JP2007169120A - カーボンナノチューブの分散方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カーボンナノチューブを破壊せず、本来持っている特性を失うことなく良好に分散させ、分散後の保存安定性も良好な、カーボンナノチューブの分散方法を提供すること。
【解決手段】カーボンナノチューブを分散媒に分散させる方法であって、界面活性剤の存在下で、平均径が0.4〜5mmであり、比重が2〜3g/cm3であるビーズを用いて分散させることを特徴とするカーボンナノチューブの分散方法、及びその分散方法を用いて製造されたカーボンナノチューブ分散液。
【選択図】図3
【解決手段】カーボンナノチューブを分散媒に分散させる方法であって、界面活性剤の存在下で、平均径が0.4〜5mmであり、比重が2〜3g/cm3であるビーズを用いて分散させることを特徴とするカーボンナノチューブの分散方法、及びその分散方法を用いて製造されたカーボンナノチューブ分散液。
【選択図】図3
Description
本発明は、カーボンナノチューブの分散方法に関し、更に詳しくは、カーボンナノチューブをその形状を保持したままで良好に分散させ、分散後の保存安定性にも優れたカーボンナノチューブの分散方法に関する。
カーボンナノチューブは、ナノエレクトロニクス、ナノメカニクス、電子源、エネルギー、複合材料等の化学、医療等の分野への利用に多くの期待が寄せられている。そして、カーボンナノチューブを利用するためには、複雑に絡み合ったカーボンナノチューブの凝集物を分散技術により一本ずつほぐす必要がある。
しかし、カーボンナノチューブは、液体中に非常に分散しにくいため、カーボンナノチューブを化学修飾したり、特殊な界面活性剤を用いたりして分散させていた。特許文献1には、カーボンナノチューブを、特殊な界面活性剤を用いて、α−テルピネオールに分散させる方法が提案されている。また、水に対しても、特殊の界面活性剤を用いて分散させる方法が提案されている(特許文献2、3)。
しかしながら、上記特許文献記載の技術では、カーボンナノチューブの形状を保持したままで良好に分散させ、保存安定性にも優れたものは得られていなかった。また、希薄なカーボンナノチューブの分散液しか提供できず、特許文献2の段落番号(0017)に記載してある通り、カーボンナノチューブの含有量が多くなると、分散安定性が低下するという問題点があった。
その結果、カーボンナノチューブの分散液を複合材料に添加して、所定の機能を得ようとした場合、分散液を多量に添加するか、添加後に濃縮するか、分散液を濃縮後に添加する過程が必要であるという問題点があった。
一方、カーボンナノチューブを分散する方法としては、超音波等を用いた分散方法(特許文献2、3、5)や、機械粉砕等を用いた分散方法(特許文献1、4)等が知られている。超音波を用いた分散方法では、カーボンナノチューブが低濃度の分散液では、カーボンナノチューブの形状を破壊することが少なく、良好な分散液を得ることができるが、カーボンナノチューブが高濃度である分散液では、カーボンナノチューブが互いに複雑に絡み合い凝集しているため、分散が困難であった。
また、機械粉砕による分散方法としては、ビーズミルによる分散方法があるが、従来の分散方法では、カーボンナノチューブの非破壊と良分散の両立ができなかった。すなわち、完全に分散しようと過度の分散を行うと、カーボンナノチューブの形状自体が破壊され、その結果、カーボンナノチューブが本来持っている特性を失うこととなる。また、破壊しないように分散させようとすると分散不足になり、分散液中に分散されないカーボンナノチューブ(カーボンナノチューブの凝集物)が残存することとなり、使用したカーボンナノチューブ全てが本来の特性を発揮できないという問題点があった。
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、カーボンナノチューブを破壊せず、すなわち本来持っている特性を失うことなく、良好に分散させ、分散後の保存安定性が良好であり、高濃度までカーボンナノチューブを分散できるカーボンナノチューブの分散方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カーボンナノチューブを分散媒に分散させる方法において、特定の形状・物性のビーズを用いて分散させることによって、良好な分散液が得られることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、カーボンナノチューブを分散媒に分散させる方法であって、界面活性剤の存在下で、平均径が0.4〜5mmであり、比重が2〜3g/cm3であるビーズを用いて分散させることを特徴とするカーボンナノチューブの分散方法を提供するものである。
