JP2004210754A - カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶媒との親和性に優れ、高い有機反応性を示す単層カーボンナノチューブ化合物を提供する。
【解決手段】下記式(I)、および(II)で表される
【化1】
Cn−(CO2R’)m (I)
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CO2R’、およびCONHRはカーボンナノチューブと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
の単層カーボンナノチューブアリールエステル誘導体、単層カーボンナノチューブアミド誘導体、およびその製造法。
【選択図】 なし
【解決手段】下記式(I)、および(II)で表される
【化1】
Cn−(CO2R’)m (I)
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CO2R’、およびCONHRはカーボンナノチューブと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
の単層カーボンナノチューブアリールエステル誘導体、単層カーボンナノチューブアミド誘導体、およびその製造法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は官能基化されたカーボンナノチューブ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カーボンナノチューブはその構造からすぐれた強度、弾性率を示し、樹脂に極少量加えることで樹脂の持つ強度、弾性率を大きく向上させることが出来る。しかしながらこれらの各種物性の改善にポリマー中におけるカーボンナノチューブの分散度は非常に重要であるのに、カーボンナノチューブはポリマー、溶媒に不溶かつ分散が困難であり化学的に末端あるいは表面に特定の官能基を導入したカーボンナノチューブを用いる必要がある。
【0003】
これまでに報告されているカーボンナノチューブへの官能基の導入方法および溶媒への分散性向上の検討例としては、酸処理によってカーボンナノチューブを切断し、カルボン酸を導入した後、塩化チオニルによりカルボン酸をアシルハライド化し得られたアシルハライド体にアミンを反応させアミド誘導体を得るというものがある。(例えば非特許文献1参照)しかしながら上記の方法では反応に塩化チオニル等のハロゲン化物を使用するため環境に悪影響を与えるほか、得られるアシルハライド体は反応性が高い反面不安定な物質であるため単離生成が困難である。
【0004】
またカルボン酸をアルコール又はアミンを用いて任意の方法によりエステル化又はアミノ化することができる。例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)をエステル又はアミドのアシル化剤として用いる方法(例えば非特許文献2参照)、及び N−ヒドロキシサクシンイミド(NHS)を用いて、アミド化のためカルボン酸を活性化するなどの方法が用いられる(例えば非特許文献3参照)。
【0005】
【非特許文献1】
Scinece,282,(1998),95
【0006】
【非特許文献2】
H.A.Staab,Angew.Chem.Internat.Edit.,(1),351(1962)
【0007】
【非特許文献3】
G.W.Anderson,他、J.Amer.Chem.Soc.86,1839(1964)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は特定の官能基の導入されたカーボンナノチューブ、例えば酸化によって修飾されており官能基との反応によって更に修飾されるカーボンナノチューブを提供することである。
【0009】
本発明の更なる目的はカーボンナノチューブが様々な基質の中の化学基に化学的に反応できる又は物理的に結合できるように表面が或る範囲の官能基によって修飾されているカーボンナノチューブを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は
1. 下記式(I)
【0011】
【化10】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体。
2. 下記式(II)
【0012】
【化11】
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CONHR”は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアミド誘導体。
3. 下記式(III)
【0013】
【化12】
Cn−(CO2H)m (III)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす)
と、下記式(IV)
【0014】
【化13】
R’−O−CO−O−R’ (IV)
(R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるジアリールカーボネートとを触媒の存在下にて反応させることを特徴とする下記式(I)
【0015】
【化14】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の製造方法。
4. 下記式(I)
【0016】
【化15】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステルと、下記式(VI)
【0017】
【化16】
R”−NH2 (VI)
(R”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるアミンとを反応させことを特徴とする下記式(II)
【0018】
【化17】
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CONHR”は炭素原子Cnと直接結合した官能基でR”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアミド誘導体の製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るカーボンナノチューブおよびその製造方法について詳細に説明する。
【0020】
<カーボンナノチューブについて>
本発明で官能基を導入するカーボンナノチューブは、従来公知の単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、またカーボンナノホーン、カップスタック型ナノチューブやバンブー型ナノチューブのような円筒状以外の形状のもの、アモルファスナノチューブが挙げられる。
