整合している(文献29)。
表1.圧縮下の高分子マイクロ格子の機械的特性
図50A〜50Bは、炭素、セラミックス、またはセラミックス−ポリマー複合材料の報告されている全てのマイクロ/ナノ構築化材料(文献11、16、18、22−26)対本研究における熱分解炭素ナノ格子の密度に対するヤング率(図50A)および圧縮強度(図50B)の材料特性空間を示している。これらのプロットは、それらの弾性率および強度が、同等の密度の炭素エアロゲル(文献22)、ガラス状カーボンマイクロ格子(文献24)、およびアルミナポリマーナノ構造(文献16)と比較して、1〜2桁大きいことを示している。本研究における熱分解炭素ナノ格子の機械的属性は、0.24から1.0g/cmまでの広い密度範囲に及び、ガラス状カーボンナノ格子と比較して、機械的属性と密度との間の40%高いスケーリング指数を示している(文献18)。これらの結果は、0.4g/cm程度を超える密度では、この研究におけるナノ構造炭素の強度および剛性が、これまでに報告された全ての構築化材料の強度および剛性を上回っていることを示唆している。密度が1.0g/cmのアイソトラスジオメトリの熱分解炭素ナノ格子の強度は1.90GPaであり、密度が0.95g/cmのオクテットトラスの強度は1.73GPaであり、これらはガラス状カーボンの理論強度E/10程度、すなわち2〜3GPaに匹敵しており、ここでEはガラス状カーボンの弾性率(0,0,0)である。図50Aは、密度の関数としてヤング率の理論限界を示しており、E=250ρ(文献11)で表され、図50Bは、強度対密度の理論限界を含み、その下限はダイヤモンドで定義され、上限はグラフェンに対応する(文献18)。これらの理論限界の決定に関する詳細は、上記方法に記載されている。
図30。図54Aおよび54Bは、それぞれ相対密度に対するヤング率および圧縮強度の変化を示している。相対密度が17%〜72%に及ぶため、我々の熱分解炭素ナノ格子は、オクテットトラスについてはE〜ρ2.25(ρはρバー)およびアイソトラスについてはE〜ρ1.95である、ヤング率のスケーリング関係を有し、オクテットトラスについてはσ〜ρ2.41およびアイソトラスについてはσ〜ρ2.50(ρはρバー)である、圧縮強度のスケーリング関係を有する。これらのスケーリング関係は、伸張支配構造(文献1)に対する理想予測からずれており、すなわち、E〜ρ(ρはρバー)およびσ〜ρ(ρはρバー)は、主に製造起因の構造欠陥と細長くないビームに起因している。図49Cおよび49EにおけるSEM画像は、ビーム接合部のオフセットと膨らみ、支柱のわずかな湾曲、マイクロピットおよびボイドなど、ほぼ全てのサンプルに存在することが分かった代表的な検出可能な製造起因欠陥の一部を示している。圧縮中、これらの欠陥により、ノードの周りの局部的な変形および微小亀裂を引き起こすとともに支柱の座屈/曲げを生じさせ、これにより、早期の構造的破損が発生する(文献11)。このような局所的変形および破損が伸張支配の格子において発生すると、格子の弾性率および強度のスケーリング指数は理論予測を超え、以前の研究に例示されているように、通常1.4〜2.5の範囲にある(文献8、11、12、18)。Rをビーム半径、Lをビーム長とすると、R/Lとして定義される細長比は、ノードのジオメトリと同様に、格子の剛性および強度に大きな影響を与えることが示されている(文献9、12、37)。ノードは通常、ビームの回転を妨げる固体接合を形成し、ある程度、隣接ビームの有効長さを短くし、格子全体の硬化に繋がる(文献12)。最近の計算および実験的研究により、ビーム細長比が0.06を超え、対応する相対密度が10%を超える固体ビームオクテットトラス格子について、弾性率および強度のスケーリング関係は、既存の分析理論から逸脱していることがわかり、1.0の代わりに2.20および1.88の指数を有する(文献12)。この研究のオクテットトラスナノ格子のビーム細長比R/Lは0.07〜0.24であり、モノリックポリマーオクテットトラスナノ格子(文献12)の0.07〜0.12、四面体ユニットセルを有するガラス状カーボン(文献18)の0.06〜0.20と同様である。この研究における15%〜80%の相対密度を有するナノ構築化炭素のヤング率については2.25(オクテットトラス)および1.90(アイソトラス)のスケーリング指数、強度については2.41(オクテットトラス)および2.50(アイソトラス)のスケーリング指数は、既存の報告と一致している(文献12)。図50A〜50Bは、熱分解炭素ナノ格子の機械的属性に関するこれらの比較的高いスケーリング指数が、これまでに報告された最高の剛性および強度をもたらすことを伝えている(文献11、18)。
熱分解炭素ナノ格子の機械的特性に対する初期欠陥の影響をさらに調査するために、15.9%から70%まで変化する相対密度を有するサンプルを圧縮する一連の有限要素(FE)シミュレーションを実行した。FEシミュレーションの詳細は、上記方法に記載されている。シミュレートされたナノ格子は、3種類のユニットセルジオメトリ、すなわち、実験との比較のためのオクテットトラスおよびアイソトラス、並びに以前の文献(文献18)との比較のための四面体トラスを有しており、支柱の初期たわみがより低い相対密度でナノ格子の圧縮強度を低下させ得ることが分かった。図51A〜51Cは、異なるユニットセルを使用してシミュレートされたナノ格子を示しており、既存の欠陥は、支柱の最大たわみをエッジ長さの5%、10%、15%として規定された対応する座屈固有モードに課すことによって形成された(文献18)。これらの初期たわみを導入した後、幾つかの支柱は圧縮前に事前に曲がったままであり、実験サンプルにおける構造的欠陥に似ている(図49Cおよび49E)。また、参照として、完全なナノ格子の圧縮をシミュレーションした。図51D〜51Fは、シミュレーションされたナノ格子の最大12%歪みの圧縮応力−歪み応答を示しており、初期たわみを有するナノ格子の強度は、それらの完全なナノ格子の強度より常に低いことを明らかにしている。図55は、FEシミュレーションが、弾性率および強度の相対密度への依存性の実験的測定と同様の傾向を明らかにすることを示している。図56A〜56Bは、完全ナノ格子の強度に対する、初期のたわみの関数としての強度低下の変動を定量化しており、(i)所定の相対密度とアーキテクチャについて、強度の相対的な低下が初期たわみの増加とともに増加すること、(ii)与えられたアーキテクチャについて、密度の高いナノ格子は、欠陥による相対的な弱化が小さくなること、および(iii)四面体トラスユニットセルを有するナノ格子は、欠陥に最も敏感であることを示しており、これは、全ての密度についてオクテットトラスおよびアイソトラスについても同様である。例えば、15.9%の相対密度について、強度の相対的な低下は、最大たわみが15%で、アイソトラスアーキテクチャについては2%、オクテットトラスアーキテクチャについては15%である。70%の相対密度に対する同様の相対的な弱化は、1%未満である。
