JP2017204529A - 融雪機能を備えた太陽光発電モジュール及び該太陽光発電モジュールを設置した建設物又は車両 - Google Patents

融雪機能を備えた太陽光発電モジュール及び該太陽光発電モジュールを設置した建設物又は車両 Download PDF

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    • H05B2203/006Heaters using a particular layout for the resistive material or resistive elements using interdigitated electrodes

Abstract

【課題】降雪時に太陽光発電モジュールの受光面の融雪を効率的かつ経済的に行うことができると共に、太陽光発電モジュールへの発熱部の設置を迅速かつ経済的に行うことができる融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを提供する。【解決手段】発熱ユニット層4が、バックシート3の受光面側及び/又は背面側に設けられており、該発熱ユニット層は、1)絶縁基材の表面に、導電性材料を溶媒に分散した導電性インクを塗布・含浸・乾燥して形成された発熱部及び電極パターンを設けた発熱体を導入すること、又は、2)前記バックシートの受光面側及び/又は背面側の表面に、前記導電性インクを塗布・含浸・乾燥して形成された発熱部及び電極パターンからなる発熱層を形成すること、により設けたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電モジュールの受光面への積雪を防止する融雪機能を備えた太陽光発電モジュール及びこのような融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを設置した建設物又は車両に関する。
地球温暖化防止のため、化石燃料の消費低減等の省エネルギーを目的として、太陽光を中心とする光エネルギーを利用して発電を行なう太陽光発電に対する関心が深まっている。
太陽光発電を行うソーラーパネルは通常複数枚の太陽光発電モジュールで構成されており、各太陽光発電モジュールには、図6に示すように、実用的な電気出力を取り出すために、複数の太陽電池セルが並べられ、直並列に接続されている。
太陽光発電モジュールとしては、特開2014−183289号公報(特許文献1)に開示される構造のものが一般に用いられている。図7に示すように、太陽光発電モジュール201は、表面保護部材207と、複数の太陽電池セル202と、バックシート208とが、封止材等を介して積層して構成されており、これら複数の太陽電池セル202は導電線203によって接続され電気出力を取り出すようになっている。
複数枚の太陽光発電モジュールで構成されるソーラーパネルは、太陽光が当たり易い部分に設置され、受光面からの太陽光の入射により太陽電池セル内部で電気を発生させ、受光面側及び裏面側(受光面側と反対側)に配置された電極により電流が収集される。
このようなソーラーパネルが降雪地に設置され、その受光面が積雪した際には、太陽電池セルに入射する太陽光が遮られるため、ソーラーパネルの発電効率が低下してしまう。さらに、ソーラーパネルが家屋、ビルディング等建設物の高い箇所に設置されている場合には、降雪の度に除雪作業を行なう事は面倒であり、危険でもある。
このために、ソーラーパネルを構成する太陽光発電モジュールとして、融雪機能を備えた太陽光発電モジュールが提案されている。
特開2015−126180号公報(特許文献2)には、図8(a),(b)に示すように、太陽光発電モジュールユニット301の背面側(受光面側の反対側)に発熱シートユニット350を積層した太陽光発電モジュール300が開示されているが、このような太陽光発電モジュール300では、発熱シートユニット350が太陽光発電モジュールユニット301の背面側に配置され、しかも、太陽光発電モジュールユニット301の受光面と背面の間には強化ガラス板323、シリコン太陽電池320、バックシート332等の剛直・厚膜で熱を伝えにくい層が存在しているため、太陽光発電モジュール300の受光面の積雪の融雪を効率的に行うことは難しい。さらに、発熱シートユニット350は、発熱シート314がEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)フィルム311,312を介して、2枚のバックシート331,332によって挟まれた複雑な構造を有しているため、発熱部である発熱シートユニット350を迅速かつ経済的に設けることは難しい。
特開2014−183289号公報 特開2015−126180号公報
本発明は、発熱ユニット層を迅速かつ経済的に設けることができると共に、太陽光発電モジュールの受光面の融雪を効率的に行うことができ、発熱ユニット層の耐用年数を一層伸ばすことができる、融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを提供すること並びに屋根及び/又は屋上の積雪を効率的に融雪できる、融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを設置した、家屋、ビルディング、ビニールハウス等の建設物及び自動車、電車等の車両を提供することを課題とするものである。
本件出願人は、先に、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう。)等の導電性微粒子を溶媒に分散した分散液(以下、単に「分散液」ともいう。)を、絶縁基材に塗布・含浸した後、乾燥して得られる発熱体について特許出願を行ったが(特願2015−117499号)、このような分散液を導電性インクとして用いて、太陽光発電モジュールのバックシートの受光面側及び/又は背面側に発熱ユニット層を設けることにより、太陽光発電モジュールに発熱部を迅速かつ経済的に設けることができると共に、太陽光発電モジュールの受光面の融雪を効率的に行うことができ、さらに、発熱ユニット層をバックシートの受光面側に設けることにより、発熱ユニット層の耐久性・耐候性を向上できることを見出し、本発明を成したものである。