【0021】
単層カーボンナノチューブは実質的に一定の直径を有する実質的に円筒状のグラファイト性ナノチューブである。ナノチューブは、5より大きい長さ/直径比と、0.5μより小さい、好ましくは0.1μより小さい直径を有するものを包含する。ナノチューブは熱分解付着炭素を実質的に含有しない実質的に円筒状のグラファイト性ナノチューブであることが好ましく、より好ましくは、フィブリル軸上のグラファイト層の突起がフィブリル直径の少なくとも2つ分の距離延びているもの及び/又はそのc軸がその円筒軸に実質的に垂直である円筒状のグラファイトのシートを有するものであることができる。
【0022】
多層カーボンナノチューブは二層やそれ以上多層のカーボンナノチューブであって上記グラファイト層が2層以上同心円状に配列しチューブを形成したものである。カーボンナノホーンはグラファイト層が円錐を形成したものである。カップスタック型ナノチューブはグラファイト層が円錐を形成し、この円錐型のグラファイト層が積み重なりチューブ状物を形成したものである。アモルファスナノチューブはグラファイト層構造が見られない中空繊維状物である。
【0023】
これらのいずれでも官能基を導入し、本発明の官能基を導入したカーボンナノチューブを得ることができるが、なかでも多層カーボンナノチューブが好ましい。
【0024】
<カーボンナノチューブアリールエステル誘導体について>
本発明は、下記式(I)
【0025】
【化18】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CO2R’はカーボンナノチューブと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体である。
【0026】
式(I)のアリールエステルの中のR’は炭素数6〜20の芳香族基を表わす。これらの芳香族基は、1個のベンゼン環またはナフタレン環を含むものでもよいが、複数のベンゼン環またはナフタレン環が直接結合したもの、あるいは、これらの環が−O−,−CO−,−S−,−SO2−,−CH2−,−C(CH3)2−等を介して結合したものでもよい。かかる芳香族基の具体例としては、フェニル基、ナフタレン基4,4’−イソプロピリデンジフェニル基、4,4’−ビフェニル基、3,4’−ビフェニル基、4,4’−ジフェニルスルフィド基、3,4’−ジフェニルスルフィド基、4,4’−ジフェニルスルホン基、3,4’−ジフェニルスルホン基、4,4’−ジフェニルケトン基、3,4’−ジフェニルケトン基、4,4’−ジフェニルエーテル基、3,4’−ジフェニルエーテル基、3,4’−ジフェニルエーテル基等を挙げることができる。
【0027】
これらの芳香族基において、その水素原子のうち1つまたは複数がそれぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基で置換されていてもよい。また、ポリマー鎖中にこれらの芳香族基が2種以上同時に併存してもかまわない。これら芳香族基の中でも、コストまたはカーボンナノチューブが様々な基質の中の化学基に化学的に反応できる又は物理的に結合できる観点から、フェニル基、ナフチル基、p−クロロフェニル基が特に好ましい。
【0028】
式(I)のアリールエステルの中のm、nはn/m≧10を満たす整数である。n/m値が10より小さいとカーボンナノチューブとしての形状を維持せず目的とする物性の改善の効果が無く好ましくない。n/m値の上限は特に制限が無いが好ましくは100000以下さらには10000以下が好ましい。
またカーボンナノチューブ中のアリールエステルの定量はX線光電子分光法(XPS)にて求めることが可能である。
【0029】
<カーボンナノチューブアリールアミド誘導体について>
また本発明は下記式(II)
【0030】
【化19】
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CONHR”はカーボンナノチューブと直接結合した官能基で、R”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアミド誘導体である。
【0031】
式(II)のアミド誘導体中のR”は炭素数1〜30のアルキル基、及びまたは炭素数6〜20の芳香族基である。R”がアルキル基の場合アルキル鎖は直鎖状、分岐状いずれでもよくその水素原子のうち1つまたは複数がそれぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基で置換されていてもよい。
【0032】
この中でコスト、またはカーボンナノチューブが様々な基質の中の化学基に化学的に反応できる又は物理的に結合できる観点からメチル基、ドデシル基ペンタデシル基、オクタデシル基、1−アミノテトラメチレン基、1−アミノペンタメチレン基、および1−アミノヘキサメチレン基が特に好ましい。
【0033】
R”が芳香族基の場合は、置換されても良い炭素数6〜20の芳香族基であって先に述べたR’と同義であるが、アミノ基が置換されているものも好ましい例として挙げられる。この中でコスト、またはカーボンナノチューブが様々な基質の中の化学基に化学的に反応できる又は物理的に結合できる観点からフェニル基、ナフチル基p−アミノフェニル基、およびm−アミノフェニル基が好ましい。
【0034】
式(II)のアミド誘導体中のm、nはn/m≧10を満たす整数である。n/m値が10より小さいとカーボンナノチューブとしての形状を維持せず目的とする物性の改善の効果が無く好ましくない。n/m値の上限は特に制限が無いが好ましくは100000以下さらには10000以下が好ましい。
【0035】
また式(II)のアミド誘導体中のアミドの定量はX線光電子分光法(XPS)にて求めることが可能で有る。
【0036】
<製造方法>
本発明のもう1つの目的は、官能基化された該カーボンナノチューブの製造方法を提供することにある。
【0037】
以下、該カーボンナノチューブの製造方法について詳細に述べる。
【0038】
<カーボンナノチューブアリール誘導体の製造方法>
本発明は下記式(III)
【0039】
【化20】
Cn−(CO2H)m (III)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす)
と、下記式(IV)
【0040】
【化21】
R’−O−CO−O−R’ (IV)
(R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるジアリールカーボネートとを触媒の存在下にて反応させることを特徴とする下記式(I)
【0041】
【化22】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の製造方法である。
【0042】