また、本発明は、かかるカーボンナノチューブの分散方法を使用して製造したカーボンナノチューブ分散液を提供するものである。
本発明の分散方法によれば、カーボンナノチューブを大幅に破壊させることなく、たとえ高濃度であっても良好に分散させ、分散後の保存安定性も良好な、カーボンナノチューブの分散液を提供することができる。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の具体的態様に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
<カーボンナノチューブ>
本発明のカーボンナノチューブの分散液に用いられるカーボンナノチューブの種類には特に限定はなく、用途に応じ、単層、2層又は多層カーボンナノチューブの全てのものが使用できる。本発明の分散方法を用いることによって、単層から多層に至るまで、また、あらゆる種類や大きさのカーボンナノチューブの分散液を得ることができる。砕けたり潰れたりしにくいので、分散させやすさの点からは多層カーボンナノチューブが好ましい。また、下記する好ましいビーズの条件との組み合わせからも多層カーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブの直径、長さにも特に限定はなく、あらゆる大きさのものに適用可能であるが、直径については10nm〜1000nmが好ましく、30nm〜400nmが特に好ましく、50nm〜200nmが更に好ましい。また、長さについては0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜5μmが特に好ましく、0.5μm〜3μmが更に好ましい。
本発明のカーボンナノチューブの分散液に用いられるカーボンナノチューブの種類には特に限定はなく、用途に応じ、単層、2層又は多層カーボンナノチューブの全てのものが使用できる。本発明の分散方法を用いることによって、単層から多層に至るまで、また、あらゆる種類や大きさのカーボンナノチューブの分散液を得ることができる。砕けたり潰れたりしにくいので、分散させやすさの点からは多層カーボンナノチューブが好ましい。また、下記する好ましいビーズの条件との組み合わせからも多層カーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブの直径、長さにも特に限定はなく、あらゆる大きさのものに適用可能であるが、直径については10nm〜1000nmが好ましく、30nm〜400nmが特に好ましく、50nm〜200nmが更に好ましい。また、長さについては0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜5μmが特に好ましく、0.5μm〜3μmが更に好ましい。
<分散媒>
本発明における分散媒としては、使用温度で液体であれば特に限定はなく、水、水溶性溶剤、非水溶性溶剤等、従来公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール等の4価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類;N−メチルピロリドン;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド;トルエン、キシレン、メトキシベンゼン等の芳香族化合物;フェノール、クレゾール等のフェノール類;ジエチルエーテル等のエーテル類;ポリシロキサン、シリコンオイル等のシリコン化合物;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等のアルカン類等が挙げられる。これらは複数を混合した混合液体を用いてもよい。
本発明における分散媒としては、使用温度で液体であれば特に限定はなく、水、水溶性溶剤、非水溶性溶剤等、従来公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール等の4価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類;N−メチルピロリドン;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド;トルエン、キシレン、メトキシベンゼン等の芳香族化合物;フェノール、クレゾール等のフェノール類;ジエチルエーテル等のエーテル類;ポリシロキサン、シリコンオイル等のシリコン化合物;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等のアルカン類等が挙げられる。これらは複数を混合した混合液体を用いてもよい。