我々の現在の実験的および計算的研究からの結果は、本質的にもろいアイソトラスおよびオクテットトラスアーキテクチャを有する炭素ナノ格子が、高密度で欠陥に対する感受性の低下を示すことを示している。これは、壊滅的な構造破壊を引き起こす代わりに、他の耐力トラス部材間で貯蔵された弾性エネルギーを再分配する個々の支柱の局所破壊によって説明することができる。これは、0.95g/cmを超える密度を有する炭素ナノ格子のほぼ理論的な強度の達成と整合している。支柱の直径が数百ナノメートル減少して、構成要素の欠陥非感受性の臨界サイズに匹敵する寸法になると、支柱は高強度および良好な欠陥耐性を示し、これはある程度まで炭素ナノ格子の高強度に寄与し、これは局部応力および支柱の体積分率によるものである(文献4)。密度の低いナノ格子は、より薄く細長い支柱を有し、その小さな断面積のため、圧縮中に局所応力がより高くなり、ノードの寄与は無視できる(文献12、37)。この場合、より高い局所応力により、一部の支柱が早く座屈したり、ノード周囲の応力集中が大きくなったりする。より薄い支柱の低い体積分率のために、より低密度のナノ支柱(つまり、より薄い支柱)は、より小さな全体的応力で破壊し得る。これに対して、より高い密度(つまり、厚い支柱)のナノ格子は、各支柱のより大きな断面積のため、ノードの負荷耐性能力への寄与が大きく、より低い局所応力を有し、これにより、ナノ格子全体に印加される負荷が比較的一様に分散する(文献12、37)。これらの条件下では、支柱の局所応力が構成炭素の理論強度に近づくと、ナノ格子は破壊する。このような局所応力および支柱のより高い体積分率は、最終的にはより高い密度で高強度のナノ格子をもたらす。オクテットトラスおよびアイソトラスなどの最適化されたユニットセルジオメトリは、より優れた耐傷性とともに、高強度の達成を容易にもする。
図52は、熱分解炭素ナノ格子の比強度は0.146GPa/g・cmから1.90GPa/g・cmの範囲にあり、これは、中空管状ニッケル(文献7)およびNiP(文献8)、銅(文献19)、TiAl(文献27)のマイクロ格子、および中空ビームアルミナ(文献11)、アルミナポリマー(文献16)、および金属ガラスZr54Ni28Al18ナノ格子(文献33)を含むこれまでに報告されている全てのナノおよびマイクロ構築化周期格子に対して2〜3桁の大きさの改善を示している。この研究における炭素ナノ格子の最大比強度は、1.0g/cmの密度で、ガラス状カーボンナノ格子について報告されている0.80GPa/g・cmの2.4倍であり(文献18)、全てのバルク材料の中で最も高い比強度(文献18)を有する緻密なダイヤモンドの5.60GPa/g・cmの35%である。我々の熱分解炭素ナノ格子のこのような超高比強度は、ナノサイズのビーム径と最適化された格子トポロジーの両方から生じている。
この例示的な実施例において、我々は、1.0g/cm未満の密度、GPaレベルの強度、および破壊前の10%超えの変形能を有するマイクロおよびナノ構築化熱分解炭素を作製するための積層造形方法を開発した。マイクロ/ナノ格子に関する既存の全ての研究(文献11、16、18、22〜26)からの出発点として、この研究におけるナノ構造炭素の弾性率および強度は、理論限界に近づく。適切な微細構造とナノおよびマイクロスケールの特徴的な材料寸法を有する格子トポロジーの合理的な設計により、0.24〜1.0g/cmの密度でヤング率が0.34〜18.6GPa、強度が0.05〜1.90GPaのオクテットおよびアイソトラス熱分解炭素ナノ格子のプロトタイプアーキテクチャを作成することができ、これは、炭素系材料または建築材料では達成されなかった比強度0.146〜1.90GPa/g・cmに換算される。このナノ構築化炭素は、14.0〜16.7%の平均破壊歪みも示し、他の全ての報告された脆性構築化材料の平均破壊歪みを超えている。実験およびシミュレーションは、0.95g/cmを超える密度について、これらのサンプルが実質的に製造起因の欠陥に鈍感になることを示しており、これにより、理論強度の1.90GPaを達成し、構造用途の特に有利な候補にする。この研究は、ナノ構築化材料の設計および特性を支配する基本的な科学原理への洞察を提供し、欠陥に対する耐性、超軽量、および優れた強度のため、スケーラブルな製造におけるそれらの使用のための実行可能な経路を提供する。
材料および方法:
熱分解炭素ナノ格子の製造:まず、TPL DLW(Nanoscribe社製)を使用して速度10,000μm/秒、レーザー出力17.5mWで、IP−Dipフォトレジストから高分子マイクロ格子を製造した。DLWプロセス中に、0.8〜3.0μmの直径の円形断面を有する支柱を、レイヤー・バイ・レイヤー方式で高速ガルボモードによって印刷した。印刷された全ての高分子マイクロ格子には、2つの典型的なユニットセルのジオメトリ、すなわち、1つはオクテットトラス(図48B)、もう1つはアイソトラス(図48D)を有する。高分子マイクロ格子のユニットセルサイズは約10μmである。次に、高分子マイクロ格子を、昇温速度7.5℃/分で昇温して900℃で5時間、真空中で熱分解し、その後、自然速度で室温まで冷却した。熱分解後、高分子マイクロ格子は、高温でのポリマーの質量損失によって誘発される炭酸塩化により、熱分解炭素ナノ格子に変化した(文献30)。熱分解炭素ナノ格子中の全ての支柱の直径は、等方的に約261〜679nmに収縮し、これはそれらの初期寸法の約20%〜25%である(図48Cおよび48E)。全ての熱分解炭素ナノ格子のユニットセルサイズは訳2μmである。
機械的試験:作製した全ての高分子マイクロ格子および熱分解炭素ナノ格子について一軸圧縮実験を行った。これらの実験の幾つかは、機械的データの取得と同時に変形モーフォロジーを明らかにするために、10/秒の一定の歪み速度で直径170μmの平坦ダイヤモンドパンチを用いてその場装置(InSEM、ナノメカニクス社製)において行った。別の実験は、0.2mN/秒の一定の負荷率で、ナノインデンター(G200, Agilent/Keysight Technologies社製)において行った。
有限要素モデリング:Abaqusによって熱分解炭素ナノ格子を圧縮するための一連のFEモデリングを行った。等方性線形弾性材料をモデリングに使用した。全てのナノ格子はビーム要素でモデル化された。材料のヤング率は20GPa(文献34)であり、ポアソン比は0.15だった(文献18)。シミュレートされたナノ格子には、オクテットトラス、アイソトラス、テトラヘドロントラスなど、3種類のユニットセルジオメトリを有する。ナノ格子のタイプごとに、ユニットセルのサイズは2μmに設定され、相対密度は支柱の直径を変えることによって15.9%から70%まで変化させる。圧縮の前に、対応するナノ格子の座屈固有モードを課すことにより、シミュレートされたナノ格子の支柱に初期たわみを導入する(例えば、図51A〜51C)。支柱の最大たわみは、エッジ長さの5%、10%、15%に設定される。初期たわみを導入した後、幾つかの支柱は圧縮前に事前に曲げられたままであり、実験サンプルの幾つかの構造的欠陥と非常によく似ている(図49Cおよび49E)。圧縮中、ナノ格子の下部は固定され、上部は変位荷重が負荷される。機械的特性とナノ格子の応答に対する欠陥/不完全性の影響に対処するための参照として、完全にまっすぐな支柱を用いてナノ格子の圧縮をシミュレートした。
密度に対するヤング率および強度の理論限界の決定:弾性率−密度の理論限界は文献11から取得され、材料の選択と材料特性のグラフィック分析のための標準ソフトウェアであるグランタ設計(Granta Design)に基づく実際の材料の多くのデータの境界によって決定される。グランタ設計の詳細については、Webページ(https://www.arantadesian.com/)および関連するソフトウェアの文書を参照されたい。強度−密度の限界は文献18において、これまでの全ての材料の測定に基づく特定の範囲について定義されている。この範囲の下限は、全てのバルク材料の中で最高の比強度を有するダイヤモンドによって決定され、上限は、これまでの全ての材料で最高の強度を保持するグラフェンによって決定されている。
実施例9に対応する文献
文献1:Gibson LJ, Ashby MF (1999) Cellular Solids: Structure and Properties (Cambridge University Press, Cambridge, UK), 2nd ed.