本発明ではカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の製造において原料のカーボンナノチューブとして上記式(III)のカルボン酸を置換基として有するカーボンナノチューブを使用する。
【0043】
式中のn、mは先に述べたものと同義である。n/mの値はChemical PhysicsLetters 345 (2001) 25−28 記載の酸滴定により単層カーボンナノチューブ中に含まれるカルボン酸、エステル、およびアミドの量の量を測定することにより求めることが出来る。
【0044】
カルボン酸を有するカーボンナノチューブの製造方法としては、Scinece,280,(1998),1253記載の方法により製造することが可能である。
【0045】
また、本発明の製造方法で用いられるジアリールカーボネートは、例えば、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、およびジ−p−クロロフェニルカーボネート等が挙げられるが、これらのうちでもジフェニルカーボネートが特に好ましい。これらのジアリールカーボネートは単独で用いても、複数を同時に用いてもよい。
【0046】
反応における好ましい組成としては
10−6≦(a)/(b)≦106
[式中(a)は(III)で表されるカルボン酸を置換基として有するカーボンナノチューブの重量、(b)は(IV)で表されるジアリールカーボネートの重量を表す]
である。
【0047】
(III)で示すカーボンナノチューブ中のカルボン酸と(IV)で示されるジアリールカーボネートとを反応させることによりアリ−ルエステル体が得られるが、反応は触媒の存在下で行うことが好ましい。
【0048】
好ましい触媒としては
下記式(V)
【0049】
【化23】
【0050】
[上記式(V)中、R1、R2は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基および炭素数6〜12のアラルキル基から選ばれる少なくとも1種の基である。また、R1とR2とが結合して環を形成してもかまわない。R3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基および炭素数6〜12のアラルキル基から選ばれる少なくとも1種の基である。nは1〜4の整数を示す。]
で示されるピリジン系化合物の存在下で反応を行うことを特徴とする。
【0051】
このようなピリジン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−ピペリジノピリジン、4−ピロリノピリジン、2−メチル−4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。これらのうち、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジンが特に好ましい。
<カーボンナノチューブアミド誘導体の製造方法について>
また本発明は下記式(I)
【0052】
【化24】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステルと、下記式(VI)
【0053】
【化25】
R”−NH2 (VI)
(R”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるアミンとを反応させことを特徴とする下記式(II)
【0054】
【化26】
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CONHR”は炭素原子Cnと直接結合した官能基でR”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアミド誘導体の製造方法である。
【0055】
原料のカーボンナノチューブとして上記式(II)中のR’は先に述べたカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の説明におけるものと同義であり、フェニルエステル、ナフチルエステル、p−クロロフェニルエステルが特に好ましい。
【0056】
反応に使用するアミンとしては上記式(VI)中のR”は先に述べたカーボンナノチューブアミド誘導体の説明におけるものと同義であり、アミンとしてはアニリン、ナフチルアミン、p−フェニレンジアミン、およびm−フェニレンジアミンが好ましい。
【0057】
反応における好ましい組成としては
10−6≦(c)/(d)≦106
[式中(c)は(I)で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の重量、(d)は(VI)で表されるアミンの重量を表す]
である。
【0058】
【発明の効果】
本発明のカーボンナノチューブのアリールエステル、アミド誘導体により、有機溶媒との親和性に優れ、高い有機反応性を示すカーボンナノチューブを提供することができる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0060】
IRはSHIMADZU IR−470を使用し、KBr錠剤法により測定したものである。酸処理によるカーボンナノチューブの酸化反応の進行はNicolet社製 FTラマン分光装置 Raman 950を用い1350cm−1付近のカーボンのディスオーダー由来のピーク(D−band)と1600cm−1付近のナノチューブのグラファイト表面由来のピーク(G−band)との面積比D/Gの増加により確認した。カーボンナノチューブ表面のカルボン酸、アリールエステル、アミドの定量はVG社製ESCALAB−200にて行った。
【0061】
[参考例1:カルボン酸を有する単層カーボンナノチューブの合成]
CarboLex社製単層カーボンナノチューブAPグレード0.2重量部に発煙硫酸300重量部を加えた後、発煙硝酸100重量部をゆっくりと滴下する。滴下が終了した後、70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて1時間処理する。反応終了後の溶液を1000重量部の水に加え希釈し孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過及び水にて水洗しカルボン酸を官能基として有する単層カーボンナノチューブを0.03重量部得た。単層カーボンナノチューブ中にカルボン酸を有することがIRスペクトルにより確認できた。この結果を図1に示す。
【0062】
[実施例1:単層カーボンナノチューブフェニルエステル体の合成]