中でも、取り扱い性や環境面からは、水又は炭素数1〜4のアルコール類が好ましく、水を含む水系液体であることが特に好ましく、水を90体積%以上含有する親水性液体が特に好ましく、実質的に純水が更に好ましい。本発明は、特定の分散方法を用いることによって、実質的に純水でも、カーボンナノチューブを破壊せず高濃度で安定性よくカーボンナノチューブを分散できる。
<界面活性剤>
本発明のカーボンナノチューブの分散液には、界面活性剤を含有することが必須である。界面活性剤としては特に限定はなく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の何れも使用できるが、好ましくはアニオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤、特に好ましくは非イオン性界面活性剤である。本発明で非イオン性界面活性剤とは、通常の方法で分散媒と共に用いたときに、実質的にイオンになって溶解又は分散しない界面活性剤をいい、pH等を故意に上げたり下げたりした場合に、水中でたとえイオンになり得る可能性があるものであっても、酸やアルカリを加えない通常の方法で用いたときに、実質的にイオン化していない界面活性剤であれば、非イオン性界面活性剤に含まれる。特に、非イオン性界面活性剤を用いると、カーボンナノチューブの分散媒への分散性、分散安定性、高濃度分散性等の点で優れた分散液が得られる。
本発明のカーボンナノチューブの分散液には、界面活性剤を含有することが必須である。界面活性剤としては特に限定はなく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の何れも使用できるが、好ましくはアニオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤、特に好ましくは非イオン性界面活性剤である。本発明で非イオン性界面活性剤とは、通常の方法で分散媒と共に用いたときに、実質的にイオンになって溶解又は分散しない界面活性剤をいい、pH等を故意に上げたり下げたりした場合に、水中でたとえイオンになり得る可能性があるものであっても、酸やアルカリを加えない通常の方法で用いたときに、実質的にイオン化していない界面活性剤であれば、非イオン性界面活性剤に含まれる。特に、非イオン性界面活性剤を用いると、カーボンナノチューブの分散媒への分散性、分散安定性、高濃度分散性等の点で優れた分散液が得られる。
界面活性剤の化学構造は特に限定はないが、アミノ基を有するものであることが好ましく、かかるアミノ基が3級アミンであることが特に好ましい。界面活性剤分子中のアミノ基の含有量は特に限定はないが、アミン価として、5〜100mgKOH/gが好ましく、6〜70mgKOH/gが特に好ましく、7〜40mgKOH/gが更に好ましい。アミン価が上記範囲に入っている界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤を用いたときに、本発明の上記した効果を特に奏する良好なカーボンナノチューブの分散液が得られる。更に、アミノ基が3級アミンであり、アミン価が上記範囲のとき、上記効果が著しい。
アミン価は、測定試料数gを精秤し、氷酢酸に溶解させ、過塩素酸(HClO4)0.1N酢酸溶液をビュレットにて滴下して滴定し、電位差滴定により当量点に達した時点の滴下量から、mgKOH/gを算出する。なお、界面活性剤が市販品等で既に溶液になっている場合には、その溶液をそのまま測定に用い、測定値を界面活性剤濃度に換算して界面活性剤単身(固形分)でのアミン価を採用する。
3級アミンの具体的構造は特に限定はないが、例えば、炭素数1〜18のアルキル基を有するジアルキルアミノ基や、該ジアルキルアミノ基のアルキル基が連結してヘテロ環構造を形成している基の形の3級アミンが好ましいものとして挙げられる。この場合、上記アルキル基の炭素数は1〜12が特に好ましく、1〜4が更に好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ステアリル基、ラウリル基等が挙げられる。また、上記ヘテロ環としては、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等のN含有ヘテロ5員環;ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環等の窒素含有ヘテロ6員環等が挙げられる。これらの窒素含有ヘテロ環として特に好ましいものは、イミダゾール環又はトリアゾール環である。
界面活性剤1分子内の3級アミンの数は特に限定はないが、1〜10個が好ましく、2〜8個が特に好ましく、2〜6個が更に好ましい。3級アミンが存在するとカーボンナノチューブへの配向性が上がるため、カーボンナノチューブの分散安定性が向上する。一方、多すぎると、界面活性剤が分散媒に溶解しにくい場合がある。