文献2:Hamm CE, Merkel R, Springer O, Jurkojc P, Maier C, Prechtel K, Smetacek V (2003) Architecture and material properties of diatom shells provide effective mechanical protection. Nature 421 :841 -843.
文献3:Weiner S, Wagner HD (1998) The material bone: structure-mechanical function relations. Annu. Rev. Mater Sci. 28:271 -298.
文献4:Gao H, Ji B, Jager IL, Arzt E, Fratzl P (2003) Materials become insensitive to flaws at nanoscale: lessons from nature. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 100:5597-5600.
文献5:Wegst UGK, Bai H, Saiz E, Tomsia AP, Ritchie RO (2015) Bioinspired structural materials. Nat. Mater. 14:23-36.
文献6:Libonati F, Gu G, Qin Z, Vergani L, Buehler MJ (2016) Bone-inspired materials by design: Toughness amplification observed using 3D printing and testing. Adv. Eng. Mater. 18:1354-1363.
文献7:Schaedler TA, Jacobsen AJ, Torrents A, Sorensen AE, Lian J, Greer JR, Valdevit L, Carter WB (201 1 ) Ultralight metallic microlattices. Science 334:962-965.
文献8:Torrents A, Schaedler TA, Jacobsen AJ, Carter W B, Valdevit L (2012) Characterization of nickel-based microlattice materials with structural hierarchy from the nanometer to the millimeter scale. Acta Mater. 60:351 1 -3523.
文献9:Valdevit L, Godfrey SW, Schaedler TA, Jacobsen AJ, Carter WB (2013) Compressive strength of hollow microlattices: Experimental characterization, modeling, and optimal design. J. Mater. Res. 28:2461 -2473.
文献10:Jang D, Meza LR, Greer F, Greer JR (2013) Fabrication and deformation of three-dimensional hollow ceramic nanostructures. Nat. Mater. 12:893-898.
文献11:Meza LR, Das S, Greer JR (2014) Strong, lightweight, and recoverable three-dimensional ceramic nanolattices. Science 345:1322-1326.
文献12:Meza LR, Phlipot GP, Portela CM, Maggi A, Montemayor LC, Cornelia A, Kochmann DM, Greer JR (2017) Reexamining the mechanical property space of three-dimensional lattice architectures. Acta Mater. 140:424-432.
文献13:Maggi A, Li H, Greer JR (2017) Three-dimensional nano-architected scaffolds with tunable stiffness for efficient bone tissue growth. Acta Biomater. 63:294-305.
文献14:Meza LR, Zelhofera AJ, Clarke N, Mateosa AJ, Kochmanna DM, Greer JR (2015) Resilient 3D hierarchical architected metamaterials. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1 12:1 1502-1 1507.
文献15:Zheng X, Lee H, Weisgraber TH, Shusteff M, DeOtte J, Duoss EB, Kuntz JD, Biener MM, Ge Q, Jackson JA, Kucheyev SO, Fang NX, Spadaccini CM (2014) Ultralight, ultrastiff mechanical metamaterials. Science 344:1373-1377.
文献16:Bauer J, Hengsbach S, Tesari I, Schwaiger R, Kraft O (2014) High-strength cellular ceramic composites with 3D microarchitecture. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1 1 1 :2453-2458.
文献17:Zheng X, Smith W, Jackson J, Moran B, Cui H, Chen D, Ye J, Fang N, Rodriguez N, Weisgraber T, Spadaccini CM (2016) Multiscale metallic metamaterials. Nat. Mater. 15: 1 100-1 106.
文献18:Bauer J, Schroer A, Schwaiger R, Kraft O (2016) Approaching theoretical strength in glassy carbon nanolattices. Nat. Mater. 15:438-444.
文献19:Gu XW, Greer JR (2015) Ultra-strong architected Cu meso-lattices. Extreme Mech. Lett. 2:7-14.
文献20:Vyatskikh A, Delalande S, Kudo A, Zhang X, Portela CM, Greer JR (2018) Additive manufacturing of 3D nano-architected metals. Nat. Commun. 9:593.
文献21:Zhang X, Yao J, Liu B, Yan J, Lei L, Li Y, Gao H, Li X (2018) Three-dimensional high-entropy alloy-polymer composite nanolattices that overcome the strength-recoverability trade-off. Nano Lett. 18:4247-4256.
文献22:Fairen-Jimenez D, Carrasco-Marin F, Moreno-Castilla C (2007) Adsorption of benzene, toluene, and xylenes on monolithic carbon aerogels from dry air flows. Langmuir 23: 10095-10101.
文献23:Zhu C, Han TY, Duoss EB, Golobic AM, Kuntz JD, Spadaccini CM, Worsley MA (2015) Highly compressible 3D periodic graphene aerogel microlattices. Nat. Commun. 6:6962.
文献24:Jacobsen AJ, Mahoney S, Carter WB, Nutt S (201 1 ) Vitreous carbon micro-lattice structures. Carbon 49: 1025-1032.
文献25:Chen X, Zhao G, Wu Y, Huang Y, Liu Y, He J, Wang L, Lian Q, Li D (2017) Cellular carbon microstructures developed by using stereolithography. Carbon 123:34-44.
文献26:Eckel ZC, Zhou C, Martin JH, Jacobsen AJ, Carter WB, Schaedler TA (2016). Additive manufacturing of polymer-derived ceramics. Science 351 :58-62.
文献27:Challis VJ, Xu X, Zhang L, Roberts AP, Grotowski JF, Sercombe TB (2014) High specific strength and stiffness structures produced using selective laser melting. Mater. Design 63, 783-788.
文献28:Deshpande VS, Fleck NA, Ashby MF (2001 ) Effective properties of the octet-truss lattice material. J. Mech. Phys. Solids 49:1747-1769.
文献29:Messner MC (2016) Optimal lattice-structured materials. J. Mech. Phys. Solids 96:162-183.
文献30:Li X, Gao H (2016) Smaller and stronger. Nat. Mater. 15:373-374.
文献31:Zhang X, Zhong L, Mateos A, Kudo A, Vyatskikh A, Gao H, Greer JR, Li X (2018) Carbon by design through atomic-level architecture. Under submission.
文献32:Harris PJ (2005) New perspectives on the structure of graphitic carbons. Crit. Rev. Solid State 30:235-253.
文献33:Liontas R, Greer JR (2017) 3D nano-architected metallic glass: Size effect suppresses catastrophic failure. Acta Mater. 133:393-407.
文献34:Stein Yl, Constable AJ, Morales-Medina N, Sackier CV, Devoe ME, Vincent HM, Wardle BL (2017) Structure-mechanical property relations of non-graphitizing pyrolytic carbon synthesized at low temperatures. Carbon 1 17:41 1-420.
文献35:Cowlard FC, Lewis JC (1967) Vitreous carbon-a new form of carbon. J. Mater. Sci. 2, 507-512.
文献36:Zhao JX, Bradt RC, Walker PLJ (1985) The fracture toughness of glassy carbons at elevated temperatures. Carbon 23, 15-18.