参考例1にて得られたカルボン酸を官能基として有する単層カーボンナノチューブ0.1重量部に1重量部のフェノールを加え乳鉢にて10分間約70℃で処理したのちに70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて10分間処理し、これにジフェニルカーボネート10重量部、ジメチルアミノピリジン0.0061重量部を加え、常圧下200℃で反応を開始した。30分後常圧のまま220℃に昇温し、系内を徐々に減圧した。反応開始から3時間後さらに、昇温、減圧し、反応開始から5時間後、系内の最終到達温度を320℃、真空度を約0.5mmHg(66.7Pa)とし反応により生成したフェノール及びジフェニルカーボネートを系外へゆっくりと除去した。反応終了後残留物にジクロロメタンを加え孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過することで残留したフェノール及びジフェニルカーボネートを除去し0.08重量部の単層カーボンナノチューブフェニルエステル体を分離生成した。単層カーボンナノチューブ中にアリールエステル基を有することがIRスペクトルにより確認できた。この結果を図2に示す。
【0063】
[実施例2:単層カーボンナノチューブフェニルエステル体の合成]
ジフェニルカーボネートの代わりにp−ペンタデシルジフェニルカーボネートを10重量部を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、0.09重量部の単層カーボンナノチューブp−ペンタデシルフェニルエステル体を分離生成した。単層カーボンナノチューブ中に長鎖の脂肪族炭化水素基により置換されたアリールエステル基を有することはIRスペクトルにより確認した。
【0064】
[実施例3:単層カーボンナノチューブアミド体の合成]
実施例1にて得られた単層カーボンナノチューブフェニルエステル体0.1重量部に5重量部のフェノールを加え乳鉢にて10分間約70℃で処理したのちに70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて10分間処理し、メタフェニレンジアミン10重量部を加え、常圧下200℃で反応を開始した。30分後常圧のまま220℃に昇温した。反応開始から1時間後さらに、昇温し反応開始から3時間後、系内の最終到達温度を280℃、真空度を約0.5mmHg(66.7Pa)とし反応により生成したフェノール及びメタフェニレンジアミンを系外へゆっくりと除去した。反応終了後残留物にジクロロメタンを加え孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過することで残留したフェノール及びメタフェニレンジアミンを除去し0.9重量部の単層カーボンナノチューブフェニルアミド体を分離生成した。単層カーボンナノチューブ中にアミド基を有することがIRスペクトルにより確認できた。この結果を図3に示す。
【0065】
[実施例4:単層カーボンナノチューブアミド体の合成]
ステアリルアミン10重量部を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、0.97重量部の単層カーボンナノチューブステアリルアミド体を分離生成した。単層カーボンナノチューブ中にアミド基及び長鎖の脂肪族炭化水素を有することがIRスペクトルにより確認できた。この結果を図4に示す。
【0066】
[参考例2:カルボン酸を有する多層カーボンナノチューブの合成]
昭和電工社製多層カーボンナノチューブVGCF(D/G=0.13)2重量部に硫酸300重量部を加えた後、硝酸100重量部をゆっくりと滴下する。滴下が終了した後、70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて1時間処理する。反応終了後の溶液を1000重量部の水に加え希釈し孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過及び水にて水洗しカルボン酸を官能基として有するカーボンナノチューブを0.03重量部得た。得られたカーボンナノチューブのD/Gは0.36であった。
【0067】
[実施例5:多層カーボンナノチューブフェニルエステル体の合成]
参考例2にて得られたカルボン酸を官能基として有するカーボンナノチューブ0.1重量部に1重量部のフェノールを加え乳鉢にて10分間約70℃で処理したのちに70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて10分間処理し、これにジフェニルカーボネート10重量部、ジメチルアミノピリジン0.0061重量部を加え、常圧下200℃で反応を開始した。30分後常圧のまま220℃に昇温し、系内を徐々に減圧した。反応開始から3時間後さらに、昇温、減圧し、反応開始から5時間後、系内の最終到達温度を320℃、真空度を約0.5mmHg(66.7Pa)とし反応により生成したフェノール及びジフェニルカーボネートを系外へゆっくりと除去した。反応終了後残留物にジクロロメタンを加え孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過することで残留したフェノール及びジフェニルカーボネートを除去し0.08重量部のカーボンナノチューブフェニルエステル体を分離生成した。
【0068】
[実施例6:多層カーボンナノチューブアミド体の合成]
実施例5にて得られたカーボンナノチューブフェニルエステル体0.1重量部に5重量部のフェノールを加え乳鉢にて10分間約70℃で処理したのちに70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて10分間処理し、アニリン10重量部を加え、常圧下200℃で反応を開始した。30分後常圧のまま220℃に昇温した。反応開始から1時間後さらに、昇温し反応開始から3時間後、系内の最終到達温度を280℃、真空度を約0.5mmHg(66.7Pa)とし反応により生成したフェノール及びアニリンを系外へゆっくりと除去した。反応終了後残留物にジクロロメタンを加え孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過することで残留したフェノール及びメタフェニレンジアミンを除去し0.9重量部のカーボンナノチューブフェニルアミド体を分離生成した。
【0069】
以下表1に参考例2、実施例5〜6で得られたカーボンナノチューブ官能基化合物の定量結果を示す。
【0070】
【表1】
(―は検出限界以下)
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られた単層カーボンナノチューブのIRスペクトルである。
【図2】実施例1で得られた単層カーボンナノチューブのIRスペクトルである。
【図3】実施例3で得られた単層カーボンナノチューブのIRスペクトルである。