また、本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを設置した建設物又は車両は、このような融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの特長を生かして、これを建設物又は車両の屋根及び/又は屋上に設置し、屋根及び/又は屋上の積雪を効率的に融雪できるものである。
本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールは、バックシートの受光面側及び/又は背面側に、絶縁基材に導電性材料を溶媒に分散した導電性インクを塗布・含浸・乾燥して形成された発熱部を有する発熱ユニット層を設けることにより、発熱ユニット層を迅速かつ経済的に設けることができる。
さらに、発熱ユニット層をバックシートの受光面側に設けることにより、太陽光発電モジュールの受光面の積雪を経済的かつ効率的に除去することができると共に、発熱ユニット層を太陽光発電モジュール内部の層として組み込むことができることから、発熱ユニット層の耐久性・耐候性を向上させ、発熱ユニット層の耐用年数を伸ばすことができる。太陽光発電モジュールの受光面の積雪を経済的かつ効率的に除去することができる。
また、本発明の建設物又は車両は、家屋、ビルディング等の建設物の屋根、屋上や、自動車、電車等の車両の屋根にこのような融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを設置したものであり、屋根及び/又は屋上の積雪を効率的に融雪でき、降雪時の除雪の手間・負担を大幅に軽減することができる。
本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの発熱ユニット層の第1実施形態を示す断面模式図である。 本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの発熱ユニット層の第2実施形態を示す断面模式図である。 本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの発熱ユニット層の第3実施形態を示す平面模式図である。 本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの発熱ユニット層の第4実施形態を示す平面模式図である。 本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの発熱ユニット層の第5実施形態を示す平面模式図である。 一般に用いられているシリコン太陽光発電モジュール及びこれを構成する太陽電池セルを、受光面側から見た模式図である。 特許文献1の一般に用いられているシリコン太陽光発電モジュールの構成を示す斜視図である。 特許文献2の融雪太陽電池パネルの構造を示す断面図である。
以下、本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールについて詳細に説明する。
本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの特徴点は、バックシートの受光面側及び/又は背面側に設けられる発熱ユニット層の発熱部を、導電性材料を溶媒に分散した導電性インクを塗布・含浸・乾燥して形成したことである。このように、導電性材料を溶媒に分散した導電性インクを用いて発熱部を形成することにより、発熱ユニット層を迅速かつ経済的に設けることができる。
さらに、発熱ユニット層をバックシートの受光面側に設けることにより、バックシートを介さずに受光面を加温・加熱できるため、太陽光発電モジュールの受光面の積雪を経済的かつ効率的に除去することができ、また、発熱ユニット層を太陽光発電モジュール内部の層として組み込むことができることから、発熱ユニット層の耐久性・耐候性を向上させ、発熱ユニット層の耐用年数を伸ばすことができる。
さらに、発熱ユニット層を、バックシートの受光面側及び/又は背面側の表面に形成することにより、発熱ユニット層を迅速かつ経済的に設けることができる。
さらに、発熱ユニット層の発熱部の形成に用いる導電性微粒子として、CNTを含有する導電性微粒子を用いることにより、低電圧で高温状態が実現でき、また遠赤外線が放射されるため、太陽光発電モジュールの受光面の融雪をさらに効率的に行うことができる。
さらに、導電性材料として、CNTと共に金属系物質を用いると、発熱部を低体積抵抗率及び高発熱量のものとできるため、太陽光発電モジュールの受光面の融雪をさらに一層効率的に行うことができる。
〇発熱ユニット層の形成
まず、本発明の発熱ユニット層について説明する。
本発明の発熱ユニット層は、絶縁基材の表面に発熱部及び電極パターンを設けた発熱体(以下、「導入発熱体」ともいう。)を、バックシートの受光面側及び/又は背面側の層として新たに導入して発熱層(以下、「導入発熱層」ともいう。)とすることもできるし、また、バックシートの受光面側及び/又は背面側の表面に、発熱部及び電極パターンからなる発熱層を形成して発熱層(以下、「形成発熱層」ともいう。)とすることもできる。
導入発熱体としては、絶縁基材に発熱部及び電極パターンを設けた発熱体を用いることもできるし、この発熱体をラミネーター等により封止したものを用いることもできる。
形成発熱層を設ける際に、分散液を塗布し発熱部を形成するバックシートの面が絶縁性である場合にはそのまま用い、導電性である場合には予め絶縁処理をして用いる。
さらに、発熱ユニット層をバックシートの受光面側に設けた場合には、発熱ユニット層を太陽光発電モジュール内部の層として組み込むことができるため、発熱ユニット層の耐久性・耐候性を向上させ、発熱ユニット層の耐用年数を伸ばすことができる。