文献37:Portela CM, Greer JR, Kochmann DM (2018) Impact of node geometry on the effective stiffness of non-slender three-dimensional truss lattice architectures. Extreme Mech. Lett. 22:138-148.
実施例10:積層造形を使用した3D構築化構造のスケーラブルな製造方法およびその熱分解
図57A〜57Dは、3D構築化炭素の微細構造の特徴を示している。図57Aに示された3D構築化炭素の断面画像は、微細孔のないモノリシック構造を示している。断面のEDS分析は、3D構築化炭素が平均で98.4%の炭素と、わずかな量の酸素とで構成されていることを示している。ライン分析は、断面全体にわたって均一な元素組成を示している(図58A)。図57Cは、グラファイトの(002)、(100)/(101)および(110)に対応する2θにおいて23.5°、44.3°および79.8°に3つの広いピークを有するXRDパターンを示している。(002)(つまり、d002およびL)に沿ったグラフェンシートの平均層間間隔および結晶子サイズは、それぞれブラッグ則とシェラーの式を使用して3.78Aおよび9.3Aと見積もられ、平均して幾つかの積層グラファイト層が存在することを示唆している。図57Bに示すラマンスペクトルは、5つのピーク、すなわちD1(1355cm−1にて)の強いピークとG(1603cm−1にて)の弱いピークとD3(1613cm−1にて)の弱いピーク、D3(1539cm−1にて)とD4(1225cm−1にて)に分解された。Gピークは、E2g対称性を有するsp炭素原子のペアの面内結合伸縮運動に対応する(文献24)D1ピークは、グラファイトの無秩序が存在する場合にのみ表示され、A1g対称性を有するグラファイト格子振動モードに対応する(文献24)。D2ピークはグラファイトの格子振動に起因すると考えられ、D3およびD4ピークは他の研究でアモルファスまたはガラス状カーボンに見られた(文献25、26)。図57DにおけるTEMの高解像度画像は、幾つかの積み重ねられたグラファイト層を含むもつれた微細構造を確認した。挿入図の(002)、(100)/(101)および(110)での拡散回折リングは、XRDパターンの幅広いピークと一致する無秩序な炭素ミクロ構造を示している。
マイクロカメラを用いた一軸圧縮試験を使用することにより、3D構築化炭素の機械的挙動を評価した。図59A〜59Bは、各崩壊事象付近のアーキテクチャの一部のその場圧縮側面図を使用した代表的な機械的応答を示している(補足で完全な動画にアクセスできる)。DLP3Dプリンターの素材から3Dアーキテクチャを取り除いた際に、3Dアーキテクチャの底部側が欠けたことに注意されたい。
最初の応力解放に続いて、図59B II-a、II-b、II-cにおける赤丸で示されるように、局所的な破壊事象を伴う負荷が徐々に減少した。第2の応力解放事象は、基板上の3D構築化炭素の接触部が半層によって破壊されたときに発生した(図59BIV)。 3回目の応力解放では、3D構築化炭素は基板上でほぼ完全に接触して半層で崩壊し、最大の降伏応力(29.9MPa)を示した。降伏強度が小さいこれらの2つの崩壊事象と、それに続く強度が高い3番目の崩壊が繰り返し観察された(図60)。各応力解放事象での平均降伏強度を表2にまとめた。
表2:第1、第2および第3の降伏応力の平均値および標準偏差
実施例11:ノードのないジオメトリ
図61Aおよび図61B。本発明の特定の実施形態による、ノードのないジオメトリを有する構築化三次元構造を示す画像。追加の例示的なノードのないジオメトリは、アブイダ(Abueidda)らに見つけることができ(「三重に周期的な最小表面を備えた新規フォームの有効導電率および弾性係数」、Mechanics of Materials、vol. 95、2016年4月、102〜115ページ)、これを参照により本明細書に組み込む。
実施例12:炭素強化相の含浸
構築化炭素強化相に低粘度エポキシを含浸させ、室温で8時間硬化させた。
図62Aおよび62Dに示すスピノーダル立方体は、ρ=123.7kg/mから1152kg/mへの密度遷移を経験したが、図62Cおよび62Fのオクテット立方体は、255kg/mから1160kg/mに増加した。得られた複合材料は、軽金属の平均密度(すなわち、ρAl=2700kg/m)の2分の1よりも小さく、密度が通常1600〜1800kg/m程度の幾つかの炭素繊維強化ポリマーよりも少なくとも40%低い平均密度を有していた。
実施例13:機械的試験
オクテット相および複合材料の一軸圧縮
我々は、エポキシ含浸のある場合およびない場合のオクテット炭素強化相に対して準静的一軸圧縮を行った。実験は、10−3/秒の歪み速度で行った。基礎となるテッセレーションは17×17×17ユニットセル(590μm程度の特徴的なユニットセルサイズを有する)で構成されていたため、(構造ではなく)効果的な材料特性を議論するのに十分なスケールの分離を想定している。
図63A〜63Dに示された実験を使用して、相対密度が約15%のこの特定の炭素材料の有効弾性率および降伏強度を得た。ヤング率は669.7MPaおよび495MPaと計算され、降伏強さ(初期の壊滅的な破壊事象での応力として定義)は11.33MPaおよび8.67MPaと計算された。これらの炭素相は、マトリックス相がないことから、サンプルの欠陥の影響を受けやすかった。
エポキシの含浸により、これらの材料の機械的挙動は著しく変化した。最も注目すべきは、材料が壊滅的な事象を経験せず、ε>0.1を超えると大幅な歪み硬化が発生したことである。図64A〜64Cは、ε=0.5の後で有意な緻密化を伴う、圧縮下の材料の応答を示しており、致命的な破損やサンプル全体の亀裂はない。
これらの実験は、1.82および2.24GPaのヤング率、および59.8および69.6MPaの降伏強度をもたらした。これらの強度値では、この材料は一部の金属(例えば、銅)と同じくらい強いが、密度は7.7倍低い。これらの材料の降伏強度σは、線形レジームからの0.2%歪みオフセットを使用して定義し、負の接線係数が観測される前の最大応力に対応する変形応力σも定義する。これらのサンプルの変形応力は71.9および78.2MPaと計算された。これらの値と幾つかの金属との比較を表3にまとめる。
表3:幾つかの金属との比較を含む試験済みの炭素オクテット材料の機械的パラメータ。
これらの複合材料の非破壊的かつ歪み硬化の応答は、それらをエネルギー吸収用途に非常に適したものにする。これらの準静的実験について、比エネルギー吸収(SEA)は次のように定義できる。

ここで、Wは歪みエネルギー密度であり、W=∫σdεで定義され、ρは材料密度である。図64Cにおける実験についてこの式を計算すると、密度ρ=1159kg/mでW=30.9MJ/mおよびΨ=26.7J/gとなった。これらの値を、報告値がΨ=10.1J/g、ρ=2160kg/mであるステンレス鋼316Lオクテット(文献1)と比較すると、炭素オクテット複合材料は、半分の密度で2倍のSEA容量を有していることが分かる。
オクテット相および複合材料の4点曲げ
我々はまた、ASTM標準D6272に従って4点曲げセットアップを使用して、オクテット炭素材料の曲げ挙動を調査した。
圧縮実験で観察されたように、マトリックスなしの炭素相の曲げは壊滅的な破壊を示した。図65A〜65Dは、実験と対応するデータを示しており、これから、おおよその曲げ強度は10.34MPa、曲げ弾性率はE=1.4GPaとなった。
同じ実験をエポキシ含浸材料について行ったところ、3.3および3.9GPaの曲げ弾性率が得られた。このASTM標準の許容歪み限界内で破損が観察されなかったため、曲げ強度値は計算されなかった。大きな曲げを受けた後、サンプルは元の形状に戻り、明らかな永久的な変形や亀裂はなかった。
実施例11−12に対応する文献
文献1:T. Tancogne-Dejean, A. B. Spierings, and D. Mohr,“Additively-manufactured metallic micro-lattice materials for high specific energy absorption under static and dynamic loading,” Acta Materialia, vol. 116, pp. 14-28, 2016. オンラインで利用可能: http://linkinghub. elsevier.com/retrieve/pii/S1359645416304153
参考文献による組み込みに関する声明および変形例
この出願全体にわたる全ての参照、例えば、発行または付与された特許または同等物を含む特許文書;特許出願公開公報;および非特許文献文書またはその他のソース資料は、その全体が、本願の開示と矛盾しない範囲で個々に参照として組み込まれる(例えば、部分的に矛盾する文献は、その文献の部分的に矛盾する部分を除いて参照として組み込まれる)。
本明細書で使用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用において、示され、説明された特徴またはその一部の同等物を除外する意図はない。しかし、請求される本発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識されている。したがって、本発明は好ましい実施形態によって具体的に開示されたが、例示的な実施形態および任意の特徴、本明細書で開示される概念の修正および変形は、当業者によってなされ得ること、およびそのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあると見なされることを理解されたい。本明細書で提供される特定の実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、本発明は、記載されたデバイス、デバイスコンポーネント、方法ステップの多数の変更を使用して実行できることが当業者には明らかであろう。本説明において、当業者に明らかであるように、本方法に有用な方法およびデバイスは、多数の任意の組成物および処理要素および工程を含み得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他に指示しない限り、複数の参照を含む。したがって、例えば、「セル」への言及は、複数のそのようなセルおよび当業者に知られているその同等物を含む。同様に、「a」(または「an」)、「1つ以上」および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用することができる。「備える」、「含む」、および「有する」という用語は、互換的に使用できることにも留意されたい。「請求項XX〜YYのいずれか」という表現(XXおよびYYはクレーム番号を指す)は、代替形式で複数の従属クレームを提供することを目的としており、一部の実施形態では、「請求項XX〜YYのいずれか一項」に置き換えられる。