また、本発明に用いられる界面活性剤は、高分子であっても、繰り返し単位を含まないモノマーであってもよいが、高分子であることが好ましい。ここで「高分子」とは、いわゆるオリゴマーもポリマーも含み、ポリスチレン換算の重量平均分子量で、500〜50000が好ましく、700〜20000が特に好ましく、1000〜10000が更に好ましい。分子量が小さすぎると分散性や分散安定性が劣る場合があり、大きすぎると分散媒への溶解性が低下する場合がある。
界面活性剤は、ブロック共重合体であることも好ましい。ここで、ブロック共重合体とは、構造の異なる繰り返し部分が、分子内でかたまって存在していることを意味し、「A−B」「A−B−A」(A、Bは、それぞれ構造の異なる繰り返し部分)等のように、必ずしも主鎖に構造の異なる繰り返し部分が存在する共重合体には限定されず、例えば、櫛形ポリマーや、特定の繰り返し構造単位が主鎖にペンダントに結合しているものや、マクロモノマーの(共)重合体等のようなものも含まれる。ブロック共重合体であることで、カーボンナノチューブへの親和性と分散媒への親和性とを両立できる。
分散媒が親水性液体である場合には、界面活性剤として特に好ましくは、親水性基が主鎖にペンダントに結合しているブロック共重合体である。親水性基は特に限定はないが、好ましい具体例として、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、ポリエチレン−プロピレングリコール鎖等が挙げられる。これらの一方の水酸基の水素を、炭素数1〜12、好ましくは1〜6のアルキル基で置換したもの等が挙げられる。親水性基部分の分子量は特に限定はないが、水等の親水性液体への分散性の点から、数平均分子量で、100〜10000が好ましく、300〜5000が特に好ましく、500〜3000が更に好ましい。
<その他の成分>
本発明のカーボンナノチューブの分散方法においては、更に、その他の成分を用いることができる。かかる「その他の成分」としては、消泡剤、表面調整剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、乾き防止剤、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。
本発明のカーボンナノチューブの分散方法においては、更に、その他の成分を用いることができる。かかる「その他の成分」としては、消泡剤、表面調整剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、乾き防止剤、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。
<含有割合>
本発明のカーボンナノチューブの分散方法における各成分の使用割合は特に限定はないが、分散媒とカーボンナノチューブの合計量で100質量部に対して、カーボンナノチューブは0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜15質量部が特に好ましく、1〜10質量部が更に好ましい。これより高濃度にしようとすると、カーボンナノチューブの吸油性により分散液の流動性が失われ、ビーズに充分な運動エネルギーを伝達することができず、分散しにくくなる場合がある。一方、これより低濃度でも分散はするが、そのような分散液は利用価値が低い場合があり、本発明は高濃度でも分散できることが特徴であるから、その効果が発揮できない場合がある。
本発明のカーボンナノチューブの分散方法における各成分の使用割合は特に限定はないが、分散媒とカーボンナノチューブの合計量で100質量部に対して、カーボンナノチューブは0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜15質量部が特に好ましく、1〜10質量部が更に好ましい。これより高濃度にしようとすると、カーボンナノチューブの吸油性により分散液の流動性が失われ、ビーズに充分な運動エネルギーを伝達することができず、分散しにくくなる場合がある。一方、これより低濃度でも分散はするが、そのような分散液は利用価値が低い場合があり、本発明は高濃度でも分散できることが特徴であるから、その効果が発揮できない場合がある。
界面活性剤の含有量は特に限定はないが、カーボンナノチューブ100質量部に対して、2〜1000質量部が好ましく、5〜500質量部が特に好ましく、10〜100質量部が更に好ましい。これより含有量が多いと、分散液の粘度が増大し、カーボンナノチューブを、ビーズを用いて分散することが困難になる場合があり、少なすぎると、カーボンナノチューブに作用する界面活性剤が不足して良好に分散できない場合がある。
<分散方法>