発熱部に用いられる導電性材料としては、CNT、金属系物質、導電性高分子等を単独又は併用して用いることができる。導電性材料としてCNTを用いると、低電圧で高温状態が実現でき、また遠赤外線が放射されるため、太陽光発電モジュールの受光面の融雪をさらに効率的に行うことができる。さらに、導電性材料として、CNTと共に金属系物質を用いると、発熱部を低体積抵抗率及び高発熱量のものとできるため、太陽光発電モジュールの受光面の融雪をさらに一層効率的に行うことができる。CNTと金属系物質、導電性高分子等の導電性材料との混合比率は、所望する発熱体の体積抵抗率、発熱量等に応じて適宜設定することができる。
CNTは、特徴的な構造として、炭素の六員環配列構造を有する1枚のシート状グラファイト(グラフェンシート)が円筒状に巻かれた直径数nm程度のチューブ状構造を有する。このグラフェンシートにおける炭素の六員環配列構造には、アームチェア型構造、ジグザグ型構造、カイラル(らせん)型構造などが含まれる。前記グラフェンシートは、炭素の六員環に五員環又は七員環が組み合わさった構造を有する1枚のシート状グラファイトであってもよい。CNTとしては、1枚のシート状グラファイトで構成された単層CNTの他、前記筒状のシートが軸直角方向に複数積層した多層CNT(CNTの内部にさらに径の小さいCNTを1個以上内包する多層CNT)、単層CNTの端部が円錐状で閉じた形状のカーボンナノコーン、内部にフラーレンを内包するCNTなどが知られている。これらのCNTは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのCNTのうち、CNT自体の強度の向上の点から、多層CNTを用いることが好ましい。また、CNTとして、タール分が0.5%以下のものを用いることが好ましい。タールなどの不純物が少ないCNTを用いれば、発熱部を形成もしくは加熱した際に、揮発性有機化合物(VOC)の放出を低減させることができるため好ましい。
金属系物質としては、金属単体又は合金(例えば、銀、金、銅、クロム、ニッケル、鉄、マグネシウム、アルミニウム、白金、亜鉛、マンガン、タングステン、ステンレス等)などが挙げられるが、銀、金、銅、アルミニウムなどの金属を含む金属系物質が好ましく、銀系(例えば、銀単体、銀コート又はメッキ銅など)が特に好ましい。
導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン系樹脂(例えば、ポリアセチレンなど)、ポリチオフェン系重合体(例えば、ポリチオフェンなど)、ポリフェニレン系重合体(例えば、ポリパラフェニレンなど)、ポリピロール系重合体(例えば、ポリピロールなど)、ポリアニリン系重合体(例えば、ポリアニリンなど)、アクリル系重合体で変性されたポリエステル系樹脂などの導電性ポリマーが挙げられる。これらの有機系導電剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
導電性材料としては、導電性微粒子を好適に用いることができ、導電性微粒子の形状は、球状のものよりも、フィラメント状、針状のものが好ましい。具体的には、針状結晶状の銀微粒子、針状結晶状のアルミニウム微粒子、針状結晶状のニッケル微粒子、ストランドが三次元的に連なった形状を有するニッケル微粒子等を好適に用いることができる。フィラメント状、針状の導電性微粒子を用いた場合には、CNTと線状で絡み合うので、均一な体積抵抗率を有する発熱体を形成できる。
導電性材料としては、導電性微粒子を好適に用いることができ、導電性微粒子の平均粒径は、10nm〜100μm程度の範囲から適宜選択でき、電極の機械的特性や導電性などの点から、例えば、0.3〜80μm、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜40μm程度であってもよい。
CNT等の導電性微粒子を分散させるための溶媒(分散媒)としては、例えば、慣用の極性溶媒(水、アルコール類、アミド類、環状エーテル類、ケトン類など)、慣用の疎水性溶媒(脂肪族又は芳香族炭化水素類、脂肪族ケトン類など)、又はこれらの混合溶媒などが使用できる。これらの溶媒のうち、簡便性や操作性の点から、水が好ましく用いられる。
分散液中におけるCNTの濃度は、特に制限されないが、目的とする電気抵抗値に応じて、分散液の全質量に対してCNTの含有量が好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%とすることができる。CNTの含有量が0.1質量%より少ない場合は、所望の導電性が得られにくくなり、また、30質量%以上である場合は、CNTが嵩高いため、分散液の粘度が高くなり、バックシートへの塗布・含浸が適切に行えなくなる。
分散液は、水などの液体媒体中にCNTを凝集することなく安定に分散させるために、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤の使用量は、例えば、CNT100質量部に対して、界面活性剤を1〜100質量部(特に5〜50質量部)程度の範囲から選択できる。
界面活性剤としては、両性イオン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれもが使用できるが、これらの界面活性剤のうち、分散液中において、CNT間のファンデルワールス力による凝集及びバンドル形成を防ぎながら、CNTを水などの分散媒中に安定に微細に分散させることができる点から、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との組み合わせ、両性イオン界面活性剤単独のいずれかが好ましく、両性イオン界面活性剤が特に好ましい。