置換基のグループが本明細書に開示される場合、そのグループおよび全てのサブグループの全ての個々のメンバーが別々に開示されることが理解される。マーカッシュグループまたは他のグループ化が本明細書で使用される場合、グループの全ての個々のメンバー、およびグループの可能な全ての組み合わせおよびサブコンビネーションは、開示に個別に含まれることが意図されている。化合物の特定の異性体、鏡像異性体またはジアステレオマーが、例えば式または化学名で指定されていないように化合物が本明細書に個々にまたは任意の組み合わせで記載されている場合、その説明は、記載された化合物の各異性体および鏡像異性体を含むことが意図されている。さらに、別段の指定がない限り、本明細書に開示されている化合物の全ての同位体変異体は、本開示に含まれることが意図されている。例えば、開示された分子中の任意の1つ以上の水素は、重水素またはトリチウムで置き換えられ得ることが理解される。分子の同位体変異体は一般に、分子の分析評価や、分子またはその使用に関連する化学的および生物学的研究の標準として有用である。そのような同位体変異体を作製する方法は、当技術分野で知られている。当業者が同じ化合物に異なる名前を付けることができることが知られているので、化合物の具体的な名前は例示を意図したものである。
本明細書に記載または例示される全てのシステム、構造、形状、特徴、それらの組み合わせ、または方法は、特に明記しない限り、本発明を実施するために使用することができる。
本明細書において範囲、例えば、温度範囲、時間範囲、または組成物または濃度範囲が与えられるときはいつでも、与えられた範囲に含まれる全ての中間範囲および部分範囲ならびに全ての個々の値は、開示に含まれる。本明細書の説明に含まれる任意の部分範囲または範囲または部分範囲内の個々の値は、本明細書の特許請求の範囲から除外できることが理解されよう。
本明細書で言及される全ての特許および刊行物は、本発明が関係する当業者の技能のレベルを示す。本明細書に引用される文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、それらの公開または出願日における最新技術を示し、必要に応じて、この情報を本明細書で使用して、先行技術にある特定の実施形態を除外することができる。例えば、物質の組成が請求されている場合、本明細書に引用された文献に実施可能な開示が提供される化合物を含む、出願人の発明より前に当該技術分野で既知であり利用可能な化合物は、本明細書の組成物の請求項に含まれることを意図しない。
本明細書で使用される場合、「備える(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」、または「によって特徴付けられる(characterized by)」と同義であり、インクルーシブまたはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外しない。本明細書で使用する場合、「からなる(consisting of)」は、クレーム要素で指定されていない任意の要素、ステップ、または成分を除外する。本明細書で使用する場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、クレームの基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を与えない材料またはステップを除外しない。本明細書の各例において、「含む」、「から本質的になる」および「からなる」という用語はいずれも、他の2つの用語のいずれかと置き換えることができる。本明細書に例示的に記載された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、限定または限定がなくても実施できる。
当業者は、具体的に例示されたもの以外の出発材料、生物学的材料、試薬、合成法、精製法、分析法、分析評価法、および生物学的方法を本発明の実施において使用できることを理解するであろう。過度の実験に頼る必要はない。そのような材料および方法の当技術分野で既知の全ての機能的同等物は、本発明に含まれることが意図されている。使用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用において、示され説明された特徴またはその一部の同等物を除外する意図はないが、請求された本発明の範囲内で様々な変更が可能であることを認識している。したがって、本発明は、好ましい実施形態およびオプションの特徴によって具体的に開示されたが、本明細書で開示される概念の修正および変形は、当業者によって行われ得ること、およびそのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内である。

Claims (99)

  1. 複合材料システムであって、
    モノリシックかつ決定論的である構築化三次元ジオメトリを有する構造と、
    前記構造を少なくとも部分的に含浸するマトリックス相と、
    を備えることを特徴とする複合材料システム。
  2. 前記三次元ジオメトリはナノまたはマイクロ構築化三次元ジオメトリである、請求項1に記載の複合材料システム。
  3. 前記構造は、2×10J/m〜4×10J/mの範囲から選択される面積正規化エネルギー緩和メトリック(Ψ)によって特徴付けられる、請求項1または2に記載の複合材料システム。
  4. 前記構造は、1.9×10J/kg〜4×10J/kgの範囲から選択される密度正規化エネルギー緩和メトリック(Ψ)によって特徴付けられる、請求項1または2に記載の複合材料システム。
  5. 前記構造は、0.8〜0.7の範囲から選択される跳ね返り係数によって特徴付けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  6. 前記構造は、0.8〜0.3の範囲から選択される跳ね返り係数によって特徴付けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  7. 前記複合材料システムは、衝突エネルギーが実質的に前記構造によって吸収されるように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  8. 前記構造は少なくとも1つの振動周波数バンドギャップによって特徴付けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  9. 前記少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは決定論的である、請求項8に記載の複合材料システム。
  10. 前記少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは0.1MHz〜200MHzの範囲内にある、請求項8または9に記載の複合材料システム。
  11. 少なくとも1.2%の減衰比によって特徴付けられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  12. 前記三次元ジオメトリが少なくとも1つの表面特徴を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  13. 前記三次元ジオメトリが少なくとも1つの表面特徴を備え、前記少なくとも1つの表面特徴の少なくとも部分が非ゼロのガウス曲率によって特徴付けられる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  14. 前記三次元ジオメトリが少なくとも1つの表面特徴を備え、前記少なくとも1つの表面特徴の少なくとも部分が非ゼロの平均曲率によって特徴付けられる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  15. 前記三次元ジオメトリが少なくとも1つの表面特徴を備え、前記少なくとも1つの表面特徴の少なくとも部分がゼロ平均曲率によって特徴付けられる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  16. 前記三次元ジオメトリが少なくとも1つの表面特徴を備え、前記少なくとも1つの表面特徴の少なくとも部分が不均一なガウス曲率または不均一な平均曲率によって特徴付けられる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  17. 前記三次元ジオメトリが少なくとも1つの表面特徴を備え、前記少なくとも1つの表面特徴の少なくとも部分が均一なガウス曲率または均一な平均曲率によって特徴付けられる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  18. 前記三次元ジオメトリが少なくとも1つの表面特徴を備え、
    前記少なくとも1つの表面特徴の厚み寸法は前記少なくとも1つの表面特徴全体で一様でない、請求項1〜17のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  19. 前記三次元ジオメトリが少なくとも1つの表面特徴を備え、
    前記少なくとも1つの表面特徴の厚み寸法は前記少なくとも1つの表面特徴全体で一様である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  20. 前記三次元ジオメトリはスピノーダルジオメトリとして特徴付けられる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  21. 前記構造は、1〜1.3の範囲から選択される、正規化有効弾性率対相対密度の勾配によって特徴付けられる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  22. 前記三次元ジオメトリは共振器を備える、請求項1〜21のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  23. 前記三次元ジオメトリは、共振器を有するユニットセルジオメトリによって特徴付けられる、請求項1〜22のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  24. 前記共振器は、前記三次元ジオメトリの少なくとも1つの他の特徴に接続されたマイクロ慣性特徴を有する、請求項22または23に記載の複合材料システム。
  25. 前記共振器はマイクロ慣性特徴を有し、前記三次元ジオメトリの他の特徴は前記マイクロ慣性特徴を有する、請求項22〜24のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  26. 前記共振器はカンチレバービーム特徴と、前記カンチレバービーム特徴の端部に接続されたマイクロ慣性特徴とを備える、請求項22〜25のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  27. 前記構造は、第2の方向に沿ってよりも第1の方向に沿って少なくとも1%大きくダンピングすることに特徴付けられる決定論的異方性減衰によって特徴付けられる、請求項1〜26のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  28. 前記構造は、振動ブラック散乱を示し、前記構造は振動局所共鳴を示さない、請求項1〜27のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  29. 前記構造は炭素同素体材料、ポリマーセラミック材料、金属材料またはそれらの組み合わせを有する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  30. 前記構造は、炭素同素体材料、ポリマー、セラミックス材料、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを有する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  31. 前記構造は、1または複数の炭素同素体材料を有する、請求項1〜30のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  32. 前記構造は、1または複数の炭素材料を少なくとも50体積%含む、請求項29〜31のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  33. 前記構造は、1または複数の炭素材料を少なくとも50体積%のコアによって特徴付けられる複数の特徴を有する、請求項32に記載の複合材料システム。