【図4】実施例4で得られた単層カーボンナノチューブのIRスペクトルである。
【発明の属する技術分野】
本発明は官能基化されたカーボンナノチューブ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カーボンナノチューブはその構造からすぐれた強度、弾性率を示し、樹脂に極少量加えることで樹脂の持つ強度、弾性率を大きく向上させることが出来る。しかしながらこれらの各種物性の改善にポリマー中におけるカーボンナノチューブの分散度は非常に重要であるのに、カーボンナノチューブはポリマー、溶媒に不溶かつ分散が困難であり化学的に末端あるいは表面に特定の官能基を導入したカーボンナノチューブを用いる必要がある。
【0003】
これまでに報告されているカーボンナノチューブへの官能基の導入方法および溶媒への分散性向上の検討例としては、酸処理によってカーボンナノチューブを切断し、カルボン酸を導入した後、塩化チオニルによりカルボン酸をアシルハライド化し得られたアシルハライド体にアミンを反応させアミド誘導体を得るというものがある。(例えば非特許文献1参照)しかしながら上記の方法では反応に塩化チオニル等のハロゲン化物を使用するため環境に悪影響を与えるほか、得られるアシルハライド体は反応性が高い反面不安定な物質であるため単離生成が困難である。
【0004】
またカルボン酸をアルコール又はアミンを用いて任意の方法によりエステル化又はアミノ化することができる。例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)をエステル又はアミドのアシル化剤として用いる方法(例えば非特許文献2参照)、及び N−ヒドロキシサクシンイミド(NHS)を用いて、アミド化のためカルボン酸を活性化するなどの方法が用いられる(例えば非特許文献3参照)。
【0005】
【非特許文献1】
Scinece,282,(1998),95
【0006】
【非特許文献2】
H.A.Staab,Angew.Chem.Internat.Edit.,(1),351(1962)
【0007】
【非特許文献3】
G.W.Anderson,他、J.Amer.Chem.Soc.86,1839(1964)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は特定の官能基の導入されたカーボンナノチューブ、例えば酸化によって修飾されており官能基との反応によって更に修飾されるカーボンナノチューブを提供することである。
【0009】
本発明の更なる目的はカーボンナノチューブが様々な基質の中の化学基に化学的に反応できる又は物理的に結合できるように表面が或る範囲の官能基によって修飾されているカーボンナノチューブを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は
1. 下記式(I)
【0011】
【化10】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体。
2. 下記式(II)
【0012】
【化11】
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CONHR”は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアミド誘導体。
3. 下記式(III)
【0013】
【化12】
Cn−(CO2H)m (III)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす)
と、下記式(IV)
【0014】
【化13】
R’−O−CO−O−R’ (IV)
(R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるジアリールカーボネートとを触媒の存在下にて反応させることを特徴とする下記式(I)
【0015】
【化14】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の製造方法。
4. 下記式(I)
【0016】
【化15】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステルと、下記式(VI)
【0017】
【化16】
R”−NH2 (VI)
(R”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるアミンとを反応させことを特徴とする下記式(II)
【0018】
【化17】
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CONHR”は炭素原子Cnと直接結合した官能基でR”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアミド誘導体の製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るカーボンナノチューブおよびその製造方法について詳細に説明する。
【0020】
<カーボンナノチューブについて>
本発明で官能基を導入するカーボンナノチューブは、従来公知の単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、またカーボンナノホーン、カップスタック型ナノチューブやバンブー型ナノチューブのような円筒状以外の形状のもの、アモルファスナノチューブが挙げられる。
【0021】
単層カーボンナノチューブは実質的に一定の直径を有する実質的に円筒状のグラファイト性ナノチューブである。ナノチューブは、5より大きい長さ/直径比と、0.5μより小さい、好ましくは0.1μより小さい直径を有するものを包含する。ナノチューブは熱分解付着炭素を実質的に含有しない実質的に円筒状のグラファイト性ナノチューブであることが好ましく、より好ましくは、フィブリル軸上のグラファイト層の突起がフィブリル直径の少なくとも2つ分の距離延びているもの及び/又はそのc軸がその円筒軸に実質的に垂直である円筒状のグラファイトのシートを有するものであることができる。
【0022】
多層カーボンナノチューブは二層やそれ以上多層のカーボンナノチューブであって上記グラファイト層が2層以上同心円状に配列しチューブを形成したものである。カーボンナノホーンはグラファイト層が円錐を形成したものである。カップスタック型ナノチューブはグラファイト層が円錐を形成し、この円錐型のグラファイト層が積み重なりチューブ状物を形成したものである。アモルファスナノチューブはグラファイト層構造が見られない中空繊維状物である。
【0023】
これらのいずれでも官能基を導入し、本発明の官能基を導入したカーボンナノチューブを得ることができるが、なかでも多層カーボンナノチューブが好ましい。
【0024】