本発明の分散方法においては、ビーズを用いて、カーボンナノチューブを分散させることが必須である。ビーズの材質としては特に限定はなく、ガラス類、金属酸化物類、セラミックス類等が挙げられる。このうち、ガラス類が、カーボンナノチューブを破壊せずに良好に分散させ、分散後の保存安定性も良好であるという点から好ましい。かかるガラス類としては、例えば、酸化物ガラス、非酸化物ガラス、カルコゲン化物ガラス、ハロゲン化物ガラス等が特に好ましいものとして挙げられる。そのうちでも、酸化物ガラスが上記観点から最も好ましい。
本発明の分散方法においては、ビーズを用いて、カーボンナノチューブを分散させることが必須である。ビーズの材質としては特に限定はなく、ガラス類、金属酸化物類、セラミックス類等が挙げられる。このうち、ガラス類が、カーボンナノチューブを破壊せずに良好に分散させ、分散後の保存安定性も良好であるという点から好ましい。かかるガラス類としては、例えば、酸化物ガラス、非酸化物ガラス、カルコゲン化物ガラス、ハロゲン化物ガラス等が特に好ましいものとして挙げられる。そのうちでも、酸化物ガラスが上記観点から最も好ましい。
ビーズの平均径は、0.4mm〜5mmであることが必須であるが、0.7mm〜4mmであることが好ましく、1mm〜3mmであることが特に好ましい。平均径が小さすぎると、粗大なカーボンナノチューブの凝集物を分散させることが困難であったり、カーボンナノチューブを細かく破壊させてしまったりする場合がある。一方、大きすぎても、カーボンナノチューブを破壊させたり、細かいカーボンナノチューブの凝集物を分散させることが困難になったりする場合がある。
ビーズの比重は、2g/cm3〜3g/cm3であることが必須であるが、2.2g/cm3〜2.9g/cm3であることが好ましく、2.3g/cm3〜2.8g/cm3であることが特に好ましい。比重が小さすぎると、カーボンナノチューブの凝集物を分散させる運動エネルギーが小さいため分散が困難になる場合があり、一方、比重が大きすぎると、運動エネルギーが大きく、カーボンナノチューブの凝集物を分散できるが、過度のエネルギーにより、カーボンナノチューブを、分散よりも破壊してしまう場合がある。
上記、ビーズの好ましい材質、好ましい平均径及び好ましい比重は、上記好ましい範囲が組み合わされている場合により好ましい。すなわち、平均粒径0.4〜5mm、かつ、比重2g/cm3〜3g/cm3のガラスビーズがより好ましく、平均粒径0.7〜4mm、かつ、比重2.2g/cm3〜2.9g/cm3のガラスビーズが特に好ましい。
本発明の分散方法に用いる装置は、上記ビーズ、上記各成分と上記ビーズを入れる容器、それらに運動エネルギーを伝達する機構及びそれらを保持する機構等からなる。そして、その形態は縦型、横型の何れを問わない。また、ビーズに運動エネルギーを伝達する機構としては、震盪型、攪拌型の何れも好適に用いられるが、生産性等に有利な点では攪拌型が好ましい。
震盪型としては、例えば、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)等が挙げられる。また、攪拌型としては、ディスク型、ロッド型、アニュラー型等があり、何れも採用することができる。このような市販品をその商品名で挙げると、例えば、ダイノーミル〔KD型、KLD型、ECM型等:ウィリィー ア.バッコーフェン(Willy A.Bachoffen)社製〕、ウルトラビスコミル(UVM型、NVM型、CVM型、UVX型等:アイメックス株式会社製)、ナノグレンミル(NM−G型:浅田鉄工株式会社製)、ピュアミル(PM−G型:浅田鉄工株式会社製)、メカギャッパーグレンミル(GMH型:浅田鉄工株式会社製)、媒体攪拌ミル(LMZ型:アシザワ株式会社製)、スーパーミル(株式会社井上製作所製)、アイガーモーターミル〔アイガーエンジニアリング(Eiger Engineering社)社製〕、カンペバッチミル(関西ペイント株式会社)等があり、これらは何れも好適に使用することができる。
分散温度としては特に限定はないが、10℃〜60℃が好ましく、20〜40℃が特に好ましい。分散温度が低すぎる場合は、界面活性剤とカーボンナノチューブとの相互作用が生じにくく、分散しにくい場合がある。一方、分散温度が高すぎる場合は、界面活性剤とカーボンナノチューブの熱エネルギーが高いため、カーボンナノチューブ同士で再凝集が起こりやすくなる場合がある。
本発明の分散方法によれば、カーボンナノチューブを破壊させずに、良好に分散させることができるが、震盪型、攪拌型の何れであっても、ビーズ1個あたりの平均の運動エネルギーは最適に調節することが好ましい。運動エネルギーが大きすぎると、カーボンナノチューブを破壊する場合があり、小さすぎると、凝集を解せず分散できない場合がある。