両性イオン界面活性剤としては、例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトリルホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、n−オクチルホスホコリン、n−ドデシルホスホコリン、n−テトラデシルホスホコリン、n−ヘキサデシルホスホコリン等のホスファチルコリン系両性界面活性剤、3−(N,N−ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホネート、3−(N、N−ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパンスルホネート、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]プロパンスルホン酸、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、n−ヘキサデシル−N、N´−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート等のスルホベタイン系両性界面活性剤が挙げられる。またその他の両性界面活性剤としては3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、商品名としてアンヒトール20HD(花王株式会社製)等のヒドロキシスルホベタイン系界面活性剤、商品名としてアンヒトール20BS、24B、86B(花王株式会社製)、ニッサンアノンBDC−SF、BDF−R、BDF−SF、BDL−SF、BF、BL、BL−SF(日本油脂株式会社製)等のカルボキシベタイン系界面活性剤、商品名としてアンヒトール20AB、55AB(花王株式会社製)等のアミドベタイン系、商品名としてアンヒトール20N(花王株式会社製)等のアミンオキシド系、商品名としてアンヒトール20YB(花王株式会社製)、ニッサンアノンGLM−R、GLM−R−LV(日本油脂株式会社製)等のイミダゾリウム系界面活性剤等が挙げられる。
特に、スルホベタイン骨格である両性親水基を含有する両性界面活性剤、例えば、3−(N,N−ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホネート、3−(N、N−ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパンスルホネート、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、n−ヘキサデシル−N、N´−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート等を用いることが好ましい。
本発明の分散液における界面活性剤の含有量は、0.001〜50質量%の範囲であり、好ましくは0.005〜40質量%であり、より好ましくは0.01〜30質量%である。このように界面活性剤が0.001質量%より少ない場合は、所望の分散状態が得られない。また界面活性剤が50質量%以上である場合は、増量による添加効果があまり期待できなくなる。
分散液は、さらに慣用の添加剤、例えば、表面処理剤(例えば、シランカップリング剤などのカップリング剤など)、着色剤(染顔料など)、色相改良剤、染料定着剤、光沢付与剤、金属腐食防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、分散安定化剤、増粘剤又は粘度調整剤、チクソトロピー性賦与剤、レベリング剤、消泡剤、殺菌剤、充填剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明のバックシートとしては、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン硬質発泡体、ポリカーボネート樹脂等の樹脂板、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属板、ガラス板等からなる単層体又は積層体を用いることができる。
本発明における、発熱体の絶縁基材表面、又はバックシートの受光面側の表面及び/又は背面側の表面(以下、「発熱部形成面」ともいう。)への発熱部の形成は、例えば、次のような工程により行うことができる。
CNT等の導電性微粒子を溶媒に均一に分散させるためには、一般的な分散機が用いられる。例えば、ビーズミル(ダイノーミル、(株)シンマルエンタープライズ)TKラボディスパー、TKフィルミックス、TKパイプラインミクサー、TKホモミックラインミル、TKホモジェッター、TKユニミキサー、TKホモミックラインフロー、TKアジホモディスパー(以上、特殊機化工業(株))、ホモジナイザー・ポリトロン((株)セントラル科学貿易)、ホモジナイザー・ヒストロン((株)日音医理科機器製作所)、バイオミキサー((株)日本精機製作所)、ターボ型攪拌機((株)小平製作所)、ウルトラディスパー(浅田鉄鋼(株))、エバラマイルザー(荏原製作所(株))、超音波装置又は超音波洗浄機(アズワン(株))等が挙げられる。
分散液を、発熱部形成面に塗布する手段としては、一般的な塗装手段、印刷手段を採用することができる。
塗装手段としては、例えば、滴下法、ディッピング法、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、低圧霧化スプレー塗装、バーコーダー法による塗装、スピンコーターを用いた塗装等が挙げられる。また、印刷手段としては、例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、バーコーター、スピンコーター等が挙げられる。これらの塗布手段のうち、発熱部形成面の所定箇所に分散液を簡単に塗布することができる点から、スクリーン印刷が好ましい。
塗膜は常温で乾燥させることができる。塗膜を十分に乾燥させるためには、乾燥温度を10〜500℃に加熱することが好ましく、より好ましくは50〜250℃であり、特に好ましくは70〜100℃である。乾燥温度が10℃未満であると乾燥が十分に進まないおそれがあり、500℃を超えると、絶縁性基材の素材によっては変形をおそれがある。乾燥時間は発熱部の面積、乾燥温度により任意の時間を設置することができる。
発熱部において発生した熱を効果的に利用できるよう、分散液に蓄熱材を含有させることができる。蓄熱剤はそのまま含有させてもよいが、マイクロカプセルに内包させて含有させるのが好ましい。発熱部に蓄熱剤を含有させると、通電状態において発熱部から空気中に放熱されていた過剰な熱を蓄熱材が蓄熱し、発熱部の休止状態において蓄熱材が蓄熱を放熱するようにできるので好ましい。