  34. 前記三次元ジオメトリはノードのないジオメトリである、請求項1〜33のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  35. 前記構造は少なくとも1つの中空の特徴を有する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  36. 前記構造は積層造形によって形成される、請求項1〜35のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  37. 前記三次元ジオメトリは少なくとも1つの縦方向特徴を有し、前記少なくとも1つの縦方向特徴の少なくとも部分は、前記特徴の縦方向に沿った非ゼロの曲率によって特徴付けられる、請求項1〜36のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  38. 前記三次元ジオメトリは、少なくとも1つの縦方向特徴を有し、前記少なくとも1つの縦方向特徴の少なくとも部分は、前記特徴の縦方向に沿った非一様の曲率によって特徴付けられる、請求項1〜37のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  39. 前記三次元ジオメトリは、少なくとも1つの断面寸法を有する少なくとも1つの縦方向特徴を有する、前記少なくとも1つの断面寸法は前記特徴の縦方向に沿って非均一である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  40. 前記三次元ジオメトリは、非一様な断面形状を有する少なくとも1つの特徴を備える、請求項1〜39のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  41. 前記三次元ジオメトリは、前記構造の厚み方向に垂直に配向した縦方向の軸を有する少なくとも1つの縦方向特徴を有する、請求項1〜40のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  42. 前記構造は、三次元外方境界形状を規定し、前記三次元ジオメトリは、1点のみまたはゼロ点で前記境界に交差する少なくとも1つの特徴を備える、請求項1〜41のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  43. 前記構造の三次元外方境界形状は前記複合材料システムの形状に対応する、請求項1〜42のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  44. 前記構造によって規定される三次元外方境界形状は中空である、請求項1〜43のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  45. 前記三次元ジオメトリは、少なくともプライマリ三次元ジオメトリとセカンダリ三次元ジオメトリとを備える全体三次元ジオメトリであり、前記プライマリ三次元ジオメトリと前記セカンダリ三次元ジオメトリとが異なっている、請求項1〜44のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  46. 前記マトリックス相は、少なくともプライマリマトリックス相とセカンダリマトリックス相とを備える、請求項1〜45のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  47. 前記構造は、前記マトリックス領域のない閉じた領域を有する、請求項1〜46のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  48. 前記構造は前記マトリックス相に内包されている、請求項1〜47のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  49. 前記構造は前記マトリックス相に内包されており、前記構造のどの部分も前記マトリックス層の外部境界を越えて存在していない、請求項1〜48のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  50. 前記三次元ジオメトリの少なくとも一部は、四面体十面体、ウィア−フェラン形状、ハニカム形状、オーセチック形状、オクテットトラス形状、八面体、ダイヤモンド格子、3Dカゴメ形状、正方形状、立方体形状、四面体、空間充填多面体、周期的最小表面、三重周期的最小表面形状、スピノーダル形状、カイラル形状、またはこれらの組み合わせとして特徴付けされている、請求項1〜49のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  51. 前記三次元ジオメトリはビームまたはシェルベースジオメトリによって特徴付けされており、前記ビームまたはシェルベースジオメトリは対称でなく、周期的でなく、定期的にテッセレーションされていない、請求項1〜50のいずれかに記載の複合材料システム。
  52. 前記特徴は1または複数の支柱、ビーム、タイ、トラス、シート、サーフェス、球、楕円、およびシェルを備える、請求項1〜51のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  53. 前記構造は、5%〜99.9%の範囲から選択された相対密度によって特徴付けされている、請求項1〜52のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  54. 前記構造は、8%〜60%の範囲から選択された相対密度によって特徴付けされている、請求項1〜53のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  55. 前記三次元ジオメトリは、複数の特徴によって特徴付けられており、前記特徴の少なくとも部分は独立して、50nm〜200μmの範囲から選択された1または複数の断面物理的寸法を有する、請求項1〜54のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  56. 前記特徴の少なくとも部分は、10nm〜2000μmの範囲から選択された1または複数の平均縦方向物理的寸法によって特徴付けされている、請求項1〜55のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  57. 前記構造は弾性によって特徴付けされており、前記構造の前記弾性は決定論的である、請求項1〜56のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  58. 前記構造は、7μm〜14μmから選択された直径および500m/秒〜1100m/秒から選択された速度を有するSiO粒子からの衝突によって実質的に損傷を受けていない、請求項1〜57のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  59. 前記構造は、曲げ支配モードを有するとして特徴付けされている、請求項1〜58のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  60. 前記構造は、伸張支配モードを有するとして特徴付けされている、請求項1〜59のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  61. 前記炭素同位体材料はガラス上炭素、グラファイト炭素、アモルファスカーボン、熱分解炭素、フラファイト、カーボンブラックおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項29に記載の複合材料システム。
  62. 前記炭素同素体材料は熱分解炭素を含む、請求項61に記載の複合材料システム。
  63. 前記構造はコーティングを含む、請求項1〜62のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  64. 前記コーティングは金属、セラミック、またはそれらの組み合わせを含む、請求項63に記載の複合材料システム。
  65. 前記マトリックス相は、ポリマー、エポキシ、炭素同素体、セラミック、金属、粘性流体またはそれらの組み合わせからなる群から選択された1または複数の材料を含む、請求項1〜64のいずれか一項に記載の複合材料システム。
  66. 複合材料システムを作製する方法であって、該方法は、
    積層造形プロセスによって構造を用意するステップであって、前記構造は構築化三次元ジオメトリを有し、前記三次元ジオメトリはモノリシックかつ決定論的である、ステップと、
    前記構造をマトリックス相で含浸するステップであって、前記構造が前記マトリックス相によって少なくとも部分的に含浸されている、ステップと、
    それによって前記複合材料システムを作製するステップと、
    を含む方法。
  67. 前記三次元ジオメトリはナノまたはマイクロ構築化三次元ジオメトリである、請求項66に記載の方法。
  68. コンピュータ支援設計技術を用いて前記三次元ジオメトリを設計するステップをさらに含む、請求項66または67に記載の方法。
  69. 前記設計するステップは計算すピノダール分解に基づいて前記三次元ジオメトリを決定するステップを含む、請求項68に記載の方法。
  70. 前記設計するステップは、前記構造の少なくとも1つの振動周波数バンドギャップを決定するステップであって、前記少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは決定論的である、ステップを含む、請求項66〜69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記設計するステップは、前記構造の弾性を決定するステップであって、前記構造の前記弾性は決定論的である、請求項66〜70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記設計するステップは前記構造の跳ね返り係数を決定するステップであって、前記構造の前記跳ね返り係数は決定論的である、請求項66〜71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記設計するステップは、前記構造の面積正規化エネルギー緩和メトリック(Ψ)を決定するステップであって、前記構造の前記面積正規化エネルギー緩和メトリック(Ψ)は決定論的である、請求項66〜72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記積層造形プロセスは、