上述のように、分散媒とカーボンナノチューブの合計量で100質量部に対して、カーボンナノチューブは0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜15質量部が特に好ましく、1〜10質量部が更に好ましい。また、界面活性剤は、0.05〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部が特に好ましく、0.3〜5質量部が更に好ましい。カーボンナノチューブ、界面活性剤及び要すれば上記その他の成分(以下、合わせて「固形分濃度」と略記する)は、分散液全体に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。固形分濃度が高すぎると、粘度が高くなりすぎて、ビーズに充分な運動エネルギーを伝達することができず、分散効率の低下の原因となる場合がある。
分散方法としては、ビーズミル、3本ロール等のロールミル、2軸混練機等のニーダー、高速攪拌機等のホモジナイザー、平均粒径の小さいサンドミル、平均粒径の大きいボールミル、超音波分散、プラネタリーミキサー等、非常に多くあり、その運転条件も含めると無数にある中で、カーボンナノチューブを分子レベルで分散させる方法として、特異的に優れた分散方法を見出したものであり、単にスクリーニングによる分散方法の選択ではない。カーボンナノチューブは分子量が非常に大きいとはいえ、分子レベルへの分散であり、分子の集合体である微粒子の分散とは根本的に異なり、微粒子の分散技術はほとんど参考にならない。更に、微粒子の場合には、解砕はすればするほどよい場合が多いが、カーボンナノチューブは過度の力を加えると破壊され易い点でも全く事情が異なっている。また細長い分子が絡み合っているので、その意味でも特異的な分散条件が必要となる。
本発明は、界面活性剤の存在下に特定のビーズで分散させることによって、初めてたとえ高濃度であっても分散媒へのカーボンナノチューブの分散が可能になった。特に、本発明は、比較的平均径が大きく、かつ、比較的比重が小さいビーズを用いることによって、以外にも特異的に、カーボンナノチューブの破壊を抑制して、良好に分散させることができるという発見に基づいてなされたものである。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。また、特に断りのない限り、「%」は、「質量%」を示す。
実施例1
70mLマヨネーズ瓶に、イオン交換水26.853g、BYKChemie社製の界面活性剤Disperbyk−182(不揮発分43%、その他溶剤57%:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル)を1.047g(不揮発分として0.450g)を加え、均一になるまでよく攪拌した。上記液体に、エアプロダクト社製消泡剤サーフィノール104E(不揮発分50%、その他溶剤50%:エチレングリコール)を、エチレングリコールで10倍に希釈し、すなわち、不揮発分5%、エチレングリコール95%の溶液とし、その溶液を0.6g加え、よく攪拌した。
70mLマヨネーズ瓶に、イオン交換水26.853g、BYKChemie社製の界面活性剤Disperbyk−182(不揮発分43%、その他溶剤57%:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル)を1.047g(不揮発分として0.450g)を加え、均一になるまでよく攪拌した。上記液体に、エアプロダクト社製消泡剤サーフィノール104E(不揮発分50%、その他溶剤50%:エチレングリコール)を、エチレングリコールで10倍に希釈し、すなわち、不揮発分5%、エチレングリコール95%の溶液とし、その溶液を0.6g加え、よく攪拌した。
上記液体に、カーボンナノチューブS−MWNT−60100(シンセンナノテクポート社製、直径60nm〜100nm、長さ1μm〜2μm、純度95%以上)を1.5g加えた。次いで、上記配合液の入った容器に、平均径1mm、比重2.5g/cm3のガラスビーズを62.5g加えた。その後、ペイントシェイカー(浅田鉄工社製分散機)にて、6時間分散を行った。
実施例2
実施例1において、平均径1mmのガラスビーズ62.5gに代えて、平均径2mmのガラスビーズ62.5gを用いた以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
実施例1において、平均径1mmのガラスビーズ62.5gに代えて、平均径2mmのガラスビーズ62.5gを用いた以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
実施例3
実施例1において、界面活性剤Disperbyk−182に代えて、BYKChemie社製の界面活性剤Disperbyk−184(不揮発分52%、その他溶剤48%:ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)を0.865g(不揮発分として0.450g)を加え、分散液総量が実施例1と同じになるようにイオン交換水の量で調整した以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