分散液には、前記界面活性剤に加えて、さらにハイドレート(水和安定剤)を含有させてもよい。水和安定剤は、発熱部を形成する工程で用いられる分散液中において、界面活性剤の水などの液体媒体(水など)への溶解を促進してその界面活性作用を十分に発揮させるとともに、CNTを多孔質絶縁体表面に固定させるまで分散状態を維持することに寄与する。
水和安定剤の種類は、界面活性剤の種類、液体媒体(分散媒)の種類などによって異なり得るが、液体媒体として水を使用した場合は、例えば、前記非イオン性界面活性剤(界面活性剤として、非イオン性界面活性剤を使用した場合)、親水性化合物(水溶性化合物)などが使用できる。
親水性化合物(水溶性化合物)としては、例えば、多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ショ糖など)、ポリアルキレングリコール樹脂(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリC2−4アルキレンオキサイドなど)、ポリビニル系樹脂(ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなど)、水溶性多糖類(カラギーナン、アルギン酸又は塩など)、セルロース系樹脂(メチルセルロースなどのアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシC2−4アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシC1−3アルキルセルロース又はその塩など)、水溶性蛋白質(ゼラチンなど)などが例示できる。
これらの水和安定剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの水和安定剤のうち、グリセリンなどの多価アルコールなどが汎用される。
水和安定剤の割合は、前記界面活性剤100質量部に対して、例えば、0.01〜500質量部、好ましくは1〜400質量部、さらに好ましくは10〜300質量部程度である。
〇発熱ユニット層の配置
本発明の発熱ユニット層は、上記のように、導入発熱層として設けることもできるし、また、形成発熱層として設けることもできるが、形成発熱層は導入発熱層に比べ、発熱ユニット層を迅速かつ経済的に形成できるため好ましい。
また、本発明の発熱ユニット層は、バックシートの受光面側及び/又は背面側に設けることができるが、発熱ユニット層をバックシートの受光面側に設けると、発熱ユニット層を太陽光発電モジュール内部の層として組み込むことができ、発熱ユニット層の耐久性・耐候性を向上させ、発熱ユニット層の耐用年数を伸ばすことができるため好ましい。
また、発熱ユニット層をバックシートの受光面側に設ける場合には、バックシートの全面にわたって発熱ユニット層を設けることもできるし、また、太陽電池セルが配置される部分以外の箇所に設けるといった発熱ユニット層のパターン設計をすることもできる。発熱ユニット層を、バックシートの受光面側の全面にわたって設ける場合に好適に用いることのできる発熱層としては、後で詳細に説明するが、図3に示すような、面状発熱体10の片面又は両面に、電極7及び電極8の1組の櫛形電極を設けた発熱ユニット層が挙げられる。
発熱ユニット層を、バックシートの受光面側の太陽電池セルが配置される部分以外の箇所に設ける場合について、以下に図7を用いて説明する。
太陽光発電モジュールは、通常、複数の太陽電池セル202と、これら複数の太陽電池セル202の受光面側の表面保護部材207と、これら複数の太陽電池セル202の背面側のバックシート208とを、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の封止材で封止したものであり、封止工程は、下から上に順に、バックシート208、封止材フィルム、複数の太陽電池セル202、封止材フィルム、及び表面保護部材207を積層し、この積層体を加熱・加圧することにより行われる。
本発明において、「バックシートの太陽電池セルが配置される部分以外の箇所」とは、封止工程において、封止材フィルムを介して複数の太陽電池セル202とバックシート208とを積層した際に、これを受光面側の垂直方向から見た場合に、複数の太陽電池セル202と重ならないバックシート208の箇所を意味する。
発熱ユニット層を、バックシートの太陽電池セルが配置される部分以外の箇所に設けるため手法としては、複数の太陽電池セル202の縦方向(直列に接続された方向)又は横方向(直列に接続された方向と直交する方向)に存在する太陽電池セル202間のすき間に対応するバックシート208の箇所に、複数の平行する細帯状の発熱体を設けることが好ましい。このような複数の平行する細帯状の発熱体を有する発熱ユニット層については後で詳細に説明するが、図4又は図5に示すような、電極7及び電極8となる一対の電極の間を接続する、複数の平行する細帯状発熱体11を有する発熱ユニット層を好適に用いることができる。
本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの第1実施形態を図1に示し、第2実施形態を図2に示す。
図1に示す第1実施形態は、透明な表面保護部材2とバックシート3との間に複数の太陽電池セル1が配置され、これらが封止材5により封止された太陽光発電モジュールにおいて、発熱ユニット層4を、バックシート3の受光面側の全面にわたって設けたものである。また、図2に示す第2実施形態は、透明な表面保護部材2とバックシート3との間に複数の太陽電池セル1が配置され、これらが封止材5により封止された太陽光発電モジュールにおいて、発熱ユニット層4を、バックシート3の受光面側の、太陽電池セル1が配置される部分以外の箇所に設けたものである。