    ステレオリソグラフィー技術(SLA)
    デジタル光処理(DLP)技術、
    連続液界面製造技術、
    マイクロステレオリソグラフィー(μ−SLA)技術、
    2光子重合リソグラフィー技術、
    界面リソグラフィー技術、
    ホログラフィックリソグラフィー技術、
    誘導放出減損(STED)リソグラフィー技術、
    他のバット光重合技術、
    材料押出技術、
    粉末床融合技術、
    材料噴射技術、および
    これらの組み合わせ、
    からなる群から選択される、請求項66〜73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記積層造形プロセスは、三次元リソグラフィー技術である、請求項75に記載の方法。
  76. 前記構造を用意するステップは、三次元フレームワークを形成するステップを含み、
    前記構造を用意するステップは、前記構造を用意するために前記三次元フレームワークを取り取り扱うステップをさらに含み、前記取り扱うステップは熱分解プロセスを含む、請求項66〜75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記構造上にコーティングを塗布するステップをさらに含む、請求項66〜76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記構造が少なくとも1つの中空特徴を有するように前記構造の部分をエッチングするステップであって、前記少なくとも1つの中空特徴の少なくとも部分が前記コーティングを含む、ステップをさらに含む、請求項77に記載の方法。
  79. 前記含浸するステップは、超音波処理、真空曝露、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるプロセスを含む、請求項66〜78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記複合材料システムを後処理するステップをさらに含み、前記後処理するステップは、硬化プロセスを含む、請求項66〜79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記用意するステップは、1以上の樹脂、1以上の金属、1以上のセラミックスおよびそれらの組み合わせから選択された前駆体材料を選択するステップを含む、請求項66〜80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記熱分解プロセスは、500℃〜3000℃の範囲から選択された温度、1時間〜336時間の範囲から選択された持続時間で実行される、請求項76に記載の方法。
  83. 前記熱分解プロセスは、前記三次元フレームワークの前記構造への15%〜80%の範囲から選択される等方性収縮率を提供する、請求項76に記載の方法。
  84. 前記構造に外部刺激を与えて、前記構造の少なくとも1つの振動周波数バンドギャップを変化させるステップをさらに含む、請求項66〜83のいずれか一項に記載の方法。
  85. テンプレートをエッチングするステップを含まない、請求項66〜84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記構造は、2×10J/m〜4×10J/mの範囲から選択された面積正規化衝突エネルギー緩和メトリック(Ψ)によって特徴付けられる、請求項66〜85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記構造は、1.9×10J/kg〜4×10J/kgの範囲から選択された密度正規化衝突エネルギー緩和メトリック(Ψ)によって特徴付けられる、請求項66〜86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記構造は、0.8〜0.7の範囲から選択された跳ね返り係数によって特徴付けられる、請求項66〜87のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記構造は、0.8〜0.3の範囲から選択された跳ね返り係数によって特徴付けられる、請求項66〜88のいずれか一項に記載の方法。
  90. 前記複合材料システムは、実質的に前記構造によって衝突エネルギーを吸収するように構成されている、請求項66〜89のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記構造は、少なくとも1つの振動周波数バンドギャップによって特徴付けられる、請求項66〜80のいずれか一項に記載の方法。
  92. 前記少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは決定論的である、請求項91に記載の方法。
  93. 前記少なくとも1つの振動周波数バンドギャップは、0.1MHz〜200MHzの範囲内にある、請求項91または92に記載の方法。
  94. 少なくとも1.2%の減衰比によって特徴付けられる、請求項66〜93のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記三次元ジオメトリは少なくとも1つの表面特徴を有する、請求項66〜94のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記三次元ジオメトリはスピノーダルジオメトリとして特徴付けられる、請求項66〜95のいずれか一項に記載の方法。
  97. 前記三次元ジオメトリは共振器を備える、請求項66〜96のいずれか一項に記載の方法。
  98. 前記三次元ジオメトリはユニットセルジオメトリによって特徴付けられ、前記ユニットセルは共振器を備える、請求項66〜97のいずれか一項に記載の方法。
  99. 前記三次元ジオメトリはノードのないジオメトリである、請求項66〜98のいずれか一項に記載の方法。
JP2020529530A 2017-12-01 2018-11-30 構築化層を有する複合材料の製造および設計 Pending JP2021505429A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762593768P 2017-12-01 2017-12-01
US62/593,768 2017-12-01
US16/151,186 US10833318B2 (en) 2017-10-03 2018-10-03 Three-dimensional architected pyrolyzed electrodes for use in secondary batteries and methods of making three-dimensional architected electrodes
US16/151,186 2018-10-03
PCT/US2018/063306 WO2019226195A2 (en) 2017-12-01 2018-11-30 Fabrication and design of composites with architected layers

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021505429A true JP2021505429A (ja) 2021-02-18
JP2021505429A5 JP2021505429A5 (ja) 2022-01-06

Family

ID=68615907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020529530A Pending JP2021505429A (ja) 2017-12-01 2018-11-30 構築化層を有する複合材料の製造および設計

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP3718159A4 (ja)
JP (1) JP2021505429A (ja)
KR (1) KR20200084358A (ja)
AU (1) AU2018424951A1 (ja)
CA (1) CA3082841A1 (ja)
IL (1) IL274970A (ja)
WO (1) WO2019226195A2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230203951A1 (en) * 2020-04-15 2023-06-29 Siemens Energy Global GmbH & Co. KG Auxetic three-dimensional structure utilized in additive manufacturing applications
CN111996435B (zh) * 2020-08-31 2021-09-28 重庆理工大学 高熵合金复合粉末及超高速激光熔覆强化镁合金的方法
KR102443715B1 (ko) * 2020-09-11 2022-09-14 계명대학교 산학협력단 가변 강성 특성을 갖는 메타구조체 제조방법 및 이를 이용한 웨어러블 슈트
US20220281164A1 (en) 2021-03-05 2022-09-08 nFugue Tiled porous architected compositions, methods of their making and methods of their use
CN113524658B (zh) * 2021-06-22 2022-12-09 西安交通大学 一种多射线屏蔽和自发电功能的轻质屏蔽体增材制造方法
IT202100024641A1 (it) * 2021-09-27 2023-03-27 Torino Politecnico Materiali gerarchici tridimensionali porosi comprendenti una struttura reticolare con inserti flottanti all’interno delle porosità
CN113705061B (zh) * 2021-10-28 2022-01-07 西南交通大学 一种考虑多重非线性的数字化柔性防护系统设计方法
CN114495884B (zh) * 2022-01-13 2023-06-27 四川大学 一种声学超材料轻量化设计方法及列车低频降噪复合地板
CN115198912A (zh) * 2022-06-30 2022-10-18 国网甘肃省电力公司建设分公司 采用Spinodal构型的UHPC-PUC组合装配式墙体
CN115351298B (zh) * 2022-10-21 2023-01-03 沈阳铸造研究所有限公司 一种基于增材制造的近零膨胀点阵金属及制备方法与应用
CN116030923B (zh) * 2023-03-28 2023-06-02 深圳大学 获取材料动态本构关系的方法、装置、设备及存储介质

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5384171A (en) * 1991-12-05 1995-01-24 Prucher; Bryan P. Structurally networked matrix ceramic composite material