実施例1において、界面活性剤Disperbyk−182に代えて、BYKChemie社製の界面活性剤Disperbyk−184(不揮発分52%、その他溶剤48%:ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)を0.865g(不揮発分として0.450g)を加え、分散液総量が実施例1と同じになるようにイオン交換水の量で調整した以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
実施例4
70mLマヨネーズ瓶に、メチルエチルケトン26.626g、味の素ファインテクノ社製の界面活性剤アジスパーPB821(不揮発分100%、固形)40gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60gに溶解した液(不揮発分40%)1.875g(不揮発分として0.750g)を加え、均一になるまでよく攪拌した。
70mLマヨネーズ瓶に、メチルエチルケトン26.626g、味の素ファインテクノ社製の界面活性剤アジスパーPB821(不揮発分100%、固形)40gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60gに溶解した液(不揮発分40%)1.875g(不揮発分として0.750g)を加え、均一になるまでよく攪拌した。
上記液体に、カーボンナノチューブS−MWNT−1030(シンセンナノテクポート社製、直径10nm〜30nm、長さ1μm〜2μm、純度95%以上)を1.5g加えた。次いで、上記配合液の入った容器に、平均径2mm、比重2.5g/cm3のガラスビーズを62.5g加えた。その後、ペイントシェイカー(浅田鉄工社製分散機)にて、6時間分散を行った。
実施例5
実施例4において、メチルエチルケトンに代えて、酢酸エチルを用いた以外は実施例4と同様にして分散を行った。
実施例4において、メチルエチルケトンに代えて、酢酸エチルを用いた以外は実施例4と同様にして分散を行った。
比較例1
実施例1において、平均径1mmのガラスビーズ62.5gに代えて、平均径2mmのジルコニアビーズ150gを用いた以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
実施例1において、平均径1mmのガラスビーズ62.5gに代えて、平均径2mmのジルコニアビーズ150gを用いた以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
比較例2
実施例1において、平均径1mmのガラスビーズ62.5gに代えて、平均径2mmのスチールビーズ190gを用いた以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
実施例1において、平均径1mmのガラスビーズ62.5gに代えて、平均径2mmのスチールビーズ190gを用いた以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
比較例3
実施例1において、界面活性剤Disperbyk−182を加えずに、分散液総量が実施例1と同じになるようにイオン交換水の量で調整した以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
実施例1において、界面活性剤Disperbyk−182を加えずに、分散液総量が実施例1と同じになるようにイオン交換水の量で調整した以外は、実施例1と同様にして分散を行った。
比較例4
実施例4において、界面活性剤アジスパーPB821を加えずに、分散液総量が実施例4と同じになるようにメチルエチルケトンの量で調整した以外は、実施例4と同様にして分散を行った。
実施例4において、界面活性剤アジスパーPB821を加えずに、分散液総量が実施例4と同じになるようにメチルエチルケトンの量で調整した以外は、実施例4と同様にして分散を行った。
比較例5
実施例4において、平均径2mmのガラスビーズ62.5gに代えて、平均径2mmのジルコニアビーズ150gを用いた以外は、実施例4と同様にして分散を行った。
実施例4において、平均径2mmのガラスビーズ62.5gに代えて、平均径2mmのジルコニアビーズ150gを用いた以外は、実施例4と同様にして分散を行った。
実施例1〜5、比較例1〜5の分散条件(界面活性剤の種類、ビーズの物性等)を表1及び表2にまとめた。
[カーボンナノチューブの分散性と破壊の有無の評価方法]
分散性と破壊の有無は、5000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、以下の基準で判断した。