第2実施形態の太陽光発電モジュールは、第1実施形態の太陽光発電モジュールに比べ、発熱ユニット層4が熱を伝えにくい太陽電池セル1の背面側には設けられていないため、太陽光発電モジュールの受光面の積雪を経済的かつ効率的に除去することができる。さらに、発熱ユニット層の発熱によって生じる太陽電池セルの温度上昇を低く抑えられるので、温度上昇に伴う太陽電池セルの発電量の低下を低く抑えることができるので好ましい。
〇発熱ユニット層の構造
つぎに、本発明の発熱ユニット層の構造について説明する。
本発明の太陽光発電モジュールの発熱ユニット層を形成する際には、上で説明したように、発熱部を形成する面(導入発熱層の場合は絶縁基材の表面、形成発熱層の場合はバックシートの受光面側の表面及び/又は背面側の表面)に、導電性材料を溶媒に分散した導電性インクを塗布・含浸・乾燥して発熱部を形成すると共に、この発熱部に電流を供給す電極パターンを形成する。
電極パターンは、銀ペースト等の一般的な電極材料を印刷・乾燥する手段、銅テープ等の導電性テープを発熱部に貼着する手段等の公知の手段を用いて形成することができるが、後者の電極パターン形成手段は、前者のような乾燥のための加熱が不要であって、発熱部形成面が熱により変形しないため好ましい。
本発明の太陽光発電モジュールにおいて好適に用いることのできる発熱ユニット層の構造について、以下に説明する。
図3に示す、発熱ユニット層の第3実施形態は、発熱ユニット層9が、面状発熱部10、及び面状発熱部10の片面又は両面に設けられた、1組の櫛形電極7、8から構成されたものであって、絶縁基材6の表面(導入発熱層の場合は絶縁基材の表面、形成発熱層の場合はバックシートの受光面側の表面及び/又は背面側の表面)に、導電性微粒子を溶媒に分散した分散液を塗布・含浸・乾燥して面状発熱部10を形成すると共に、銀ペースト等の一般的な電極材料を印刷・乾燥する手段、銅テープ等の導電性テープを発熱部に貼着する手段等の公知の手段により1組の櫛形電極7、8を設けたものである。
1組の櫛形電極は、1組を面状発熱部10の片方の表面だけに設けることもできるし、櫛形電極7、8をそれぞれ別の表面に設けることもできる。1組の櫛形電極7、8を面状発熱部10の片面だけに設ける場合には、電極7となる櫛形電極の歯と、電極8となる櫛形電極の歯とは、交互に配置される。また、1組の櫛形電極を、面状発熱部10のそれぞれ別の表面に設ける場合には、両面で千鳥状に交互にずらしてもよいが、ずらさずに揃えてもよい。
電極7となる櫛形電極の歯と、電極8となる櫛形電極の歯との距離を小さくすると、抵抗値が小さくなり流れる電流量が増加するため、発熱量を大きくすることができる。逆に、これらの距離を大きくすると、抵抗値が大きくなり流れる電流量が減少するため、発熱量を小さくすることができる。このように、電極間の距離を調整することにより、発熱部の発熱量を部分的に調整することができる。
電極間抵抗値は、特に限定されないが、例えば、100Ω以下が好適であり、80Ω以下がより好適であり、20〜60Ω以下が更に好適である。
図4及び5に示す、本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの発熱ユニット層の第4実施形態及び第5実施形態は、発熱ユニット層9が、一対の電極、並びにこの一対の電極間を接続する、複数の平行する細帯状発熱体11から構成されたものであって、絶縁基材6の表面(導入発熱層の場合は絶縁基材の表面、形成発熱層の場合はバックシートの受光面側の表面及び/又は背面側の表面)に導電性材料を溶媒に分散した導電性インクを塗布・含浸・乾燥して細帯状発熱体11を形成すると共に、銀ペースト等の一般的な電極材料を印刷・乾燥する手段、銅テープ等の導電性テープを発熱部に貼着する手段等の公知の手段により一対の電極7、8を設けたものである。
発熱部形成の効率、発熱部の抵抗値調整のしやすさ等の観点から、一対の電極7、8は平行となるよう配置するのが好ましい。さらに、複数の平行する細帯状発熱体11は、電極7及び8と垂直に、それぞれが平行となるように配置するのが好ましく、また、各細帯状発熱体11の幅は同じ幅とするのが好ましい。
細帯状発熱体11と、一対の電極7、8との設置順序は、一対の電極7、8を設けた後に細帯状発熱体11を形成してもよいし、細帯状発熱体11を形成した後に一対の電極7、8を設けてもよいし、一対の電極並びに細帯状発熱体11を略同時に設置してもよいが、両者を確実に接続させるために両者の間に重複する部分を設けることが必要である。
複数の細帯状発熱体11は、通常、図4に示す第4実施形態のように、一方の電極7又は8から延出して他方の電極8又は7に近づき他方の電極と接続されるように配置することができる。また、各細帯状発熱体11を長くする必要がある場合には、図5に示す第5実施形態のように、一方の電極7又は8から延出して他方の電極8又は7側に近づいた後に一方の電極7又は8側に一旦戻り、再び他方の電極8又は7側に近づいて他方の電極8又は7と接続されるように配置することもできる。
〇融雪機能を備えた太陽光発電モジュール
本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールは、通常の太陽光発電モジュールと同様に、太陽光発電モジュール全体を樹脂フィルムで封止(パッキング)することにより、気密性・液密性を高めることができる。樹脂フィルムで封止する方法としては、例えば、本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールの受光面側、背面側を樹脂フィルムで覆い、側部を熱融着する方法を用いることができる。
本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールは、バックシートの受光面側及び/又は背面側に設けられる発熱ユニット層の発熱部を、導電性材料を溶媒に分散した導電性インクを塗布・含浸・乾燥して形成することにより、発熱ユニット層を迅速かつ経済的に設けることができる優れたものである。