JP2007514059A (ja) * 2003-11-07 2007-05-31 キジュ カン 連続ワイヤーで直接織られた3次元の多孔質軽量構造体及びその製造方法
US20130330611A1 (en) * 2012-06-11 2013-12-12 Gourong Chen Rechargeable lithium cell having a meso-porous conductive material structure-supported phthalocyanine compound cathode
US20140141224A1 (en) * 2012-11-08 2014-05-22 William Marsh Rice University Fabrication of carbon foams through solution processing in superacids
US20170072638A1 (en) * 2015-09-10 2017-03-16 The Boeing Company Geometric sound absorption via additive manufacturing
JP2017140824A (ja) * 2015-12-01 2017-08-17 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company 樹脂注入のための多断面繊維マトリクスのツールレスプレフォーム
JP2018501173A (ja) * 2014-10-31 2018-01-18 レプソル,ソシエダッド アノニマ グラフェンフォームまたはグラフェン状フォームに基づく階層的複合構造体
CN114226755A (zh) * 2021-12-21 2022-03-25 清华大学 金属-陶瓷复合点阵制造方法及金属-陶瓷复合点阵结构

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8079549B2 (en) * 2008-06-30 2011-12-20 EMBRAER—Empresa Brasileira de Aeronautica S.A. Monolithic integrated structural panels especially useful for aircraft structures
US9021414B1 (en) * 2013-04-15 2015-04-28 Monolithic 3D Inc. Automation for monolithic 3D devices
US10253836B2 (en) * 2015-04-01 2019-04-09 The Johns Hopkins University Three dimensional lattice weaves with tailored damping properties

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5384171A (en) * 1991-12-05 1995-01-24 Prucher; Bryan P. Structurally networked matrix ceramic composite material
JP2007514059A (ja) * 2003-11-07 2007-05-31 キジュ カン 連続ワイヤーで直接織られた3次元の多孔質軽量構造体及びその製造方法
US20130330611A1 (en) * 2012-06-11 2013-12-12 Gourong Chen Rechargeable lithium cell having a meso-porous conductive material structure-supported phthalocyanine compound cathode
US20140141224A1 (en) * 2012-11-08 2014-05-22 William Marsh Rice University Fabrication of carbon foams through solution processing in superacids
JP2018501173A (ja) * 2014-10-31 2018-01-18 レプソル,ソシエダッド アノニマ グラフェンフォームまたはグラフェン状フォームに基づく階層的複合構造体
US20170072638A1 (en) * 2015-09-10 2017-03-16 The Boeing Company Geometric sound absorption via additive manufacturing
JP2017140824A (ja) * 2015-12-01 2017-08-17 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company 樹脂注入のための多断面繊維マトリクスのツールレスプレフォーム
CN114226755A (zh) * 2021-12-21 2022-03-25 清华大学 金属-陶瓷复合点阵制造方法及金属-陶瓷复合点阵结构

Also Published As

Publication number Publication date
EP3718159A2 (en) 2020-10-07
CA3082841A1 (en) 2019-11-28
WO2019226195A2 (en) 2019-11-28
EP3718159A4 (en) 2021-12-22
IL274970A (en) 2020-07-30
AU2018424951A1 (en) 2020-05-28
KR20200084358A (ko) 2020-07-10
WO2019226195A3 (en) 2020-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200023584A1 (en) Fabrication and design of composites with architected layers
JP2021505429A (ja) 構築化層を有する複合材料の製造および設計
Surjadi et al. Mechanical metamaterials and their engineering applications
Kaur et al. 3D printed stretching-dominated micro-trusses
Zhang et al. Theoretical strength and rubber-like behaviour in micro-sized pyrolytic carbon
Bauer et al. Nanolattices: an emerging class of mechanical metamaterials
Andrew et al. Impact behavior of nanoengineered, 3D printed plate-lattices
Pehlivan et al. An experimental study on the compressive response of CFRP honeycombs with various cell configurations
Behera et al. Impact-resistant materials inspired by the mantis shrimp's dactyl club
Meaud et al. Simultaneously high stiffness and damping in nanoengineered microtruss composites
Chaurasia et al. Polymer-based nanocomposites for impact loading: A review
Sengsri et al. Additive manufacturing meta-functional composites for engineered bridge bearings: A review
Mukhopadhyay et al. Nanotube attachment for prevention of interfacial delamination
Zhang et al. Mechanical properties of additively-manufactured cellular ceramic structures: A comprehensive study
Ko et al. Investigation on the impact resistance of 3D printed nacre-like composites
Zeng et al. Integrated random-aligned carbon nanotube layers: deformation mechanism under compression
Li et al. A novel class of bioinspired composite via ultrasound-assisted directed self-assembly digital light 3D printing
Wu et al. Three dimensional printing of bioinspired crossed-lamellar metamaterials with superior toughness for syntactic foam substitution
Ma et al. 3D-printed Lunar regolith simulant-based geopolymer composites with bio-inspired sandwich architectures
Sajadi et al. Three-dimensional printing of complex graphite structures
Kolosov et al. Functional materials for construction application based on classical and nano composites: production and properties
Lu et al. Lightweight and strong ceramic network with exceptional damage tolerance
Cho Geopolymer composites and their applications in stress wave mitigation
Valdevit et al. Fabrication of 3D micro-/nanoarchitected materials
CN110506026B (zh) 包含未浸渍的泡孔状碳纳米结构的复合物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221108

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230627

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240206