<カーボンナノチューブアリールエステル誘導体について>
本発明は、下記式(I)
【0025】
【化18】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CO2R’はカーボンナノチューブと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体である。
【0026】
式(I)のアリールエステルの中のR’は炭素数6〜20の芳香族基を表わす。これらの芳香族基は、1個のベンゼン環またはナフタレン環を含むものでもよいが、複数のベンゼン環またはナフタレン環が直接結合したもの、あるいは、これらの環が−O−,−CO−,−S−,−SO2−,−CH2−,−C(CH3)2−等を介して結合したものでもよい。かかる芳香族基の具体例としては、フェニル基、ナフタレン基4,4’−イソプロピリデンジフェニル基、4,4’−ビフェニル基、3,4’−ビフェニル基、4,4’−ジフェニルスルフィド基、3,4’−ジフェニルスルフィド基、4,4’−ジフェニルスルホン基、3,4’−ジフェニルスルホン基、4,4’−ジフェニルケトン基、3,4’−ジフェニルケトン基、4,4’−ジフェニルエーテル基、3,4’−ジフェニルエーテル基、3,4’−ジフェニルエーテル基等を挙げることができる。
【0027】
これらの芳香族基において、その水素原子のうち1つまたは複数がそれぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基で置換されていてもよい。また、ポリマー鎖中にこれらの芳香族基が2種以上同時に併存してもかまわない。これら芳香族基の中でも、コストまたはカーボンナノチューブが様々な基質の中の化学基に化学的に反応できる又は物理的に結合できる観点から、フェニル基、ナフチル基、p−クロロフェニル基が特に好ましい。
【0028】
式(I)のアリールエステルの中のm、nはn/m≧10を満たす整数である。n/m値が10より小さいとカーボンナノチューブとしての形状を維持せず目的とする物性の改善の効果が無く好ましくない。n/m値の上限は特に制限が無いが好ましくは100000以下さらには10000以下が好ましい。
またカーボンナノチューブ中のアリールエステルの定量はX線光電子分光法(XPS)にて求めることが可能である。
【0029】
<カーボンナノチューブアリールアミド誘導体について>
また本発明は下記式(II)
【0030】
【化19】
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たし、CONHR”はカーボンナノチューブと直接結合した官能基で、R”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアミド誘導体である。
【0031】
式(II)のアミド誘導体中のR”は炭素数1〜30のアルキル基、及びまたは炭素数6〜20の芳香族基である。R”がアルキル基の場合アルキル鎖は直鎖状、分岐状いずれでもよくその水素原子のうち1つまたは複数がそれぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基で置換されていてもよい。
【0032】
この中でコスト、またはカーボンナノチューブが様々な基質の中の化学基に化学的に反応できる又は物理的に結合できる観点からメチル基、ドデシル基ペンタデシル基、オクタデシル基、1−アミノテトラメチレン基、1−アミノペンタメチレン基、および1−アミノヘキサメチレン基が特に好ましい。
【0033】
R”が芳香族基の場合は、置換されても良い炭素数6〜20の芳香族基であって先に述べたR’と同義であるが、アミノ基が置換されているものも好ましい例として挙げられる。この中でコスト、またはカーボンナノチューブが様々な基質の中の化学基に化学的に反応できる又は物理的に結合できる観点からフェニル基、ナフチル基p−アミノフェニル基、およびm−アミノフェニル基が好ましい。
【0034】
式(II)のアミド誘導体中のm、nはn/m≧10を満たす整数である。n/m値が10より小さいとカーボンナノチューブとしての形状を維持せず目的とする物性の改善の効果が無く好ましくない。n/m値の上限は特に制限が無いが好ましくは100000以下さらには10000以下が好ましい。
【0035】
また式(II)のアミド誘導体中のアミドの定量はX線光電子分光法(XPS)にて求めることが可能で有る。
【0036】
<製造方法>
本発明のもう1つの目的は、官能基化された該カーボンナノチューブの製造方法を提供することにある。
【0037】
以下、該カーボンナノチューブの製造方法について詳細に述べる。
【0038】
<カーボンナノチューブアリール誘導体の製造方法>
本発明は下記式(III)
【0039】
【化20】
Cn−(CO2H)m (III)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす)
と、下記式(IV)
【0040】
【化21】
R’−O−CO−O−R’ (IV)
(R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるジアリールカーボネートとを触媒の存在下にて反応させることを特徴とする下記式(I)
【0041】
【化22】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の製造方法である。
【0042】
本発明ではカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の製造において原料のカーボンナノチューブとして上記式(III)のカルボン酸を置換基として有するカーボンナノチューブを使用する。
【0043】
式中のn、mは先に述べたものと同義である。n/mの値はChemical PhysicsLetters 345 (2001) 25−28 記載の酸滴定により単層カーボンナノチューブ中に含まれるカルボン酸、エステル、およびアミドの量の量を測定することにより求めることが出来る。
【0044】
カルボン酸を有するカーボンナノチューブの製造方法としては、Scinece,280,(1998),1253記載の方法により製造することが可能である。
【0045】
また、本発明の製造方法で用いられるジアリールカーボネートは、例えば、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、およびジ−p−クロロフェニルカーボネート等が挙げられるが、これらのうちでもジフェニルカーボネートが特に好ましい。これらのジアリールカーボネートは単独で用いても、複数を同時に用いてもよい。
【0046】
反応における好ましい組成としては
10−6≦(a)/(b)≦106