さらに、本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールは、発熱ユニット層をバックシートの受光面側に設けることにより、バックシートを介さずに受光面を加温・加熱できるため、太陽光発電モジュールの受光面の積雪を経済的かつ効率的に除去することができ、また、さらに、発熱ユニット層を太陽光発電モジュール内部の層として組み込むことができることから、発熱ユニット層の耐久性・耐候性を向上させ、発熱ユニット層の耐用年数を伸ばすことができる優れたものである。
さらに、本発明の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールは、発熱ユニット層を、バックシートの受光面側及び/又は背面側に形成することにより、発熱ユニット層を迅速かつ経済的に設けることができる優れたものである。
さらに、発熱ユニット層の発熱部の形成に用いる導電性微粒子として、CNTを含有する導電性微粒子を用いることにより、低電圧で高温状態が実現でき、また遠赤外線が放射されるため、太陽光発電モジュールの受光面の融雪をさらに効率的に行うことができる。
さらに、導電性材料として、CNTと共に金属系物質を用いると、発熱部を低体積抵抗率及び高発熱量のものとできるため、太陽光発電モジュールの受光面の融雪をさらに一層効率的に行うことができる。
〇融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを備えた建設物・車両
本発明の建設物又は車両は、家屋、ビルディング等の建設物の屋根、屋上や、自動車、電車等の車両の屋根にこのような融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを設置したものであり、屋根及び/又は屋上の積雪を効率的に融雪でき、降雪時の除雪の手間・負担を大幅に軽減することができる。
以下に、参考実施例及び参考比較例を示し、本発明における、バックシートの受光面側及び/又は背面側に設けられる、導電性インクを塗布・含浸・乾燥して形成される発熱部の性能を、絶縁基材に分散液を塗布・含浸・乾燥して得られる面状発熱部を用いて具体的に説明するが、本発明に係る発熱部はこれらに限定されるものではない。
[参考実施例1]
脱イオン水に、両性イオン界面活性剤、カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]及びナノサイズの銀粒子(粒子径:20〜60nm)を配合し、分散機で均一に分散して、両性イオン界面活性剤の含有率が0.1質量%、カーボンナノチューブの含有率が4.2質量%、ナノサイズの銀粒子の含有率が0.1質量%の分散液を得た。
この分散液を、市販のA4サイズのコピー用紙(210mm×297mm)の片面に、スクリーン印刷により均一に塗布し(塗布量50g/m)、乾燥して、面状発熱体を製造した。
このようにして得られたA4サイズの面状発熱体の2つの短辺全体にわたって、それぞれ、正極及び負極を設けて、面状発熱体の電極間抵抗値を測定したところ、面状発熱体の電極間抵抗値は28Ωであった。
[参考実施例2]
分散液におけるナノサイズの銀粒子の含有率を0.2質量%とした以外は、参考実施例1と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は29Ωであった。
[参考実施例3]
ナノサイズの銀粒子に代えて、ナノサイズの酸化亜鉛粒子(粒子径:20〜50nm)を用いた以外は、参考実施例1と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は34Ωであった。
[参考実施例4]
ナノサイズの銀粒子に代えて、ナノサイズの酸化亜鉛粒子(粒子径:20〜50nm)を用いた以外は、参考実施例2と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は32Ωであった。
[参考比較例1]
ナノサイズの銀粒子(粒子径:20〜60nm)を配合しない以外は、参考実施例1と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は69Ωであった。
[参考実施例5]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[FT9000(CNano Technology社)]を用いた以外は、参考実施例1と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は52Ωであった。
[参考実施例6]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[FT9000(CNano Technology社)]を用いた以外は、参考実施例2と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は51Ωであった。
[参考実施例7]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[FT9000(CNano Technology社)]を用いた以外は、参考実施例3と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は54Ωであった。
[参考実施例8]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[FT9000(CNano Technology社)]を用いた以外は、参考実施例4と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は55Ωであった。
[参考比較例2]
ナノサイズの銀粒子(粒子径:20〜60nm)を配合しない以外は、参考実施例5と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は101Ωであった。
[参考実施例9]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[FT7000(CNano Technology社)]を用いた以外は、参考実施例1と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は38Ωであった。