分散性と破壊の有無は、5000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、以下の基準で判断した。
(分散性)
◎ :カーボンナノチューブの絡み合いが殆ど見られず、1本ずつほぐれている。
○ :カーボンナノチューブの絡み合いが若干見られるが、殆どほぐれている。
× :カーボンナノチューブの絡まりが多く見られる
××:目視で明らかにカーボンナノチューブが分散できていない。
◎ :カーボンナノチューブの絡み合いが殆ど見られず、1本ずつほぐれている。
○ :カーボンナノチューブの絡み合いが若干見られるが、殆どほぐれている。
× :カーボンナノチューブの絡まりが多く見られる
××:目視で明らかにカーボンナノチューブが分散できていない。
(破壊の有無)
○ :殆ど破壊が見られない。
△ :カーボンナノチューブの破片と思われる粒子状の物質が確認できる
× :カーボンナノチューブの破片と思われる粒子状の物質が全体的に確認できる
○ :殆ど破壊が見られない。
△ :カーボンナノチューブの破片と思われる粒子状の物質が確認できる
× :カーボンナノチューブの破片と思われる粒子状の物質が全体的に確認できる
(総合判断)
○ :カーボンナノチューブの破壊が殆どなく、1本ずつほぐれている
× :カーボンナノチューブが破壊されているか又は絡まりが多い
○ :カーボンナノチューブの破壊が殆どなく、1本ずつほぐれている
× :カーボンナノチューブが破壊されているか又は絡まりが多い
(分散後の保存安定性の測定方法)
25℃で、3日、10日、30日保存して、その後、粒度分布測定器、日機装社製マイクロトラックUPAを用いて、常法に従ってメジアン径の測定を行い、メジアン径の大きくなり方で判断した。
25℃で、3日、10日、30日保存して、その後、粒度分布測定器、日機装社製マイクロトラックUPAを用いて、常法に従ってメジアン径の測定を行い、メジアン径の大きくなり方で判断した。
[評価結果]
結果を併せて表3に示す。また、分散前のカーボンナノチューブと、実施例1、2、比較例1、2で得られた分散液から、分散媒を蒸発させた後のカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、それぞれ、図1〜図5に示す。
結果を併せて表3に示す。また、分散前のカーボンナノチューブと、実施例1、2、比較例1、2で得られた分散液から、分散媒を蒸発させた後のカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、それぞれ、図1〜図5に示す。
上記表3及び図1〜5の結果から明らかなように、実施例1〜実施例5の方法で分散したものは、「分散性」と「破壊の有無」の両方に優れていた。更に、実施例1〜5の方法で分散した分散液は、30日放置してもメジアン径が大きくならず、分散安定性にも優れていた。一方、比較例1〜比較例5の方法で分散したものでは、「分散性」か「破壊の有無」で劣り、総合判断では全て劣っていた。
本発明の分散方法は、カーボンナノチューブを破壊させずに良好に分散させ、分散安定性も良好で、カーボンナノチューブの優れた分散液を提供することができるので、電気伝導性付与や機械的強度向上等のための複合材料をはじめ、エレクトロニクス、メカニクス、化学反応材料等にも広く利用されるものである。
Claims (6)
- カーボンナノチューブを分散媒に分散させる方法であって、界面活性剤の存在下で、平均径が0.4〜5mmであり、比重が2〜3g/cm3であるビーズを用いて分散させることを特徴とするカーボンナノチューブの分散方法。
- カーボンナノチューブ100質量部に対して、該界面活性剤を2〜1000質量部の範囲で存在させる請求項1に記載のカーボンナノチューブの分散方法。
- 該分散媒とカーボンナノチューブの合計量で100質量部に対して、カーボンナノチューブ0.1〜20質量部を分散させる請求項1又は請求項2に記載のカーボンナノチューブの分散方法。
- 該界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載のカーボンナノチューブの分散方法。
- 該界面活性剤が、アミン価5〜100mgKOH/gの範囲のものである請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載のカーボンナノチューブの分散方法。
- 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載のカーボンナノチューブの分散方法を使用して製造したカーボンナノチューブ分散液。
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