[式中(a)は(III)で表されるカルボン酸を置換基として有するカーボンナノチューブの重量、(b)は(IV)で表されるジアリールカーボネートの重量を表す]
である。
【0047】
(III)で示すカーボンナノチューブ中のカルボン酸と(IV)で示されるジアリールカーボネートとを反応させることによりアリ−ルエステル体が得られるが、反応は触媒の存在下で行うことが好ましい。
【0048】
好ましい触媒としては
下記式(V)
【0049】
【化23】
【0050】
[上記式(V)中、R1、R2は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基および炭素数6〜12のアラルキル基から選ばれる少なくとも1種の基である。また、R1とR2とが結合して環を形成してもかまわない。R3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基および炭素数6〜12のアラルキル基から選ばれる少なくとも1種の基である。nは1〜4の整数を示す。]
で示されるピリジン系化合物の存在下で反応を行うことを特徴とする。
【0051】
このようなピリジン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−ピペリジノピリジン、4−ピロリノピリジン、2−メチル−4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。これらのうち、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジンが特に好ましい。
<カーボンナノチューブアミド誘導体の製造方法について>
また本発明は下記式(I)
【0052】
【化24】
Cn−(CO2R’)m (I)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CO2R’は炭素原子Cnと直接結合した官能基で、R’は置換されても良い芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステルと、下記式(VI)
【0053】
【化25】
R”−NH2 (VI)
(R”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるアミンとを反応させことを特徴とする下記式(II)
【0054】
【化26】
Cn−(CONHR”)m (II)
(式中、炭素原子Cnはカーボンナノチューブの炭素であり、n、mは整数でn/m≧10を満たす。CONHR”は炭素原子Cnと直接結合した官能基でR”は置換されても良いアルキル基、及びまたは芳香族基である。)
で表されるカーボンナノチューブアミド誘導体の製造方法である。
【0055】
原料のカーボンナノチューブとして上記式(II)中のR’は先に述べたカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の説明におけるものと同義であり、フェニルエステル、ナフチルエステル、p−クロロフェニルエステルが特に好ましい。
【0056】
反応に使用するアミンとしては上記式(VI)中のR”は先に述べたカーボンナノチューブアミド誘導体の説明におけるものと同義であり、アミンとしてはアニリン、ナフチルアミン、p−フェニレンジアミン、およびm−フェニレンジアミンが好ましい。
【0057】
反応における好ましい組成としては
10−6≦(c)/(d)≦106
[式中(c)は(I)で表されるカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の重量、(d)は(VI)で表されるアミンの重量を表す]
である。
【0058】
【発明の効果】
本発明のカーボンナノチューブのアリールエステル、アミド誘導体により、有機溶媒との親和性に優れ、高い有機反応性を示すカーボンナノチューブを提供することができる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0060】
IRはSHIMADZU IR−470を使用し、KBr錠剤法により測定したものである。酸処理によるカーボンナノチューブの酸化反応の進行はNicolet社製 FTラマン分光装置 Raman 950を用い1350cm−1付近のカーボンのディスオーダー由来のピーク(D−band)と1600cm−1付近のナノチューブのグラファイト表面由来のピーク(G−band)との面積比D/Gの増加により確認した。カーボンナノチューブ表面のカルボン酸、アリールエステル、アミドの定量はVG社製ESCALAB−200にて行った。
【0061】
[参考例1:カルボン酸を有する単層カーボンナノチューブの合成]
CarboLex社製単層カーボンナノチューブAPグレード0.2重量部に発煙硫酸300重量部を加えた後、発煙硝酸100重量部をゆっくりと滴下する。滴下が終了した後、70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて1時間処理する。反応終了後の溶液を1000重量部の水に加え希釈し孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過及び水にて水洗しカルボン酸を官能基として有する単層カーボンナノチューブを0.03重量部得た。単層カーボンナノチューブ中にカルボン酸を有することがIRスペクトルにより確認できた。この結果を図1に示す。
【0062】
[実施例1:単層カーボンナノチューブフェニルエステル体の合成]
参考例1にて得られたカルボン酸を官能基として有する単層カーボンナノチューブ0.1重量部に1重量部のフェノールを加え乳鉢にて10分間約70℃で処理したのちに70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて10分間処理し、これにジフェニルカーボネート10重量部、ジメチルアミノピリジン0.0061重量部を加え、常圧下200℃で反応を開始した。30分後常圧のまま220℃に昇温し、系内を徐々に減圧した。反応開始から3時間後さらに、昇温、減圧し、反応開始から5時間後、系内の最終到達温度を320℃、真空度を約0.5mmHg(66.7Pa)とし反応により生成したフェノール及びジフェニルカーボネートを系外へゆっくりと除去した。反応終了後残留物にジクロロメタンを加え孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過することで残留したフェノール及びジフェニルカーボネートを除去し0.08重量部の単層カーボンナノチューブフェニルエステル体を分離生成した。単層カーボンナノチューブ中にアリールエステル基を有することがIRスペクトルにより確認できた。この結果を図2に示す。
【0063】