[参考実施例10]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[FT7000(CNano Technology社)]を用いた以外は、参考実施例2と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は39Ωであった。
[参考実施例11]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[FT7000(CNano Technology社)]を用いた以外は、参考実施例3と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は42Ωであった。
[参考実施例12]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[FT7000(CNano Technology社)]を用いた以外は、参考実施例4と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は41Ωであった。
[参考比較例3]
ナノサイズの銀粒子(粒子径:20〜60nm)を配合しない以外は、参考実施例9と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は77Ωであった。
[参考実施例13]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[NC7000(ナノシル社製)]を用いた以外は、参考実施例1と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は31Ωであった。
[参考実施例14]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[NC7000(ナノシル社製)]を用いた以外は、参考実施例2と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は32Ωであった。
[参考実施例15]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[NC7000(ナノシル社製)]を用いた以外は、参考実施例3と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は37Ωであった。
[参考実施例16]
カーボンナノチューブ[C100(アルケマ社製)]に代えて、カーボンナノチューブ[NC7000(ナノシル社製)]を用いた以外は、参考実施例4と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は35Ωであった。
[参考比較例4]
ナノサイズの銀粒子(粒子径:20〜60nm)を配合しない以外は、参考実施例13と同様にして、面状発熱体を製造した。
この面状発熱体の電極間抵抗値は71Ωであった。
参考実施例1〜16及び参考比較例1〜4の結果を、表1〜4に整理して示す。
Figure 2017204529
Figure 2017204529
Figure 2017204529
Figure 2017204529
1 太陽電池セル
2 透明な表面保護部材
3 バックシート
4 発熱ユニット層
5 封止材
6 絶縁基材
7 電極
8 電極
9 発熱ユニット層
10 面状発熱部
11 細帯状発熱体
201 太陽光発電モジュール
202 太陽電池セル
203 導電線
207 表面保護部材
208 バックシート
300 太陽光発電モジュール
301 太陽光発電モジュールユニット
311,312 EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)フィルム
314 発熱シート
320 シリコン太陽電池
323 強化ガラス板
331,332 バックシート
350 発熱シートユニット

Claims (6)

  1. 透明な表面保護部材とバックシートとの間に複数の太陽電池セルが配置され、これらが封止材により封止された太陽光発電モジュールにおいて、
    発熱ユニット層が、前記バックシートの受光面側及び/又は背面側に設けられており、
    前記発熱ユニット層は、1)絶縁基材の表面に発熱部及び電極パターンを設けた発熱体を導入すること、又は、2)前記バックシートの受光面側及び/又は背面側の表面に、発熱部及び電極パターンからなる発熱層を形成すること、により設けられており、
    前記発熱ユニット層の前記発熱部は、導電性材料を溶媒に分散した導電性インクを塗布・含浸・乾燥して形成されたものであることを特徴とする、融雪機能を備えた太陽光発電モジュール。
  2. 前記発熱ユニット層が、前記バックシートの受光面側の表面に、発熱部及び電極パターンからなる発熱層を形成することにより設けられたものであることを特徴とする、請求項1に記載の融雪機能を備えた太陽光発電モジュール。
  3. 前記導電性材料が、カーボンナノチューブを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の融雪機能を備えた太陽光発電モジュール。
  4. 前記発熱ユニット層が、一対の電極、及び該一対の電極の間を接続する、複数の平行する細帯状発熱体により構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の融雪機能を備えた太陽光発電モジュール。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを、屋根及び/又は屋上に設置した建設物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の融雪機能を備えた太陽光発電モジュールを、屋根に設置した車両。
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