[実施例2:単層カーボンナノチューブフェニルエステル体の合成]
ジフェニルカーボネートの代わりにp−ペンタデシルジフェニルカーボネートを10重量部を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、0.09重量部の単層カーボンナノチューブp−ペンタデシルフェニルエステル体を分離生成した。単層カーボンナノチューブ中に長鎖の脂肪族炭化水素基により置換されたアリールエステル基を有することはIRスペクトルにより確認した。
【0064】
[実施例3:単層カーボンナノチューブアミド体の合成]
実施例1にて得られた単層カーボンナノチューブフェニルエステル体0.1重量部に5重量部のフェノールを加え乳鉢にて10分間約70℃で処理したのちに70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて10分間処理し、メタフェニレンジアミン10重量部を加え、常圧下200℃で反応を開始した。30分後常圧のまま220℃に昇温した。反応開始から1時間後さらに、昇温し反応開始から3時間後、系内の最終到達温度を280℃、真空度を約0.5mmHg(66.7Pa)とし反応により生成したフェノール及びメタフェニレンジアミンを系外へゆっくりと除去した。反応終了後残留物にジクロロメタンを加え孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過することで残留したフェノール及びメタフェニレンジアミンを除去し0.9重量部の単層カーボンナノチューブフェニルアミド体を分離生成した。単層カーボンナノチューブ中にアミド基を有することがIRスペクトルにより確認できた。この結果を図3に示す。
【0065】
[実施例4:単層カーボンナノチューブアミド体の合成]
ステアリルアミン10重量部を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、0.97重量部の単層カーボンナノチューブステアリルアミド体を分離生成した。単層カーボンナノチューブ中にアミド基及び長鎖の脂肪族炭化水素を有することがIRスペクトルにより確認できた。この結果を図4に示す。
【0066】
[参考例2:カルボン酸を有する多層カーボンナノチューブの合成]
昭和電工社製多層カーボンナノチューブVGCF(D/G=0.13)2重量部に硫酸300重量部を加えた後、硝酸100重量部をゆっくりと滴下する。滴下が終了した後、70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて1時間処理する。反応終了後の溶液を1000重量部の水に加え希釈し孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過及び水にて水洗しカルボン酸を官能基として有するカーボンナノチューブを0.03重量部得た。得られたカーボンナノチューブのD/Gは0.36であった。
【0067】
[実施例5:多層カーボンナノチューブフェニルエステル体の合成]
参考例2にて得られたカルボン酸を官能基として有するカーボンナノチューブ0.1重量部に1重量部のフェノールを加え乳鉢にて10分間約70℃で処理したのちに70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて10分間処理し、これにジフェニルカーボネート10重量部、ジメチルアミノピリジン0.0061重量部を加え、常圧下200℃で反応を開始した。30分後常圧のまま220℃に昇温し、系内を徐々に減圧した。反応開始から3時間後さらに、昇温、減圧し、反応開始から5時間後、系内の最終到達温度を320℃、真空度を約0.5mmHg(66.7Pa)とし反応により生成したフェノール及びジフェニルカーボネートを系外へゆっくりと除去した。反応終了後残留物にジクロロメタンを加え孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過することで残留したフェノール及びジフェニルカーボネートを除去し0.08重量部のカーボンナノチューブフェニルエステル体を分離生成した。
【0068】
[実施例6:多層カーボンナノチューブアミド体の合成]
実施例5にて得られたカーボンナノチューブフェニルエステル体0.1重量部に5重量部のフェノールを加え乳鉢にて10分間約70℃で処理したのちに70℃の温水浴中で28kHzの超音波にて10分間処理し、アニリン10重量部を加え、常圧下200℃で反応を開始した。30分後常圧のまま220℃に昇温した。反応開始から1時間後さらに、昇温し反応開始から3時間後、系内の最終到達温度を280℃、真空度を約0.5mmHg(66.7Pa)とし反応により生成したフェノール及びアニリンを系外へゆっくりと除去した。反応終了後残留物にジクロロメタンを加え孔径0.22μmのテフロン製メンブレンフィルターにて吸引ろ過することで残留したフェノール及びメタフェニレンジアミンを除去し0.9重量部のカーボンナノチューブフェニルアミド体を分離生成した。
【0069】
以下表1に参考例2、実施例5〜6で得られたカーボンナノチューブ官能基化合物の定量結果を示す。
【0070】
【表1】
(―は検出限界以下)
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られた単層カーボンナノチューブのIRスペクトルである。
【図2】実施例1で得られた単層カーボンナノチューブのIRスペクトルである。
【図3】実施例3で得られた単層カーボンナノチューブのIRスペクトルである。
【図4】実施例4で得られた単層カーボンナノチューブのIRスペクトルである。
Claims (6)
- ジアリールカーボネートがジフェニルカーボネートである請求項3に記載のカーボンナノチューブアリールエステル誘導体の製造方法。
- 下記式(I)
で表されるカーボンナノチューブアリールエステルと、下記式(VI)
で表されるアミンとを反応させことを特徴とする下記式(II)
で表されるカーボンナノチューブアミド誘導体の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010024127A (ja) * | 2008-07-24 | 2010-02-04 | Toyota Central R&D Labs Inc | ニトロ化カーボンナノチューブおよび表面修飾カーボンナノチューブの製造方法 |
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- 2003-01-17 JP JP2003009432A patent/JP2004210754A/ja active Pending
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